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毎
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たび
ふりがな文庫
“
毎
(
たび
)” の例文
折しも
弥生
(
やよい
)
の桜時、
庭前
(
にわさき
)
の
桜花
(
おうか
)
は一円に咲揃い、そよ/\春風の吹く
毎
(
たび
)
に、一二輪ずつチラリ/\と
散
(
ちっ
)
て
居
(
お
)
る処は得も云われざる風情。
根岸お行の松 因果塚の由来
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
……
其
(
そ
)
の
毎
(
たび
)
に、
銀杏返
(
いてふがへし
)
の
黒
(
くろ
)
い
頭
(
あたま
)
が、
縦横
(
たてよこ
)
に
激
(
はげ
)
しく
振
(
ふ
)
れて、まん
円
(
まる
)
い
顔
(
かほ
)
のふら/\と
忙
(
せは
)
しく
廻
(
まは
)
るのが、
大
(
おほき
)
な
影法師
(
かげばうし
)
に
成
(
な
)
つて、
障子
(
しやうじ
)
に
映
(
うつ
)
る……
銀鼎
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
車は交叉点を横切ると、速力を緩急する
毎
(
たび
)
に乗客を投付けたり、
錐揉
(
きりも
)
みの様にしたりしては走り続けた。
恰度
(
ちょうど
)
険阻
(
けんそ
)
を行く様に波打ったり傾いたりした。
乗合自動車
(新字新仮名)
/
川田功
(著)
硝子窓にさらさらと落葉が当って
轟々
(
ごうごう
)
と北風が家を
揺
(
ゆす
)
って、その
毎
(
たび
)
に、かたんかたんと窓の障子が鳴るのであった。
点
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
夕方三人で又一君宅の
風呂
(
ふろ
)
をもらいに行く。実は過日来
往返
(
おうへん
)
の
毎
(
たび
)
に
斗満橋
(
とまむばし
)
の上から見て
羨
(
うらや
)
ましく思って居たのだ。風呂は直ぐ
川端
(
かわばた
)
で、
露天
(
ろてん
)
に
据
(
す
)
えてある。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
▼ もっと見る
「本当にねエ、
阿母
(
おつかさん
)
」と、お花はブル/\と身を
震
(
ふる
)
はしつ「何と云ふ御親切な方でせう、——私、考へる
毎
(
たび
)
に——」と、
面
(
かほ
)
忽
(
たちま
)
ちサと
紅
(
あか
)
らめ「
彼
(
あ
)
の様にお忙しい中で、 ...
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
其
(
その
)
下
(
した
)
は
疑
(
うたがひ
)
もなき
大洞窟
(
おほほらあな
)
で、
逆浪
(
ぎやくらう
)
怒濤
(
どたう
)
が
隙間
(
すきま
)
もなく
四邊
(
しへん
)
に
打寄
(
うちよ
)
するに
拘
(
かゝは
)
らず、
洞窟
(
ほらあな
)
の
中
(
なか
)
は
極
(
きわ
)
めて
靜謐
(
せいひつ
)
な
樣子
(
やうす
)
で、
吾等
(
われら
)
の
歩
(
あゆ
)
む
毎
(
たび
)
に、
其
(
その
)
跫音
(
あしおと
)
はボーン、ボーン、と
物凄
(
ものすご
)
く
響
(
ひゞ
)
き
渡
(
わた
)
つた。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
十二の年より十七まで明暮れ顏を合せる
毎
(
たび
)
に行々は彼の店の彼處へ座つて新聞見ながら商ひするのと思ふても居たれど、量らぬ人に縁の定まり、親々の言ふ事なれば何の異存を入れられやう
十三夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
手紙を書けば、伝右衛門が帰宅の
毎
(
たび
)
に、何処へも取次いでくれたし、返辞も持って来てくれた。市中の風聞なども居ながらに皆知った。それにつけても内蔵助は、こうしている間の
冥加
(
みょうが
)
を
惧
(
おそ
)
れた。
新編忠臣蔵
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
大親分になるとこうして一度開堂する
毎
(
たび
)
に少くも千元の収入を見る。馬徳坊の如き顔の広い親分の開堂する時は、外省の游民が船車でやって来て馬師を拝しその乾児実に
万人余
(
まんにんよ
)
に及んだそうである。
さまよう町のさまよう家のさまよう人々
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
見
(
み
)
る
毎
(
たび
)
に、あツと
聲
(
こゑ
)
を
上
(
あ
)
