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孔雀
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くじやく
ふりがな文庫
“
孔雀
(
くじやく
)” の例文
若僧二人大なる
孔雀
(
くじやく
)
の羽もて作りたる長柄の
翳
(
えい
)
を取りて後に隨ひ、香爐搖り動かす童子は前に列びてぞゆく。輿に引き添ひて歩めるは
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
錢形平次の
執拗
(
しつあう
)
な疑ひに對して、
嬌瞋
(
けうしん
)
を發した姿です。それは怒つた
孔雀
(
くじやく
)
のやうな、不思議な氣高さと
華
(
はな
)
やかさを持つたものです。
銭形平次捕物控:237 毒酒薬酒
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
葬
(
とむら
)
ひは
孔雀
(
くじやく
)
アパートの前を通つて行き、アパートの女達はこの小さい葬ひを偶然に見おくるやうになつてゐた。
めたん子伝
(旧字旧仮名)
/
室生犀星
(著)
「まあ
何
(
なん
)
にも
出來
(
でき
)
ないの。ほんとにあんたは
鶯
(
うぐひす
)
のやうな
聲
(
こゑ
)
もないし、
孔雀
(
くじやく
)
のやうな
美
(
うつく
)
しい
翼
(
はね
)
ももたないんだね」
ちるちる・みちる
(旧字旧仮名)
/
山村暮鳥
(著)
ある学者の報告によると、その男の飼つてゐた一羽の
孔雀
(
くじやく
)
は、どうかすると
鶏小舎
(
とりごや
)
のなかへ忍び込んで、おめかしやの
雄鶏
(
をんどり
)
の
後
(
あと
)
をせつせと追ひ廻したさうだ。
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
▼ もっと見る
或
(
ある
)
鴉
(
からす
)
おのれが人物を
驕慢
(
けうまん
)
し、
孔雀
(
くじやく
)
の羽根を見つけて此処かしこにまとひ、
爾余
(
じよ
)
の
諸鳥
(
しよてう
)
をば大きに
卑
(
いや
)
しめ、わが
上
(
うへ
)
はあるまじいと飛び廻れば、諸鳥安からず思ひ
孔雀
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
折
(
をり
)
ふし
鵞鳥
(
がてう
)
のやうな
聲
(
こゑ
)
で
唱
(
うた
)
ひ
出
(
だ
)
す
歌
(
うた
)
の
調
(
しら
)
べは
左迄
(
さまで
)
妙手
(
じやうず
)
とも
思
(
おも
)
はれぬのに、
唱
(
うた
)
ふ
當人
(
たうにん
)
は
非常
(
ひじやう
)
の
得色
(
とくしよく
)
で、やがて
彈奏
(
だんそう
)
が
終
(
をは
)
ると
小鼻
(
こばな
)
を
蠢
(
うごめ
)
かし、
孔雀
(
くじやく
)
のやうに
裳
(
もすそ
)
を
飜
(
ひるが
)
へして
席
(
せき
)
に
歸
(
かへ
)
つた。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
時
(
とき
)
は
十二月
(
じふにぐわつ
)
なんだけれど、
五月
(
ごぐわつ
)
のお
節句
(
せつく
)
の、
此
(
これ
)
は
鯉
(
こひ
)
、
其
(
それ
)
は
金銀
(
きんぎん
)
の
絲
(
いと
)
の
翼
(
つばさ
)
、
輝
(
かゞや
)
く
虹
(
にじ
)
を
手鞠
(
てまり
)
にして
投
(
な
)
げたやうに、
空
(
そら
)
を
舞
(
ま
)
つて
居
(
ゐ
)
た
孔雀
(
くじやく
)
も、
最
(
も
)
う
庭
(
には
)
へ
歸
(
かへ
)
つて
居
(
ゐ
)
るの……
燻占
(
たきし
)
めはせぬけれど
印度更紗
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
夕方であつたが、時々沿道の森蔭に白い
孔雀
(
くじやく
)
がすつと飛び立つて一行を驚かせた。
浮雲
(新字旧仮名)
/
林芙美子
(著)
其のスラリとした
撫
(
な
)
で肩の姿を、
田子
(
たご
)
の浦へ
羽衣
(
はごろも
)
を着て舞ひ下りた天人が
四邊
(
あたり
)
を明るくした如く、この名も知れぬ
寂
(
さ
)
びしい神の森を輝かすやうに、
孔雀
(
くじやく
)
の如き歩みを小池に近く運びながら
東光院
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
「そこだ。それぢや、あなた
孔雀
(
くじやく
)
の羽を一本僕にかしてくれませんか。」
虹猫の大女退治
(新字旧仮名)
/
宮原晃一郎
(著)
光は
孔雀
(
くじやく
)
の
羽
(
はね
)
の
如
(
ごと
)
く
緑金
(
りよくこん
)
なり。
晶子詩篇全集
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
斯
(
か
)
くて
孔雀
(
くじやく
)
