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女郎花
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をみなへし
ふりがな文庫
“
女郎花
(
をみなへし
)” の例文
噫、俺はアノ穴を見る
恐怖
(
おそろしさ
)
に耐へきれなくなつて、坑道の入口から少し上の、
些
(
ちつ
)
と許り草があつて
女郎花
(
をみなへし
)
の咲いた所に半日寝転んだ。
病院の窓
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
針
(
はり
)
の
稱
(
な
)
に、
青柳
(
あをやぎ
)
、
女郎花
(
をみなへし
)
、
松風
(
まつかぜ
)
、
羽衣
(
はごろも
)
、
夕顏
(
ゆふがほ
)
、
日中
(
ひなか
)
、
日暮
(
ひぐれ
)
、
螢
(
ほたる
)
は
光
(
ひか
)
る。(
太公望
(
たいこうばう
)
)は
諷
(
ふう
)
する
如
(
ごと
)
くで、
殺生道具
(
せつしやうだうぐ
)
に
阿彌陀
(
あみだ
)
は
奇
(
き
)
なり。
木菟俗見
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
其處
(
そこ
)
にはもうそつけなくなつた
女郎花
(
をみなへし
)
の
莖
(
くき
)
がけろりと
立
(
た
)
つて、
枝
(
えだ
)
まで
折
(
を
)
られた
栗
(
くり
)
が
低
(
ひく
)
いながらに
梢
(
こずゑ
)
の
方
(
はう
)
にだけは
僅
(
わづか
)
に
笑
(
ゑ
)
んで
居
(
ゐ
)
る。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
小野の頼風が塚に生ひけん草を
男郎花
(
をとこへし
)
とよび、女の塚なるをこそ
女郎花
(
をみなへし
)
とは呼べ。我が文ぞ僞りなる。あな物狂ほし。
俳諧師
(旧字旧仮名)
/
高浜虚子
(著)
下
(
した
)
に
萩
(
はぎ
)
、
桔梗
(
ききやう
)
、
芒
(
すゝき
)
、
葛
(
くず
)
、
女郎花
(
をみなへし
)
を
隙間
(
すきま
)
なく
描
(
か
)
いた
上
(
うへ
)
に、
眞丸
(
まんまる
)
な
月
(
つき
)
を
銀
(
ぎん
)
で
出
(
だ
)
して、
其横
(
そのよこ
)
の
空
(
あ
)
いた
所
(
ところ
)
へ、
野路
(
のぢ
)
や
空月
(
そらつき
)
の
中
(
なか
)
なる
女郎花
(
をみなへし
)
、
其一
(
きいち
)
と
題
(
だい
)
してある。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
▼ もっと見る
もう八月の暮がたからは、夏の名殘の露草に混つて薄だとか
女郎花
(
をみなへし
)
だとかいふ草花が白々した露の中に匂ひそめた。
姉妹
(旧字旧仮名)
/
若山牧水
(著)
路、山に入つて、萩、
女郎花
(
をみなへし
)
、
地楡
(
われもかう
)
、
桔梗
(
ききやう
)
、
苅萱
(
かるかや
)
、今を盛りの滿山の秋を踏み分けて上る。車夫が折つてくれた色濃い桔梗の一枝を鶴子は握つて負られて行く。
熊の足跡
(旧字旧仮名)
/
徳冨蘆花
(著)
八月のなかばだつたが、
碓氷
(
うすひ
)
峠を
越
(
こえ
)
ると秋の景色だつた。百合撫子萩桔梗
紫苑
(
しをん
)
女郎花
(
をみなへし
)
を吹く風の色が白かつた。草津へ通ふ馬の背の客の上半身が草の穗の上にあらはれてゐた。
山を想ふ
(旧字旧仮名)
/
水上滝太郎
(著)
道の両側には薄の穂がゆれ、あちこちに
女郎花
(
をみなへし
)
や
萩
(
はぎ
)
の花が咲いてゐます。その間をくぐつて行くと、雑木林をもれる
黄金色
(
きんいろ
)
の秋の
陽
(
ひ
)
が
眩
(
まぶ
)
しくキラ/\と、肩先や足下でゆれ動きます。
栗ひろひ週間
(新字旧仮名)
/
槙本楠郎
(著)
野
(
の
)
は
桔梗
(
ききやう
)
、
女郎花
(
をみなへし
)
のさきみだれた
美
(
うつく
)
しい
世界
(
せかい
)
です。その
草
(
くさ
)
の
葉
(
は
)
つぱのかげで
ちるちる・みちる
(旧字旧仮名)
/
山村暮鳥
(著)
市街を離れて
里許
(
りきよ
)
、不二の裾野は、虫声にも色あり、そよ吹く風にも色あり、色の
主
(
あるじ
)
を花といふ、金色星の、
夕
(
ゆふべ
)
下界に下りて、
茎頭
(
けいとう
)
に宿りたる如き
女郎花
(
をみなへし
)
、一輪深き
淵
(
ふち
)
の色とうたはれけむ朝顔の
霧の不二、月の不二
(新字旧仮名)
/
小島烏水
(著)
女郎花
(
をみなへし
)
乱るる野べにまじるとも露のあだ名をわれにかけめや
源氏物語:54 蜻蛉
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
黄の粟のいとど蒸したる
女郎花
(
をみなへし
)
も時過ぎにけり雨しげくふり
白南風
(旧字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
「人間の幸福は日光の中に舞つてゐる蠅のやうなものだ。」といつたある歐洲文學者の言葉に感歎したり(之れは先日讀んだ谷崎精二君の小説の中で學んだ言葉)蟲の音が繁くなつて
庭前
(
にはさき
)
に
女郎花
(
をみなへし
)
が盛んに咲いたのを
軽井沢より:〔小川未明君へ。〕
(旧字旧仮名)
/
正宗白鳥
(著)
庭
(
には
)
はさながら
花野
(
はなの
)
也
(
なり
)
。
桔梗
(
ききやう
)
、
刈萱
(
かるかや
