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くわ
ふりがな文庫
“
詳
(
くわ
)” の例文
といって、
詳
(
くわ
)
しく
道
(
みち
)
を
教
(
おし
)
えてくれました。
坊
(
ぼう
)
さんは
涙
(
なみだ
)
をこぼして、
手
(
て
)
を
合
(
あ
)
わせて
拝
(
おが
)
みながら、ころがるようにして
逃
(
に
)
げていきました。
人馬
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
詳
(
くわ
)
しく云うと、暇がかかるから、このくらいで
御免蒙
(
ごめんこうむ
)
って先へ進みます。現代の理想が美でなければ、善であろうか、愛であろうか。
文芸の哲学的基礎
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
御船手付から北町奉行所へとどいた取調書のほうがむしろ
詳
(
くわ
)
しいくらい。なんという手掛りもなく、ぼんやりと御船蔵を出てきた。
顎十郎捕物帳:13 遠島船
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
詳
(
くわ
)
しく話そう、お種は兵二郎を怨んでいたのさ、間がよくばと思ったかも知れない。あの晩、若い人たちはみんな市ガ谷八幡へ行った。
銭形平次捕物控:349 笛吹兵二郎
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
イヤしかしそなたの
質問
(
とい
)
は
大分
(
だいぶん
)
俺
(
わし
)
の
領分外
(
りょうぶんがい
)
の
事柄
(
ことがら
)
に
亘
(
わた
)
って
来
(
き
)
た。
産土
(
うぶすな
)
のことなら、
俺
(
わし
)
よりもそなたの
指導役
(
しどうやく
)
の
方
(
ほう
)
が
詳
(
くわ
)
しいであろう。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
▼ もっと見る
名簿
(
めいぼ
)
を取りに立とうとすると、東海さんが、
突然
(
とつぜん
)
、大声で、「
大坂
(
ダイハン
)
に聞けよ。大坂は、女の選手のことなら、とても
詳
(
くわ
)
しいんだ」
オリンポスの果実
(新字新仮名)
/
田中英光
(著)
恵子が淫売で拘留されたことがあるとか、家の裏に抜穴があるとか、もっと
詳
(
くわ
)
しいことが噂立った。龍介はイライラしてきた。
雪の夜
(新字新仮名)
/
小林多喜二
(著)
もっと
訊
(
き
)
き
質
(
ただ
)
したくもあり、黙って引き退るべきであるような
曖昧
(
あいまい
)
な気持になりながら、矢張り、も少し
詳
(
くわ
)
しく聞きたかった。
春:――二つの連作――
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
憑きもののしていない彼等には、実際に見もしない事柄について、あんなに
詳
(
くわ
)
しく述べることなど、思いも寄らぬからである。
狐憑
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
この町のガスはご存知の通り、石炭でなしに、魚油を
乾溜
(
かんりゅう
)
してつくっているのですから。いずれ又お目にかかって
詳
(
くわ
)
しく申しあげましょう。
ビジテリアン大祭
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
ところが深山氏は閣下にいろいろと
詳
(
くわ
)
しく説明していた
最中
(
さいちゅう
)
なのです。深山氏が
喋
(
しゃべ
)
っているのに、閣下はウーンといって
仆
(
たお
)
れられたのです。
赤外線男
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
詳
(
くわ
)
しい事は
判然
(
わか
)
りませんが、その遊神湖という湖の周囲には、歴史以前に崑崙国といって、素敵に文化の進んだ一つの王国があったそうです。
狂人は笑う
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
「ならば、この辺の地理には
詳
(
くわ
)
しかろうが、高野路もふさがれ、水路もならぬとすれば、袋の鼠、どう落ちのびる道があろ」
私本太平記:03 みなかみ帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
そうして、師匠の英善の身のうえに就いて自分の知っているだけのことを
詳
(
くわ
)
しく話して帰った。帰る時に、半七はかれに何事かを教えてやった。
半七捕物帳:25 狐と僧
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
「その男を決定するには条件がある。宿の事情に
詳
(
くわ
)
しい男、その日は宿に残っていた男、鍵を自由に扱える男、最後に褌ひとつで飛出した男だ!」
浴槽
(新字新仮名)
/
大坪砂男
(著)
例の失敗におわった夜中の
遠征
(
えんせい
)
から、一週間の間にわたしの経験したことを、
詳
(
くわ
)
しく話してみろと言われたら、わたしは
頗
(
すこぶ
)
る閉口するに違いない。
はつ恋
(新字新仮名)
/
イワン・ツルゲーネフ
(著)
そうしてさらに
詳
(
くわ
)
