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ぶみ
ふりがな文庫
“
文
(
ぶみ
)” の例文
このとおり調べは
悉皆
(
しっかい
)
つきました。たどるべき手がかりの道も二つござる。これなる判じ
文
(
ぶみ
)
を頼りに女の足取りをされてもよい。
右門捕物帖:30 闇男
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
さう言ひ乍ら、主人峰右衞門が、袂の中から取出したのは、半紙一枚を細く疊んだ、結び
文
(
ぶみ
)
風
(
ふう
)
の手紙で、押し開くと消し炭で
銭形平次捕物控:246 万両分限
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
と、私が日本文で書き、また、おなじ意味を、帰化人の
小笠原
(
おがさわら
)
に、英文で書かせた。この銅板の手紙(流し
文
(
ぶみ
)
)を、海に流そうというのだ。
無人島に生きる十六人
(新字新仮名)
/
須川邦彦
(著)
吸
(
く
)
みてはしり
書
(
がき
)
うるはしく
四書五經
(
ししよごけい
)
の
角々
(
かど/″\
)
しきはわざとさけて
伊勢源氏
(
いせげんじ
)
のなつかしきやまと
文
(
ぶみ
)
明暮
(
あけくれ
)
文机
(
ふづくゑ
)
のほとりを
離
(
はな
)
さず
別れ霜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
てなことを、のんびり言っておいて、またごろりと横になろうとするところへ、ひとりの中間が、先生、お手紙、といって
封
(
ふう
)
じ
文
(
ぶみ
)
を持って来る。
顎十郎捕物帳:05 ねずみ
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
▼ もっと見る
通
(
かよ
)
わせ
文
(
ぶみ
)
をおこすだけが、せめてものてだてで、其さえ無事に、姫の手に届いて、見られていると言う、自信を持つ人は、一人としてなかった。
死者の書
(新字新仮名)
/
折口信夫
(著)
同じように、かえし
文
(
ぶみ
)
を、
鷲
(
わし
)
の片足へむすびつけて、それのおわったとき、伊那丸の目のまえに、さらに
呪
(
のろ
)
いの
悪魔
(
あくま
)
が
悠々
(
ゆうゆう
)
とかげを見せてきた。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「寒月が御嬢さんに
付
(
つ
)
け
文
(
ぶみ
)
でもしたんですか、こりゃ愉快だ、新年になって逸話がまた一つ
殖
(
ふ
)
えて話しの好材料になる」
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
蘭軒の姉正宗院と云ひ、此たかと云ひ、渋江抽斎の妻五百と云ひ、仮名
文
(
ぶみ
)
の美しきことは歎賞すべきである。たかは折々父棭斎に代つて歌を書いた。
伊沢蘭軒
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
奈尾は聞きながしにして、はな紙を出そうと思い、左の
袂
(
たもと
)
へ手を入れた、すると妙な物がさわったのでそっと出してみた。——それは結び
文
(
ぶみ
)
であった。
合歓木の蔭
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
甘い事この上なしの惚れ
文
(
ぶみ
)
なり。私はもっと、憎悪を持って、男の事を考える。嘘ばかりで、文学が生れている。みせかけの図々しさで、作者は語る。
新版 放浪記
(新字新仮名)
/
林芙美子
(著)
背山の家には
簾
(
すだれ
)
がおろされてあったが、腰元のひとりが小石に封じ
文
(
ぶみ
)
をむすび付けて打ち込んだ水の音におどろかされて、簾がしずかに巻きあげられると
綺堂むかし語り
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
その
一
(
いつ
)
は
桜花爛漫
(
おうからんまん
)
たる
土塀
(
どべい
)
の外に一人の若衆
頬冠
(
ほおかむ
)
りにあたりの人目を兼ねて
彳
(
たたず
)
めば、土塀にかけたる
梯子
(
はしご
)
の頂より一人の美女結び
文
(
ぶみ
)
を手に持ち半身を現はしたり。
江戸芸術論
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
一刻も早く両刀を一手におさめて柄を
脱
(
の
)
けたならば、必ずや、大の乾雲からは、
割
(
わ
)
り
文
(
ぶみ
)
の後片火説の紙が生まれ、小の坤竜は、前半水法のくだりを吐き出すに相違ない。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
就
(
つい
)
ては老体の母を
遺
(
のこ
)
して死にますから
何卒
(
どうぞ
)
不愍
(
ふびん
)
と思召して目を掛けて下さい、おあさどのゝ悪い事は未だそればかりではない、私に附け
文
(
ぶみ
)
をした事は貴方は知りますまい
業平文治漂流奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
