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がわ
ふりがな文庫
“
交
(
がわ
)” の例文
「この小屋が
手頃
(
てごろ
)
。こん夜からわしもここに泊るから、おまえ達も気のどくだが、二、三人ずつ
交
(
かわ
)
る
交
(
がわ
)
る看護にここへ泊ってくれい」
梅里先生行状記
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
お前のその
蝦蛄
(
しゃこ
)
の
乾
(
ひ
)
もののようになった、両手の指を、
交
(
かわ
)
る
交
(
がわ
)
る
這
(
は
)
って
舐
(
な
)
めろと言え。……いずれ剣劇や活動写真が好きだろう。
卵塔場の天女
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
傍
(
そば
)
にいた両親の
交
(
かわ
)
る
交
(
がわ
)
る話すのを聞けば、この大切な一人息子は、夏になってから毎日裏の池で泳いでいたということである。
カズイスチカ
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
平次は十手と青銭と
交
(
かわ
)
る
交
(
がわ
)
る飛ばして、わずかに身を防ぎましたが、相手の武家は思いの外の使い手で、平次も次第に圧迫されるばかりです。
銭形平次捕物控:010 七人の花嫁
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
が、ボールは思う通りには、バウンドしなかった。でも、段違に
上手
(
じょうず
)
な譲吉は、相手の少年を
交
(
かわ
)
る
交
(
がわ
)
る、幾度も負かした。
大島が出来る話
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
▼ もっと見る
交
(
かわ
)
る
交
(
がわ
)
るさまざまの色の電光が射し込んで、床に
置
(
お
)
かれた
石膏
(
せっこう
)
像
(
ぞう
)
や黒い
寝台
(
しんだい
)
や引っくり
返
(
かえ
)
った
卓子
(
テーブル
)
やらを照らしました。
ガドルフの百合
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
氏は毎朝、六時に起きて、家族と共に朝飯前に、
静座
(
せいざ
)
して聖書と
仏典
(
ぶってん
)
の研究を
交
(
かわ
)
る
交
(
がわ
)
るいたして
居
(
お
)
ります。
岡本一平論:――親の前で祈祷
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
それから三十分程の間、母子して
交
(
かわ
)
る
交
(
がわ
)
る楽器の前に坐っては、一つ所を復習していたが、やがて梅子が
それから
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
こんな事をば、出入の
按摩
(
あんま
)
の
久斎
(
きゅうさい
)
だの、
魚屋
(
さかなや
)
の
吉
(
きち
)
だの、鳶の清五郎だのが、台所へ来ては
交
(
かわ
)
る
交
(
がわ
)
る話をして行ったが、然し、私には
殆
(
ほとん
)
ど
何等
(
なんら
)
の感想をも与えない。
狐
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
それで
交
(
かわ
)
る
交
(
がわ
)
る其処まで行って足を掛けて見るが、荷が無ければ
兎
(
と
)
に
角
(
かく
)
、荷があっては素早く行動しないと落ちそうなので、長次郎さえも行きかけて止めてしまう。
黒部川奥の山旅
(新字新仮名)
/
木暮理太郎
(著)
もちろん各楽章の
排列
(
はいれつ
)
は転倒し、また変形しているとはいえ、二つの主題が
交
(
かわ
)
る
交
(
がわ
)
るに起伏出没していることまで、何とソナータの形式に似通っていることであろう。
チェーホフの短篇に就いて
(新字新仮名)
/
神西清
(著)
私の眼は、その
仮綴
(
かりと
)
じの本の純白な西洋紙と、彼女の胸の白さとの上に、
交
(
かわ
)
る
交
(
がわ
)
る注がれました。
痴人の愛
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
