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がく
ふりがな文庫
“
楽
(
がく
)” の例文
旧字:
樂
さては今朝の明け方近く、
楽
(
がく
)
の音が聞こえたのは、この人達であったのか、東国の勢、何万騎の内、ただ一騎でも、こんなやさしい心を
現代語訳 平家物語:09 第九巻
(新字新仮名)
/
作者不詳
(著)
面白い会話「臨時の祭の調楽に、夜更けて、いみじう
霰
(
あられ
)
ふる夜」の風流、「入りかたの日影さやかにさしたるに、
楽
(
がく
)
の声まさり、物の面白き」
『新訳源氏物語』初版の序
(新字新仮名)
/
上田敏
(著)
子、魯の大師に
楽
(
がく
)
を
語
(
つ
)
げて曰く、楽は其れ知るべきなり。始めて
作
(
おこ
)
すとき
翕如
(
きゅうじょ
)
たり。之を
従
(
はな
)
てば純如たり。
皦如
(
きょうじょ
)
たり。
繹如
(
えきじょ
)
たり。以て成ると。
論語物語
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
青いそらからかすかなかすかな
楽
(
がく
)
のひびき、光の
波
(
なみ
)
、かんばしく
清
(
きよ
)
いかおり、すきとおった風のほめことばが
丘
(
おか
)
いちめんにふりそそぎました。
虹の絵の具皿:(十力の金剛石)
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
孔夫子でさえも、その人によってその
楽
(
がく
)
を捨てず、とはまだ道破していなかった。自ら感ぜさせたものが、人を感ぜしめるところの烈しい魔力。
大菩薩峠:33 不破の関の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
▼ もっと見る
実験室は、きちんと取片づけられ、そして五分置きに、どこからともなくオルゴールが
楽
(
がく
)
の
音
(
ね
)
を響かせ、それについで
独本土上陸作戦:――金博士シリーズ・3――
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
丁々坊は熊手をあつかい、
巫女
(
みこ
)
は手綱を
捌
(
さば
)
きつつ——
大空
(
おおぞら
)
に、
笙
(
しょう
)
、
篳篥
(
ひちりき
)
、
幽
(
ゆう
)
なる
楽
(
がく
)
。
奥殿
(
おくでん
)
に再び雪ふる。まきおろして
多神教
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
と、
豪奢
(
ごうしゃ
)
をこらした城内の一室へ迎え入れたのです。多くの、後宮の女には、
粉黛
(
ふんたい
)
をさせ、珠をかざらせ、
楽
(
がく
)
を
奏
(
そう
)
し、
盤
(
ばん
)
には、山海の珍味を盛って。
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
こわごわその上をあるいて行きますと、どこからともなくいいにおいがして、たのしい
楽
(
がく
)
の
音
(
ね
)
がきこえてきました。
浦島太郎
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
つまり
楽
(
がく
)
といふ一種の美くしい世界には丸で足を踏み込まないで死んで仕舞はなくつちやならない。僕から云はせると、是程憐れな無経験はないと思ふ。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
「
由
(
ゆう
)
よ。
吾
(
われ
)
汝に告げん。君子
楽
(
がく
)
を好むは
驕
(
おご
)
るなきがためなり。小人楽を好むは
懾
(
おそ
)
るるなきがためなり。それ
誰
(
だれ
)
の子ぞや。我を知らずして我に従う者は。」
弟子
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
大広間にはもう
楽
(
がく
)
の音が漂い、舞踏がはじまっていた。官舎の生活に
泥
(
なず
)
んでいた身には、ここの燭火も色彩も音楽も物の響きもあまりに印象が烈しすぎた。
頸の上のアンナ
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
楽
(
がく
)
と動とを整合せしむるが為に、演者の自然的動作を損傷して、緩急を
楽
(
がく
)
に待つの余義なきを致さしむ。
劇詩の前途如何
(新字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
氏は又
印度
(
インド
)
人の歌を評して「
夷狄
(
いてき
)
の
楽
(
がく
)
です」とも日本語で云ふのであつた。自分達は次の
夜
(
よ
)
も柏亭さんと小林萬吾さんとを誘つてこの
酒場
(
キヤバレエ
)
へ行つた。(七月四日)
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
そこには、アーチ形の古めかしい
墓穴
(
ぼけつ
)
が出てきたり、
竪琴
(
たてごと
)
を
抱
(
だ
)
いた天使が現われたり、物を言う花だの、はるかに
漂
(
ただよ
)
ってくる
楽
(
がく
)
