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犧牲
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ぎせい
ふりがな文庫
“
犧牲
(
ぎせい
)” の例文
新字:
犠牲
小意氣ではあるが、自分の
醜
(
みにく
)
さを意識して居るお半は、お絹と染五郎の仲を、
犧牲
(
ぎせい
)
的な心持で同情してやつて居るのでした。
銭形平次捕物控:137 紅い扱帯
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
彼等
(
かれら
)
のやうな
低
(
ひく
)
い
階級
(
かいきふ
)
の
間
(
あひだ
)
でも
相互
(
さうご
)
の
交誼
(
かうぎ
)
を
少
(
すこ
)
しでも
破
(
やぶ
)
らないやうにするのには、
其處
(
そこ
)
には
必
(
かなら
)
ず
其
(
それ
)
に
對
(
たい
)
して
金錢
(
きんせん
)
の
若干
(
じやくかん
)
が
犧牲
(
ぎせい
)
に
供
(
きよう
)
されねばならぬ。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
が、やがて
不意
(
ふい
)
に
松葉
(
まつば
)
から
離
(
はな
)
れると
蜂
(
はち
)
はぶんと
飛
(
と
)
び
上
(
あが
)
つた。三
人
(
にん
)
ははつとどよめいた。けれども、
蜂
(
はち
)
は
大事
(
だいじ
)
な
犧牲
(
ぎせい
)
の
蜘蛛
(
くも
)
の
死骸
(
しがい
)
を
警戒
(
けいかい
)
しに
行
(
い
)
つたのだつた。
画家とセリセリス
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
幸福
(
さひはひ
)
にも
吾等
(
われら
)
の
家
(
いへ
)
は、
斷崖
(
だんがい
)
の
絶頂
(
ぜつてう
)
に
建
(
た
)
てられて
居
(
を
)
つたので、
此
(
この
)
恐
(
おそ
)
る
可
(
べ
)
き
惡魔
(
あくま
)
の
犧牲
(
ぎせい
)
となる
事
(
こと
)
丈
(
だ
)
けは
免
(
まぬ
)
かれた。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
その
場合
(
ばあひ
)
には
必
(
かなら
)
ず
今迄
(
いままで
)
睦
(
むつ
)
まじく
過
(
す
)
ごした
長
(
なが
)
の
歳月
(
としつき
)
を
溯
(
さか
)
のぼつて、
自分達
(
じぶんたち
)
が
如何
(
いか
)
な
犧牲
(
ぎせい
)
を
拂
(
はら
)
つて、
結婚
(
けつこん
)
を
敢
(
あへ
)
てしたかと
云
(
い
)
ふ
當時
(
たうじ
)
を
憶
(
おも
)
ひ
出
(
だ
)
さない
譯
(
わけ
)
には
行
(
い
)
かなかつた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
▼ もっと見る
犧牲
(
ぎせい
)
にしてもお
前
(
まへ
)
さまのお
心
(
こゝろ
)
伺
(
うかゞ
)
ふ
先
(
さき
)
に
生
(
い
)
きて
還
(
かへ
)
る
念
(
ねん
)
はなし
父御
(
てゝご
)
さまの
今日
(
けふ
)
の
仰
(
おほ
)
せ
人非人
(
にんぴにん
)
の
運平
(
うんぺい
)
が
娘
(
むすめ
)
を
別れ霜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
或學校
(
あるがくかう
)
で
學生間
(
がくせいかん
)
に
教頭排斥
(
けうとうはいせき
)
が
起
(
おこ
)
つて、
既
(
すで
)
にストライキをやらうとしたのだが、ストライキでは
犧牲
(
ぎせい
)
を
出
(
だ
)
す
恐
(
おそ
)
れがあると
云
(
い
)
ふので、ハガキ
運動
(
うんどう
)
といふ
事
(
こと
)
を
誰
(
だれ
)
かゞ
思
(
おも
)
ひついて
ハガキ運動
(旧字旧仮名)
/
堺利彦
(著)
もし
此手段
(
このしゆだん
)
の
實行上
(
じつこうじよう
)
に
伴
(
ともな
)
ふ
犧牲
(
ぎせい
)