さては又、県視学の眼の前で、複雑な高次方程式に属する四則雑題を見事に解いた教え子の無邪気な笑い顔なぞを思い出しつつ……云い知れぬ喜びや悲しみに
交
(
かわ
)
る
交
(
がわ
)
る満たされつつ
木魂
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
大変
生計
(
くらし
)
に困っているらしいので、気の毒に思い、石川光明さんその他三、四の友達を誘い、お茶の稽古を初めることを思いつき、石川さんの宅や、私の宅と
交
(
かわ
)
る
交
(
がわ
)
る四、五人会合し
幕末維新懐古談:77 西町時代の弟子のこと
(新字新仮名)
/
高村光雲
(著)
ブーブーと
鞴
(
ふいご
)
でコークスの火を燃やして、その中で真赤にした鉄を
鉄床
(
かなとこ
)
の中に
鋏
(
はさみ
)
で
挟
(
はさ
)
んで置いて、二人の男がトッテンカンと
交
(
かわ
)
る
交
(
がわ
)
る
鉄鎚
(
てっつい
)
で叩いていた。叩く度にパッパッと火花が散った。
贋紙幣事件
(新字新仮名)
/
甲賀三郎
(著)
船はまずわかったものの、何の船がはいって来たのか、そのほかの言葉はさっぱりわからぬ。あれはあの男もうろたえた余り、日本語と琉球語とを
交
(
かわ
)
る
交
(
がわ
)
る、
饒舌
(
しゃべ
)
っていたのに違いあるまい。
俊寛
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
ルピック氏は、
息子
(
むすこ
)
たちを
交
(
かわ
)
る
交
(
がわ
)
る猟に
連
(
つ
)
れて行く。彼らは、父親の
後
(
うし
)
ろを、鉄砲の先を
除
(
よ
)
けて、すこし右のほうを歩く。そして、
獲物
(
えもの
)
を
担
(
かつ
)
ぐのである。ルピック氏は疲れを知らぬ歩き手だ。
にんじん
(新字新仮名)
/
ジュール・ルナール
(著)
死を宣告される前のような、奇怪な不安と沈静とが
交
(
かわ
)
る
交
(
がわ
)
る襲って来た。不安が沈静に代る度にクララの眼には涙が湧き上った。クララの処女らしい体は
蘆
(
あし
)
の葉のように細かくおののいていた。
クララの出家
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
と
慇懃
(
いんぎん
)
に辞退したが聞き入れない。昔から
虐
(
しいたげ
)
られて来た
露西亜
(
ロシア
)
に勝った日本だ。その国の人が乗っていると聞いて、はるばる他の車室から、かわる
交
(
がわ
)
る顔を見にくる。すっかり英雄扱いである。
踊る地平線:05 白夜幻想曲
(新字新仮名)
/
谷譲次
(著)
三人のお医者が
交
(
かわ
)
る
交
(
がわ
)
る、僕たちのからだの
隅々
(
すみずみ
)
まで調べた。
峻烈
(
しゅんれつ
)
を極めた診察で、少々まいった。レントゲンにかけられ、血液も尿もとられた。坊やは、トラホームを見つけられ泣きべそを
掻
(
か
)
いた。
正義と微笑
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
女主人は機嫌好げに彼女の顔と私の方とを
交
(
かわ
)
る
交
(
がわ
)
る見ながら
霜凍る宵
(新字新仮名)
/
近松秋江
(著)
皆が代る
交
(
がわ
)
る手を差し出したが届かなかった。
少年の死
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
「それはね私達が皆終るまで決して終らないでしょうよ。
交
(
かわ
)
る
交
(
がわ
)
る呪いが私達にふりかかるでしょう、あの牧師さんが言ったように、たぶんそろそろとね、しかしそれはあの方にふりかかったように私達皆んなにかかる事でしょう」
金の十字架の呪い
(新字新仮名)
/
ギルバート・キース・チェスタートン
(著)
住蓮と、安楽房とは、
交
(
かわ
)
る
交
(
がわ
)
るそこへ彼女たちの不便な物を運んでやっていた。——すると、何時とはなく、こう二人の者の行動を知って
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
その西の手から東の手へ、
一条
(
ひとすじ
)
の糸を渡したので町幅を
截
(
き
)
って
引張
(
ひっぱり
)
合って、はらはらと走り、三ツ四ツ小さな顔が、
交
(
かわ
)
る
交
(
がわ
)
る見返り、見返り
黒百合
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
