虫の生命むしのいのち
炭焼きの勘太郎は妻も子も無い独身者で、毎日毎日奥山で炭焼竈の前に立って煙の立つのを眺めては、淋しいなあと思っておりました。 今年も勘太郎は炭焼竈に楢の木や樫の木を一パイ詰めて、火を点けるばかりにして正月を迎えましたが、丁度二日の朝の初夢に不 …