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白
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はく
ふりがな文庫
“
白
(
はく
)” の例文
中空に漂うて、それは一点の
白
(
はく
)
、高雅なアトムを撒きちらしてゐた。(いちど「静」のなかで羽根を憩うた、あの「動」の相で…)
雪
(新字旧仮名)
/
高祖保
(著)
駅中に土神八幡の祠あり。これは昔年よりありしを慶長の乱に西軍これを焼けり。後元和中越前侯
忠直
(
たゞなほ
)
(一
白
(
はく
)
)再脩せり。此所神祖
御榻
(
ぎよたふ
)
の迹なり。
伊沢蘭軒
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
見渡すかぎり
白
(
はく
)
皚皚
(
がいがい
)
、まれに見る氷の裂け目か、氷丘の黒い影のほかには、一点のさえぎるものなき一大氷原である。遙か南方に
碧
(
あお
)
い海の狭い通路がみえる。
世界怪談名作集:09 北極星号の船長 医学生ジョン・マリスターレーの奇異なる日記よりの抜萃
(新字新仮名)
/
アーサー・コナン・ドイル
(著)
起きて来た
連中
(
れんぢゆう
)
が一銭銅貨を投げる
振
(
ふり
)
をすると彼は
頭
(
かぶり
)
を振つて応じない。五銭
白
(
はく
)
銅以上を要求するのである。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
ひろいところに雪が
白
(
はく
)
皚々
(
がいがい
)
でしょう? それを白い障子のたった明るい室で見て、白い紙の字をよんだり書いたりする毎日だもの! ほんとにめくらになります
獄中への手紙:08 一九四一年(昭和十六年)
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
▼ もっと見る
其の頃「此の露で伽羅墨練らん
白
(
はく
)
牡丹」と云う句が有り「吉原の
奢
(
おごり
)
始めは笠に下駄」という川柳が有りますが、仙台侯は伽羅の
木履
(
ぽくり
)
を
穿
(
は
)
いて吉原へおはこびになり
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分):02 粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
李意は少し筆をやすめて自分の絵を見ていたが、やがてその図の上に一字「
白
(
はく
)
」と書いて筆を投じ
三国志:10 出師の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
月より流るゝ
風
(
かぜ
)
梢
(
こずえ
)
をわたる
毎
(
ごと
)
に、一庭の
月光
(
げつくわう
)
と
樹影
(
じゆえい
)
と
相抱
(
あひいだ
)
いて
跳
(
おど
)
り、
白
(
はく
)
揺
(
ゆ
)
らぎ
黒
(
こく
)
さゞめきて、
其中
(
そのなか
)
を
歩
(
ほ
)
するの
身
(
み
)
は、
是
(
こ
)
れ
無熱池
(
むねつち
)
の
藻
(
も
)
の
間
(
ま
)
に
遊
(
あそ
)
ぶの
魚
(
うを
)
にあらざるかを
疑
(
うたが
)
ふ。
良夜
(新字旧仮名)
/
徳冨蘆花
(著)
半井うしがもとを
出
(
いで
)
しは四時ころ成りけん、
白
(
はく
)
皚々
(
がいがい
)
たる雪中、りん/\たる寒気をおかして帰る。
樋口一葉
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
右も桜左も桜、上も桜下も桜、天地は桜の花にうずもれて
白
(
はく
)
一白
(
いっぱく
)
、
落英
(
らくえい
)
繽紛
(
ひんぷん
)
として顔に冷たい。
ああ玉杯に花うけて
(新字新仮名)
/
佐藤紅緑
(著)
そこで、おおかみは、
荒物屋
(
あらものや
)
の店へ出かけて、大きな
白
(
はく
)
ぼくを一本買って来て、それをたべて、声をよくしました。それからまたもどってきて、戸をたたいて、大きな声で
おおかみと七ひきのこどもやぎ
(新字新仮名)
/
ヤーコプ・ルートヴィッヒ・カール・グリム
、
ヴィルヘルム・カール・グリム
(著)
「あの金は、荐橋双茶坊
巷
(
こう
)
の
秀王墻
(
しゅうおうしょう
)
対面に住んでおります、
白
(
はく
)
と云う女からもらいました」
蛇性の婬 :雷峰怪蹟
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
阿Qの話では、彼は
挙人太爺
(
きょじんだんな
)
の
家
(
うち
)
のお手伝をしていた。この一節を聴いた者は皆かしこまった。この
老爺
(
だんな
)
は姓を
白
(
はく
)
といい城内切っての挙人であるから改めて姓をいう必要がない。
阿Q正伝
(新字新仮名)
/
魯迅
(著)
天気
朦朧
(
もうろう
)
たる事
数日
(
すじつ
)
にして
遠近
(
ゑんきん
)
の
高山
(
かうざん
)
に
白
(
はく
)
を
点
(
てん
)
じて雪を
観
(
み
)
せしむ。これを
里言
(
さとことば
)
に
嶽廻
(
たけまはり
)
といふ。又
海
(
うみ
)
ある所は
海鳴
(
うみな
)
り、山ふかき処は山なる、遠雷の如し。これを里言に
胴鳴
(
どうな
)
りといふ。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
此間
(
このあひだ
)
迄
向
(
むかふ
)
の土手にむら
躑躅
(
つゝぢ
)
が、
団団
(
だんだん
)
と紅
白
(
はく
)
の模様を青い
中
(
なか
)
に印してゐたのが、丸で
跡形
(
あとかた
)
もなくなつて、のべつに草が
生