しくいえば、純粋自然主義はじつに反省の形において他の一方から分化したものであったのである。
時代閉塞の現状:(強権、純粋自然主義の最後および明日の考察)
(新字新仮名)
/
石川啄木
(著)
わが輩が歩いた道のことを
詳
(
くわ
)
しく知らぬ人が、よその人から聞いて、この道は非常に悪路である、
嶮岨
(
けんそ
)
だとか、危険の多い道だとか信じている人は
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
中には、高い崖の上から落下して長い間気絶していた人や、溺死した人やのその人自身の
詳
(
くわ
)
しい実話などもあった。
田舎医師の子
(新字新仮名)
/
相馬泰三
(著)
真空技術のことを書いた本には、いろいろ
詳
(
くわ
)
しい記述があり、それを読むと、10
-6
ミリくらいの高真空は、何でもないように思われるかもしれない。
実験室の記憶
(新字新仮名)
/
中谷宇吉郎
(著)
博覧無双の名あったプリニウスの猴の記載はこれに止まり、李氏のやや
詳
(
くわ
)
しきに劣れるは、どうしてもローマに自生なく中国に多種の猴を産したからだ。
十二支考:07 猴に関する伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
始めから終りまで千鳥の話を
詳
(
くわ
)
しく見てしまうまでは、
翳
(
かざ
)
す両手のくたぶれるのも知らぬ。袖を畳むとこう思う。
千鳥
(新字新仮名)
/
鈴木三重吉
(著)
琉歌のことでも、
音曲
(
おんぎょく
)
のことでも、楽器のことでも、実に
詳
(
くわ
)
しい知識をもっていました。それに大の料理通で、私は長夜の宴に列する栄を度々得たことでした。
沖縄の思い出
(新字新仮名)
/
柳宗悦
(著)
詳
(
くわ
)
しくいうと十一月の十日に御即位の御大礼が挙げられて、大阪の町々は夜ごと四ツ竹を持った踊りの群がくりだすという騒ぎ、町の景気も浮ついていたので
アド・バルーン
(新字新仮名)
/
織田作之助
(著)
手前、存じているだけのことは申し上げてしまいますが、文麻呂様は御自身でもかたく口をつぐんでおられますので、
詳
(
くわ
)
しいことは手前とても
皆目
(
かいもく
)
存じませぬ。
なよたけ
(新字新仮名)
/
加藤道夫
(著)
今度は平ヶ岳を下って只見川の上流から尾瀬沼へ抜ける考えでいた、そこで人夫の経済上からとその路に
詳
(
くわ
)
しい者を、檜枝岐から雇うことにしてあったのである
平ヶ岳登攀記
(新字新仮名)
/
高頭仁兵衛
(著)
ポルトガル国はオランダ、メリケン国に優るとも劣らぬ繁昌の国小判の国と
詳
(
くわ
)
しく書いてじゃ。対馬は常に只、貧しい者達の懐中を思うてやりたい。決断致すぞ。
老中の眼鏡
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
敬愛
(
けいあい
)
する
讀者
(
どくしや
)
諸君
(
しよくん
)
よ、
私
(
わたくし
)
は
今
(
いま
)
、
此
(
この
)
驚
(
おどろ
)
く
可
(
べ
)
く
懼
(
おそ
)
る
可
(
べ
)
き
海底戰鬪艇
(
かいていせんとうてい
)
の
構造
(
こうざう
)
について、
詳
(
くわ
)
しき
説明
(
せつめい
)
を
試
(
こゝろ
)
みたいのだが、それは
櫻木海軍大佐
(
さくらぎかいぐんたいさ
)
の
大秘密
(
だいひみつ
)
に
屬
(
ぞく
)
するから
出來
(
でき
)
ぬ。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
「縁あらば
詳
(
くわ
)
しいお身の上を聞きもし語りもしましょう。して、そなた様は今どこにおられます」
大菩薩峠:04 三輪の神杉の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
これらを
詳
(
くわ
)
しく物語りたいのは、筆者の心からの願いである。しかし、次郎は今母に死別したばかりである。彼のこれからの生活を知っているものは神様だけしかない。
次郎物語:01 第一部
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
そこへやれと言わんばかりに、金山寺屋は、神田の
場処
(
ばしょ
)
までも、
詳
(
くわ
)
しく知らせて行ったのである。
魔像:新版大岡政談
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
... さあ、
詳
(
くわ
)
しくおっしゃって下さい」と申しあげた。すると、崇徳院はさっと顔色をかえられて
雨月物語:02 現代語訳 雨月物語
(新字新仮名)
/
上田秋成
(著)
先刻
(
さっき
)
はね、お父さんが大変心配していらしたから、私が医者に
詳
(
くわ
)
しく聞いてあげようと云ったんだよ。そして医者が帰る時一緒に外を歩いて、種々なことを尋ねて来たよ。
生あらば
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
何をしてつかまるんだか、お徳は
詳
(
くわ
)
しく話してくれたんだが、
生憎
(
あいにく
)
今じゃ覚えていない。
片恋
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
これらのいろいろの解釈が可能であると思われるが、著者は本書ではそれを、政治現象の基本的な諸問題に一通りの究明を試み、より