『ハハハハハ。それくらいのことで何も驚くことはないじゃないか……
附
(
つ
)
け
文
(
ぶみ
)
だな、きっと』
水晶の栓
(新字新仮名)
/
モーリス・ルブラン
(著)
あの「ぽるとがる
文
(
ぶみ
)
」などで我々を打つものに似たものさへ持つてゐる所の、——いはば
七つの手紙:或女友達に
(旧字旧仮名)
/
堀辰雄
(著)
四月の風の荒いある日、玄関に人があって、出て行った葉子はやがてのこと、ちょっとした結び
文
(
ぶみ
)
を手にして引き返して来た。彼女はそれを読むと、たちまち驚きの色を浮かべた。
仮装人物
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
あのことのあったその夜、何者か道庵先生の宿元へ
投
(
な
)
げ
文
(
ぶみ
)
をした者がありました。
大菩薩峠:32 弁信の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
落
(
おと
)
し
文
(
ぶみ
)
が、下級生を刺戟しているのではあるまいかと考えられる
廉
(
かど
)
もあるから、いっその事、同級生ばかりを一室に入れて成績を見てはどうかという意見が教員間に持ち上っている……云々。
東京人の堕落時代
(新字新仮名)
/
夢野久作
、
杉山萠円
(著)
中堂に道は下りや
落
(
おと
)
し
文
(
ぶみ
)
六百五十句
(新字新仮名)
/
高浜虚子
(著)
おっと、待ったり。懐中にでもゆすりの種のかよわせ
文
(
ぶみ
)
があるだろう。地獄へ行くには目の毒だ。功徳のためにいただこうよ
右門捕物帖:28 お蘭しごきの秘密
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
さらに使いの者が、投げ
文
(
ぶみ
)
でも投げ込むように、ただ「法親王ノ宮へお直々に」とのみいって風の如く立ち去ったのも、いぶかしい限りであった。
私本太平記:04 帝獄帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
玉藻は承知の返し
文
(
ぶみ
)
をかいた。そのあくる日、彼女は主人の許しを受けて、兼輔と一緒に法性寺へ参詣した。
玉藻の前
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
その朝、材木町河岸の家を、野中又五郎といっしょに出た新八は、隣りのお久米からむすび
文
(
ぶみ
)
を渡された。
樅ノ木は残った:02 第二部
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
子心
(
こごヽろ
)
にも
義理
(
ぎり
)
に
引
(
ひ
)
かれてか
中
(
なか
)
に
立
(
た
)
ちて
胡亂胡亂
(
うろうろ
)
するを、
敏
(
さとし
)
いろ/\に
頼
(
たの
)
みて
此度
(
このたび
)
は
封
(
ふう
)
じ
文
(
ぶみ
)
に、あらん
限
(
かぎ
)
りの
言葉
(
ことば
)
を
如何
(
いか
)
に
書
(
か
)
きけん、
文章
(
ぶんしやう
)
の
艶麗
(
えんれい
)
は
評判
(
ひやうばん
)
の
男
(
をとこ
)
なりしが。
暁月夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
六右衛門さんの話だとマリヤ・アルコフォラドが修道院から心変りした愛人にせっせと書き送った〈ぽるとがる
文
(
ぶみ
)
〉そっくりで、まったくもって絶対なる文学だったそうだ。
だいこん
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
此方
(
こっち
)
が先程から此の手紙が分らんと、幾度も読んで考えていたところだ、これは何か
隠
(
かく
)
し
文
(
ぶみ
)
で、お屋敷の大事と思えば棄置かれん、
五分試
(
ごぶだめ
)
しにしても云わせるから左様心得ろ…
菊模様皿山奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
私は、われらの倉庫から、このまえ流し
文
(
ぶみ
)
に使った銅板の残りが、たいせつにしまってあったのを出させて、十枚の銅の札をつくらせ、ひもを通すあなをあけさせた。それから、釘で
無人島に生きる十六人
(新字新仮名)
/
須川邦彦
(著)
リルケが「ぽるとがる
文
(
ぶみ
)
」などと共に愛していた十六世紀のリヨンびとルイズ・ラベという薄倖の女詩人のかわいらしい詩集を見つけて、飛びあがるようになって喜んで、途中、そのなかで
大和路・信濃路
(新字新仮名)
/
堀辰雄
(著)
通
(
かよ
)
はせ
文
(
ぶみ
)
をおこすだけがせめてもの手段で、其さへ無事に、姫の手に届いて披見せられるやら、自信を持つことが出来なかつた。事実、大抵、女部屋の
老女
(
とじ
)
たちが引つたくつて、渡させなかつた。
死者の書:――初稿版――
(新字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
結び
文
(
ぶみ
)
のようなものを、そっと葉子に手渡した。
仮装人物
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
投げ入れ
文
(
ぶみ
)
巷説享保図絵
