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悪口
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あっこう
ふりがな文庫
“
悪口
(
あっこう
)” の例文
旧字:
惡口
なにさ、さっきからこの御婦人方がわが輩
一人
(
ひとり
)
をいじめて、やれ蕨の取り方が少ないの、採ったが蕨じゃないだの、
悪口
(
あっこう
)
して困ったンだ
小説 不如帰
(新字新仮名)
/
徳冨蘆花
(著)
左様なお方とも存じませんで
悪口
(
あっこう
)
を
吐
(
つ
)
きまして済みません、誠に有難う存じます、必ず一度は此の御恩をお返し申します、有難う存じます
文七元結
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
いろいろうち解けた話もしていれば、また二人一緒になって、僕の
悪口
(
あっこう
)
——妻のは鋭いが、吉弥のは弱い——を、僕の面前で言っていた。
耽溺
(新字新仮名)
/
岩野泡鳴
(著)
わが聯合艦隊司令長官
大鳴門正彦
(
おおなるとまさひこ
)
大将は無念の唇を噛み、
悪口
(
あっこう
)
を耳より聞き流し、
唯
(
ただ
)
、決戦の最も有利な機会の来るのを待った。
空襲葬送曲
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
ト跡でお勢が
敵手
(
あいて
)
も無いに独りで
熱気
(
やッき
)
となって
悪口
(
あっこう
)
を並べ立てているところへ、何時の間に帰宅したかフと母親が這入って来た。
浮雲
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
▼ もっと見る
「いや、貴様に違いない、お膝元に
住居
(
すまい
)
致し、永らく徳川家の御恩を
蒙
(
こうむ
)
りながら、公儀に対して
悪口
(
あっこう
)
を申すとは
言語道断
(
ごんごどうだん
)
な奴」
大菩薩峠:10 市中騒動の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
陽が暮れて引揚げる時、利助の子分に一
分
(
ぶ
)
ずつはずんだので、その方の
悪口
(
あっこう
)
は封じましたが、世間の
噂
(
うわさ
)
はまことにさんざん。
銭形平次捕物控:014 たぬき囃子
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「やがては、ゆるりと
磔柱
(
はりき
)
にかって、休まるる
体
(
からだ
)
じゃなど
悪口
(
あっこう
)
し、あまつさえ手をあげて、
打擲
(
ちょうちゃく
)
さえしたものでござる。」
さまよえる猶太人
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
西洋人はともすると、東洋人は
恩
(
おん
)
を知らないという。また我々とても
相互
(
そうご
)
に、
彼奴
(
きゃつ
)
は恩を知らぬ
奴
(
やつ
)
だといって
悪口
(
あっこう
)
する。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
それから二人の間に、コナコナした
湿
(
しめ
)
やかな話が始まった。新吉は長い間、絶えず
悪口
(
あっこう
)
を浴びせかけて来たことが、今さら気の毒なように思われた。
新世帯
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
悪口
(
あっこう
)
の交換では到底鼻子の敵でないと自覚した主人は、しばらく沈黙を守るのやむを得ざるに至らしめられていたが
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
もって、打ってくれるものは、お前よりほかにはない。妻にはその力がない。友も打ってはくれまい。山陽の
悪口
(
あっこう
)
を
梅颸の杖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「は、いえ、別に。」「何、何を……悪気はない。悪気がなくって、
悪口
(
あっこう
)
を、何だ、
洒落
(
しゃれ
)
だ。黙んな、黙んな。洒落は
一廉
(
ひとかど
)
の人間のする事、云う事だ。 ...
