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築
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きず
ふりがな文庫
“
築
(
きず
)” の例文
内実は
飽
(
あ
)
くまでも
鎖攘主義
(
さじょうしゅぎ
)
にして、ひたすら外人を
遠
(
とお
)
ざけんとしたるその一例をいえば、
品川
(
しながわ
)
に
無益
(
むえき
)
の
砲台
(
ほうだい
)
など
築
(
きず
)
きたるその上に
瘠我慢の説:04 瘠我慢の説に対する評論について
(新字新仮名)
/
石河幹明
(著)
この家の古い建築の仕方から見れば、いま食卓の据えてある土間の奥に
竈
(
かまど
)
が
築
(
きず
)
かれていて、朝夕に赤い火が燃えていたものと推測される。
夢は呼び交す:――黙子覚書――
(新字新仮名)
/
蒲原有明
(著)
衆の中に衆和をよんで、土かつぎも幾百年の積もりをなせば、やがては浄土を
築
(
きず
)
きえようか。あわれ、仏から見れば罪深い
業
(
ごう
)
の子だろうが
私本太平記:12 湊川帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
而して
我儕
(
われら
)
が折角骨折って小石を積み上げて居ると、無慈悲の鬼めが来ては唯一棒に打崩す。ナポレオンが
雄図
(
ゆうと
)
を
築
(
きず
)
くと、ヲートルルーが打崩す。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
そして、その
広
(
ひろ
)
い
屋敷
(
やしき
)
の
周囲
(
まわり
)
には、
土手
(
どて
)
が
築
(
きず
)
いてあって、その
土手
(
どて
)
へは、だれも
登
(
のぼ
)
れないように、とげのある、いろいろの
木
(
き
)
などが
植
(
う
)
えてありました。
女の魚売り
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
▼ もっと見る
このダムは、
山峡
(
さんきょう
)
につくった人工の池をせきとめている。それは巨大な
鉄筋
(
てっきん
)
コンクリートで
築
(
きず
)
いた
垣
(
かき
)
であった。水をせきとめるための巨大な壁であった。
超人間X号
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
その
下
(
もと
)
よりルウドヰヒ町を左に折れたる処に、トリエント産の大理石にて
築
(
きず
)
きおこしたるおほいへあり。これバワリアの首府に名高き見ものなる美術学校なり。
うたかたの記
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
山谷から
三輪
(
みのわ
)
に通ずる八丁の土手は、諸大名に命じて
築
(
きず
)
かせた荒川の水
除
(
よ
)
けで、これを日本堤と言ったのには、いろいろの江戸人らしい伝説や付会があります。
銭形平次捕物控:174 髷切り
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
手に
一条
(
ひとすじ
)
大身
(
おおみ
)
の
槍
(
やり
)
を
提
(
ひっさ
)
げて、
背負
(
しょ
)
った女房が死骸でなくば、死人の山を
築
(
きず
)
くはず、無理に
手活
(
ていけ
)
の花にした、
申訳
(
もうしわけ
)
の
葬
(
とむらい
)
に、医王山の美女ヶ原、花の中に
埋
(
うず
)
めて帰る。
薬草取
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
土で竈を
築
(
きず
)
く風習と一しょであったために、
爰
(
ここ
)
ばかりでは是を別の語として受け入れたので、日本全体からいうと是もまた
由緒
(
ゆいしょ
)
久しい一つの古語であろうと思う。
木綿以前の事
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
落城後
(
らくじょうご
)
間
(
ま
)
もなく、
城跡
(
しろあと
)
の一
部
(
ぶ
)
に
三浦
(
みうら
)
一
族
(
ぞく
)
の
墓
(
はか
)
が
築
(
きず
)
かれましたので、
私
(
わたくし
)
は
自分
(
じぶん
)
の
住居
(
じゅうきょ
)
からちょいちょい
墓参
(
ぼさん
)
をいたしましたが、
墓
(
はか
)
の
前
(
まえ
)
で
眼
(
め
)
を
瞑
(
つむ
)
って
拝
(
おが
)
んで
居
(
お
)
りますと
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
その並木道の一つで第一回の
興行
(
こうぎょう
)
がすることにした。すると
初日
(
しょにち
)
からもう見物の山を
築
(
きず
)
いた。
家なき子:01 (上)
(新字新仮名)
/
エクトール・アンリ・マロ
(著)
「それではまるで、他人がこの
城
(
しろ
)
を
築
(
きず
)
いてくれるようなものだ。なぜだ? なぜそんなにして秀吉の
住居
(
すまい
)
をみんなして
作
(
つく
