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しちう
ふりがな文庫
“
市中
(
しちう
)” の例文
さて
世
(
よ
)
が
變
(
かは
)
つた
樣
(
やう
)
に
晴
(
は
)
れ
上
(
あが
)
つて、
晝
(
ひる
)
になると、
寒
(
さむ
)
さが
身
(
み
)
に
沁
(
し
)
みて、
市中
(
しちう
)
五萬軒
(
ごまんげん
)
、
後馳
(
おくれば
)
せの
分
(
ぶん
)
も、やゝ
冬構
(
ふゆがま
)
へなし
果
(
は
)
つる。
寸情風土記
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
こんな
言葉
(
ことば
)
が、
相逢
(
あひあ
)
ふ
人々
(
ひと/″\
)
の
挨拶
(
あいさつ
)
のやうに、また
天氣
(
てんき
)
を
占
(
うらな
)
ふやうに、
子供
(
こども
)
の
口
(
くち
)
にまで
上
(
のぼ
)
るとともに、
市中
(
しちう
)
は
忽
(
たちま
)
ち
靜
(
しづ
)
まりかへつて、ひつそりとなつた。
死刑
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
我
(
わ
)
が
朝日新聞社員
(
あさひしんぶんしやゐん
)
横川勇次氏
(
よこかはゆうじし
)
を送らんと、
朝
(
あさ
)
未明
(
まだき
)
に
起
(
おき
)
出
(
いで
)
て、
顔
(
かほ
)
洗
(
あら
)
ふ
間
(
ま
)
も心せはしく車を
急
(
いそが
)
せて
向島
(
むかふじま
)
へと
向
(
むか
)
ふ、
常
(
つね
)
にはあらぬ
市中
(
しちう
)
の
賑
(
にぎ
)
はひ、三々五々
勇
(
いさ
)
ましげに
語
(
かた
)
り
合
(
あ
)
ふて
隅田の春
(新字旧仮名)
/
饗庭篁村
(著)
その日は何か祭のある折で、
市中
(
しちう
)
は大分雑沓してゐた。
二人
(
ふたり
)
は群集のなかを急いで帰る拍子に、ある横町を曲らうとする
角
(
かど
)
で、川向ひの
方限
(
ほうぎ
)
りの
某
(
なにがし
)
といふものに突き当つた。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
付よと申
渡
(
わた
)
されしに付役人は八方に
眼
(
まなこ
)
を
配
(
くば
)
り諸所を
尋
(
たづ
)
ねしに一
向
(
かう
)
知
(
し
)
れざりしが原田平左衞門と云
市中
(
しちう
)
廻の
同心
(
どうしん
)
或夜
亥刻
(
よつどき
)
過
(
すぎ
)
根津
(
ねづ
)
の方より
歸
(
かへ
)
り
懸
(
かけ
)
池
(
いけ
)
の
端
(
はた
)
へ
來懸
(
きかゝ
)
りしに誰やらん堀を
越
(
こえ
)
垣
(
かき
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
▼ もっと見る
金澤
(
かなざは
)
ばかりかと
思
(
おも
)
ひしに、
久須美佐渡守
(
くすみさどのかみ
)
の
著
(
あらは
)
す、(
浪華
(
なには
)
の
風
(
かぜ
)
)と
云
(
い
)
ふものを
讀
(
よ
)
めば、
昔
(
むかし
)
、
大阪
(
おほさか
)
に
此
(
こ
)
のことあり——
二日
(
ふつか
)
は
曉
(
あけ
)
七
(
なゝ
)
つ
時
(
どき
)
前
(
まえ
)
より
市中
(
しちう
)
螺
(
ほら
)
など
吹
(
ふ
)
いて
寸情風土記
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
猫間川
(
ねこまがは
)
の
岸
(
きし
)
に
柳櫻
(
やなぎさくら
)
を
植
(
う
)
ゑたくらゐでは、
大鹽
(
おほしほ
)
の
亡魂
(
ばうこん
)
は
浮
(
うか
)
ばれますまい。しかし
殿樣
(
とのさま
)
が
御勤務役
(
ごきんむやく
)
になりましてから、
市中
(
しちう
)
の
風儀
(
ふうぎ
)
は、
見
(
み
)
ちがへるほど
改
(
あらた
)
まりました。
死刑
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
家督
(
かとく
)
に
爲
(
せん
)
と其の事
上向
(
かみむき
)
へ願ふ
存念
(
ぞんねん
)
ならん
然樣
(
さやう
)
の儀ならば
奚
(
なん
)
ぞや
斯
(
かく
)
せず共致し方如何程も有べきに忠義の
志
(
こゝろざし
)
は却つて主家の
害
(
がい
)
とならん
併
(
しかし
)
ながら屆けの趣き聞置なり
呉々
(
くれ/″\
)
も右の者ども
行方
(
ゆくへ
)
は早々吟味致し若し
市中
(
しちう
)
に
居
(
ゐる
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
春
(
はる
)
よりして、
流言妖語
(
りうげんえうご
)
、
壯
(
さかん
)
に
行
(
おこな
)
はれ、
十月
(
じふぐわつ
)
の
十二日
(
じふににち
)
には、
忽
(
たちま
)
ち、
兩水道
(
りやうすゐだう
)
に
毒
(
どく
)
ありと
流傳
(
りうでん
)
し、
市中
(
しちう
)
の
騷動
(
さうどう
)
言
(
い
)
ふべからず、
諸人
(
しよにん
)
水
(
みづ
)
に
騷
(
さわ
)
ぐこと、
火
(
ひ
)
に
騷
(
さわ
)
ぐが
如
(
ごと
)
し。
間引菜
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
こんな
噂
(
うはさ
)
が、
市中
(
しちう
)
いツぱいに
擴
(
ひろ
)
がつて、
町々
(
まち/\
)
は
火
(
ひ
)
の
消
(
き
)
えたやうに
靜
(
しづ
)
かだ。
死刑
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
子供
(
こども
)
たちは、
手
(
て
)
に
手
(
て
)
に
太鼓
(
たいこ
)
の
撥
(
ばち
)
を
用意
(
ようい
)
して、
社
(
やしろ
)
の
境内
(
けいだい
)
に
備
(
そな
)
へつけの
大太鼓
(
おほだいこ
)
をたゝきに
行
(
ゆ
)
き、また
車
(
くるま
)
のつきたる
黒塗
(
くろぬり
)
の
臺
(
だい
)
にのせて
此
(
こ
)
れを
曳
(
ひ
)
きながら
打
(
うち
)
囃
(
はや
)
して
市中
(
しちう
)
を
練
(
ね
)
りまはる。ドヾンガドン。
寸情風土記
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
……
實
(
じつ
)
は
聞
(
き
)
いただけで。
私
(
わたし
)
の
覺
(
おぼ
)
えたのは……そんな、そ、そんな
怪
(
け
)
しからん
場所
(
ばしよ
)
ではない。
國
(
くに
)
へ
往復
(
ゆきかへり
)
の
野路
(
のみち
)
山道
(
やまみち
)
と、
市中
(
しちう
)
も、
山
(
やま
)
まはりの
神社佛閣
(
じんじやぶつかく
)
ばかり。だが
一寸
(
ちよつと
)
こゝに
自讚
(
じさん
)
したい
事
(
こと
)
がある。
麻を刈る
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
“市中”の意味
《名詞》
市中(しちゅう)
市の内。街中。
民間。
(出典:Wiktionary)
市
常用漢字
小2
部首:⼱
5画
中
常用漢字
小1
部首:⼁
4画
“市中”で始まる語句
市中廻
市中原野
市中巡邏
市中音楽隊