は
尾
(
を
)
ををさめ
孔雀船
(旧字旧仮名)
/
伊良子清白
(著)
青空や
孔雀
(
くじやく
)
の
尾羽
(
をばね
)
、——
有明集
(旧字旧仮名)
/
蒲原有明
(著)
鴉
(
からす
)
は
孔雀
(
くじやく
)
の羽根を五六本拾ふと、それを黒い羽根の間に
揷
(
さ
)
して、得々と森の鳥の前へ現れた。
翻訳小品
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
而
(
そ
)
して
鰐
(
わに
)
の
晩飯時分
(
ばんめしじぶん
)
、
孔雀
(
くじやく
)
のやうな
玉
(
たま
)
の
燈籠
(
とうろう
)
の
裡
(
うち
)
で、
御馳走
(
ごちそう
)
を
會食
(
くわいしよく
)
して
居
(
ゐ
)
る……
印度更紗
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
しろい
孔雀
(
くじやく
)
のそだてかた
晶子詩篇全集
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
これや
孔雀
(
くじやく
)
の
尾
(
を
)
の
上
(
うへ
)
に
孔雀船
(旧字旧仮名)
/
伊良子清白
(著)
星かと
孔雀
(
くじやく
)
舞ひいで
春鳥集
(旧字旧仮名)
/
蒲原有明
(著)
孔雀
(
くじやく
)
(
徽宗
(
きそう
)
皇帝)
銭形平次捕物控:226 名画紛失
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
けふも亦与一郎様の奥様へはお化粧のあまり濃すぎぬやう、「えそぽ物語」とやらの中の
孔雀
(
くじやく
)
の話をお引き合ひに出され、長ながと御談義有之候よし、みなみなお気の毒に存じ上げ候。
糸女覚え書
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
灼熱
(
しやくねつ
)
の
天
(
てん
)
、
塵
(
ちり
)
紅
(
あか
)
し、
巷
(
ちまた
)
に
印度
(
インド
)
更紗
(
サラサ
)
の
影
(
かげ
)
を
敷
(
し
)
く。
赫耀
(
かくえう
)
たる
草
(
くさ
)
や
木
(
き
)
や、
孔雀
(
くじやく
)
の
尾
(
を
)
を
宇宙
(
うちう
)
に
翳
(
かざ
)
し、
羅
(
うすもの
)
に
尚
(
な
)
ほ
玉蟲
(
たまむし
)
の
光
(
ひかり
)
を
鏤
(
ちりば
)
むれば、
松葉牡丹
(
まつばぼたん
)
に
青蜥蜴
(
あをとかげ
)
の
潛
(
ひそ
)
むも、
刺繍
(
ぬひとり
)
の
帶
(
おび
)
にして、
驕
(
おご
)
れる
貴女
(
きぢよ
)
の
裝
(
よそほひ
)
を
見
(
み
)
る。
月令十二態
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
羽
(
はね
)
にまつはる
雌
(
め
)
の
孔雀
(
くじやく
)
孔雀船
(旧字旧仮名)
/
伊良子清白
(著)
白い
孔雀
(
くじやく
)
を見るやうに
晶子詩篇全集
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
館
(
やかた
)
の
奧
(
おく
)
なる
夫人
(
ふじん
)
の、
常
(
つね
)
さへ
白鼈甲
(
しろべつかふ
)
に
眞珠
(
しんじゆ
)
を
鏤
(
ちりば
)
めたる
毛留
(
ブローチ
)
して、
鶴
(
つる
)
の
膚
(
はだ
)
に、
孔雀
(
くじやく
)
の
裝
(
よそほひ
)
にのみ
馴
(
な
)
れたるが、この
玉
(
たま
)
の
春
(
はる
)
を、
分
(
わ
)
けて、と
思
(
おも
)
ふに、いかに、
端近
(
はしぢか
)
の
茶
(
ちや
)
の
室
(
ま
)
に
居迎
(
ゐむか
)
ふる
姿
(
すがた
)
を
見
(
み
)
れば、
櫛卷
(
くしまき
)
の
薄化粧
(
うすげしやう
)
婦人十一題
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
例へば、形容の言葉にしても、「
孔雀
(
くじやく
)
のやうに
傲慢
(
がうまん
)
な女」
東西問答
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
“孔雀”の意味
《名詞》
孔雀(くじゃく)
鳥の一種。雄はきらびやかな羽を持つことで有名。
(出典:Wiktionary)
“孔雀(クジャク)”の解説
クジャク(孔雀)はキジ科の鳥類。世界的には、中国から東南アジア、南アジアに分布するクジャク属2種とアフリカに分布するコンゴクジャク属1種から成る。一般的には、クジャクといえば前者を指している。オスは大きく鮮やかな飾り羽を持ち、それを扇状に開いてメスを誘う姿が有名である。
(出典:Wikipedia)
孔
常用漢字
中学
部首:⼦
4画
雀
漢検準1級
部首:⾫
11画
“孔雀”で始まる語句
孔雀石
孔雀草
孔雀明王
孔雀長屋
孔雀玉
孔雀坐
孔雀経
孔雀氏
孔雀色
孔雀明王像