詳
(
くわ
)
しい研究への
示唆
(
しさ
)
を与えるものと解釈した。
政治学入門
(新字新仮名)
/
矢部貞治
(著)
昨夜の男が官邸にはいったに違いないと思って、家へ帰ると主人に
詳
(
くわ
)
しく報告した。すると、主人は検非違使の長官とは割合
懇意
(
こんい
)
であったので、すぐ出向いてその事を長官に話した。
女強盗
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
もっともあの
娘
(
こ
)
の始めの口振りじゃ、何でも勤人のところへ行きたい様子で、どうも船乗りではと、進まないらしいようだったがね、私がだんだん
詳
(
くわ
)
しい話をして、並みの船乗りではない
深川女房
(新字新仮名)
/
小栗風葉
(著)
生は歌よみよりは局外者とか
素人
(
しろうと
)
とかいはるる身に有之、従つて
詳
(
くわ
)
しき歌の学問は致さず、格が何だか文法が何だか少しも承知致さず候へども、大体の趣味
如何
(
いかん
)
においては自ら信ずる所あり
歌よみに与ふる書
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
詳
(
くわ
)
しくいえばパーリー・ゾンで五日
暇取
(
ひまど
)
るとすればチベット暦の五月八日まで掛る。で三日追手がラサを出立すると仮定すればちょうど私は関門内にぐずぐずして居る中に
捉
(
とら
)
えてしまう訳です。
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
その日はなお
種々
(
いろいろ
)
のものを
喫
(
きっ
)
したが、今
詳
(
くわ
)
しく思出すことは出来ない。
野道
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
それも道理、松浦家の戸籍財産信用なぞが
詳
(
くわ
)
しく書き上げてある。
脱線息子
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
云うなら
僕
(
ぼく
)
だけに話せ、
随分
(
ずいぶん
)
妙な人も居るからなと忠告がましい事を云った。四つ角で分れたから
詳
(
くわ
)
しい事は聞くひまがなかった。
坊っちゃん
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「話は少し差障りがありますが、
詳
(
くわ
)
しく申上げないと、お解りにならないかも知れません。どうぞ、しばらくお許しを願います」
銭形平次捕物控:066 玉の輿の呪い
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
詳
(
くわ
)
しいことは
後
(
あと
)
で
追々
(
おいおい
)
話
(
はな
)
すとして、
兎
(
と
)
に
角
(
かく
)
人間
(
にんげん
)
は
竜神
(
りゅうじん
)
の
子孫
(
しそん
)
、
汝
(
そち
)
とても
元
(
もと
)
へ
溯
(
さかのぼ
)
れば、
矢張
(
やは
)
りさる
尊
(
とうと
)
い
竜神様
(
りゅうじんさま
)
の
御末裔
(
みすえ
)
なのじゃ。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
それにも
係
(
かかわ
)
らず、平田一郎という
陰険
(
いんけん
)
な男は、一体どこから見ているのか、実に
詳
(
くわ
)
しく、実に正確に、夫婦間の
秘事
(
ひじ
)
を手紙の上に
暴露
(
ばくろ
)
してある。
赤外線男
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
出先の秀吉の軍状にも
詳
(
くわ
)
しく、わが織田家の内状にも通じておるために、村重に買われたものだ。策士たる彼奴としては、ありそうな事よ。……
黒田如水
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
先生退職の理由を
詳
(
くわ
)
しく確めながら、学園生徒全体の留任運動を正月早々起しても手遅れにはなるまいと、義光ちゃんは考え深く附け足しました。
生々流転
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
蒙古人古来馬肉を食い、殊にその腐肉を
嗜
(
この
)
み、また馬乳で酒を作った事は支那人のほかにルブルキスやマルコ・ポロやプルシャワルスキ等の紀行に
詳
(
くわ
)
し。
十二支考:05 馬に関する民俗と伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
かえって先方では寝耳に水の家出沙汰におどろかされて、長三郎にむかって前後の事情などを
詳
(
くわ
)
しく詮議した。
半七捕物帳:69 白蝶怪
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
紅木大臣は心配のあまり家来を町に出して人の噂を聞かせますと、お目見得に来た女は六人共、皆宮中に留っているとの事で、
詳
(
くわ
)
しい事はよくわかりませぬ。
白髪小僧
(新字新仮名)
/
夢野久作
、
杉山萠円
(著)
詳
常用漢字
中学
部首:⾔
13画
“詳”を含む語句
詳細
不詳
未詳
詳密
詳報
委曲詳細
詳説
詳記
詳細事
詳悉
安詳
詳敷
詳究
詳知
詳述
詳言
詳明
詳密精細
詳備
詳々
...