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逗留
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とうりう
ふりがな文庫
“
逗留
(
とうりう
)” の例文
一昨日
(
をとゝひ
)
の晩あの人混みの中で、曲者が捨てた匕首の鞘なんか、橋の上に何時までも
逗留
(
とうりう
)
してゐるわけはないぢやありませんか。
銭形平次捕物控:310 闇に飛ぶ箭
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
我が
郡中
(
ぐんちゆう
)
小千谷
(
をぢや
)
の
縮
(
ちゞみ
)
商人
芳沢屋
(
よしさはや
)
東五郎
俳号
(
はいがう
)
を二松といふもの、商ひの
為
(
ため
)
西国にいたり
或
(
ある
)
城下に
逗留
(
とうりう
)
の間、旅宿の
主
(
あるじ
)
がはなしに
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
晴さんと五六日
早咲
(
はやさき
)
に
逗留
(
とうりう
)
して居たりしが不※心に思ふやう此處にて金銀を
遣
(
つか
)
ひ
捨
(
すて
)
んよりは江戸へ行て身を
落付
(
おちつけ
)
後
(
のち
)
心の儘に樂まんと夫より室を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
先日
(
こなひだ
)
備中
(
びつちゆう
)
酒津
(
さかづ
)
に同じ
画家
(
ゑかき
)
仲間の
児島
(
こじま
)
虎次郎氏を訪ねて、二三日そこに
逗留
(
とうりう
)
してゐたが、満谷氏が
何
(
ど
)
うかすると
押売
(
おしうり
)
に謡ひ出さうとするのを知つてゐる児島氏は
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
七日前
(
なぬかぜん
)
に
東京驛
(
とうきやうえき
)
から
箱根越
(
はこねごし
)
の
東海道
(
とうかいだう
)
。——
分
(
わか
)
つた/\——
逗留
(
とうりう
)
した
大阪
(
おほさか
)
を、
今日
(
けふ
)
午頃
(
ひるごろ
)
に
立
(
た
)
つて、あゝ、
祖母
(
おばあ
)
さんの
懷
(
ふところ
)
で
昔話
(
むかしばなし
)
に
聞
(
き
)
いた、
栗
(
くり
)
がもの
言
(
い
)
ふ、たんばの
國
(
くに
)
。
城崎を憶ふ
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
▼ もっと見る
尤
(
もつと
)
も柏亭君の滞在は長かつたから
良家
(
りやうか
)
の女を見た上の批評だらうが、僕の短い
逗留
(
とうりう
)
中では先刻迎へに出て
呉
(
く
)
れたホテルの
一人
(
ひとり
)
娘を除いた
外
(
ほか
)
に美しいと思ふ女は見当らなかつた。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
只
(
たゞ
)
「坊主
好
(
よ
)
く来た」と云つて、
微笑
(
ほゝゑ
)
みつゝ頭を
撫
(
な
)
でゝくれたことだけを、
微
(
かす
)
かに記憶してゐる。両親と母とには、余り
逗留
(
とうりう
)
が長くなるので、
一寸
(
ちよつと
)
逢ひに帰つたと云つたさうである。
津下四郎左衛門
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
と嘉吉は、それぎり黙り込んでしまふのが常だつた。
然
(
しか
)
し今度妹が当分の間
逗留
(
とうりう
)
の積りで帰つて来たのも、そこには何かの事情がなくてはならなかつた。嘉吉はそれを知つてゐた。
煤煙の匂ひ
(新字旧仮名)
/
宮地嘉六
(著)
見舞ひ或ひは永訣——その
孰
(
どちら
)
になるかは、東京を立つた時の彼には判らなかつた——のために大阪へ来たついでに、甥にさそはれて立寄つたのを機会に、しばらく
逗留
(
とうりう
)
したまでであつた。
閾
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
大方、彼の友人の副監督のところで
逗留
(
とうりう
)
を長びかしてゐたのだらう。が兎に角、彼の不在は、私には救ひであつた。私には彼が來るのを
怖
(
こは
)
がる私自身の理由があつたことは云ふまでもない。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
夏中
逗留
(
とうりう
)
するといへば、
怎
(
ど
)
うせ又顔を合せなければならぬのだ。
鳥影
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
我が
郡中
(
ぐんちゆう
)
小千谷
(
をぢや
)
の
縮
(
ちゞみ
)
商人
芳沢屋
(
よしさはや
)
東五郎
俳号
(
はいがう
)
を二松といふもの、商ひの
為
(
ため
)
西国にいたり
或
(
ある
)
城下に
逗留
(
とうりう
)
の間、旅宿の
主
(
あるじ
)
がはなしに
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
致さるゆゑ我れ永々
逗留
(
とうりう
)
なす事甚だ氣の毒に思ふなり是は少しなれども
先
(
まづ
)
暮
(
くら
)
し方の足にも致されよと渡すに主は大いに
驚
(
おどろ
)
き是は思ひも
寄
(
よら
)
