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雀躍
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こおどり
ふりがな文庫
“
雀躍
(
こおどり
)” の例文
それに軽い新しい麻裏
草履
(
ぞうり
)
をも穿いた。彼は足に力を入れて、往来の土を踏みしめ踏みしめ、
雀躍
(
こおどり
)
しながら若い友達の方へ急いだ。
足袋
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
求めて探しても
斯様
(
かよう
)
な親船は無かろうのに、偶然それを発見し得たことの仕合せを、兵馬は
雀躍
(
こおどり
)
して
欣
(
よろこ
)
ばないわけにはゆきません。
大菩薩峠:16 道庵と鯔八の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
かくて次の日になりけるに、不思議なるかな
萎
(
な
)
えたる足、朱目が言葉に露たがはず、全く癒えて常に異ならねば。黄金丸は
雀躍
(
こおどり
)
して喜び。
こがね丸
(新字旧仮名)
/
巌谷小波
(著)
もとより士卒たちは、
雀躍
(
こおどり
)
してみなそこに集まった。——だが、それを眺めて、少しぼんやりしている張飛の顔を見ると、何か悪い気がして
三国志:04 草莽の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
余は
雀躍
(
こおどり
)
して茲を抜けたが、是で見ると此の関所は十二時でなければ出入りの出来ぬ所だ、秀子が茲を通ったのは真昼の十二時で有ったのか
幽霊塔
(新字新仮名)
/
黒岩涙香
(著)
▼ もっと見る
十内
雀躍
(
こおどり
)
して、清十郎を引ずるように、仙台へ行ってみると、確かにそうらしいが居なくなっている。近所で聞くと
相馬の仇討
(新字新仮名)
/
直木三十五
(著)
と、もう廿分も
経
(
た
)
つと、私が両手に
豆捩
(
まめねじ
)
を持って
雀躍
(
こおどり
)
して喜ぶ顔を、祖母が眺めてほくほくする事になって了う。
平凡
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
そう
教
(
おし
)
えたものでしたら、みんなは
大喜
(
おおよろこ
)
びで、お
父
(
とう
)
さんやお
母
(
かあ
)
さんのところへ、
雀躍
(
こおどり
)
しながら
馳
(
か
)
けて
行
(
い
)
きました。
醜い家鴨の子
(新字新仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
彼らは
雀躍
(
こおどり
)
して喜んでいた。
被
(
こうむ
)
っていた迫害の意趣晴らしを、久しく期待していたのが今得られたのであった。争闘の結果にはまだ思い及ぼしていなかった。
ジャン・クリストフ:06 第四巻 反抗
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
嬉しさに
雀躍
(
こおどり
)
をしたんですが、
貴僧
(
あなた
)
、その
中
(
うち
)
の一人は、まだ母の存命の内に、
雛
(
ひな
)
祭の夜なくなりました。
草迷宮
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
側にいたる小山が「大原君
悦
(
よろこ
)
び給え、中川君がお登和さんの事を承知されたよ。君の本望は達したよ」と聞いて大原立上って
雀躍
(
こおどり
)
し「ありがたい、モー病気全快だ」
食道楽:春の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
この体に旅人も首を傾けて見ていたが、やがて年を取ッた方がしずかに幕を取り上げて紋どころをよく見るとこれは実に間違いなく
足利
(
あしかが
)
の物なので思わずも
雀躍
(
こおどり
)
した,
武蔵野
(新字新仮名)
/
山田美妙
(著)
勝五郎は深川へ来て話をきくと
雀躍
(
こおどり
)
して喜び、伊之吉もまた大芳のとこへ貰われて来ましたが、実に
可愛
(
かあい
)
らしい
好児
(
いゝこ
)
でげすから、おしゅんさんは
些
(
ちっ
)
とも膝を
下
(
おろ
)
しません。
根岸お行の松 因果塚の由来
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
遂にそれは天井に達した。彼は
雀躍
(
こおどり
)
せんばかりに喜んで、その空気の抜ける孔の中に
匍
(
は
)
いこんだ。
流線間諜
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
(来たな!)と主税は
雀躍
(
こおどり
)
したが、相手を身近く引寄せようとして、かえって部屋の隅へ退いた。
仇討姉妹笠
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
わたしは
雀躍
(
こおどり
)
するほどに喜んで、すぐに日日新聞社に入れてくれるように関氏にせがむと、もとより自分の方から知恵をさずけた位であるから、関氏も無論に承知して
明治劇談 ランプの下にて
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
これで
空手
(
からて
)
で帰ることにはならない。犬が
雀躍
(
こおどり
)
する。わたしも、得々としてからだをゆすぶった。
ぶどう畑のぶどう作り
(新字新仮名)
/
ジュール・ルナール
(著)
実に彼の
喜
(
よろこび
)
は一
通
(
とおり
)
でなかった、彼は理想に達するの門を見付けたように
雀躍
(
こおどり
)
したのである。
愛か
(新字新仮名)
/
李光洙
(著)
去年の春下谷の伯母を訪ねて、その