(
お
)
い茂つてゐる高い傾斜の
上
(
うへ
)
に、大きな
松
(
まつ
)
が何十本となく並んで
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
来青花その
大
(
おほい
)
さ桃花の如く六瓣にして、其の色は
黄
(
くわう
)
ならず
白
(
はく
)
ならず恰も琢磨したる象牙の如し。
而
(
しか
)
して花瓣の肉
甚
(
はなはだ
)
厚く、
仄
(
ほのか
)
に臙脂の
隈取
(
くまどり
)
をなせるは正に佳人の
爪紅
(
つまべに
)
を施したるに譬ふべし。
来青花
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
李の
唱
(
うた
)
う曲やその間へはいる
白
(
はく
)
につれて、いろいろ
所作
(
しょさ
)
をするようになると、見物もさすがに冷淡を装っていられなくなると見えて、追々まわりの人だかりの中から、
※子大
(
そうしだい
)
などと云う声が
仙人
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
茶屋の際の葉柳の
下枝
(
しずえ
)
を
潜
(
くぐ
)
って、ぬっくりと黒く
顕
(
あら
)
われたのは、
鬣
(
たてがみ
)
から尾に至るまで六尺、
長
(
たけ
)
の高きこと三尺、全身墨のごとくにして
夜眼
(
やがん
)
一点の
白
(
はく
)
あり、名を夕立といって知事の君が秘蔵の愛馬。
黒百合
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
王上
(
おうじょう
)
に
白
(
はく
)
を冠すれば、
其
(
その
)
文
(
ぶん
)
は皇なり、
儲位
(
ちょい
)
明らかに定まりて、太祖未だ崩ぜざるの時だに、
是
(
かく
)
の
如
(
ごと
)
きの怪僧ありて、燕王が為に白帽を奉らんとし、
而
(
しこう
)
して燕王
是
(
かく
)
の如きの怪僧を
延
(
ひ
)
いて
帷幙
(
いばく
)
の中に
居
(
お
)
く。
運命
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
白
(
はく
)
牡丹さける車のかよひ路に
砂金
(
しやごん
)
しかせて暮を待つべき
舞姫
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
じっさい、べきべきたる
濃霧
(
のうむ
)
の
白
(
はく
)
一
白
(
ぱく
)
よりほかは、なにものも見えないのである。
少年連盟
(新字新仮名)
/
佐藤紅緑
(著)
ケダシ少陵ハ忠憤ナレドモ
頗
(
すこぶる
)
婆心ニ近シ。
青蓮
(
せいれん
)
ノ仙風実ハ
虚誕
(
きょたん
)
ニ
渉
(
わた
)
ル。
韓蘇
(
かんそ
)
ハ
鉤棘
(
こうきょく
)
、
白
(
はく
)
氏ハ浅俗ナリ。妙ハ
則
(
すなわち
)
妙ナリトイヘドモヤヤ、清雅ナラズ。アヽ詩聖詩仙、詩家詩伯、敬スベク
遠
(
とおざ
)
クベシ。
下谷叢話
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
白
(
はく
)
と申します、私の家は
白三班
(
はくさんぱん
)
で、私は
白直殿
(
はくちょくでん
)
の妹で
張
(
ちょう
)
と云う家へ
嫁
(
かたづ
)
いておりましたが、主人が歿くなりましたので、今日はその墓参をいたしましたが、こんな雨になって、困っているところを
蛇性の婬 :雷峰怪蹟
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
或方
(
あるかた
)
から御教示を受けましたから、長二郎の一件に
入用
(
いりよう
)
の所だけを
摘
(
つま
)
んで平たく申しますと、唐の聖人孔子様のお孫に、
※
(
きゅう
)
字
(
あざな
)
は
子思
(
しゝ
)
と申す方がございまして、そのお子を
白
(
はく
)
字
(
あざな
)
は
子上
(
しじょう
)
と申しました
名人長二
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
竹童
(
ちくどう
)
があいずの
狼煙
(
のろし
)
をみて、この地方に敵ありと知った
武田伊那丸
(
たけだいなまる
)
は、
白旗
(
しらはた
)
の
森
(
もり
)
に
軍旅
(
ぐんりょ
)
をととのえ、
裾野陣
(
すそのじん
)
の
降兵
(
こうへい
)
をくわえた約千余の人数を、
星
(
せい
)
、
流
(
りゅう
)
、
騎
(
き
)
、
白
(
はく
)
、
幻
(
げん
)
の五段にわかち、
木隠
(
こがくれ
)
、
巽
(
たつみ
)
、
山県
(
やまがた
)
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
白
(
はく
)
銅の
持合
(
もちあはせ
)
が無いので一人が十銭銀貨を
投
(
なげ
)
入れると、彼は黒い大きな
体
(
たい
)
を
斜
(
なゝめ
)
に海中に跳らせて銀貨が
未
(
ま
)
だ波の間を舞つて居る瞬間に其れを捉へて
上
(
あが
)
つて来る。ベツクリンの絵の中の怪物の心地がした。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
“白”の解説
白(しろ)またはホワイトは、全ての色の可視光線が乱反射されたときに、その物体の表面を見たヒトが知覚する色である。白色(ハクショク、しろいろ)は同義語。無彩色で、膨張色の一つである。
(出典:Wikipedia)
白
常用漢字
小1
部首:⽩
5画
“白”を含む語句
蒼白
白痴
面白
明白
白衣
白々
白眼
白楊
白光
淡白
白粉
白布
白馬
白地
白襯衣
生白
白銀
白金
黒白
白昼
...