)
、
女郎花
(
をみなへし
)
、
我亦紅
(
われもこう
)
、
瑠璃
(
るり
)
に
咲
(
さ
)
ける
朝顏
(
あさがほ
)
も、
弱竹
(
なよたけ
)
のまゝ
漕惱
(
こぎなや
)
めば、
紫
(
むらさき
)
と、
黄
(
き
)
と、
薄藍
(
うすあゐ
)
と、
浮
(
う
)
きまどひ、
沈
(
しづ
)
み
靡
(
なび
)
く。
婦人十一題
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
春は壺菫に秋は
桔梗
(
ききやう
)
女郎花
(
をみなへし
)
、其草原は四季の花に富んでゐるので、私共はよく遊びに行つたものだが、其頃は、一面に萱草の花の盛り、殊にも水車小屋の
四周
(
まはり
)
には沢山咲いてゐた。
二筋の血
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
黄の粟のいとど蒸したる
女郎花
(
をみなへし
)
も時過ぎにけり雨しげくふり
白南風
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
吹き乱る風のけしきに
女郎花
(
をみなへし
)
萎
(
しを
)
れしぬべきここちこそすれ
源氏物語:28 野分
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
私は先づ
女郎花
(
をみなへし
)
を挙げる。
秋草と虫の音
(新字旧仮名)
/
若山牧水
(著)
藍
(
あゐ
)
あさき
宵
(
よひ
)
の
空
(
そら
)
、
薄月
(
うすづき
)
の
夜
(
よ
)
に
入
(
い
)
りて、
雲
(
くも
)
は
胡粉
(
ごふん
)
を
流
(
なが
)
し、
一
(
ひと
)
むら
雨
(
さめ
)
廂
(
ひさし
)
を
斜
(
なゝめ
)
に、
野路
(
のぢ
)
の
刈萱
(
かるかや
)
に
靡
(
なび
)
きつゝ、
背戸
(
せど
)
の
女郎花
(
をみなへし
)
は
露
(
つゆ
)
まさる
色
(
いろ
)
に
出
(
い
)
で、
茂
(
しげ
)
れる
萩
(
はぎ
)
は
月影
(
つきかげ
)
を
抱
(
いだ
)
けり。
婦人十一題
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
唯途で逢つて
叩頭
(
おじぎ
)
するのが嬉しかつた位で、遂十日許り前、朝草刈の帰りに、背負うた千草の中に、桔梗や
女郎花
(
をみなへし
)
が交つてゐたのを、
村端
(
むらはづれ
)
で散歩してゐた藤田に二三本呉れぬかと言はれた
天鵞絨
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
女郎花
(
をみなへし
)
萎
(
しを
)
るる野辺をいづくとて一夜ばかりの宿を借りけん
源氏物語:39 夕霧一
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
……
通
(
とほ
)
りの
花屋
(
はなや
)
、
花政
(
はなまさ
)
では、きかない
氣
(
き
)
の
爺
(
ぢい
)
さんが、
捻鉢卷
(
ねぢはちまき
)
で、お
月見
(
つきみ
)
のすゝき、
紫苑
(
しをん
)
、
女郎花
(
をみなへし
)
も
取添
(
とりそ
)
へて、おいでなせえと、やつて
居
(
ゐ
)
た。
葉
(
は
)
に
打
(
う
)
つ
水
(
みづ
)
もいさぎよい。
十六夜
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
女郎花
(
をみなへし
)
咲ける大野をふせぎつつ心せばくやしめを
結
(
ゆ
)
ふらん
源氏物語:49 総角
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
萌黄
(
もえぎ
)
の
蚊帳
(
かや
)
、
紅
(
べに
)
の
麻
(
あさ
)
、……
蚊
(
か
)
の
酷
(
ひど
)
い
處
(
ところ
)
ですが、お
米
(
よね
)
さんの
出入
(
ではひ
)
りには、はら/\と
螢
(
ほたる
)
が
添
(
そ
)
つて、
手
(
て
)
を
映
(
うつ
)
し、
指環
(
ゆびわ
)
を
映
(
うつ
)
し、
胸
(
むね
)
の
乳房
(
ちぶさ
)
を
透
(
すか
)
して、
浴衣
(
ゆかた
)
の
染
(
そめ
)
の
秋草
(
あきぐさ
)
は、
女郎花
(
をみなへし
)
を
黄
(
き
)
に、
萩
(
はぎ
)
を
紫
(
むらさき
)
に
雪霊記事
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
あだし野の風になびくな
女郎花
(
をみなへし
)
われしめゆはん
路
(
みち
)
遠くとも
源氏物語:55 手習
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
ほど近き
法
(
のり
)
の
御山
(
みやま
)
をたのみたる
女郎花
(
をみなへし
)
源氏物語:55 手習
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
“女郎花(オミナエシ)”の解説
オミナエシ(女郎花、学名:Patrinia scabiosifolia)は、合弁花類オミナエシ科オミナエシ属の多年生植物。秋の七草の一つとして、日本では古くから親しまれている。別名は、敗醤(はいしょう)ともいう。
(出典:Wikipedia)
女
常用漢字
小1
部首:⼥
3画
郎
常用漢字
中学
部首:⾢
9画
花
常用漢字
小1
部首:⾋
7画
“女郎花”で始まる語句
女郎花由縁助刀