寡婦
(
やもめ
)
暮しの聞きしにまさる貧しさに驚かされた私は、三崎町の「苦学社」の募集広告を見て、天使の救いにおうたように、
雀躍
(
こおどり
)
して喜んだ。
駅夫日記
(新字新仮名)
/
白柳秀湖
(著)
火の粉を
梨地
(
なしじ
)
に点じた
蒔絵
(
まきえ
)
の、瞬時の
断間
(
たえま
)
もなく
或
(
あるい
)
は消え或は輝きて、動いて行く円の内部は一点として活きて動かぬ箇所はない。——「占めた」とシーワルドは手を
拍
(
う
)
って
雀躍
(
こおどり
)
する。
幻影の盾
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
例せばタナの王は海賊と
棒組
(
ぼうぐみ
)
で、インド往きの船に多少の馬を積まぬはないから、馬さえ己に献ずれば他の積み荷は一切汝らに遣ると、結構な仰せに、海賊ども
雀躍
(
こおどり
)
して外船を侵掠した。
十二支考:05 馬に関する民俗と伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
こう考えると、無限にこの笛が懐かしい、恋しい、
何
(
ど
)
うしたらいいだろうかと笛を取上げて彼は
雀躍
(
こおどり
)
をした。
而
(
そ
)
して割らないようにと念に念を入れて、
只
(
ただ
)
一つまだ開けない孔を
穿
(
ほ
)
り始めた。
越後の冬
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
けれども、戦慄とか恐怖とか
雀躍
(
こおどり
)
とかいうような程度の高度の神経細胞の
攪乱
(
かくらん
)
を与えられたことはなかった。そこに、この作者のみならず、恐らく一般探偵小説の一歩前進を期待してやまない。
『心理試験』を読む
(新字新仮名)
/
平林初之輔
(著)
室香に約束は
違
(
たが
)
えど大丈夫青雲の志
此時
(
このとき
)
伸
(
のぶ
)
べしと殊に血気の
雀躍
(
こおどり
)
して喜び、米国より欧州に前後七年の
長逗留
(
ながとうりゅう
)
、アヽ
今頃
(
いまごろ
)
は
如何
(
どう
)
して居おるか、生れた子は女か、男か、知らぬ顔に、知られぬ顔
風流仏
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
『オヤ、
私
(
わたし
)
の
頭
(
あたま
)
は
何處
(
どこ
)
かへ
行
(
い
)
つて
了
(
しま
)
つたわ』
愛
(
あい
)
ちやんは
雀躍
(
こおどり
)
して
喜
(
よろこ
)
んだ
甲斐
(
かひ
)
もなく、
其
(
その
)
喜
(
よろこ
)
びは
忽
(
たちま
)
ち
驚
(
おどろ
)
きと
變
(
へん
)
じました、
愛
(
あい
)
ちやんは
自分
(
じぶん
)
の
肩
(
かた
)
が
何處
(
どこ
)
にも
見
(
み
)
えなくなつたのに
氣
(
き
)
がついて、
方々
(
はう/″\
)
探
(
さが
)
し
廻
(
まは
)
り
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
ガラッ八は
雀躍
(
こおどり
)
しながら飛んで来ました。その日の昼頃です。
銭形平次捕物控:052 二服の薬
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
淀君は
雀躍
(
こおどり
)
しながら悦ばれたが吉兵衛さんは如才なく
空中征服
(新字新仮名)
/
賀川豊彦
(著)
しめたと心中
雀躍
(
こおどり
)
しながら渡辺はさあらぬ体で云った。
支倉事件
(新字新仮名)
/
甲賀三郎
(著)
と言いながら俊夫君は
雀躍
(
こおどり
)
するのでありました。
深夜の電話
(新字新仮名)
/
小酒井不木
(著)
僕も、
陳
(
チャン
)
君も、
雀躍
(
こおどり
)
して、中甲板を飛び廻った。
怪奇人造島
(新字新仮名)
/
寺島柾史
(著)
すると第一に
雀躍
(
こおどり
)
して喜んだのは原田だった。
The Affair of Two Watches
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
不寝番は
雀躍
(
こおどり
)
してバタバタ駆けまわった
動員令
(新字新仮名)
/
波立一
(著)
大学士はまるで
雀躍
(
こおどり
)
して
楢ノ木大学士の野宿
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
裏道づたいに捨吉は
平坦
(
たいら
)
な街道へ出た。そこはもう東海道だ。旅はこれからだ。そう思って、彼は
雀躍
(
こおどり
)
して出掛けた。
桜の実の熟する時
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
金助は
雀躍
(
こおどり
)
をして喜びながら、駈け出して行く途端、たそや行燈の下で
文
(
ふみ
)
を読んでいた侍にぶっつかろうとする。
大菩薩峠:17 黒業白業の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
ヤ喜んだの喜ばないのと、それはそれは
雀躍
(
こおどり
)
までして喜んだが、しかし書生と言ッてもこれもまた
一苦界
(
ひとくがい
)
。
浮雲
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
どの
玩弄物
(
おもちゃ
)
欲しい、と
私
(
わし
)
が問うたでの、
前
(
さき
)
へ悦喜の
雀躍
(
こおどり
)
じゃ、……
這奴等
(
しゃつら
)
、騒ぐまい、まだ早い。殿たち
名告
(
なの
)
らずば、やがて、
選
(
え
)
ろう、
選取
(
よりど
)
りに私が
選
(
よ
)
って
奪
(
と
)
ろう!