平次は十手と青銭と
交
(
かわ
)
る
交
(
がわ
)
る飛ばして、わずかに身を防ぎましたが、相手の武家は思いの外の使い手で、平次も次第に圧迫されるばかりです。
銭形平次捕物控:010 七人の花嫁
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
ところがある朝手習の先生のうちの前の草原で二人の子供がみんなに囲まれて
交
(
かわ
)
る
交
(
がわ
)
る話していました。
毒もみのすきな署長さん
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
近くで得られるあてもないから、大きな油紙を拡げて雨水を溜めたり、其他鍋、飯盒、弁当箱、空缶等、何でも水の溜る物は、用が済むと
交
(
かわ
)
る
交
(
がわ
)
る外に出して雨受けにした。
大井川奥山の話
(新字新仮名)
/
木暮理太郎
(著)
出入口の戸や壁に
倚
(
よ
)
りかかって話をしている事もあるし、時候が暑くなると舞台で使う腰掛を持出して、夜昼となく大勢
交
(
かわ
)
る
交
(
がわ
)
るに腰をかけて、笑い興じていることもあったが
草紅葉
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
床の間の前に並んでいる教授がたの処へ、卒業生が
交
(
かわ
)
る
交
(
がわ
)
るお杯を頂戴しに行く。教授の中には、わざと卒業生の前へ来て
胡坐
(
あぐら
)
をかいて話をする人もある。席は大分入り乱れて来た。
ヰタ・セクスアリス
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
恥ずかしき
紅
(
くれない
)
と恨めしき鉄色をより合せては、逢うて絶えたる人の心を読むべく、
温和
(
おとな
)
しき黄と思い上がれる紫を
交
(
かわ
)
る
交
(
がわ
)
るに畳めば、魔に誘われし
乙女
(
おとめ
)
の、
我
(
われ
)
は
顔
(
がお
)
に高ぶれる
態
(
さま
)
を写す。
薤露行
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
すると二人の侍が、
交
(
かわ
)
る
交
(
がわ
)
る答えますには
犬と笛
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
喜
(
よろこび
)
と
悩
(
なやみ
)
とにおそろしく
交
(
かわ
)
る
交
(
がわ
)
る襲われて
正義と微笑
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
それから数日の間、ここに巣くう悪の
一群
(
ひとむれ
)
は、毎日、範宴の居所と、噂の実相をさぐることに
交
(
かわ
)
る
交
(
がわ
)
る出あるいていた。
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
……と唄う、ただそれだけを繰返しながら、矢をはぎ、斧を舞わし、太刀をかざして、
頤
(
あご
)
から頭なりに、首を一つぐるりと振って、
交
(
かわ
)
る
交
(
がわ
)
るに緩く舞う。
茸の舞姫
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
お静とガラッ八が、
交
(
かわ
)
る
交
(
がわ
)
る報告する軽業小屋の不思議な殺しの
顛末
(
てんまつ
)
、平次は黙って聴いておりましたが
銭形平次捕物控:118 吹矢の紅
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
みんなは
交
(
かわ
)
る
交
(
がわ
)
る、
前肢
(
まえあし
)
を一本環の中の方へ出して、今にもかけ出して行きそうにしては、びっくりしたようにまた引っ込めて、とっとっとっとっしずかに走るのでした。
鹿踊りのはじまり
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
辛防
(
しんぼう
)
が
肝心
(
かんじん
)
だと思って左右
交
(
かわ
)
る
交
(
がわ
)
るに動かしたがやはり依然として歯は餅の中にぶら下っている。ええ面倒だと両足を一度に使う。すると不思議な事にこの時だけは
後足
(
あとあし
)
二本で立つ事が出来た。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「どうだ、