薄紅梅
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「ごめんなさい。みつの
着
(
き
)
ているのが、そんないい
品
(
しな
)
だとは
知
(
し
)
らなかったので、
悪口
(
あっこう
)
をいってすまなかったわ。」
田舎のお母さん
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
人間嫌いを
標榜
(
ひょうぼう
)
する、病的なほど人の
悪口
(
あっこう
)
をいう、人に近づくにも横合いから寄っていって、じろりと横目で
睨
(
にら
)
んで「ああ、こいつは気ちがいだよ」とか
ワーニャ伯父さん:――田園生活の情景 四幕――
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
中田は、ぶつぶつと
悪口
(
あっこう
)
を
呟
(
つぶや
)
きながら、顔をそらすと、ハッキリした
当
(
あて
)
はないのだが、どうやら駅らしい方へ、どんどん歩き出した。それを見た男は、急に
周章
(
あわ
)
てたように
自殺
(新字新仮名)
/
蘭郁二郎
(著)
それにまた
理窟
(
りくつ
)
で自分をやりこめるほどゴットフリートが
利口
(
りこう
)
だなどとは、思いもよらないことだった。
彼
(
かれ
)
はやり返してやる
議論
(
ぎろん
)
か
悪口
(
あっこう
)
を考えたが、思いあたらなかった。
ジャン・クリストフ
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
永代
(
えいたい
)
の橋の上で巡査に
咎
(
とが
)
められた結果、
散々
(
さんざん
)
に
悪口
(
あっこう
)
をついて
捕
(
つかま
)
えられるなら捕えて見ろといいながら四、五人一度に橋の欄干から
真逆様
(
まっさかさま
)
になって水中へ飛込み、暫くして四
夏の町
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
「誰か此の辺に、
先
(
さっき
)
悪口
(
あっこう
)
を云った者はありませんか。云った人はどうぞ試して見て下さい。」
小僧の夢
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
談話
(
はなし
)
をすると言うよりか
寧
(
むし
)
ろその愚痴やら
悪口
(
あっこう
)
やら
気焔
(
きえん
)
やら
自慢噺
(
じまんばなし
)
やらの的になっている。
富岡先生
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
俺は
姐
(
ねえ
)
さんの
悪口
(
あっこう
)
を云われたから、
癪
(
しゃく
)
にさわって、それで云ってるところじゃ、だから車屋の親方が、家へ来て、
飯
(
めし
)
も
喫
(
く
)
え、家におれと云ってくれたが、癪にさわったから往かなかったよ
藍瓶
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
「だって、あなたはわたくしを『業つくばり』などと、
悪口
(
あっこう
)
なすったじゃありませんか。これなんか、わたくしはいつだって警察へ行って、侮辱罪の訴えをすることができますからな!」
地下生活者の手記
(新字新仮名)
/
フィヨードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキー
(著)
と言えば相手を充分に
侮辱
(
ぶじょく
)
しうるほどの、
悪口
(
あっこう
)
の一つになっていたものだ。
戦争雑記
(新字新仮名)
/
徳永直
(著)
大店
(
おおだな
)
の
内儀
(
おかみ
)
さんたちは嫁をそしる。中年になったお嫁さんは、いつまでも
姑
(
しゅうとめ
)
が意地わるく生きていると
悪口
(
あっこう
)
しあうのを、番僧たちはうまく口を合せていた。そんな時、祖母は口を決してださなかった。
旧聞日本橋:20 西川小りん
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
頑固
(
がんこ
)
の——おっと
卿
(
おまえ
)
が
母
(
おっか
)
さんを
悪口
(
あっこう
)
しちゃ済まんがの——とにかくここにすわっておいでのこの
母
(
おっか
)
さんのように——やさしくない人だて。
小説 不如帰
(新字新仮名)
/
徳冨蘆花
(著)
然
(
しか
)
るを何だ、
余
(
あま
)
り馬鹿々々しいとは
何
(
ど
)
ういう主意を以て
斯
(
かく
)
の如く
悪口
(
あっこう
)
を申すか、この
呆漢
(
たわけ
)
め、何だ、無礼の事を申さば切捨てたってもよい訳だ
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
うっかりその殿様の
悪口
(
あっこう
)
をいえば、親方の御機嫌がこの通りに
損
(
そこな
)
われるということだけは、この際、ハッキリと経験したから、以後は自分も慎み
大菩薩峠:26 めいろの巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
吉弥の
悪口
(
あっこう
)
をつくのは、あんな
下司
(
げす
)
な女を僕があげこそすれ、まさか、関係しているとは思わなかったからでもあろうが、それにしては、知った以上
耽溺
(新字新仮名)
/
岩野泡鳴
(著)
姉の家へ引取られてからも、お島の口にはまだ鶴さんの
悪口
(
あっこう
)
が絶えなかった。おゆうに
庇護
(
かば
)
われている男の心が、
歯痒
(
はがゆ
)
かったり、
妬
(
ねた
)
ましく思われたりした。
あらくれ
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
などと女に関する
悪口
(
あっこう
)
がたくさんある。
畢竟
(
ひっきょう
)
いかに男子が自己の
愚
(
ぐ
)
より婦人に迷ったかを
自白
(
じはく
)
するに過ぎぬ。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
悪口
(
あっこう
)
吐
(
つ
)
くのに、(
猿曳
(
さるひき
)
め、)と云ったが、それで分った。けずり廻しとか、
摺古木
(
すりこぎ
)
とか、
獣
(
けだもの
)
めとかいう事だろう。大阪では(猿曳)と怒鳴るのかと思ったが。
南地心中
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
それもあいつが主義としてただ上流社会を攻撃したり、または一般の金持を
悪口
(
あっこう
)
するだけならいいがね。あいつのは、そうじゃないんだ、もっと実際的なんだ。
明暗
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
