“屈竟:くっきょう” の例文
“屈竟:くっきょう”を含む作品の著者(上位)作品数
泉鏡花11
岡本綺堂6
江戸川乱歩3
小酒井不木2
巌谷小波1
“屈竟:くっきょう”を含む作品のジャンル比率
歴史 > 伝記 > 個人伝記0.9%
文学 > 日本文学 > 小説 物語0.8%
文学 > 日本文学 > 小説 物語(児童)0.3%
(注)比率=対象の語句にふりがなが振られている作品数÷各ジャンルの合計の作品数
もうひとつには一種の好奇心もまじって、村では屈竟くっきょうの若者どもが申合せて、かの怪しい馬の正体を見届けようと企てた。
馬妖記 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
此処ここはスチームも通っていないし、冬になるととても寒いので余り人も通らず先ず屈竟くっきょうな場所といわねばならない。
(新字新仮名) / 中谷宇吉郎(著)
中でも屈竟くっきょうな、赤あざのある侍が一人、衆に先んじてかたわらから、無二無三に切ってかかったのである。
偸盗 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
丁度そこへ、彼の貧窮時代同じ下宿にいた縁故えんこで知合の小林紋三が、屈竟くっきょうな事件を持込んで来た。
一寸法師 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
に今宵こそ屈竟くっきょうなれ。さきに僕退出まかりでし時は、大王は照射ともしが膝を枕として、前後も知らず酔臥えいふしたまひ。
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)
日頃出入の者は云うに及ばず、屈竟くっきょうの若者共は思い思いの武器をって駈集かけあつまった。
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
今まで、夫婦間に、何一つ隠すところのないために、どこに一つ鍵のかかっているところもない、この机こそ、こうなっては屈竟くっきょうのものである。
貞操問答 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
Kのおじさんも不運に生まれた一人で、こんな相談相手に選ばれるには屈竟くっきょうの人間であった。
半七捕物帳:01 お文の魂 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
兼吉はもう五十ばかりであるが、男でもあり、職人でもあり、こういう時の道連れには屈竟くっきょうだと思われたので、文字春はほっとして一緒にあるきだした。
半七捕物帳:16 津の国屋 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
頼長のそばには藤内太郎、藤内次郎という屈竟くっきょう射手いてが付き添うていて、手にあまると見たらばすぐに射倒そうと、弓に矢をつがえて待ち構えていた。
玉藻の前 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
人可懐ひとなつかしくいそいそ寄ると、いずれも屈竟くっきょう荒漢あらおのこで。
薬草取 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
綺麗さっぱりとはねつけられた返礼としては正に屈竟くっきょうの手段であらねばならぬ。
死の接吻 (新字新仮名) / 小酒井不木(著)
おもいほか手びろく生計くらしも豊かに相見え候のみならず、掛離かけはなれたる一軒家にて世を忍ぶには屈竟くっきょうの処と存ぜられ候間、お蔦夫婦の者には
榎物語 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
書画の類のみを四駄に負はせて高荷たかにに作り、屈竟くっきょう壮夫わかものに口を取らせ、其身は弥勒の仏像を負ひて呉家の系図をふところにし、六美女の手を引きて
ドグラ・マグラ (新字新仮名) / 夢野久作(著)
高台の職人の屈竟くっきょうなのが、二人ずれ、翌日、水の引際を、炎天の下に、大川ぞいを見物して、ながれの末一里有余あまり、海へ出て、暑さに泳いだ豪傑がある。
絵本の春 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
胴中には青竹をりて曲げて環にしたるを幾処いくところにか入れて、竹の両はしには屈竟くっきょう壮佼わかものゐて、支へて、ふくらかにほろをあげをり候。
凱旋祭 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
御身がかつてたすけたる、彼の阿駒おこまこそ屈竟くっきょうなれど。
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)
ここはゆきどまりでだれもこないから、喧嘩には屈竟くっきょうのところだ。
苦心の学友 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
屈竟くっきょう手懸てがかりに、くだけよとばかり尾をくわえながら左右にふると、尾のみは前歯の間に残って胴体は古新聞で張った壁に当って、揚板の上にね返る。
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
わかくて屈竟くっきょうなその客は、身震いして、すっくと立って、内中うちじゅうで止めるのもかないで、タン、ド、ドン! とその、其処のしとみを開けた。——
霰ふる (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
相模さがみ上総かずさ安房あわ等の海浜にて漁船中の最も堅牢けんろう快速なるもの五十そうばかりに屈竟くっきょう舸子かこを併せ雇い、士卒に各々小銃一個を授けて
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
それゆえにこそ、退屈男もまたこの際この場合、二人と得難きぐずり松平の御前が近くにおいでときいて、これぞ屈竟くっきょうの味方と、目を輝かしつつ打ち喜んだのは無理からぬことでした。