)
ってくれるのか」
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
空になった
甕
(
かめ
)
は、いずれも毛嫌いされて、家の中には再び入れてもらえず、一旦は公園の中に持ちこまれて、甕の山を
築
(
きず
)
いたが、万一この甕の山が爆発したら
時限爆弾奇譚:――金博士シリーズ・8――
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
このとき、ふと
目
(
め
)
を
上
(
あ
)
げて
沖
(
おき
)
の
方
(
ほう
)
をながめますと、
真
(
ま
)
っ
黒
(
くろ
)
な
壁
(
かべ
)
を
築
(
きず
)
いたように
海
(
うみ
)
が
浮
(
う
)
き
上
(
あ
)
がったのです。そして、ひどいとどろきをあげて
陸
(
おか
)
に
向
(
む
)
かって
押
(
お
)
し
寄
(
よ
)
せてまいりました。
黒い塔
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
町を流るゝ
大川
(
おおかわ
)
の、
下
(
しも
)
の
小橋
(
こばし
)
を、もつと
此処
(
ここ
)
は下流に成る。やがて
潟
(
かた
)
へ落ちる
川口
(
かわぐち
)
で、
此
(
こ
)
の田つゞきの
小流
(
こながれ
)
との
間
(
あいだ
)
には、
一寸
(
ちょっと
)
高く
築
(
きず
)
いた
塘堤
(
どて
)
があるが、
初夜
(
しょや
)
過ぎて町は遠し、村も
静
(
しずま
)
つた。
光籃
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
でもわたしは母にたのんで、この人のために大理石の
墓
(
はか
)
を
築
(
きず
)
かせた。その墓の上にはカルロ・バルザニの
半身像
(
はんしんぞう
)
をすえさせた。その半身像の
複製
(
ふくせい
)
はこうして書いているわたしの
卓上
(
たくじょう
)
にあった。
家なき子:02 (下)
(新字新仮名)
/
エクトール・アンリ・マロ
(著)
母が
日傘
(
ひがさ
)
を横にして
会釈
(
えしゃく
)
し、
最早
(
もう
)
熊本に帰っても宜しゅうございましょうかと云うた。
宜
(
よ
)
いとも/\、
皆
(
みんな
)
ひどい目に
会
(
あ
)
った
喃
(
なあ
)
。と士官が馬上から
挨拶
(
あいさつ
)
した。
其処
(
そこ
)
に
土俵
(
どひょう
)
で
築
(
きず
)
いた
台場
(
だいば
)
——
堡塁
(
ほるい
)
があった。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
「——が、官兵衛父子を救うために、わが大軍を出すことはできない。中国のことは、安土を
築
(
きず
)
くようなわけには参らん」
黒田如水
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
そしてその部屋には、土や石で
築
(
きず
)
いた寝台のようなものがあり、壁にはさまざまの
浮
(
う
)
き
彫
(
ぼ
)
りで、絵画や模様らしきものや
不可解
(
ふかかい
)
な古代文字のようなものが
刻
(
きざ
)
まれてあった。
霊魂第十号の秘密
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
一
日
(
にち
)
に、
二人
(
ふたり
)
や、三
人
(
にん
)
は、
金持
(
かねも
)
ちにとって、なんでもなかったけれど、いつしか、このうわさがひろまるにつれて、十
人
(
にん
)
、二十
人
(
にん
)
と、
毎日
(
まいにち
)
金持
(
かねも
)
ちの
門
(
もん
)
の
前
(
まえ
)
には、もらいのものが
黒
(
くろ
)
い
山
(
やま
)
を
築
(
きず
)
きました。
船でついた町
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
「城兵が死を決して出てくる
公算
(
こうさん
)
は多分にある。まず、
柵
(
さく
)
をたてよ。
桝形
(
ますがた
)
の
望楼
(
ぼうろう
)
も
築
(
きず
)
け。そして、城内へ、
遠矢
(
とおや
)
、鉄砲を撃ちこみ、昼も夜も眠らすな」
新書太閤記:11 第十一分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「短時日の仕上げこそ、このばあいの第一だぞ。おそくも二十日うちに
築
(
きず
)
き上げよ」
私本太平記:04 帝獄帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
厚く
築
(
きず
)
いた
窯
(
かま
)
の土が、人間の血を日に
透
(
す
)
かして見るように赤く見えてきた。
増長天王
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
築
常用漢字
小5
部首:⽵
16画
“築”を含む語句
建築
築地
築土
築造
築墻
築上
築土垣
建築物
築地塀
新築
杵築
築泥
築港
修築
築出
築庭
築洲
築立
築地垣
築垣
...