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ひとりもの
ふりがな文庫
“
独身者
(
ひとりもの
)” の例文
炭焼きの勘太郎は妻も子も無い
独身者
(
ひとりもの
)
で、毎日毎日奥山で炭焼
竈
(
がま
)
の前に立って煙の立つのを眺めては、淋しいなあと思っておりました。
虫の生命
(新字新仮名)
/
夢野久作
、
海若藍平
(著)
もちろん恩人には相違ないが、李も
独身者
(
ひとりもの
)
だ。崔の娘がまだ十三、四のころから関係をつけてしまって、妾のようにしていたのだ。
女侠伝
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
霰弾
(
さんだん
)
の中でひとりの兵士が、「ここはまったく
独身者
(
ひとりもの
)
の朝飯のようだ」と言ったのを、実際耳にした男をわれわれは知っている。
レ・ミゼラブル:08 第五部 ジャン・ヴァルジャン
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
「何故といつて、奥さん、女房持ちの男が
怖
(
こは
)
がるのは、たつた一人の女ですが、
独身者
(
ひとりもの
)
は女全体を恐ろしがるんですからね。」
茶話:04 大正七(一九一八)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
「私は帰る処ですが、おかまいなければ、これから私の家へ遊びに往きませんか、
何人
(
だれ
)
も他におりません、
独身者
(
ひとりもの
)
ですから」
牡蠣船
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
▼ もっと見る
此年の春早く、
連合
(
つれあひ
)
に死別れたとかで
独身者
(
ひとりもの
)
の法界屋が、其旅宿に泊つた事がある。お夏の挙動は其夜甚だ怪しかつた。
葬列
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
「イヤそうでない、全くうまいものだ、これほど技があるなら人の
門
(
かど
)
を流して歩かないでも弟子でも取った方が楽だろうと思う、お前
独身者
(
ひとりもの
)
かね?」
女難
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
勇「若くって
独身者
(
ひとりもの
)
でいるから、随分女も泊りに来るだろう、
併
(
しか
)
し其の女は人の悪いようなものではないか」
怪談牡丹灯籠:04 怪談牡丹灯籠
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「徳な男だったよ。皆を撲って置いて、撲り返されたことは一遍もないらしい。それというのは皆妻子があるから首のことを考える。此奴は
独身者
(
ひとりもの
)
だから気が強い」
変人伝
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
「そんな事は
必
(
ママ
)
して云うもんじゃあありませんわ、いかにも
独身者
(
ひとりもの
)
らしい言葉じゃありませんの」
千世子
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
「でも根気よく探していれば、どこかで見つかるわ。それに女は
独身者
(
ひとりもの
)
じゃないんだから」
鉄の処女
(新字新仮名)
/
大倉燁子
(著)
負けずに横合いからのり出したは、その伝次の
隣家
(
となり
)
に住んでいる
独身者
(
ひとりもの
)
のお
爺
(
じい
)
さんで。
丹下左膳:03 日光の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
然
(
しか
)
るを
愚図々々
(
ぐづ/\
)
と
賢
(
さか
)
しらだちて
罵
(
のゝし
)
るは
隣家
(
となり
)
のお
菜
(
かず
)
を
考
(
かんが
)
へる
独身者
(
ひとりもの
)
の
繰言
(
くりごと
)
と
何
(
なん
)
ぞ
択
(
えら
)
まん。
為文学者経
(新字旧仮名)
/
内田魯庵
、
三文字屋金平
(著)
何しろ
滅法
(
めっぽう
)
安値
(
やす
)
い家で、立派な
門構
(
もんがまえ
)
に、庭も広し、座敷も
七間
(
ななま
)
あって、それで家賃が
僅
(
わず
)
かに月三円五十銭というのだから、当時まだ
独身者
(
ひとりもの
)
の自分には、願ったり
適
(
かな
)
ったりだと喜んで
怪物屋敷
(新字新仮名)
/
柳川春葉
(著)
独身者
(
ひとりもの
)
のよく乗りまわすような
半蓋馬車
(
ブリーチカ
)
がいよいよ旅館の門をすべり出たのである。
死せる魂:02 または チチコフの遍歴 第一部 第二分冊
(新字新仮名)
/
ニコライ・ゴーゴリ
(著)
七歳の
初発心
(
しょほっしん
)
二十四の暁に
成道
(
じょうどう
)
して師匠も
是
(
これ
)
までなりと許すに珠運は
忽
(
たちま
)
ち思い立ち
独身者
(
ひとりもの
)
の気楽さ親譲りの家財を売ってのけ、いざや奈良鎌倉日光に昔の
工匠
(
たくみ
)
が跡
訪
(
と
)
わんと少し
許
(
ばかり
)
の道具を肩にし
風流仏
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
