二郎じろう)” の例文
二郎じろうは、そのおじいさんをていますと、おじいさんは、二郎じろうのわきへちかづいて、ゆきぎようとして二郎じろうあたまをなでてくれました。
赤い船のお客 (新字新仮名) / 小川未明(著)
人の悪い岡田はわざわざ細君に、「今二郎じろうさんがおまえの事を大変めて下すったぜ。よく御礼を申し上げるが好い」と云った。
行人 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
「これ/\、しゅん一、二郎じろう、じゃあなかった。英彦ひでひこ、いや、雅男まさお一寸ちょっとその新聞を取っておくれ。そのお前の側にあるのを」
嫁取婿取 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
福田氏は、数字が「九」まで進んだ時、もう我慢がし切れなくなって、おいの玉村二郎じろうを呼びよせて、この快活な若者の智恵を借りることにした。
魔術師 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
二郎じろうさんは、大急ぎでうちへ飛んで帰りました。二郎さんの綿入をぬっていらした母さんにいいました。
クリスマスの贈物 (新字新仮名) / 竹久夢二(著)
こぼれ糸さでにつくりて魚とると二郎じろう太郎たろう三郎さぶろう川に日くらす
曙覧の歌 (新字新仮名) / 正岡子規(著)
「おまえは、よくおとなりへゆくが、おかみさんの仕事しごと邪魔じゃまをしてはいけないよ。」と、おばあさんは、二郎じろうにいいかせたのです。
お化けとまちがえた話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
彼はさっき広っぱの方を覗いた時に、その奥村二郎じろうがバットを振り廻しているのを、頭のすみで認めたことを思出した。
灰神楽 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
「だって、おとなりの二郎じろうさんが、悪漢わるものになるとき、いるんだっていったんですもの」
クリスマスの贈物 (新字新仮名) / 竹久夢二(著)
二郎じろうは、自分じぶんをそのきゅうりにきました。きゅうりのあおいつやつやとしたはだは、二郎じろうこうとするふでさきすみをはじきました。
遠くで鳴る雷 (新字新仮名) / 小川未明(著)
「ホラ、君達兄弟が仲よく並んで写っている。右のが兄さんの谷山二郎じろう君だ。左が君だ。僕はこれを君達の郷里の信州S町の写真屋から探し出して来たんだよ」
吸血鬼 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
「おばあさん、うそでない、ほんとうだから。」と、二郎じろうは、こういいながら、なおもおそろしがってふとんをあたまからかぶっていました。
お化けとまちがえた話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
手紙は、弟の二郎じろうと一緒に一週間ばかり前からこちらに来て、毎日狩猟しゅりょうに日を暮しているが、二人だけでは面白くないから、ひまがあれば私にも遊びに来ないか、という文面だった。
火縄銃 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
二郎じろうちゃんのおかあさんは、そのときの無邪気むじゃきなみいちゃんのようすをおもして、ひとりほほえみながら、あるいていられました。
小さな妹をつれて (新字新仮名) / 小川未明(著)
二郎じろうちゃん、あすこがいいよ。」と、ゆうちゃんが、かわがりかどをさしました。そこには、おじいさんが、りをしていました。
小さな妹をつれて (新字新仮名) / 小川未明(著)
二郎じろうは、あしもとにいているあかはなが、かぜになよなよとかれている姿すがたが、そのひとのようすそのままであったことをおもったのです。
赤い船のお客 (新字新仮名) / 小川未明(著)
「だって、ぼく、わるいおてんだと、あたらしい洋服ようふくなどていって、ずかしいんだもの。」と、二郎じろうちゃんは、きまりわるそうに、いいました。
小さな妹をつれて (新字新仮名) / 小川未明(著)
「そんなら、あしたの晩方ばんがたそとていてごらん、きっと、あのうまとおるだろうから……。」と、二郎じろうは、にいさんやねえさんにいいました。
びっこのお馬 (新字新仮名) / 小川未明(著)
二郎じろうや、いくら、おとなりのおかみさんは、いいひとでも、そう毎日まいにちいっては、しまいにきてくれるなというから、あまりゆくのじゃない。」
お化けとまちがえた話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