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
ところが、十一月二十三日の節会をまえにして、院中の
悪謀
(
わるだく
)
みを、ひそかに、忠盛のもとへ、
投
(
な
)
げ
文
(
ぶみ
)
をもって
新・平家物語:02 ちげぐさの巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
ただ見れば有り触れた木魚であるが、その口から何物かを
揷
(
さ
)
し込めば、底蓋の上に落ちて自由に取り出すことが出来るようになっている。現に小さい結び
文
(
ぶみ
)
が落ちていた。
半七捕物帳:46 十五夜御用心
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
田舍
(
ゐなか
)
に
居
(
を
)
りし
時
(
とき
)
は
先生
(
せんせい
)
なりし
故
(
ゆゑ
)
、
其和歌
(
そのわか
)
を
姉樣
(
ねえさま
)
にお
目
(
め
)
にかけて
驚
(
おどろ
)
かし
給
(
たま
)
へ、
夫
(
それ
)
こそ
必
(
かな
)
らず
若樣
(
わかさま
)
の
勝
(
かち
)
に
成
(
な
)
るべしと
言
(
い
)
へば、
早
(
はや
)
く
其歌
(
そのうた
)
を
詠
(
よ
)
めとせがむに
懷中
(
ふところ
)
より
彼
(
か
)
の
綴
(
と
)
ぢ
文
(
ぶみ
)
を
出
(
いだ
)
し
暁月夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
なかには付け
文
(
ぶみ
)
をするのだなどとのぼせあがっている者もある、とおみやは告げた。
樅ノ木は残った:02 第二部
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
狂ったな。おどし
文
(
ぶみ
)
の文句のぐあいじゃ、まさしく二本差しのしわざとにらんでおったが、春先ゃやっぱり
眼
(
がん
)
も狂うとみえらあ。しごきぬすっとの元締めさんは、ちゃちな青造さんだよ。やっこを
右門捕物帖:28 お蘭しごきの秘密
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
一掃
(
いっそう
)
したと思ったのに、遠方の大掾国香などという
末端吏
(
まったんり
)
から、おもしろくもない厄介者を添え
文
(
ぶみ
)
して向けてよこし、舌打ちをもらしたことではあったが、平良持の子というので
平の将門
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
脱いだ着物をたたんでいると、
袂
(
たもと
)
の中から一通の
封
(
ふう
)
じ
文
(
ぶみ
)
が出て来た。
艶書
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
当夜の宴も果てて人みな立ちかけた混雑間際に、高貞は、その小宰相からふと意味ありげな結び
文
(
ぶみ
)
を受けとっていたのである。
子
(
ね
)
ノ
刻
(
こく
)
、ひそかに裏の松林で待てとしてあったのだ。
私本太平記:05 世の辻の帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
内裏
(
だいり
)
の
典侍
(
てんじ
)
や
命婦
(
みょうぶ
)
のかよう廊ノ間に落し
文
(
ぶみ
)
をしておけば、その夜の忍ぶ手のまさぐりに、
粘
(
ねば
)
き黒髪と熱い
唇
(
くちびる
)
が、
伽羅
(
きゃら
)
などという
焚
(
た
)
き
香
(
こう
)
の
蒸
(
む
)
るるにやあらんやみに待ちもうけていて
新・平家物語:02 ちげぐさの巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
寄せ手の陣から、異様な
唸
(
うな
)
りをひいて飛んで来るかぶら矢の結び
文
(
ぶみ
)
も、再三
私本太平記:04 帝獄帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「おやすいこと」と、おかみは、客の送り
文
(
ぶみ
)
を書いて、源吉にあずけた。
大岡越前
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「む、高氏の招き
文
(
ぶみ
)
には、誰と
御一
(
ごいっ
)
しょにとも書いてない」
私本太平記:09 建武らくがき帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「
時雨
(
しぐれ
)
」
秘
(
ひ
)
め
文
(
ぶみ
)
牢獄の花嫁
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
“文”の解説
文(ぶん)とは、一つの完結した言明を表す言語表現の単位である。基本的には主語と述語(一方が省略されることもある)からなる。ただし、これに加えて話題(主題、題目)が重視される場合もある。
(出典:Wikipedia)
文
常用漢字
小1
部首:⽂
4画
“文”を含む語句
文章
文書
倭文
註文
文身
一文
頭文字
文化
文使
文色
文様
文字
呪文
祭文
古文書
御文
文反古
文七元結
序文
象形文字
...