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損
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そく
ふりがな文庫
“
損
(
そく
)” の例文
日露戦争の当時、人の
勧
(
すすめ
)
に応じて、株に手を出して全く遣り
損
(
そく
)
なってから、
潔
(
いさぎ
)
よく祖先の地を売り払って、北海道へ渡ったのである。
それから
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「面目次第も無い
件
(
こと
)
さ。三年
前
(
ぜん
)
だ、やっぱりこの土地で、鉄道往生をし
損
(
そく
)
なった、その時なんです。」
沼夫人
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
私
(
わたくし
)
が言い
損
(
そく
)
なったんですから、
今日
(
こんち
)
は私が散財致して旦那に御迷惑は掛けませんが、誰だッて云うじゃア有りませんか、
当然
(
あたりまえ
)
の洒落で……サア若衆さん、
私
(
わっし
)
が悪かった
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分):02 粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「また、笹子峠のように
遣
(
や
)
り
損
(
そく
)
なって
泣面
(
なきつら
)
をかかねえものだ」
大菩薩峠:16 道庵と鯔八の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
赤シャツは図太くて胡魔化すつもりか、気が弱くて名乗り
損
(
そく
)
なったのかしら。ところが狭くて困ってるのは、おればかりではなかった。
坊っちゃん
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
▼ もっと見る
私
(
わっち
)
どもは
好
(
い
)
い話が
無
(
ね
)
えんで、火事のあった時に屋根屋の
徳
(
とく
)
の野郎め、路地を飛越し
損
(
そく
)
なやアがって、どんと下へ落ると持出した荷の上へ尻餅を
搗
(
つ
)
き、
睾丸
(
きんたま
)
を打ち、目をまわし
菊模様皿山奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
一度
籤
(
くじ
)
を引き
損
(
そく
)
なったが最後、もう浮ぶ瀬はないという
非道
(
ひど
)
い目に会うからではなくって、どっちに転んでも大した影響が起らないため
彼岸過迄
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
婆「はい御免なせえ、御無沙汰アして
何時
(
いつ
)
も御繁昌と聞きましたが、文吉も
上
(
あが
)
らんではならねえてえ云いますが、秋口は用が多いで
参
(
めえ
)
り
損
(
そく
)
なって済まねえてえ噂ばかりで、お
前
(
めえ
)
さんも達者で」
敵討札所の霊験
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
二重
(
ふたえ
)
に細い
咽喉
(
のど
)
を巻いている胞を、あの細い所を通す時に外し
損
(
そく
)
なったので、
小児
(
こども
)
はぐっと気管を
絞
(
し
)
められて窒息してしまったのである。
門
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
二重
(
ふたへ
)
に
細
(
ほそ
)
い
咽喉
(
のど
)
を
卷
(
ま
)
いてゐる
胞
(
えな
)
を、あの
細
(
ほそ
)
い
所
(
ところ
)
を
通
(
とほ
)
す
時
(
とき
)
に
外
(
はづ
)
し
損
(
そく
)
なつたので、
小兒
(
こども
)
はぐつと
氣管
(
きくわん
)
を
絞
(
し
)
められて
窒息
(
ちつそく
)
して
仕舞
(
しま
)
つたのである。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
こんな点にかけると、すこぶる冒険的なところのある彼女は、万一やり
損
(
そく
)
なった
暁
(
あかつき
)
に、この場合から起り得る危険を知らないではなかった。
明暗
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
汽車の中で炭を
焚
(
た
)
いて
死
(
し
)
に
損
(
そく
)
なったり、貨車へ乗って、カンテラを
点
(
つ
)
けて用を足そうとすると、そのカンテラが
揺
(
ゆす
)
ぶれてすぐ消えてしまったり
満韓ところどころ
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
もっとも
判然
(
はっきり
)
とは降っていない。雲の濃いのが糸になり
損
(
そく
)
なって、なっただけが、細く地へ落ちる
気色
(
けしき
)
だ。だからむやみに
濛々
(
もうもう
)
とはしていない。
坑夫
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「じゃ、買って来なくっても好かったのに。つまらないわ、回り
路
(
みち
)
をして。
御負
(
おまけ
)
に雨に降られ
損
(
そく
)
なって、息を切らして」
それから
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
けれども別段に
目的
(
めあて
)
もない歩き方だから、顔の先一間四方がぼうとして何だか焼き
損
(
そく
)
なった写真のように曇っている。
坑夫
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
この小僧なんかやっぱり子供の時に聞いた、山から小僧が飛んで来たが
化
(
ば
)
け
損
(
そく
)
なったところくらいだろう。それ以上は余計な事だから考えずに置く。
坑夫
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
御米はまたやり
損
(
そく
)
なったとは思ったが、自分の
粗忽
(
そこつ
)
を面目ながって、宗助にはわざと何事も語らずにその場を通した。
門
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「ぢや、
買
(
か
)
つて
来
(
こ
)
なくつても
好
(
よ
)
かつたのに。
詰
(
つま
)
らないわ、
回
(
まは
)
り
路
(
みち
)
をして。御
負
(
まけ
)
に
雨
(
あめ
)
に
降
(
ふ
)
られ
損
(
そく
)
なつて、
息
(
いき
)
を
切
(
き
)
らして」
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