の
音
(
ね
)
だの、たいした道具だてだった。
はつ恋
(新字新仮名)
/
イワン・ツルゲーネフ
(著)
西洋の名手とまで行かぬ人でも
楽
(
がく
)
の大切な面白い所へくると一切夢中になってしまうそうだ。
根岸庵を訪う記
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
ただ軽やかな夢ばかり、夏の麗わしい日に見られる聖母の糸(空中にかかって浮んでる蜘蛛の糸——訳者)のように太陽の光線の中に漂ってる、朗らかな
楽
(
がく
)
の
音
(
ね
)
ばかり……。
ジャン・クリストフ:03 第一巻 曙
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
嵐の如くいよ/\
酣
(
たけなは
)
にしていよ/\急激に、聞く人見る人、目も
眩
(
くら
)
み心も
覆
(
くつがへ
)
る
楽
(
がく
)
と
舞
(
まひ
)
、忽然として止む時はさながら美しき宝石の、砕け、飛び、散つたのを見る時の
心地
(
こゝち
)
に等しく
黄昏の地中海
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
鴎外の翻訳だと、「
楽
(
がく
)
の音はたとやみぬ」とでも云いそうに、旋律は途絶えました。
獄中への手紙:11 一九四四年(昭和十九年)
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
ジンタジンタの
楽
(
がく
)
の
音
(
ね
)
に、楽しく廻るメリー・ゴー・ラウンド、など、など、など
地獄風景
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
もう
面
(
おもて
)
をかけんとおかしいのう。面をかけると序の舞やら
楽
(
がく
)
やら舞うけに面白いがのう。ハテ。何にしようか。今度一度だけ『
小督
(
こごう
)
』にしようか。うむ、『小督』にしよう『小督』にしよう。
梅津只円翁伝
(新字新仮名)
/
夢野久作
、
杉山萠円
(著)
守備隊の軍楽手が奏する悲しい
楽
(
がく
)
の
音
(
ね
)
が、夜の空に細々と消えて行った。
昭和遊撃隊
(新字新仮名)
/
平田晋策
(著)
それは八五郎が今まで聞いた、どんな経文よりも快適な
響
(
ひびき
)
を持ったものでした。祈祷の続くうち、どこからともなく
緩
(
ゆる
)
やかな
楽
(
がく
)
の
音
(
ね
)
が響いて、若い女の和讃が、静かに静かに聞えて来るのでした。
銭形平次捕物控:088 不死の霊薬
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
死骸が倒れると、怪しい
楽
(
がく
)
の声もやんだ。彼は死骸を背負って帰った。
中国怪奇小説集:05 酉陽雑爼(唐)
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
楽
(
がく
)
の
音
(
ね
)
は、もう明らかにはっきりと彼の耳へ迫って来た。
トニオ・クレエゲル
(新字新仮名)
/
パウル・トーマス・マン
(著)
教坊の
楽
(
がく
)
と脂粉の香のまじる夏の夕に会へるものかな
晶子鑑賞
(新字旧仮名)
/
平野万里
(著)
鋭
(
するど
)
にわかく、はた、
苦
(
にが
)
く狂ひただるる
楽
(
がく
)
の色。
邪宗門
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
あれ
楽
(
がく
)
の音がかすかに微かに浮んでくる
うし
(新字旧仮名)
/
濤音
(著)
わが聞く
楽
(
がく
)
はしほたれぬ
晶子詩篇全集
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
迎えの灯と、列の灯とが合流して、
目代
(
もくだい
)
邸のほうへ押流れた。寺でも神社でも、
篝
(
かがり
)
を
焚
(
た
)
いていた。どこかで、鈴や笛や
鉦鼓
(
しょうこ
)
などの
楽
(
がく
)
が遠く聞えていた。
源頼朝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「詩によって情意を刺戟し、礼によって行動に基準を与え、
楽
(
がく
)
によって生活を完成する。これが修徳の道程だ。」
現代訳論語
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
その時南から吹く温かい風に誘われて、
閑和
(
のどか
)
な
楽
(
がく
)
の
音
(
ね
)
が、細く長く、遠くの波の上を渡って来た。
永日小品
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
楽
(
がく
)
を
六芸
(
りくげい
)
の一つに加えているのに、今の儒者共で、孔夫子のいわゆる楽を心得た奴が幾人ありますか……それはそれとして、今度はひとつ、その山陽流をやってみましょう。
大菩薩峠:26 めいろの巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
その火がだんだんうしろの方になるにつれて、みんなはなんとも
言
(
い
)
えずにぎやかな、さまざまの
楽
(