螇蚸
(
ばった
)
、
蟷螂
(
かまきり
)
、」といいながら、お雪と島野を
交
(
かわ
)
る
交
(
がわ
)
る、笑顔で
眗
(
みまわ
)
しても豪傑だから
睨
(
にら
)
むがごとし。
黒百合
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
野宿の軽業一座は、夜通し火を焚いて、
交
(
かわ
)
る
交
(
がわ
)
る番人を置きましたが夜中から
暁方
(
あけがた
)
かけて、焚火を見張らされたのは、一座の花形で源吉という綱渡りの少年でした。
裸身の女仙
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
彼の脳裏には、今日の日中に、
交
(
かわ
)
る
交
(
がわ
)
る
痕
(
あと
)
を残した色彩が、時の前後と形の差別を忘れて、一度に散らついていた。そうして、それが何の色彩であるか、何の運動であるか
慥
(
たし
)
かに
解
(
わか
)
らなかった。
それから
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「かかる折こそ」とばかり、
舎人
(
とねり
)
たちは、宵の早くから酒を持ち込んでいるし、
上達部
(
かんだちべ
)
たちは、宴楽に
耽
(
ふ
)
けっているし、
衛府
(
えふ
)
の小者などは、御門が閉まると、
交
(
かわ
)
る
交
(
がわ
)
る町へ出ては、遊んで帰った。
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
そして
交
(
かわ
)
る
交
(
がわ
)
るふっふっと息をそこへ吹き込みました。
双子の星
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
おっこちたと
謂
(
い
)
わるる男、すなわちこれなる源次郎のせめてそれだけでも
止
(
よ
)
して頂きたい、目金を乗せた鼻の形と、
件
(
くだん
)
の下駄と
交
(
かわ
)
る
交
(
がわ
)
る
見競
(
みくら
)
べて
解
(
げ
)
せない顔附。
湯島詣
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
やがて
交
(
かわ
)
る
交
(
がわ
)
る風呂に入った二人の浪人者は、一本つけさして、互に献酬を始めました。平次はその間に部屋を出て、懐紙に帳場
硯
(
すずり
)
でサラサラと何やら
認
(
したた
)
め、店先に立って宵の街を眺めております。
銭形平次捕物控:082 お局お六
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
二人は
交
(
かわ
)
る
交
(
がわ
)
る火鉢に手を
翳
(
かざ
)
した。
門
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
交
(
かわ
)
る
交
(
がわ
)
る取って投げしが、はずみて、矢のごとくそれたる一条、土間に居たまいたる母上の、袖もてわれを
抱
(
いだ
)
きてうつ向きたまいし目の
前
(
さき
)
にハタと落ちたるに、フト立ちて帰りたまいき。
照葉狂言
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
通ったですが、村の者が
交
(
かわ
)
る
交
(
がわ
)
る高く傘を
擎掛
(
さしか
)
けて
練
(
ね
)
ったですね。
薬草取
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「お召ものの飾から、光の
射
(
さ
)
すお方を見たら、お連れ申して参りますように、お
使
(
つかい
)
でございます。」と
交
(
かわ
)
る
交
(
がわ
)
るいって、向合って、いたいたけに
袖
(
そで
)
をひたりと立つと、
真中
(
まんなか
)
に両方から
舁
(
か
)
き据えたのは
伊勢之巻
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
“交”の意味
《名詞》
(コウ)付き合い、交わり。
(コウ)年月や季節の変わり目。
(出典:Wiktionary)
交
常用漢字
小2
部首:⼇
6画
“交”を含む語句
交際
交換
入交
交互
交々
交渉
交代
交叉
取交
交情
打交
交趾
眼交
交尾
交錯
交誼
情交
人交
目交
飛交
...