けれどもお延の疑いを
惹
(
ひ
)
くには充分であった。すでに疑われるだけの弱味をもっている彼は、やり
損
(
そく
)
なったと思った。
明暗
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「軍人が
軍
(
いく
)
さで死ぬのは当然の事である。死ぬのは名誉である。ある点から云えば生きて本国に帰るのは死ぬべきところを死に
損
(
そく
)
なったようなものだ」
趣味の遺伝
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
御米
(
およね
)
はまた
遣
(
や
)
り
損
(
そく
)
なつたとは
思
(
おも
)
つたが、
自分
(
じぶん
)
の
粗忽
(
そこつ
)
を
面目
(
めんぼく
)
ながつて、
宗助
(
そうすけ
)
にはわざと
何事
(
なにごと
)
も
語
(
かた
)
らずに
其場
(
そのば
)
を
通
(
とほ
)
した。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
「
何
(
ど
)
うも」と
首
(
くび
)
を
曲
(
ま
)
げたが、「大抵大丈夫だらうと思つてゐたんだがな。
遣
(
や
)
り
損
(
そく
)
なつた。
尤
(
もつと
)
も
此男
(
このをとこ
)
が大分運動をしてゐると云ふ
話
(
はなし
)
は
聞
(
き
)
いた事もあるが」
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
鏡に映るわが表情のうちには、無論はかないと云う心持もあったが、
死
(
し
)
に
損
(
そく
)
なったと云う
恥
(
はじ
)
も少しは交っていた。
思い出す事など
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
どうしたつて僕が責任を
明
(
あき
)
らかにしなくつちや。事が
旨
(
うま
)
く
行
(
い
)
つて、知らん
顔
(
かほ
)
をしてゐるのは、心持が
好
(
い
)
いが、
遣
(
や
)
り
損
(
そく
)
なつて
黙
(
だま
)
つてゐるのは不愉快で
堪
(
たま
)
らない。
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
いつもなら
手帳
(
のーと
)
と
印気
(
いんき
)
壺を以て、八番の教室に這入る時分である。一二時間の講義位聴き
損
(
そく
)
なつても構はないと云ふ気で、
真直
(
ますぐ
)
に青山内科の玄関迄乗り付けた。
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
「綿はどうせ——
価
(
ね
)
が価だから仕方がない。でもこれを買うために電車に乗り
損
(
そく
)
なってしまって……」
虞美人草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
高等學校
(
かうとうがくかう
)
は
違
(
ちが
)
つてゐたけれども、
講義
(
かうぎ
)
のときよく
隣合
(
となりあは
)
せに
並
(
なら
)
んで、
時々
(
とき/″\
)
聞
(
き
)
き
損
(
そく
)
なつた
所
(
ところ
)
抔
(
など
)
を
後
(
あと
)
から
質問
(
しつもん
)
するので、
口
(
くち
)
を
利
(
き
)
き
出
(
だ
)
したのが
元
(
もと
)
になつて、つい
懇意
(
こんい
)
になつた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
高等学校は違っていたけれども、講義のときよく隣合せに並んで、時々聞き
損
(
そく
)
なった所などを後から質問するので、口を
利
(
き
)
き出したのが元になって、つい懇意になった。
門
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
机上に原稿紙を
展
(
の
)
べた彼は、一時間ほど
呻吟
(
しんぎん
)
してようやく二三枚黒くしたが、やがて打ちやるように筆を
擱
(
お
)
いた。窓の外には落ち
損
(
そく
)
なった一枚の
桐
(
きり
)
の葉が淋しく残っている。
野分
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
暴風雨になろうとして、なり
損
(
そく
)
ねた
波瀾
(
はらん
)
はようやく収まった。けれども
事前
(
じぜん
)
の夫婦は、もう
事後
(
じご
)
の夫婦ではなかった。彼らはいつの間にか
吾
(
われ
)
知らず相互の関係を変えていた。
明暗
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「あるくのは、
真平
(
まっぴら
)
だ。これからすぐ電車へ乗って帰えらないと
午食
(
ひるめし
)
を食い
損
(
そく
)
なう」
野分
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
旨
(
うま
)
く行けば結構だが、
遣
(
や
)
り
損
(
そく
)
なへば益三千代の迷惑になる
許
(
ばかり
)
だとは代助も承知してゐたので、強ひて
左様
(
さう
)
しやうとも主張しかねた。三千代は又立つて
次
(
つぎ
)
の
間
(
ま
)
から
一封
(
いつぷう
)
の書状を
持
(
も
)
つて
来
(
き
)
た。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
旨
(
うま
)
く行けば結構だが、
遣
(
や
)
り
損
(
そく
)
なえば
益
(
ますます
)
三千代の迷惑になるばかりだとは代助も承知していたので、強いてそうしようとも主張しかねた。三千代は又立って次の間から一封の書状を持って来た。
それから
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
日露戦争の当時、人の
勧
(
すゝめ
)
に応じて、株に手を出して全く
遣
(
や
)
り
損
(
そく
)
なつてから、潔よく祖先の地を売り払つて、北海道へ渡つたのである。
其後
(
そのご
)
の消息は、代助も
今
(
いま
)
此手紙を見せられる迄一向知らなかつた。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
高柳君はやり
損
(
そく
)
なったと思う。再び出直さねばならん。
野分
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
“損”の意味
《名詞》
(ソン、連濁:ゾン)損失。不利益。
(ソン、連濁:ゾン)労力が無駄になること。
(出典:Wiktionary)
損
常用漢字
小5
部首:⼿
13画
“損”を含む語句
仕損
見損
破損
損傷
死損
出来損
書損
損害
大損
射損
欠損
損所
遣損
出損
毀損
損料
損耗
取損
骨折損
水損
...