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精々
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せい/″\
ふりがな文庫
“
精々
(
せい/″\
)” の例文
森久保氏の芸当といふと、
精々
(
せい/″\
)
逆立
(
さかだ
)
ちか、馬の鼻面を
嘗
(
な
)
める位が、手一杯だらうと思ふ人があるかも知れないが、なかなか
其麽物
(
そんなもの
)
でない——。
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
「
鞄
(
かばん
)
は
汚
(
よご
)
れたのが
伊達
(
だて
)
なんですとさ。——だから
新
(
あたら
)
しいのを。
何
(
ど
)
うぞ
精々
(
せい/″\
)
傷
(
いた
)
めて
来
(
き
)
て
下
(
くだ
)
さいな。」
最
(
も
)
う一つ
落着
(
おちつ
)
いたのは
十和田湖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
與吉
(
よきち
)
が三つに
成
(
な
)
つたのでおつぎは
他
(
よそ
)
へ
奉公
(
ほうこう
)
に
出
(
だ
)
すことに
夫婦
(
ふうふ
)
の
間
(
あひだ
)
には
決定
(
けつてい
)
された。
其
(
そ
)
の
頃
(
ころ
)
十五の
女
(
をんな
)
の
子
(
こ
)
では一
年
(
ねん
)
の
給金
(
きふきん
)
は
精々
(
せい/″\
)
十
圓
(
ゑん
)
位
(
ぐらゐ
)
のものであつた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
但
(
たゞ
)
しその
時代
(
じだい
)
には、
精々
(
せい/″\
)
打製石斧
(
だせいせきふ
)
か、
石鏃屑
(
せきぞくくづ
)
位
(
くらゐ
)
で、
格別
(
かくべつ
)
驚
(
おどろ
)
くべき
珍品
(
ちんぴん
)
は
手
(
て
)
に
入
(
い
)
らぬのであつた。
探検実記 地中の秘密:01 蛮勇の力
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
A イヤ
大
(
おほ
)
きに
結構
(
けつこう
)
。
双方
(
さうはう
)
で
一月
(
ひとつき
)
九十
錢
(
せん
)
づつの
散財
(
さんざい
)
だ。
精々
(
せい/″\
)
葉書
(
はがき
)
の
贅澤
(
ぜいたく
)
をやりたまへ。
ハガキ運動
(旧字旧仮名)
/
堺利彦
(著)
▼ もっと見る
○さりとも志を棄てんは惜しき時、一策あり、
精々
(
せい/″\
)
多く志を仕入れて、
処
(
ところ
)
嫌はず之を振廻さん事なり。成功を見ずと
雖
(
いへど
)
も、附け届けを見ん。
脊負
(
しよひ
)
切れざる程なるをもて、志の妙となす。
青眼白頭
(新字旧仮名)
/
斎藤緑雨
(著)
夫
(
そ
)
れよりは「
精々
(
せい/″\
)
うまい
物
(
もの
)
を
適度
(
てきど
)
に
食
(
く
)
へ」と
云
(
い
)
ふのが
最
(
もつと
)
も
簡單
(
かんたん
)
で
要領
(
えうれう
)
を
得
(
え
)
た
標語
(
へうご
)
である。
建築
(
けんちく
)
殊
(
こと
)
に
住家
(
ぢうか
)
でも、
正
(
まさ
)
にこの
通
(
とほ
)
りで、「
精々
(
せい/″\
)
善美
(
ぜんび
)
なる
建築
(
けんちく
)
を
造
(
つく
)
れ」と
云
(
い
)
ふのが
最後
(
さいご
)
の
結論
(
けつろん
)
である。
建築の本義
(旧字旧仮名)
/
伊東忠太
(著)
御
祈願所
(
きぐわんじよ
)
と御定め一ヶ年米三百
俵
(
ぺう
)
づつ
永代
(
えいだい
)
御
寄附
(
きふ
)
ある樣に我々
取計
(
とりはから
)
ひ申べし然すれば永く社頭の
譽
(
ほま
)
れにも相成候事なり
精々
(
せい/″\
)
御
働
(
はたら
)
き下されと事十分なる
頼
(
たの
)
みの
言葉
(
ことば
)
に肥前の申樣は御入用の金子は
何程
(
いかほど
)
か
存
(
ぞん
)
せねど
拙者
(
せつしや
)
に於ては三百兩を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
で、
精々
(
せい/″\
)
念を入れて式を行ふ事にした。結構な事さ、世の中に女の離縁状以外には、念を入れ過ぎて悪いといふ事は、何一つ無いのだから……。
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
……
友
(
とも
)
だちは、
反感
(
はんかん
)
と
輕侮
(
けいぶ
)
を
持
(
も
)
つ。
精々
(
せい/″\
)
同情
(
どうじやう
)
のあるのが
苦笑
(
くせう
)
する。と
云
(
い
)
つた
次第
(
しだい
)
だが……たゞ
俥
(
くるま
)
に
掛
(
か
)
けては
乘
(
の
)
り
方
(
かた
)
がうまい、と——
最
(
もつと
)
も
御容子
(
ごようす
)
ではない——
曳
(
ひ
)
いてる
車夫
(
わかいしゆ
)
に
讚
(
ほ
)
められた。
麻を刈る
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
これにつけても
追随者
(
エピゴーネン
)
を成るべくどつさり
有
(
も
)
ちたいものは、
食物
(
くひもの
)
も
精々
(
せい/″\
)
手軽なところを選ばねばならない事になる。
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
切符
(
きつぷ
)
を
買
(
か
)
つて、
改札口
(
かいさつぐち
)
を
出
(
で
)
て、
精々
(
せい/″\
)
、
着
(
き
)
た
切
(
きり
)
の
裾
(
すそ
)
へ
泥撥
(
どろはね
)
を
上
(
あ
)
げないやうに、
濡
(
ぬ
)
れた
石壇
(
いしだん
)
を
上
(
あが
)
ると、
一面
(
いちめん
)
雨
(
あめ
)
の
中
(
なか
)
に、
不知火
(
しらぬひ
)
の
浮
(
う
)
いて
漾
(
たゞよ
)
ふ
都大路
(
みやこおほぢ
)
の
電燈
(
でんとう
)
を
見
(
み
)
ながら、
横繁吹
(
よこしぶき
)
に
吹
(
ふ
)
きつけられて
大阪まで
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
老人は拍子木を貰つた礼に何を返したものだらうかと色々思案の末が、矢張
仏手藷
(
つくねいも
)
のやうな山水を
画
(
か
)
いていつもの禿山の代りに
精々
(
せい/″\
)
木立のこんもりした所を見せて送ることに決めた。
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
へい、それ
引込
(
ひきこ
)
め、と
仰有
(
おつしや
)
りますから、
精々
(
せい/″\
)
目着
(
めつか
)
りませんやうに、
突然
(
いきなり
)
蝋燭
(
らふそく
)
を
消
(
け
)
して
來
(
き
)
たでござります。
山
(
やま
)
の
蔭
(
かげ
)
に
成
(
な
)
りますで、
車
(
くるま
)
一
臺
(
だい
)
は
月夜
(
つきよ
)
でも、
一寸
(
ちよいと
)
目
(
め
)
には
着
(
つ
)
きますまいと
思
(
おも
)
ひまして、へい。
月夜車
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
精
常用漢字
小5
部首:⽶
14画
々
3画
“精”で始まる語句
精
精神
精悍
精進
精緻
精霊
精巧
精舎
精進潔斎
精力