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しょうき
ふりがな文庫
“
正気
(
しょうき
)” の例文
旧字:
正氣
とにかく彼はえたいの知れない
幻
(
まぼろし
)
の中を
彷徨
(
ほうこう
)
した
後
(
のち
)
やっと
正気
(
しょうき
)
を恢復した時には××
胡同
(
ことう
)
の社宅に
据
(
す
)
えた
寝棺
(
ねがん
)
の中に横たわっていた。
馬の脚
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
君がいつか
金
(
きん
)
青年の殺人犯人のことで、『犯人は気が変だ。それが馬鹿力を出して金を殺し、その直後に
正気
(
しょうき
)
に立ちかえって逃走した』
ゴールデン・バット事件
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
やがて
正気
(
しょうき
)
に
復
(
かえ
)
ってから、これはきっと神様が意見をして下さるのか、それとも
狐
(
きつね
)
か
狸
(
たぬき
)
に
化
(
ば
)
かされたのか、どちらかだろうと思いました。
泥坊
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
それを、
弓矢
(
ゆみや
)
にかけてもと申したいまの一
言
(
ごん
)
、それは
正気
(
しょうき
)
か! おどかしか! 見ごと取れるものなら武力をもって取ってみろ
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
気をうしなっていたあき子さんが、きゅうに、
正気
(
しょうき
)
づいて、いれられたばかりの車から、出てきたのでしょうか。
超人ニコラ
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
▼ もっと見る
昔、
磔刑
(
はりつけ
)
になる人間は、十
字架
(
じか
)
の上へ乗せられると、
既
(
すで
)
に半分
正気
(
しょうき
)
を失って居たと云うが、己は椅子に
腰
(
こし
)
をかけたとたんにもう、催眠術にかゝッて居た。
小僧の夢
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
しかし宗教にはどうも
這入
(
はい
)
れそうもない。死ぬのも未練に食いとめられそうだ。なればまあ気違だな。しかし未来の僕はさておいて、現在の僕は君
正気
(
しょうき
)
なんだろうかな。
行人
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
西田はこういい
捨
(
す
)
てて、細君の
寝間
(
ねま
)
へはいった。細君も
同情
(
どうじょう
)
深い西田の声を聞いてから、夢からさめたように
正気
(
しょうき
)
づいた。そうしてはいってきた西田におきて
礼儀
(
れいぎ
)
をした。
老獣医
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
いっしょにいったものが、
諭吉
(
ゆきち
)
を
外
(
そと
)
につれだし
水
(
みず
)
をのませると、やっと
正気
(
しょうき
)
にかえりました。
福沢諭吉:ペンは剣よりも強し
(新字新仮名)
/
高山毅
(著)
「
顕
(
うつ
)
しけめやも」、
現
(
うつつ
)
ごころに、正気で、
確
(
しっか
)
りして居ることが出来ようか、それは出来ずに、心が乱れ、
茫然
(
ぼうぜん
)
として
正気
(
しょうき
)
を失うようになるだろうという意味に落着くのである。
万葉秀歌
(新字新仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
渠は実に死すべしと
念
(
おも
)
いぬ。しだいに風
歇
(
や
)
み、馬
駐
(
とど
)
まると覚えて、直ちに
昏倒
(
こんとう
)
して
正気
(
しょうき
)
を失いぬ。これ御者が静かに馬より
扶
(
たす
)
け下ろして、茶店の座敷に
舁
(
か
)
き入れたりしときなり。
義血侠血
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「もちろんです。どうも
正気
(
しょうき
)
にはもどらないのじゃないかと心配しています。」
影
(新字新仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
米友を
口説
(
くど
)
き落したつもりの道庵は、いよいよ
有頂天
(
うちょうてん
)
で、多年の
慈姑頭
(
くわいあたま
)
をほごして、それを仔細らしく左右に押分け、鏡に向ってしきりに撫でつけているところは、
正気
(
しょうき
)
の
沙汰
(
さた
)
とも見えません。
大菩薩峠:24 流転の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
彼はわたしがたまたま会った人のうちでいちばん
正気
(
しょうき
)
で、いちばん気まぐれの少ない人物であろう。昨日も今日もおなじだ。むかし、われわれはともに散歩し、語り、首尾よく俗世界外にあそんだ。
森の生活――ウォールデン――:02 森の生活――ウォールデン――
(新字新仮名)
/
ヘンリー・デイビッド・ソロー
(著)
でも、いつまでも胸がわくわくして、
正気
(
しょうき
)
がつかないようでした。
青ひげ
(新字新仮名)
/
シャルル・ペロー
(著)
といいながら、そこに
倒
(
たお
)
れているお
姫
(
ひめ
)
さまを
抱
(