吉原新話
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
その二つの音楽の移り変わりがあまりに粗暴だったので、クリストフは憤って、歯をきしらせ足を踏み鳴らして、壁に
拳固
(
げんこ
)
をつきつけた。しかしメルキオルは
雀躍
(
こおどり
)
していた。
ジャン・クリストフ:03 第一巻 曙
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
其の旨を御老中へ御沙汰に相成り、御老中から
直
(
たゞ
)
ちに町奉行へ伝達されましたから、筒井和泉守様は
雀躍
(
こおどり
)
するまでに喜ばれ、十一月二十九日に長二郎を始め
囚人
(
めしゅうど
)
玄石茂二作
名人長二
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
手を拍って煖炉の前で
雀躍
(
こおどり
)
して居る、是が多分は余が生まれて以来第一等の功徳であろう。
幽霊塔
(新字新仮名)
/
黒岩涙香
(著)
これでもう
空手
(
からて
)
で帰らないでも済む。犬が
雀躍
(
こおどり
)
する。私も得々としてからだをゆすぶる。
博物誌
(新字新仮名)
/
ジュール・ルナール
(著)
この評判を耳にして一人
雀躍
(
こおどり
)
して喜んだのは、「
玻璃窓
(
はりまど
)
」の
郡上
(
ぐじょう
)
平八であった。
名人地獄
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
だが、樫田武平は美事な成功に
雀躍
(
こおどり
)
して、そのフィルムだけを
外
(
はず
)
すと、そのまま逃走しようと試みた。が、その時であった。由蔵は、別の目的を以て同じこの天井裏へ上って来たのである。
電気風呂の怪死事件
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
わたしはこんな物が続々発行されていることをちっとも知らなかったが、アストン氏は銀座の本屋で見付けて来たのである。わたしは
雀躍
(
こおどり
)
するほどに喜んで、すぐにそれを借りて来て読み耽った。
明治劇談 ランプの下にて
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
支倉はこの決定を受取ると文字通り
雀躍
(
こおどり
)
して喜んだ。
支倉事件
(新字新仮名)
/
甲賀三郎
(著)
それを聞くと、平次は
雀躍
(
こおどり
)
して喜びました。
銭形平次捕物控:036 八人芸の女
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
僕は、
雀躍
(
こおどり
)
して叫んだ。
怪奇人造島
(新字新仮名)
/
寺島柾史
(著)
三人は互いに
雀躍
(
こおどり
)
して、
本所
(
ほんじょ
)
方面の初冬らしい空に登る太陽を迎えた。
紅
(
あか
)
くはあるが、そうまぶしく輝かない。
夜明け前:01 第一部上
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
足でなく、頭で
雀躍
(
こおどり
)
したのである。たちまち、
法衣
(
ころも
)
を脱ぎ、手早く靴を投ると、
勢
(
いきおい
)
よく沼へ入った。
神鷺之巻
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
ピラムが、外の空気が吸える嬉しさに、敷石の上で
雀躍
(
こおどり
)
をしていると、バルジェは
ぶどう畑のぶどう作り
(新字新仮名)
/
ジュール・ルナール
(著)
“雀躍”の意味
《名詞》
雀がおどるように、こおどりして喜ぶこと。
(出典:Wiktionary)
雀
漢検準1級
部首:⾫
11画
躍
常用漢字
中学
部首:⾜
21画
“雀”で始まる語句
雀
雀斑
雀羅
雀色時
雀部
雀踊
雀色
雀右衛門
雀鮨
雀枝