ぬ事を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
むかし支唐
禅師
(
ぜんじ
)
といふ坊さんが、
行脚
(
あんぎや
)
をして出羽の国へ往つた。そして
土地
(
ところ
)
の
禅寺
(
ぜんでら
)
に
逗留
(
とうりう
)
してゐるうち、その寺の
後方
(
うしろ
)
に大きな椎の木の
枯木
(
かれき
)
があるのを
発見
(
めつ
)
けた。
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
今
(
いま
)
から二三
年前
(
ねんまへ
)
のこと、
其時
(
そのとき
)
は、
船
(
ふね
)
の
出懸
(
でが
)
けから
暴風雨模樣
(
あれもやう
)
でな、
風
(
かぜ
)
も
吹
(
ふ
)
く、
雨
(
あめ
)
も
降
(
ふ
)
る。
敦賀
(
つるが
)
の
宿
(
やど
)
で
逡巡
(
しりごみ
)
して、
逗留
(
とうりう
)
した
者
(
もの
)
が七
分
(
ぶ
)
あつて、
乘
(
の
)
つたのはまあ三
分
(
ぶ
)
ぢやつた。
旅僧
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
「あの方達は長いこと
逗留
(
とうりう
)
なさるとお思ひになつて?」
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
聞夫婦は
増々
(
ます/\
)
悦
(
よろこ
)
び
心靜
(
こゝろしづ
)
かに
逗留
(
とうりう
)
いたしける
中
(
うち
)
早くも十日程立疵口も
稍
(
やゝ
)
平癒
(
へいゆ
)
して身體も大丈夫に
成
(
なり
)
ければ最早江戸表へ出立せんと申に亭主八五郎は是を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
この
苧纑
(
をがせ
)
商人、
或時
(
あるとき
)
余
(
よ
)
が
俳友
(
はいいう
)
の家に
逗留
(
とうりう
)
の
話
(
はなし
)
に
件
(
くだん
)
の事を
語
(
かた
)
り
出
(
いだ
)
し、
彼時
(
かのとき
)
我六百の銭を
惜
(
をし
)
み焼飯を
買
(
かは
)
ずんば、
雪吹
(
ふゞき
)
の
中
(
うち
)
に
餓死
(
うゑじに
)
せんことかの
農夫
(
のうふ
)
が如くなるべし
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
而
(
そ
)
して、
百年
(
ひやくねん
)
以来
(
いらい
)
、
天守
(
てんしゆ
)
に
棲
(
す
)
む
或
(
ある
)
怪
(
あやし
)
いものゝ
手
(
て
)
を
攫
(
さら
)
はれて、
今
(
いま
)
見
(
み
)
らるゝ
通
(
とほ
)
りの
苦艱
(
くげん
)
を
受
(
う
)
ける……
何
(
なに
)
とぞ
此
(
こ
)
の
趣
(
おもむき
)
を、
温泉
(
をんせん
)
に
今
(
いま
)
も
逗留
(
とうりう
)
する
夫
(
をつと
)
に
伝
(
つた
)
へて、
寸時
(
すんじ
)
も
早
(
はや
)
く
人間界
(
にんげんかい
)
に
助
(
たす
)
けられたい。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
この
苧纑
(
をがせ
)
商人、
或時
(
あるとき
)
余
(
よ
)
が
俳友
(
はいいう
)
の家に
逗留
(
とうりう
)
の
話
(
はなし
)
に
件
(
くだん
)
の事を
語
(
かた
)
り
出
(
いだ
)
し、
彼時
(
かのとき
)
我六百の銭を
惜
(
をし
)
み焼飯を
買
(
かは
)
ずんば、
雪吹
(
ふゞき
)
の
中
(
うち
)
に
餓死
(
うゑじに
)
せんことかの
農夫
(
のうふ
)
が如くなるべし
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
「
知
(
し
)
れた
事
(
こと
)
を、
貴様
(
きさま
)
がお
浦
(
うら
)
を
掴出
(
つかみだ
)
した、……あの
旅籠屋
(
はたごや
)
に
逗留
(
とうりう
)
して
居
(
ゐ
)
る。」
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
我
(
われ
)
江戸に
逗留
(
とうりう
)
せしころ、
旅宿
(
りよしゆく
)
のちかきあたりに死亡ありて
葬式
(
さうしき
)
の日大
嵐
(
あらし
)
なるに、
宿
(
やど
)
の
主
(
あるじ
)
もこれに
往
(
ゆく
)
とて
雨具
(
あまぐ
)
きびしくなしながら、
今日
(
けふ
)
の
仏
(
ほとけ
)
はいかなる
因果
(
いんくわ
)
ものぞや
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
○
余
(
よ
)
若かりし時、
妻有
(
つまあり
)
の
庄
(
しやう
)
に(魚沼郡の内に在)用ありて両三日
逗留
(
とうりう
)
せし事ありき。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
“逗留”の意味
《名詞》
逗 留(とうりゅう)
旅先などにしばらく宿泊して滞在すること。
その場に留まって先に進まないこと。
その場に留まっている時間。
(出典:Wiktionary)
逗
漢検準1級
部首:⾡
11画
留
常用漢字
小5
部首:⽥
10画
“逗留”で始まる語句
逗留中
逗留客