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選
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え
ふりがな文庫
“
選
(
え
)” の例文
「ヘエ——じゃないよ、相手の
選
(
え
)
り好みをしているうちに、
月代
(
さかやき
)
の
光沢
(
つや
)
がよくなってよ、せっかくのいい男が薄汚くなるじゃないか」
銭形平次捕物控:086 縁結び
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
どんな時であったか、女御の所へ殿上役人などがおおぜい来ていて
選
(
え
)
りすぐったような人たちで音楽の遊びをしていたことがあった。
源氏物語:31 真木柱
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
お父さまたちが
発
(
た
)
っていらしたら、さっそく仕事にかかりましょうね。……(テーブルの上の書類を、いらだたしく
選
(
え
)
り分けながら)
ワーニャ伯父さん:――田園生活の情景 四幕――
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
ふたりの協力によって、将監の家から没収して来た古手紙や覚え書らしいものが、老公の膝のまえに、
夥
(
おびただ
)
しく、
選
(
え
)
り分けられていた。
梅里先生行状記
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
おそらく他国から来たもので、なんにも事情を知らないのであろうが、
選
(
え
)
りにえってこんなところへはいるというのは皮肉すぎる。
泥棒と若殿
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
▼ もっと見る
そのうちに、競馬のはじまる時刻が近づいて、国内から
選
(
え
)
りすぐって
厩
(
うまや
)
につないである馬は、勇んで
嘶
(
いなな
)
きながら引き出されました。
大菩薩峠:14 お銀様の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
定次郎の実直といへば白井様でも大事の用には特に
選
(
え
)
り上げて使ふ位で、力自慢に
若者
(
わかいもの
)
を怒らせるだけが悪い癖だと、
老人達
(
としよりだち
)
が言つてゐた。
天鵞絨
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
そのうちに、会社からは田辺課長をはじめ山ノ井、小松などという
選
(
え
)
りすぐりの用心棒が駈けつけた。総一郎はすこし生色をとりかえした。
蠅男
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
善「
選
(
えり
)
に
選
(
え
)
って
轡
(
くつわ
)
の紋付を買って来たのは何ういう訳だ、薩摩様の御紋所のようだなア、多助、何かそれがお前の
家
(
うち
)
の定紋か」
塩原多助一代記
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
店の
上
(
かみ
)
さんに、土産を買えと勧められて、何か
嵩張
(
かさば
)
らないものをと、
楊枝入
(
ようじい
)
れやら、煙草箱やらを、二つ三つ
選
(
え
)
り分けていた。
青年
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
「さあ、こんなものがそんなに欲しけりゃあいくらでも返してやる」と、山のような手紙の中から私の手紙を
選
(
え
)
り分けて後向きに
叩
(
たた
)
きつけた。
うつり香
(新字新仮名)
/
近松秋江
(著)
白い糸が山のように積んであると、そのそばで
雇
(
やと
)
い
人
(
にん
)
がしきりにそれを
選
(
え
)
り分けている。
反物
(
たんもの
)
を入れる大きな戸棚も見える。
田舎教師
(新字新仮名)
/
田山花袋
(著)
ピエエルは郵便を
選
(
え
)
り分けた。そしてイソダン郵便局の消印のある一通を
忙
(
せ
)
わしく選り出して別にした。しかしすぐに開けて読もうともしない。
田舎
(新字新仮名)
/
マルセル・プレヴォー
(著)
雑草の種子でも穀物でも、勝手に好みのものを
選
(
え
)
り食いが出来るので、言わば小鳥は台所をあちらへ移しているのである。
野草雑記・野鳥雑記:02 野鳥雑記
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
故意
(
こい
)
にしても偶然にしても、とにかく仇討を延び延びにすることによって、そういう生半可なものをすぐり落された、
籾
(
もみ
)
と
糠
(
ぬか
)
とを
選
(
え
)
り分けられた。
四十八人目
(新字新仮名)
/
森田草平
(著)
喰い物の
選
(
え
)
り好みをするのはまだしも、人間の脳髄なんぞが寄っても附けない鋭敏な天気予報までも、ハッキリと現わして見せるから痛快ではないか。
ドグラ・マグラ
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
唐箕
(
とうみ
)
が穀粒を
選
(
え
)
り分くるように、不幸は生きんと欲する者を一方に置き、死せんと欲する者を他方に置く。愛よりもさらに強い恐るべき生の法則である。
ジャン・クリストフ:10 第八巻 女友達
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
月樵
(
げっしょう
)
の『
不形画藪
(
ふけいがそう
)
』を得たるは嬉し。そのほか『
鶯邨画譜
(
おうそんがふ
)
』『景文花鳥画譜』『公長略画』など
選
(
え
)
り出し置く。
病牀六尺
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
老婢は早速八百屋へ走つて行つて、ころあひの小い西瓜を
選
(
え
)
つて買つて来ました。父は私にどんな模様がいゝかと尋ねましたが、私は何でもいゝと云つて居ました。
私の生ひ立ち
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
この戦いにまぎれて高倉宮は奈良へ逃げられたにちがいない、今なら間に合う、と
選
(
え
)
りすぐった精兵四、五百騎を引きつれると馬に鞭をあて、鐙をけって疾駆した。
現代語訳 平家物語:04 第四巻
(新字新仮名)
/
作者不詳
(著)
どの
玩弄物
(
おもちゃ
)
欲しい、と
私
(
わし
)
が問うたでの、
前
(
さき
)
へ悦喜の
雀躍
(
こおどり
)
じゃ、……
這奴等
(
しゃつら
)
、騒ぐまい、まだ早い。殿たち
名告
(
なの
)
らずば、やがて、
選
(
え
)
ろう、
選取
(
よりど
)
りに私が
選
(
よ
)
って
奪
(
と
)
ろう!