だ
)
き
起
(
お
)
こして、しんせつに
介抱
(
かいほう
)
しました。お
姫
(
ひめ
)
さまがすっかり
正気
(
しょうき
)
がついて、
立
(
た
)
ち
上
(
あ
)
がろうとしますと、すそからころころと
小
(
ちい
)
さな
槌
(
つち
)
がころげ
落
(
お
)
ちました。
一寸法師
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
命はそれといっしょに、ふと
正気
(
しょうき
)
におかえりになって
古事記物語
(新字新仮名)
/
鈴木三重吉
(著)
ちょっと
見
(
み
)
るとまるで
正気
(
しょうき
)
のようである。
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
彼は狐に鼻をつままれたような気持で
暫
(
しばら
)
くは
呆然
(
ぼうぜん
)
としていたが、やがてハッと
正気
(
しょうき
)
にかえって、急いで制服を身につけ短剣を下げると
恐怖の口笛
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
やがて、長者の家の人達が、
正気
(
しょうき
)
づいて
駆
(
か
)
けつけてみますと、庭の中が黒こげになっていて、長者は姿も見えませんでした。
雷神の珠
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
木隠龍太郎
(
こがくれりゅうたろう
)
のために、
河原
(
かわら
)
へ投げつけられた
燕作
(
えんさく
)
は、気をうしなってたおれていたが、ふとだれかに
介抱
(
かいほう
)
されて
正気
(
しょうき
)
づくと、
鳥刺
(
とりさ
)
し
姿
(
すがた
)
の男が
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
いや、実際厳密な意味では、普通
正気
(
しょうき
)
で通っている人間と精神病患者との境界線が、存外はっきりしていないのです。
路上
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
礼子はただがたがたふるえて母を
見守
(
みまも
)
っている。母はほとんど
正気
(
しょうき
)
を
失
(
うしな
)
ってものすさまじく、ただハアハア、ハアハアと
息
(
いき
)
をはずませてる。はっきりと口をきくものもない。
老獣医
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
ことによると寝ぼけて停車場を間違えたんだろうと気づかいながら、窓からながめていると、けっしてそうでない。無事に改札場を通過して、
正気
(
しょうき
)
の人間のように出て行った。
三四郎
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
ですが、この八形八重という女は、どうも
正気
(
しょうき
)
らしいですぜ。この前の事件で、刑務所に入るのがいやで、装っていたんじゃないですかなあ。
脳の中の麗人
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
正気
(
しょうき
)
にかえって、ポカンとあたりを見まわしたのは、ゆうべ、
今宮神社
(
いまみやじんじゃ
)
の
境内
(
けいだい
)
で、馬にけられてヘドを
吐
(
は
)
いて、あのまま
気絶
(
きぜつ
)
していた泣き虫の
蛾次郎
(
がじろう
)
。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
さて明くる日になって見ると、
成程
(
なるほど
)
祖母の願がかなったか、茂作は
昨日
(
きのう
)
よりも熱が下って、今まではまるで夢中だったのが、次第に
正気
(
しょうき
)
さえついて来ました。
黒衣聖母
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
弦三は、地響きのために、いまにも振り落されそうになる吾が身を、電柱の上に、しっかり
支
(
ささ
)
えている
裡
(
うち
)
に、やっと
正気
(
しょうき
)
に還ったようであった。
空襲葬送曲
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
常子は青い顔をしたまま、呼びとめる勇気も失ったようにじっと夫の
後
(
うし
)
ろ姿を見つめた。それから、——玄関の落ち葉の中に
昏々
(
こんこん
)
と
正気
(
しょうき
)
を失ってしまった。……
馬の脚
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
彼女は或る
甚
(
はなは
)
だ面目ないことを仕でかし、
面目
(
めんもく
)
なさにシオらしく、ドボーンと投身自殺を果したとする。やがていよいよ死の国で、わがC子は
正気
(
しょうき
)
づく。
十年後のラジオ界
(新字新仮名)
/
海野十三
、
佐野昌一
(著)
さても
御主
(
おぬし
)
は、聞分けのよい、年には増した利発な子じゃ。そう
温和
(
おとな
)
しくして
居
(
お
)
れば、諸天童子も御主にめでて、ほどなくそこな
父親
(
てておや
)
も
正気
(
しょうき
)
に還して下されよう。
邪宗門
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
正気
(
しょうき
)
づいたときは、すでに半年あまりの月日がたっていたのだからなあ。その
間
(
あいだ
)
自分は、全く無我夢中で、生死の間を
