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むちゆう
「いえ
信念さへあれば
誰でも
悟れます」と
宜道は
躊躇もなく
答へた。「
法華の
凝り
固まりが
夢中に
太鼓を
叩く
樣に
遣つて
御覽なさい。 ...
然るに
言はうと
云ふ
望は、
終に
消えず
忽にして
總の
考を
壓去つて、
此度は
思ふ
存分、
熱切に、
夢中の
有樣で、
言が
迸り
出る。
長吉は
夢中で
雷門の
方へどん/\歩いた。若い芸者の
行衛を
見究めやうと
云ふのではない。自分の眼にばかりあり/\見えるお
糸の
後姿を追つて
行くのである。
最う
仰いでも
覗いても、
大牛の
形は
目に
留まらなく
成つたゝめに、あとは
夢中で、
打附れば
退り、
床あれば
踏み、
階子あれば
上る、
其の
何階目であつたか
分らぬ。
いづれ
業繋の身の、心と違ふ事のみぞ多かる世に、
夢中に夢を
喞ちて我れ何にかせん。
彼も
罷出ましたが、これも強く
逆上いたし
眼がかすみ、
頭に熱を
持ち、カツカと
致して
堪らぬ
抔と
申して
居まする、
夫に
可愛想なのは
大原伊丹で、
彼は
到頭生体なしで
未だ
夢中で
居ります。
『
丁度學校に
居るやうだわ』
云つて
愛ちやんは
立ち
上り、それを
復誦し
初めました、が、
全く
夢中に
蝦の
舞踏のことばかり
思つてゐて、
自分で
自分が
何を
云つてるのか、
殆んど
知りませんでした
その
鰹船が
一つ
宛此器械を
具へ
付ける
樣になつたら、
莫大な
利益だつて
云ふんで、
此頃は
夢中になつて
其方ばつかりに
掛つてゐる
樣ですよ。
えゝ、
城ヶ
沼の。はあ、
夢中で
其処ら
駆廻らしつたものと
見える……それは
山の
上では
無い。お
前様が
温泉へ
来さつしやつた
街道端の、
田畝に
近い
樹林の
中にある
大い
沼よ。
道々も一
分の
絶間もなく
喋り
續けて、カフカズ、ポーランドを
旅行したことなどを
話す。
而して
大聲で
眼を
剥出し、
夢中になつてドクトルの
顏へはふツ/\と
息を
吐掛ける、
耳許で
高笑する。
己は
夢中で、
此を
恋しい
婦だ、と
思つて、うか/\
抱いて
返つたのか、
然うかも
知れん。
けれども
多くの
人の
如くに
判然した
目的は
有つてゐなかつた。
其内店に
灯が
點いた。
電車も
燈火を
照もした。
宗助はある
牛肉店に
上がつて
酒を
呑み
出した。一
本は
夢中に
呑んだ。