吉原新話
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
つやにいいつけて
反古紙
(
ほごがみ
)
を集めた箱を自分の
部屋
(
へや
)
に持って
来
(
こ
)
さして、いつか読みもしないで破ってしまった木村からの手紙を
選
(
え
)
り出そうとする自分を見いだしていた。
或る女:2(後編)
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
夫人が
短檠
(
たんけい
)
の
灯影
(
ほかげ
)
のもとにうつむいて、心に浮かび出る文句を口のうちであれかこれかと
選
(
え
)
り分けているときの、深く考え込んだ表情を見るのが楽しみなのであった。
武州公秘話:01 武州公秘話
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
被告に不利な証人だけを
選
(
え
)
りぬいて登場させる、弁護士にはなるべく口が
利
(
き
)
けないようにするが
初冬の日記から
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
議論にならなくっても、事実の上で、あたしの方が由雄さんに勝ってるんだから仕方がない。いろいろ
選
(
え
)
り
好
(
ごの
)
みをしたあげく、お嫁さんを貰った後でも、まだ選り好みを
明暗
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
エキセルシオール紙やウニベルサール紙、エル・コメルシオ紙、ラ・プレンサ紙やラ・ナシオン紙等の
選
(
え
)
り抜き記者連中が会場へ乗り込んできたのは翌朝の九時頃であった。
ウニデス潮流の彼方
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
それから古ローマのネロ帝は荒淫傑出だったが、かつて
揃
(
そろ
)
いも揃って
半男女
(
ふたなり
)
の馬ばかり
選
(
え
)
り集めてその車を牽かしめ、異観に誇った(プリニウスの『
博物志
(
ヒストリア・ナチュラリス
)
』十一巻百九章)
十二支考:05 馬に関する民俗と伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
一体セルギウスは誰をでも草庵に入れる事にしてゐるが、いつもセルギウスに付けられてゐる僧と、
日々
(
にち/\
)
僧院から草庵へ派遣する事になつてゐる当番の僧とで、人を
選
(
え
)
り分る。
パアテル・セルギウス
(新字旧仮名)
/
レオ・トルストイ
(著)
国々の珍しい切手ばかしを
選
(
え
)
り
好
(
この
)
みをするのだが、池田氏のはそんな事には頓着なく、どんな有り触れた物でも構はない、手当り次第に集めるので、かうして掻き集めたのが
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
しかしこの名前はけっしてことさら
選
(
え
)
り好んだものではなく、どうしてもこうよりほかに名前のつけようがなかった事情が、自然とそこに生じたからだと断言することができる。
外套
(新字新仮名)
/
ニコライ・ゴーゴリ
(著)
三人の暴徒が彼女らに手伝っていた。髪の毛が長くて
頤鬚
(
あごひげ
)
と
口髭
(
くちひげ
)
とのあるたくましい男どもで、リンネル女工のような手つきで布を
選
(
え
)
り分けながら、彼女らをおびえさしていた。
レ・ミゼラブル:07 第四部 叙情詩と叙事詩 プリューメ街の恋歌とサン・ドゥニ街の戦歌
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
しかし、味方は巧妙に舟を操って、あるいは水煙の中に隠れ、滝津瀬のようなとどろきを上げる、
波濤
(
はとう
)
の谷底を
選
(
え
)
り進んでは、軍船に近づくまで、いっこうに姿を現わさなかった。
紅毛傾城
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
丹念に
選
(
え
)
り分けて、しまったり出したりしている
傍
(
そば
)
に座り込んで、これまでに見たこともない
小片
(
こぎれ
)
や袋物、古い押し絵、
珊瑚球
(
さんごじゅ
)
のような物を、不思議そうに選り出しては
弄
(
いじ
)
っていた。
足迹
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
こと更に
選
(
え
)
らみて
綾羅
(
きら
)
をかざり、一昨日出そろひしと聞く某の芝居、狂言も折から面白き新物の、これを見のがしてはと娘共の騷ぐに、見物は十五日、珍らしく
家内中
(
うちゞう
)
との觸れに成けり
大つごもり
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