がく
)
の
音
(
ね
)
や草花のにおいのようなもの、
口笛
(
くちぶえ
)
や人々のざわざわ
言
(
い
)
う声やらを聞きました。
銀河鉄道の夜
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
楽
(
がく
)
の
音
(
ね
)
が空中に起こって、銀のような鈴の音のまわりに、
蜂
(
はち
)
の群みたいに飛び回っていた。そして規則的な馬車の響きの上に楽しく
揺
(
ゆら
)
めいていた。それは尽くることなき歌の泉だった。
ジャン・クリストフ:03 第一巻 曙
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
「礼と云い礼と云う。
玉帛
(
ぎょくはく
)
を云わんや。
楽
(
がく
)
と云い楽と云う。
鐘鼓
(
しょうこ
)
を云わんや。」などというと大いに
欣
(
よろこ
)
んで聞いているが、
曲礼
(
きょくれい
)
の細則を説く段になるとにわかに
詰
(
つ
)
まらなさそうな顔をする。
弟子
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
管絃
(
かんげん
)
の
楽
(
がく
)
を奏する者もあった。当日の賓客は男ばかりではこちたくて
興
(
きょう
)
が薄いというので、なにがしの女房たちや、なにがしの姫たちもみな華やかなよそおいを凝らして、その莚に
列
(
つら
)
なっていた。
玉藻の前
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
たゞ、詩の神の
箜篌
(
くご
)
の上、指をふるれば、わが
楽
(
がく
)
の
海潮音
(新字旧仮名)
/
上田敏
(著)
なやみ
幽
(
かす
)
けき
Chopin
(
シオパン
)
の
楽
(
がく
)
のしたたり
邪宗門
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
匂ひの
楽
(
がく
)
を
奏
(
ジユエ
)
する
中
(
なか
)
に
梅原良三郎氏のモンマルトルの画室
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
(著)
天地怪しき
楽
(
がく
)
をかなで
珊瑚集:仏蘭西近代抒情詩選
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
踊
(
をどり
)
の、
楽
(
がく
)
の、歌の月
晶子詩篇全集
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
賀莚
(
がえん
)
に歓迎の
楽
(
がく
)
に、また新たな気勢を加えて梁山泊の山海は
沸
(
わ
)
いた。しかしここにはしばらく語るべき事件もない。
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「礼だ、礼だ、と大さわぎしているが、礼とはいったい儀式用の
玉
(
ぎょく
)
や
帛
(
はく
)
のことだろうか。
楽
(
がく
)
だ、
楽
(
がく
)
だ、と大さわぎしているが、楽とはいったい鐘や太鼓のことだろうか。」
現代訳論語
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
なるほど音楽はかかる時、かかる必要に
逼
(
せま
)
られて生まれた自然の声であろう。
楽
(
がく
)
は
聴
(
き
)
くべきもの、習うべきものであると、始めて気がついたが、不幸にして、その辺の消息はまるで不案内である。
草枕
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
彼は酔ったような心持で、その
楽
(
がく
)
の
音
(
ね
)
の流れて来る方をそっと窺うと、
日本
(
にっぽん
)
の
長柄
(
ながえ
)
の
唐傘
(
からかさ
)
に似て、その
縁
(
へり
)
へ青や白の涼しげな
瓔珞
(
ようらく
)
を長く垂れたものを、四人の痩せた男がめいめいに高くささげて来た。
玉藻の前
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
痍
(
きず
)
に悩める胸もどき、ヴィオロン
楽
(
がく
)
の
清掻
(
すががき
)
や
海潮音
(新字旧仮名)
/
上田敏
(著)
血のごとも
雲
(
くも
)
は
顫
(
ふる
)
へ
楽
(
がく
)
の
音
(
ね
)
の
慄
(
わなな
)
くなかに
第二邪宗門
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
楽
(
がく
)
が裂ける……
晶子詩篇全集
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
楽
(
がく
)
を
奏
(
かな
)
でよ。
珊瑚集:仏蘭西近代抒情詩選
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
楽
常用漢字
小2
部首:⽊
13画
“楽”を含む語句
安楽椅子
道楽
神楽
快楽
音楽
伯楽
管絃楽
安楽
歓楽
楽園
娯楽
設楽
道楽者
楽欲
神楽岡
邑楽
雅楽寮
倶楽部
独楽
楽器
...