だから彼はこれらの感情が往来するのに従って、「死ぬ。死ぬ。」と叫んで見たり、父や母の名を呼んで見たり、あるいはまた日本騎兵の
悪口
(
あっこう
)
を云って見たりした。
首が落ちた話
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
「勿体ない、おれを
生
(
うま
)
れ
甦
(
かえ
)
らせてくれた師に対して、
悪口
(
あっこう
)
をたたくと承知せぬぞ」
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「ばか、ばか。」と、
悪口
(
あっこう
)
をいって
逃
(
に
)
げ
去
(
さ
)
ってしまいました。
馬を殺したからす
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
『もう寝ようかねエ。随分
悪口
(
あっこう
)
も言いつくしたようだ。』
忘れえぬ人々
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
それで二人は、よく仲のよい
悪口
(
あっこう
)
を叩きあったものだ。
空中漂流一週間
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
小「何だ
怪
(
け
)
しからん奴だな、手前の方から突当って置きながら
悪口
(
あっこう
)
を申すとは無礼至極な奴だ、
此方
(
こちら
)
は避けて歩いて
居
(
い
)
るに」
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分):02 粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
小僧はてんでに女の
悪口
(
あっこう
)
を言い出した。内儀さん気取りでいたとか、お客分のつもりでいるのが
小面憎
(
こづらにく
)
いとか、あれはただの女じゃあるまいなどと言い出した。
新世帯
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
馬琴はかすむ眼で、この
悪口
(
あっこう
)
を言っている男の方を
透
(
すか
)
して見た。湯気にさえぎられて、はっきりと見えないが、どうもさっき
側
(
そば
)
にいた
眇
(
すがめ
)
の小銀杏ででもあるらしい。
戯作三昧
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
難有味
(
ありがたみ
)
はなくッても信仰はしませんでも、
厭
(
いや
)
な奴は厭な奴で、私がこう
悪口
(
あっこう
)
を申しますのを、形は見えませんでもどこかで聞いていて、
仇
(
あだ
)
をしやしまいかと思いますほど
政談十二社
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
それで酔った時などに甲州話が出ると、神尾主膳は、きっと駒井能登守の
悪口
(
あっこう
)
をする。
大菩薩峠:18 安房の国の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
吾輩は別に伝兵衛に
恨
(
うらみ
)
もないから彼の
悪口
(
あっこう
)
をこのくらいにして、本題に戻ってこの
空地
(
あきち
)
が騒動の種であると云う
珍譚
(
ちんだん
)
を紹介
仕
(
つかまつ
)
るが、決して主人にいってはいけない。これぎりの話しである。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「若君にむかってふらちな
悪口
(
あっこう
)
、よくもわれわれ両人をだましおったな!」
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
すなわちニーチェが
耶蘇教
(
やそきょう
)
を
奴隷
(
どれい
)
の道徳と
悪口
(
あっこう
)
したのも無理ならぬことで、
現時
(
げんじ
)
の戦争にも現れているとおり、
基督
(
キリスト
)
の言葉が決してそのままに行われておらぬ、むしろその反対の
勇猛
(
ゆうもう
)
なる
教旨
(
きょうし
)
が
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
と
悪口
(
あっこう
)
をいいながらつか/\と台所へ出て来ますと、惣吉は取って十歳、田舎育ちでも名主の息子でございますから、
何処
(
どこ
)
か
人品
(
じんぴん
)
が違います
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
さればこそ、武士はもとより、町人百姓まで、
犬侍
(
いぬざむらい
)
の
禄盗人
(
ろくぬすびと
)
のと
悪口
(
あっこう
)
を申して
居
(
お
)
るようでございます。
或日の大石内蔵助
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
「さて、何か、
家
(
うち
)
の御主人から聞けば慈善会へ毛虫が
集
(
たか
)
ったそうじゃな。いや、定めし御困りじゃったろ。
怪
(
け
)
しからん、また毎晩新聞で
悪口
(
あっこう
)
を申したってな、悪い奴らじゃ。」
貧民倶楽部
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
ばばの前へ行って、
謝
(
あやま
)
りたくなった。けれど伊織の胸には、師の武蔵の
悪口
(
あっこう
)
をさんざんいわれた
憤
(
いきどお
)
りがまだそれくらいで消えていなかった。けれどやはり
老婆
(
としより
)
の泣いている姿は彼に悲しかった。
宮本武蔵:07 二天の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
或いは所を追われ、或いは親類を
煩
(
わずら
)
わされ、或いは夜打ちにあい、或いは合戦にあい、或いは
悪口
(
あっこう
)
かずを知らず、或いは打たれ、或いは手を負う、或いは弟子を殺され、或いは首を切られんとし
大菩薩峠:23 他生の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
“悪口”の意味
《名詞》
他人のことを悪く言い、貶すこと。
悪態をつくこと。
(出典:Wiktionary)
“悪口”の解説
悪口(わるくち、わるぐち)とは、他人のことを悪くいうこと、貶すこと、悪態をつくこと。古語の悪口(あっこう)は、言葉によって他人の名誉などを傷つける行為、もしくはそれによって成立する犯罪で、中世の日本では規制された。
(出典:Wikipedia)
悪
常用漢字
小3
部首:⼼
11画
口
常用漢字
小1
部首:⼝
3画
“悪口”で始まる語句
悪口雑言
悪口家