彷徨
(
ほうこう
)
していたのだと後になって聞かされた。
脳の中の麗人
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
そのせいでございましょうか、
昨夜
(
さくや
)
も御実検下さらぬと聞き、女ながらも無念に存じますと、いつか
正気
(
しょうき
)
を失いましたと見え、何やら口走ったように承わっております。
古千屋
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
警鈴
(
けいれい
)
が、あまりに永いこと鳴り響くので、私はやっと
正気
(
しょうき
)
づいたのであった。いや、全く、本当の話である。それほど、私はずいぶん永いこと放心の状態にあった。
地球要塞
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
童部
(
わらべ
)
はこう何度も
喚
(
わめ
)
きましたが、鍛冶はさらに
正気
(
しょうき
)
に還る
気色
(
けしき
)
もございません。あの唇にたまった泡さえ、
不相変
(
あいかわらず
)
花曇りの風に吹かれて、白く
水干
(
すいかん
)
の胸へ垂れて居ります。
邪宗門
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
ぼんやり立っていた丸尾は、ここでやっと
正気
(
しょうき
)
にかえって、命ぜられた方向探知器にとりついた。
幽霊船の秘密
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
僕はただ目の前に
稲妻
(
いなずま
)
に似たものを感じたぎり、いつの
間
(
ま
)
にか
正気
(
しょうき
)
を失っていました。
河童
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
「一寸待ったAさん。君の話は面白いが、何だか落語か
法螺大王
(
ほらだいおう
)
の話をきいているような気がする。Aさん、怒っちゃいけないよ——君は本当に
正気
(
しょうき
)
で言ってるのかい。」
十年後のラジオ界
(新字新仮名)
/
海野十三
、
佐野昌一
(著)
桶の上に乗った女も、もう一度
正気
(
しょうき
)
に返ったように、やっと狂わしい踊をやめた。いや、鳴き競っていた鶏さえ、この瞬間は頸を伸ばしたまま、一度にひっそりとなってしまった。
神神の微笑
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
それを助け起してみると、なんのこと、艇内に残っているように命じてあった
佐々
(
さっさ
)
記者だった。彼は
深傷
(
ふかで
)
に気を失っていたが、ようやく
正気
(
しょうき
)
にかえって一行に
縋
(
すが
)
りついた。
月世界探険記
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
先ず何よりも先に、閣下は
私
(
わたくし
)
の
正気
(
しょうき
)
だと云う事を御信じ下さい。これ私があらゆる神聖なものに誓って、保証致します。ですから、どうか私の精神に異常がないと云う事を、御信じ下さい。
二つの手紙
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
子供の時に彼の家の
廚房
(
ちゅうぼう
)
で、大きな
竈
(
かまど
)
の下に燃えているのを見た、鮮やかな黄いろい炎である。「ああ火が燃えている」と思う——その次の瞬間には彼はもういつか
正気
(
しょうき
)
を失っていた。………
首が落ちた話
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
その後一ヶ月を
経
(
へ
)
て、彼らはようやく
正気
(
しょうき
)
らしいものに立ち帰ったようである。その証拠には、あれから一ヶ月程してから、彼らはしきりに
忙
(
いそが
)
しそうに仕事を始めたことを以て
窺
(
うかが
)
うことが出来る。
不沈軍艦の見本:――金博士シリーズ・10――
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
御承知かも知れませんが、
日錚和尚
(
にっそうおしょう
)
と云う人は、もと
深川
(
ふかがわ
)
の左官だったのが、十九の年に足場から落ちて、一時
正気
(
しょうき
)
を失った
後
(
のち
)
、急に
菩提心
(
ぼだいしん
)
を起したとか云う、でんぼう肌の
畸人
(
きじん
)
だったのです。
捨児
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
雨谷君も、まず
正気
(
しょうき
)
にかえって、いまではふつうの人のようになり、退院も間ぢかという話であった。この雨谷君に茶釜の破片を持っているなら、参考のために見せていただきたいと申し入れた。
金属人間
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
「え、なんだって、金属Qを追跡しているって。きみは
正気
(
しょうき
)
かい」
金属人間
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
私は、はっと
正気
(
しょうき
)
に戻った。
人造人間の秘密
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
正
常用漢字
小1
部首:⽌
5画
気
常用漢字
小1
部首:⽓
6画
“正気”で始まる語句
正気之歌
正気倶楽部