今まで敵であった部落の土人が、五十人の壮丁を
選
(
え
)
りすぐって従軍させたいと云い出したからで、ラシイヌはそれをすぐ許した。彼ら部落の土人どもはザンギバール人であるのであった。
沙漠の古都
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
比較的景色の好い精神的と肉体的とを兼ねたこの健康地を
選
(
え
)
らんだと云うばかりだけれ共、その生徒の中から此村に落される金ばかりは割合に労働なくて得られる金の唯一なものであった。
農村
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
わざと
選
(
え
)
り抜いた高揚のために、過敏にされ貧しくされ疲らされた揚句、乱れてすさみ切って責め抜かれて、病み衰えてしまった自分の姿を眺めた——そして悔恨と郷愁とにむせび泣いた。
トニオ・クレエゲル
(新字新仮名)
/
パウル・トーマス・マン
(著)
これはことごとく平田から来たのばかりである、捻紙を解いて調べ初めて、その中から四五本
選
(
え
)
り出して、涙ながら読んで涙ながら巻き納めた。中には二度も三度も読み返した文もあッた。
今戸心中
(新字新仮名)
/
広津柳浪
(著)
頃は
何時
(
いつ
)
なんめり、天正二十三年十一月、上杉弾正
大弼
(
だいひつ
)
輝虎入道謙信に置かせられましては、越後春日城には留守居として長尾越前守景政を残し、
選
(
え
)
りに選ったる精兵一万八千騎を引率なし
相馬の仇討
(新字新仮名)
/
直木三十五
(著)
まだ
穢
(
けが
)
れを知らぬ
清淨
(
しやうじやう
)
な
少女
(
をとめ
)
を
選
(
え
)
り出して、
稚兒
(
ちご
)
に立てねばならなかつた。
東光院
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
警視庁からは、中村捜査係長のひきいる
選
(
え
)
りすぐった警官隊五十人が出張して、博物館の表門、裏門、塀のまわり、館内の要所要所にがんばって、アリのはいいるすきまもない大警戒陣です。
怪人二十面相
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
柳生
(
やぎゅう
)
の里から応援に江戸入りした
高大之進
(
こうだいのしん
)
を隊長とする一団、
大垣
(
おおがき
)
七
郎右衛門
(
ろうえもん
)
、
寺門一馬
(
てらかどかずま
)
、
喜田川頼母
(
きたがわたのも
)
、
駒井甚
(
こまいじん
)
三
郎
(
ろう
)
、
井上近江
(
いのうえおうみ
)
、
清水粂之介
(
しみずくめのすけ
)
ら二十三名の
柳門
(
りゅうもん
)
選
(
え
)
り抜きの剣手は、
麻布本村町
(
あざぶほんむらちょう
)
丹下左膳:02 こけ猿の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
踊子らも
選
(
え
)
りぬきと見えそれぞれに優劣の差のない、揃った清潔な感じがした。
手穢
(
てあか
)
の染まぬ若い騎兵の
襟首
(
えりくび
)
の白さにちらりとほの見える茎色の
艶
(
つや
)
があった。実に
眼醒
(
めざ
)
めるばかりの美しさだった。
罌粟の中
(新字新仮名)
/
横光利一
(著)
それから余り
選
(
え
)
り嫌いをせずに、飲物と
食物
(
くいもの
)
とを
註文
(
ちゅうもん
)
した。
みれん
(新字新仮名)
/
アルツール・シュニッツレル
(著)
影つけて日向
選
(
え
)
り
来
(
く
)
る荷かつぎの肩かへにけりたぶつく水桶
夢殿
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
要するに、彼はちっとも食べ物の
選
(
え
)
り好みをしない。
にんじん
(新字新仮名)
/
ジュール・ルナール
(著)
選
(
え
)
り好みはなかった。野宿の心を決めていた。
石狩川
(新字新仮名)
/
本庄陸男
(著)
戸板裁縫女学校を
選
(
え
)
らまれた。
松井須磨子
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
好みは言はじ、
選
(
え
)
りもせじ。
生活のうるほひ
(新字旧仮名)
/
岸田国士
(著)
童女が感じのいい姿をして夫人の愛している
竜胆
(
りんどう
)
や朝顔がほかの葉の中に混じってしまったのを
選
(
え
)
り出していたわっていた。
源氏物語:28 野分
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
選
常用漢字
小4
部首:⾡
15画
“選”を含む語句
選手
選抜
選択
選好
選取
選分
選択集
粒選
唐詩選
人選
選出
少選
選民
選良
当選
選嫌
一粒選
選択本願念仏集
文選
選挙
...