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取添
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とりそ
……
通りの
花屋、
花政では、きかない
氣の
爺さんが、
捻鉢卷で、お
月見のすゝき、
紫苑、
女郎花も
取添へて、おいでなせえと、やつて
居た。
葉に
打つ
水もいさぎよい。
あたゝまるやうにと
言ふて
呉れし
時も
有し、
懷かしきは
其昔し、
有難きは
今の
奧樣が
情と、
平常お
世話に
成りぬる
事さへ
取添へて、
怒り
肩もすぼまるばかり
畏まりて
有るさまを
と
前倒しに
身を
投げて、
犇と
美女の
手に
縋ると、
振りも
払はず
取添へて
男にてもあれかしと
敢果なき
事を
占なひて、
表面は
無情つくれども、
子安のお
守り
何くれと、
人より
聞きて
來た
事を
其まゝ、
不案内の
男の
身なれば
間違ひだらけ
取添へて、
美尾が
母に
萬端を
頼めば
傍に
青芒が
一叢生茂り、
桔梗の
早咲の花が二、三輪、ただ
初々しく咲いたのを、
莟と一枝、三筋ばかり青芒を
取添えて、
竹筒に挿して、のっしりとした腰つきで、井戸から
撥釣瓶でざぶりと
汲上げ