「姉さん、間違えちゃいけないよ、こっちは
独身者
(
ひとりもの
)
なんですから」
大菩薩峠:26 めいろの巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
その又木某は身寄タヨリのない全くの
独身者
(
ひとりもの
)
で、兼てから湊屋仁三郎と水野某を保証人として何千円かの生命保険に加入していた。又木
曰
(
いわ
)
く
近世快人伝
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
かれは
独身者
(
ひとりもの
)
で、終日表の戸をあけないのを近所の者が不審に思って
窺
(
うかが
)
うと、彼はいつの間にか死んでいたというのである。
明治劇談 ランプの下にて
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
独身者
(
ひとりもの
)
ゆえ看病人も有りませんが、近所の人が来ては看病をしてくれますが、万事
行届
(
ゆきとゞ
)
かん勝でございます、なれども田舎
気質
(
かたぎ
)
のものは親切でございますゆえ
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分):02 粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「壮い
独身者
(
ひとりもの
)
のところじゃ、そりゃ女も泊りに来るだろうよ。で、その女が悪党だとでも云うのか」
円朝の牡丹灯籠
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
女といふものは、亭主持で居ながら、外へ出ると
処女
(
きむすめ
)
か
独身者
(
ひとりもの
)
からしい顔をしたがるものなのだ。
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
それは退職の陸軍中佐か二等大尉、
乃至
(
ないし
)
は百人ぐらいの
農奴
(
のうど
)
を持っている地主といった、まあ一口に言えば、中流どころの紳士と呼ばれるような
独身者
(
ひとりもの
)
がよく乗りまわしている型の馬車で。
死せる魂:01 または チチコフの遍歴 第一部 第一分冊
(新字新仮名)
/
ニコライ・ゴーゴリ
(著)
けれども笑ったりしちゃいけないよ伯父さんは金持で
独身者
(
ひとりもの
)
だから、
若
(
も
)
し気に入れば乃公に財産を譲るかも知れないんだそうだ。かも知れないは心細いが、全く当のないよりか
得
(
まし
)
だと思う。
いたずら小僧日記
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
「かまわないとも。
独身者
(
ひとりもの
)
ののん気な世帯だ。お前さんさえいたいなら、いつまででもいなさるがいい。だが待てよ、この節はばかに人別がきびしくてな、大家のほうへは何と届けておこう?」
つづれ烏羽玉
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
サ、何もそんなに感心する事はなかろう、今度のようなちよっとした
風邪
(
かぜ
)
でも
独身者
(
ひとりもの
)
ならこそ
商売
(
あきない
)
もできないが女房がいれば世話もしてもらえる店で商売もできるというものだ、そうじゃアないか
置土産
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
そいつが吾輩と同様
独身者
(
ひとりもの
)
の晩酌で、
羽化登仙
(
うかとうせん
)
しかけているところへ、友吉の屍体を
担
(
かつ
)
ぎ込んで、何でもいいから黙って死亡診断書を書いてくれと云うと
爆弾太平記
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
ある日の午後、
独身者
(
ひとりもの
)
の善昌が近所へ用達しに出ると、その留守へやはり近所のお国という女が参詣に来た。
半七捕物帳:21 蝶合戦
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
見
(
み
)
ると
煎餅
(
せんべい
)
のやうな
薄
(
うす
)
つぺらの
蒲団
(
ふとん
)
で
爪
(
つめ
)
で
引掻
(
ひつか
)
くとポロ/\
垢
(
あか
)
が
落
(
おち
)
る冷たさうな
蒲団
(
ふとん
)
の
上
(
うへ
)
に
転
(
ころ
)
がつて
居
(
ゐ
)
るが、
独身者
(
ひとりもの
)
だから
薬
(
くすり
)
一
服
(
ぷく
)
煎
(
せん
)
じて
飲
(
の
)
む事も
出来
(
でき
)
ない
始末
(
しまつ
)
、金
黄金餅
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
女を捨てる事を草履を
穿
(
は
)
き換へる位にしか思つてない人でも、その草履を
独身者
(
ひとりもの
)
の哲学者が、つい足に突つ掛けるのを見ると、急にまた惜しくなつて、
嫉
(
や
)
けて
妬
(
や
)
けて溜らなくなるらしい。
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
そういう
隠処
(
かくれが
)
のある世帯持は幸福だが、情けないのは
独身者
(
ひとりもの
)
で!