があるならば、それを
考慮
(
こうりよ
)
することも
必要
(
ひつよう
)
であるけれども、
何等
(
なんら
)
の
犧牲
(
ぎせい
)
がないのみならず、
火災防止
(
かさいぼうし
)
といふ
最
(
もつと
)
も
有利
(
ゆうり
)
な
條件
(
じようけん
)
が
伴
(
ともな
)
ふのである。
地震の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
進むべき路を進みかねて境遇の
犧牲
(
ぎせい
)
となつた人の、その心に消しがたき不平が有れば有る程、元氣も顏色も人先に
衰
(
おとろ
)
へて、幸福な人がこれから初めて世の中に打つて出ようといふ
歳頃
(
としごろ
)
に
歌のいろ/\
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
その
人々
(
ひと/″\
)
それ
自身
(
じしん
)
の
罪
(
つみ
)
であるとはいへ、
所謂
(
いはゆる
)
新時代
(
しんじだい
)
の
最初
(
さいしよ
)
の
犧牲
(
ぎせい
)
だと思ひます。
冬を迎へようとして
(旧字旧仮名)
/
水野仙子
(著)
けれど
先生
(
せんせい
)
は
自分
(
じぶん
)
の
虚榮心
(
きよえいしん
)
の
犧牲
(
ぎせい
)
になるやうな
生活
(
せいくわつ
)
は
爲
(
し
)
て
居
(
ゐ
)
ません。
日の出
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
彼等
(
かれら
)
がさういふ
苦辛
(
くしん
)
の
間
(
あひだ
)
に
次
(
つぎ
)
の
日
(
ひ
)
の
身體
(
からだ
)
の
疲
(
つか
)
れを
犧牲
(
ぎせい
)
にしてまでも
僅
(
わづか
)
な
時間
(
じかん
)
を
相
(
あひ
)
對
(
たい
)
して
居
(
ゐ
)
ながら
互
(
たがひ
)
の
顏
(
かほ
)
も
見
(
み
)
ることが
出來
(
でき
)
ないで
低
(
ひく
)
く
殺
(
ころ
)
した
聲
(
こゑ
)
にのみ
滿足
(
まんぞく
)
する
外
(
ほか
)
に
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
この
際
(
さい
)
調査
(
ちようさ
)
に
向
(
むか
)
つた
農商務技師
(
のうしようむぎし
)
三浦宗次郎氏
(
みうらそうじろうし
)
と
同技手
(
どうぎて
)
西山省吾氏
(
にしやましようごし
)
が
噴火
(
ふんか
)
の
犧牲
(
ぎせい
)
になつた。
少年讀者
(
しようねんどくしや
)
は
東京
(
とうきよう
)
上野
(
うへの
)
の
博物館
(
はくぶつかん
)
に
收
(
をさ
)
めてある
血染
(
ちぞ
)
めの
帽子
(
ぼうし
)
と
上着
(
うはぎ
)
とを
忘
(
わす
)
れないようにされたいものである。
火山の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
道徳の
形骸
(
けいがい
)
や、
強
(
し
)
ひられた
犧牲
(
ぎせい
)
やらを
拒
(
こば
)
みましたけれども、今わが
内心
(
ないしん
)
に新しく
湧
(
わ
)
き起つて來た道徳的な
感情
(
かんじやう
)
をもつて、初めて
闇
(
やみ
)
の中に
探
(
さぐ
)
り求めてゐたあるものをつかんだやうな氣がするのです。
冬を迎へようとして
(旧字旧仮名)
/
水野仙子
(著)
内儀のお豐はまさにその
犧牲
(
ぎせい
)
になつたのです。
銭形平次捕物控:197 罠に落ちた女
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
絶對
(
ぜつたい
)
に
其
(
その
)
犧牲
(
ぎせい
)
を
惜
(
をし
)
むものは
他
(
た
)
の
憎惡
(
ぞうを
)
を
買
(
か
)
ふに
至
(
いた
)
らないまでも、
相互
(
さうご
)
の
間
(
あひだ
)
は
疎略
(
そりやく
)
にならねばならぬ。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
犧
部首:⽜
20画
牲
常用漢字
中学
部首:⽜
9画
“犧牲”で始まる語句
犧牲的
犧牲者