二郎じろうや、あのおおきくなったきゅうりをもいでおいでなさい。つるをいためないように、ここにはさみがあるから、上手じょうずにもいでおいで。」
遠くで鳴る雷 (新字新仮名) / 小川未明(著)
二郎じろうは、なんとなくそれをもぐのがしのびないような、あわれなような、しいようながしてしばらくそこにっていました。
遠くで鳴る雷 (新字新仮名) / 小川未明(著)
そして、さっそく、二かいがっていって、まどぎわにちましたけれど、ひくくて、二郎じろうは、屋根やねうえをのぞくことができませんでした。
びっこのお馬 (新字新仮名) / 小川未明(著)
ねえさん、ぼくのおうまあしはどうなった? さしておくれよ。」と、二郎じろうは、ねえさんにいてせてくれるようにたのみました。
びっこのお馬 (新字新仮名) / 小川未明(著)
二郎じろうさんは スピードを だして はしりました。シャツの そでが かぜに ふくらんで、かみのけが ふわふわしました。
つめたい メロン (新字新仮名) / 小川未明(著)
このとき、二郎じろうは、ふとおきほうますと、そこにはわきたように、あかふねあおうみ波間なみまかんでいたのであります。
赤い船のお客 (新字新仮名) / 小川未明(著)
果物くだものがはいっているから、いさむちゃんは、たべていけないのですね。」と、二郎じろうさんが、パイをながめながらいいました。
お母さんはえらいな (新字新仮名) / 小川未明(著)
しげるさんがおこって、ジョンをかわなかとしたんだよ、ジョンのやつ、クンクンないてげていってしまった。」と、二郎じろうさんが、げました。
僕たちは愛するけれど (新字新仮名) / 小川未明(著)
さっきから、やはりだまって、おいしそうなおおきなパイをながめていた、いさむちゃんは、これをきくとかおをして、二郎じろうさんにとびつきました。
お母さんはえらいな (新字新仮名) / 小川未明(著)
太郎たろう二郎じろうとは、よく、あさきるときから、よるるまでのあいだに、いくたびということなく、けんかをしたかしれません。
子供と馬の話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
太郎たろう二郎じろうは、自分じぶんのいままでんでしまってかさねておいた雑誌ざっしや、書物しょもつや、またおもちゃなどを不幸ふこう子供こどもたちにあげたいとおとうさんにもうしました。
子供と馬の話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
二郎じろうちゃん、メロンが つめたく なって いますよ。にいさんが かえったら、きって あげましょうね。」
つめたい メロン (新字新仮名) / 小川未明(著)
「そんなことをしたって、だめだよ。それよりか、だれかってくれないかな。」と、二郎じろうさんが、いいました。
僕たちは愛するけれど (新字新仮名) / 小川未明(著)
翌日よくじつは、土曜日どようびで、二郎じろうさんもはや学校がっこうからかえってきました。そして、みんなが、お縁側えんがわはなしをしていました。
黒いちょうとお母さん (新字新仮名) / 小川未明(著)
あかちゃんは、ねこをて、きゃっ、きゃっといって、よろこびました。二郎じろうさんは、あかちゃんのよろこぶのをて、自分じぶんわらって、あかちゃんにとれていました。
僕たちは愛するけれど (新字新仮名) / 小川未明(著)
「あ、くろあげはだ。しずかにしていておくれ、ぼくいまあみってきて、つかまえるのだから……。」と、これをつけた二郎じろうさんは、いろえてがりました。
黒いちょうとお母さん (新字新仮名) / 小川未明(著)
「おはなしをしてあげますから……。」と、おかあさんがおっしゃったので、二郎じろうさんは、捕虫網ほちゅうあみをそこにて、太郎たろうさんとお行儀ぎょうぎよくならんで、おかあさんのまえにすわりました。
黒いちょうとお母さん (新字新仮名) / 小川未明(著)
「ずるいや、おかあさん、公平こうへい分配ぶんぱいしてくださいね。」と、二郎じろうさんが、さけびました。
お母さんはえらいな (新字新仮名) / 小川未明(著)
太郎たろう二郎じろうとが、またちょっとしたことから、けんかをはじめましたときに、おとうさんは、昨夜ゆうべた、あわれな子供こどもらやとおいところからあるいてきたうまはなし二人ふたりにしてきかされました。
子供と馬の話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
二郎じろうさんは じぶんも、にいさんの しゃせいに いって いる、ぼくじょうへ いって みようかと おもって いると、おばさんが、きみさんを つれて、おいでに なりました。
つめたい メロン (新字新仮名) / 小川未明(著)