死せる魂:02 または チチコフの遍歴 第一部 第二分冊
(新字新仮名)
/
ニコライ・ゴーゴリ
(著)
「べつになんでもありませんよ、あなたのような
独身者
(
ひとりもの
)
ですよ」
岐阜提灯
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
紋作はまだ
独身者
(
ひとりもの
)
で、下谷の五条天神から遠くない横町の、小さい小間物屋の二階に住んでいるのであった。
半七捕物帳:38 人形使い
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
お安さんという
独身者
(
ひとりもの
)
で、村一番の
吝
(
けち
)
ン
坊
(
ぼう
)
の六十婆さんが、鎮守様のお祭りの晩に不思議な死にようをした。
いなか、の、じけん
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
茂「此の間中
独身者
(
ひとりもの
)
で居るから、棚から物を卸そうとすると、
砂鉢
(
すなばち
)
が
落
(
おっこ
)
って
此様
(
こんな
)
に疵が付いたのさ」
霧陰伊香保湯煙
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
佐兵衛はもう五十ぐらいの
独身者
(
ひとりもの
)
で、冬になるといつも疝気に悩んでいる男であった。ほかの二人は伝七と長作と云って、これも四十を越した独身者であった。
半七捕物帳:06 半鐘の怪
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
つまり着物道楽は
独身者
(
ひとりもの
)
の心理表現で、文化生活は夫婦者の理想の発表とでも定義しようか。
街頭から見た新東京の裏面
(新字新仮名)
/
夢野久作
、
杉山萠円
(著)
もし男の胴着や何かは女には
着悪
(
きにく
)
いが、
家
(
うち
)
には
独身者
(
ひとりもの
)
ですから、女が
居
(
い
)
るには
居
(
お
)
りますが女の部には
這入
(
はいら
)
ねえで、女の大博士に成っちまって、羽が生えて飛びそうな
雇婆
(
やといばゝあ
)
です
松と藤芸妓の替紋
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
六の
独身者
(
ひとりもの
)
で、お近の心はそちらになびいていたが、何分にも金田にくらべると佐藤は小身であり、且は道楽者で
身上
(
しんしょう
)
も悪いので、金田と張り合うだけの力はなく
半七捕物帳:69 白蝶怪
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
まア
宜
(
い
)
いじゃア無いか、今夜は泊って
往
(
い
)
き給え、是から福井町へ帰れば、貸座敷と云っても
余
(
あんま
)
り
好
(
い
)
いのは無いが色を売る処、
殊
(
こと
)
に君は
独身者
(
ひとりもの
)
だから遊女にでも引ッかゝると詰らんよ
霧陰伊香保湯煙
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
見るとこの
家
(
うち
)
の主人は五十ばかりのお爺さんですが、
独身者
(
ひとりもの
)
と見えてお神さんも子供も居ず、たった一人で一生懸命鉄槌で
鉄敷
(
かなしき
)
をたたいて、テンカンテンカンと蹄鉄を作っています。
豚吉とヒョロ子
(新字新仮名)
/
夢野久作
、
三鳥山人
(著)
西岡は十五の年に父にわかれ、十八の年に母をうしなって、ことし
二十歳
(
はたち
)
の
独身者
(
ひとりもの
)
である。——と、まず彼の戸籍しらべをして置いて、それから本文に取りかかることにする。
離魂病
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
この
独身者
(
ひとりもの
)
の憐れな年寄の悩みを救って下さるのは
貴女
(
あなた
)