「さてさて情を知らぬ奴! 屈竟くっきょうの武士が賊どもに捕虜とりこにされて、尚おめおめ生きているものと思いおるか! 捕えられた時は死ぬ時じゃ! 腹かっさばいて死ぬ時じゃ!」
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
……遁げ込み場所には屈竟くっきょうなのでございました。
眉かくしの霊 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
稼盛かせぎざかりの屈竟くっきょう山賊面さんぞくづら……腰にぼッ込んだ山刀の無いばかり、あの皿はんだ、へッへッ、生首二個ふたつ受取ろうか、と言いそうな、が、そぐわないのは
唄立山心中一曲 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
そして早速この寺の附近で聞合せて見ると、丁度その朝早く、一台のゴミ車が寺の門をくぐったことが分ったのだ。死骸を隠すのに墓地程屈竟くっきょうな場所はない。うまいことを考えたものだと思った。
一寸法師 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
ここらでも名代なだいの貧乏寺さ。いくら近眼ちかめの泥坊だって、あの寺へ物取りにはいるような間抜けはあるめえ。万一物取りにはいったにしても、坊主も虚無僧もみんな屈竟くっきょうの男揃いだ。
死出の山辺に一つ見える、一つともしにただ松一つ、一本松こそ場所屈竟くっきょうと、頃は五月の日も十四日、月はあれども心のやみに、迷う手と手の相合傘よ、すぐに柄もりに袖絞るらむ。
雪柳 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
人目にかからずに歩くには、屈竟くっきょうな道だ。
牢獄の花嫁 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
この暴風雨は、人を殺すに屈竟くっきょうの時だ。
死体蝋燭 (新字新仮名) / 小酒井不木(著)
何はあれ、ここは屈竟くっきょうの隠れ家である。
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
みなこれ屈竟くっきょう大男おおおのこ、いずれも手拭てぬぐいにおもてつつみたるが五人ばかり、手に手にぎ澄ましたる出刃庖丁でばぼうちょうひさげて、白糸を追っ取り巻きぬ。
義血侠血 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
橋で、ぐるりと私たちを取巻いたのは、あまのじゃくをなまったか、「じゃあま。」と言い、「おんじゃ。」ととなえ、「阿婆あばあ。」と呼ばるる、浜方屈竟くっきょう阿婆摺媽々あばずれかかあ
小春の狐 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
やしきのまわりに高いコンクリート塀をめぐらしたのも、その塀の上にガラスの破片を植えつけたのも、門長屋を殆どただの様な屋賃で巡査の一家に貸したのも、屈竟くっきょうな二人の書生を置いたのも、夜分は勿論、昼間でも
幽霊 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
帝国海軍の潜水艦伊号一〇一は、この日から、加州沿岸を去る二十キロメートルの海底の、ねて、計画をしてあった屈竟くっきょうの隠れ場所に、ゴロンと横たわったまま、昼といわず夜といわず、睡眠病息者のように眠りつづけていた。
空襲葬送曲 (新字新仮名) / 海野十三(著)
他の一方には、関東の平野を定めるにはやはり平野から出づるのがよろしい、それには野州の野に越したものはない、栃木の大平山おおひらやま岩舟山いわふねさん出流山いずるさん等は、平野のうちの屈竟くっきょうの要害だと主張するものもある。
大菩薩峠:23 他生の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
「科学上の智識を得るには屈竟くっきょうの機会であるから、サー・デビーと共に旅行を続けようと思う。けれども、他方ではこの利益を受けんがために、多くの犠牲を払わねばならぬのは辛い。この犠牲たるや、下賤の者は左程と思わぬであろうが、自分は平然としていられない。」
死体はほかの場所へ運ばれているかも知れないからです。外の場所、それは最も手近な所に幾つも棺桶が埋めてあるのですから、死体を運び出した者がそれをどこかへ隠そうとするなら、そのお隣の棺桶ほど屈竟くっきょうの場所はありません。何とうまい手品ではありませんか。
パノラマ島綺譚 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
慶造と呼ばれたのは、三十五六の屈竟くっきょうおのこ、火水にきたえ上げた鉄造くろがねづくりの体格で、見るからに頼もしいのが、沓脱くつぬぎの上へ脱いだ笠を仰向あおむけにして、両掛の旅荷物、小造こづくりなのを縁にせて、慇懃いんぎん斉眉かしずく風あり。
黒百合 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
いかにも、そんげえなものにはおびえまい、面魂、印半纏しるしばんてんも交って、布子のどんつく、半股引はんももひき空脛からずねが入乱れ、屈竟くっきょうな日傭取が、早く、糸塚の前を摺抜けて、松の下に、ごしゃごしゃとかたまった中から、寺爺やの白い眉の、びくびくと動くが見えて、
縷紅新草 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
それは、白山のうちを出て、入費のかからない点、屈竟くっきょうばかりでなく、間近な遊山ゆさんといってもいい、植物園へ行って、あれから戸崎町の有名な豆府地蔵とうふじぞうへ参ろうと、御殿町ごてんまちへ上ると、樹林一構ひとかまえ、奥深い邸の門に貼札はりふだが見えたのです——鷺流狂言、開興かいこう
雪柳 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)