“海鳴”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
うみな53.8%
うみなり46.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
顕家は綿わたのごとく疲れていたのにさてなかなか眠れなかった。——山風はつよく、麓では遠い兵馬の喧騒が海鳴うみなりに似、夜じゅう、何か事ありげだった。
私本太平記:10 風花帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ぼくたちは、よるとなく、ひるとなく、あのゴーウ、ゴーウとほえるような、また遠方えんぽうで、ダイナマイトでいしくだくような海鳴うみなりをきながら、家事かじのてつだいをしたり
風雨の晩の小僧さん (新字新仮名) / 小川未明(著)
証拠には、吊床——の上に戻ろうとした時、たけり狂う海鳴うみなりの音や、例の無気味なきしみ音を、はっきり身近に感ずることが出来た。
秘境の日輪旗 (新字新仮名) / 蘭郁二郎(著)
彼は少しも立止ったり、あとをふりかえったりしないで、どんどん先を急ぐうちに、やがて遠くから海鳴うみなりの音が聞えて来ました。