お一人です。貴女なしには私は生きて行けなくなったのです。どうぞこの独身者の淋しい教育家を憐れんで下さい……ね……ね。
少女地獄
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
只一人
斯
(
かゝ
)
る山の中に居って、
躬
(
みずか
)
ら
自然薯
(
じねんじょ
)
を掘って来るとか、
或
(
あるい
)
は
菌
(
きのこ
)
を
採
(
と
)
るとか、
薪
(
たきゞ
)
を採るとか、女ながら随分荒い稼ぎをして
微
(
かす
)
かに暮しておるという
独身者
(
ひとりもの
)
さ、見れば器量もなか/\
好
(
よ
)
い
菊模様皿山奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
伝四郎は今年
二十歳
(
はたち
)
の
独身者
(
ひとりもの
)
で、これも父に似て骨格のたくましい
寡言
(
むくち
)
の男であった。
半七捕物帳:33 旅絵師
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
又作を
縊
(
くび
)
り殺し、此の
家
(
うち
)
へ火を
放
(
つ
)
ければ、又作は酒の上で喰い倒れて、
独身者
(
ひとりもの
)
ゆえ
無性
(
ぶしょう
)
にして火事を出して
焼死
(
やけし
)
んだと、世間の人も思うだろうから、
今宵
(
こよい
)
又作を殺して此の
家
(
や
)
へ火を
放
(
つ
)
けようと
西洋人情話 英国孝子ジョージスミス之伝
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
どうぞどうぞこの淋しい
独身者
(
ひとりもの
)
を憐れんで下さい……とね。ホホホ……
少女地獄
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
殆どなんの手がかりも無いので、さすがの半七も眼のつけどころに困った。しかし冠蔵はもう三十に近い男で、家には女房もある、子供もある。紋作は若い
独身者
(
ひとりもの
)
で、のんきに飛びあるいている。
半七捕物帳:38 人形使い
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
何時
(
いつ
)
も御無事で、此の人は僕の
知己
(
ちかづき
)
にて萩原新三郎と申します
独身者
(
ひとりもの
)
でございますが、お近づきの
為
(
た
)
め
一寸
(
ちょっと
)
お
盃
(
さかづき
)
を頂戴いたさせましょう、おや何だかこれでは御婚礼の
三々九度
(
さかづき
)
のようでございます
怪談牡丹灯籠:04 怪談牡丹灯籠
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
実は火を
放
(
つ
)
ける訳ではなかったが、おかめも亭主の有る身の上ではなし、
私
(
わし
)
も
独身者
(
ひとりもの
)
ゆえ
遂
(
つい
)
悪いことをした処、百姓共が大勢寄ってたかって、叩き殺すと鋤鍬を持って取巻かれ、
逃処
(
にげどころ
)
がないゆえ
塩原多助一代記
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
“独身者”の意味
《名詞》
配偶者がいない独身の者。
(出典:Wiktionary)
“独身者(
独身
)”の解説
独身(どくしん, Single, Unmarried person)は、未婚あるいは配偶者との離婚・死別により寡婦・寡夫になった者。婚姻関係がない状態またはその者(独身者)のこと。なお「未婚」は結婚経験がなく独身の状態またはその者(未婚者)を指し、配偶者と離別または死別して独身となった場合は「未婚」ではないため、「独身」と「未婚」は同義ではない。
(出典:Wikipedia)
独
常用漢字
小5
部首:⽝
9画
身
常用漢字
小3
部首:⾝
7画
者
常用漢字
小3
部首:⽼
8画
“独身”で始まる語句
独身
独身漢
独身生活者
独身住
独身其実
独身活計
独身生活