見込みこみ)” の例文
色々議論もあるようであるが日本の音楽も今のままでは到底見込みこみがないそうだ。国が箱庭的であるからか音楽まで箱庭的である。
根岸庵を訪う記 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
……蝦夷えぞ地はロシアにちかく国防上肝要の場所たるばかりでなく、鉱山物産の見込みこみゆたかな土地であるから、地質測量や沿岸測量の仕事を
黒田清隆の方針 (新字新仮名) / 服部之総(著)
それにお前さんのからだは大地の底に居たときから慢性まんせいりょくでい病にかかって大分軟化なんかしてますからね、どうも恢復かいふく見込みこみがありません。
楢ノ木大学士の野宿 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
原子力を実際に勢力源として使い得る見込みこみが立ったのは、一九三八年に、ハーンとストラスマンとが、ウラニウムの核分裂を発見した時に始まる。
比較科学論 (新字新仮名) / 中谷宇吉郎(著)
私はどうかして警官に早く来て貰いたいと思っているのに、これでは見込みこみがありません。そこで一策を思いつきました。
崩れる鬼影 (新字新仮名) / 海野十三(著)
確乎かっこたる見込みこみありての事なり、未練らしう包み隠さずして、有休ありていに申し立ててこそ汝らが平生へいぜいの振舞にも似合わしけれとありければ、もっともの事と思い
妾の半生涯 (新字新仮名) / 福田英子(著)
と申すはその時に私の生活はカツ/\出来るか出来ないかとう位であるが、しかしドウかしたなら出来ないことはないと大凡おおよその見込みこみついて居ました。
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
もしたいした地震ぢしんでないといふ見込みこみがついたならば、こゝろ自然しぜんやすらかなはずであるから過失かしつおこりようもない。
地震の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
それは到底見込みこみかない。そこで舞台全体を入鹿いるかつもりで眺めてゐた。すると冠でも、沓でも、筒袖の衣服きものでも、使ふ言葉でも、何となく入鹿いるかくさくなつてた。
三四郎 (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
此日このひかぎり、探檢たんけんにはかなかつた。何故なにゆゑならば、とて主墳發見しゆふんはつけん見込みこみいからであつた。
「こんなにして、毎日すえ見込みこみもなしに、ブラブラ暮しているよりも、いっそのこと都へ行って見ようかしら。都には、面白いことやにぎやかなことが沢山あるそうだが。」
三人兄弟 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
外國ぐわいこくむかつて日本にほんかね支拂しはらひ必要ひつえうとしないと程度ていどまで改善かいぜんされると見込みこみつたのである、この貿易ぼうえき状態じやうたい爲替相場かはせそうば將來しやうらいつい適確てきかくなる見込みこみつることを
金解禁前後の経済事情 (旧字旧仮名) / 井上準之助(著)
うもさう一時いちどきまとめてかれるとわからぬね、このぷくつゐぢくおれ祖父そふ拝領はいりやうをしたものぢやがね、かまなにかはみなおれが買つたんだ、しか貴様きさま見込みこみくらゐものがあるぢやらう、此四品このよしなで。
士族の商法 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
田舎は田舎で暮しにくく、父も亡くなって弟の所帯となってからは、世話になるのも気の毒ですし、今後どうという見込みこみも立たないのですから、人にあまり迷惑をかけない内にと思います。
鴎外の思い出 (新字新仮名) / 小金井喜美子(著)
金主きんしゆ目付めつけたが、引手茶屋ひきてぢややは、見込みこみがないとふので、資本もとでおろさない。
廓そだち (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
そんとき見込みこみなけりや身拔みぬけしてもかまえやしねえな
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
じゃあなんかいい見込みこみでも立ってるのかエ。
貧乏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
二里半だと云てのせて來たがじつは僞りよ此駕籠のなかしろ物と路用大小等が見込みこみで此所まで汗水あせみづに成て乘せて來たのだ何ときもつぶれたかヤイ此女は勿論もちろん金と大小衣類まで尋常じんじやうに渡せば命は助けてやる萬一もしいなと云へば命もともに貰ふ分の事サア素直すなほに路用を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
そしてこの現象は土の膠質的性質に起因するものであろうという見込みこみをつけて、先ず膠質物理学方面の測定技術を修得するような実験を言いつけられた。
「何だい。六十になっても、そんなにちいさいなら、もうさきの見込みこみが無いやい。腰掛けのまま下へ落すぞ。」
さるのこしかけ (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
それで大阪まで行くには如何どうしても船賃が足らぬと云う見込みこみだから、そこで一寸ちょいと船宿の名をきいおいて、れから鉄屋に別れて、諫早いさはやから丸木船まるきぶねと云う船が天草あまくさの海を渡る。
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
わたくしにはとても子供こども出來でき見込みこみはないのよ」とつてした。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
それならば、力さえめれば開くだろうという見込みこみがつきました。
崩れる鬼影 (新字新仮名) / 海野十三(著)
善惡ぜんあく邪正じやしやう判然あらはるゝとき至れるかなころは享保四年の二月に時の町奉行大岡越前守忠相殿住吉町吉兵衞のねがひ出し一件ちく聞糺きゝたゞされ老中方へ申立られかゝり役人評議ひやうぎの上右關係の者共評定所へ呼び出され吟味あるべしと定まり尤も此度は最初さいしよより見込みこみの儀もこれあるに付當日の吟味は
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
けれども、あれぐらい手入をしてあれぐらい肥料を考えてやってそれでこんなになるのならもう村はどこももっとよくなる見込みこみはないのだ。ぼくはどこへも相談そうだんに行くとこがない。
或る農学生の日誌 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
我が国ではとても原子爆弾が出来る見込みこみはなかったと私には思われるからである。
原子爆弾雑話 (新字新仮名) / 中谷宇吉郎(著)
受出さんとの御事おんこと承知仕つり候へ共一品にても拔差ぬきさしは手前にて迷惑めいわくに候間殘らず御受なさるゝなら格別かくべつ其方そなたの勝手に大小ばかり請樣うけやうなどと仰られても其儀は出來申さずと云ければ文右衞門きゝて夫は御道理ごもつともの事なり今殘らず請出すあひだ元利ぐわんり何程なにほどか勘定して下されといふゆゑ番頭久兵衞は飽迄あくまで見込みこみちがひになりしかば心の中にては
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)