げて、
追
(
お
)
へば、
其
(
そ
)
の
疾
(
はや
)
い
事
(
こと
)
、ちよろ/\と
走
(
はし
)
つて
消
(
き
)
えて、すぐに、のろりと
顯
(
あらは
)
れる。
三人の盲の話
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
その
毎
(
たび
)
に高窓を見上げていると、一日こうやって
怠屈
(
たいくつ
)
に送るのが
物憂
(
ものう
)
かった。何かして遊びたいと思ったが、誰も訪ねて来るものがない。時計が三時を打った。
不思議な鳥
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
此の画を見る
毎
(
たび
)
に、彼はお
馨
(
けい
)
さんと其恋人
葛城
(
かつらぎ
)
勝郎
(
かつお
)
を
憶
(
おも
)
い出さぬことは無い。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
婿
(
むこ
)
の松方何とか云ふ奴の為に
煉瓦
(
れんぐわ
)
の建築を
創
(
はじめ
)
たのだ、僕は其前を通る
毎
(
たび
)
に、オヽ国民の
膏血
(
かうけつ
)
を
私
(
わたくし
)
せる赤き煉瓦の家よ、汝が其
礎
(
いしずえ
)
の一つだに
遺
(
のこ
)
らざる時の
来
(
きた
)
ることを思へよと言つて
呪
(
のろつ
)
てやるンだ
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
十二の年より十七まで明暮れ顔を合せる
毎
(
たび
)
に
行々
(
ゆくゆく
)
はあの店の
彼処
(
あすこ
)
へ座つて、新聞見ながら商ひするのと思ふてもゐたれど、
量
(
はか
)
らぬ人に縁の定まりて、親々の言ふ事なれば何の異存を入られやう
十三夜
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
顔を見るさえ許さざれば
垂籠
(
たれこ
)
めたる
室
(
ま
)
の内に、下枝の泣く声聞く
毎
(
たび
)
に我は
腸
(
はらわた
)
を断つばかりなりし。
活人形
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
日暮方から
鳴出
(
なりだ
)
した雷は
益々
(
ますます
)
すさまじくなって、
一天
(
いってん
)
墨を流したようで、
篠突
(
しのつ
)
く大雨、ぴかりぴかりと
電
(
いなずま
)
が目の
眩
(
くら
)
むばかり障子に
映
(
うつ
)
って、その
毎
(
たび
)
に天地も
覆
(
くつがえ
)
るように
雷
(
いかずち
)
が鳴り渡る
稚子ヶ淵
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
今宵
(
こよひ
)
見
(
み
)
れば
如何
(
いか
)
にも
淺
(
あさ
)
ましい
身
(
み
)
の
有樣
(
ありさま
)
、
木賃泊
(
きちんどま
)
りに
居
(
ゐ
)
なさんすやうに
成
(
な
)
らうとは
思
(
おも
)
ひも
寄
(
よ
)
らぬ、
私
(
わたし
)
は
此人
(
このひと
)
に
思
(
おも
)
はれて、十二の
年
(
とし
)
より十七まで
明暮
(
あけく
)
れ
顏
(
かほ
)
を
合
(
あは
)
せる
毎
(
たび
)
に
行々
(
ゆく/\
)
は
彼
(
あ
)
の
店
(
みせ
)
の
彼處
(
あすこ
)
へ
座
(
すわ
)
つて
十三夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
主人夫妻は
憶
(
おも
)
い
出
(
だ
)
す
毎
(
たび
)
に斯く云い合った。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
私が時々うかがう
毎
(
たび
)
に、駒下駄を直さして、ああ、勿体ない、そう思う、思う心は、口へは出ず、手も足も固くなるから、
突張
(
つっぱ
)
って、ツンツンして、さぞ高慢に見えたでしょう。
白花の朝顔
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
折々
(
おりおり
)
ぴしりぴしりと生木の
刎返
(
はねかえ
)
る音がして、その
毎
(
たび
)
に赤い火花が散った。
捕われ人
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
盛返す景気がその
毎
(
たび
)
に、遅く重っくるしくなって来る。
露肆
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
毎
常用漢字
小2
部首:⽏
6画
“毎”を含む語句
毎日
毎々
毎度
毎年
毎朝
毎晩
度毎
毎夜
毎時
家毎
毎日々々
毎歳
毎〻
毎日電報
毎月
事毎
戸毎
其度毎
番毎
毎日曜日
...