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取添
……
通りの
花屋、
花政では、きかない
氣の
爺さんが、
捻鉢卷で、お
月見のすゝき、
紫苑、
女郎花も
取添へて、おいでなせえと、やつて
居た。
葉に
打つ
水もいさぎよい。
あたゝまるやうにと
言ふて
呉れし
時も
有し、
懷かしきは
其昔し、
有難きは
今の
奧樣が
情と、
平常お
世話に
成りぬる
事さへ
取添へて、
怒り
肩もすぼまるばかり
畏まりて
有るさまを
と
前倒しに
身を
投げて、
犇と
美女の
手に
縋ると、
振りも
払はず
取添へて