トップ
>
瞑
>
めい
ふりがな文庫
“
瞑
(
めい
)” の例文
この点を尊重して大正十三年には源内に従五位を追贈せられたので、彼もまたこれによりて安んじて
瞑
(
めい
)
することができるのでありましょう。
平賀源内
(新字新仮名)
/
石原純
(著)
渠等
(
かれら
)
が妄執
瞑
(
めい
)
せず、帰せず、陰々たる燈火に映じて
動出
(
うごきい
)
ださんばかりなる、ここ屠犬児の
働場
(
はたらきば
)
にして、地獄は目前の
庖廚
(
ほうちゅう
)
たり。
貧民倶楽部
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
……たとえ今、敗るるとも、なに、惜しかろう。男子として、やる限りはやったと思う。——以て、みずから
瞑
(
めい
)
すことができる
新書太閤記:05 第五分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
君の一生はまことに恵まれざる一生ではあつたが、今や二児は成人せり。君の使命は果たされたりといふべきか。以て
瞑
(
めい
)
すべし。弔詞終り——
老残
(新字旧仮名)
/
宮地嘉六
(著)
悲しく、寂しい亡くなり方を、いかにも先生らしいと悲痛なものと思うが、老衰のはて静かに
瞑
(
めい
)
目されたのでもあろうか。
徹した個人主義
(新字新仮名)
/
佐藤春夫
(著)
▼ もっと見る
下男共
(
げなんども
)
は
來
(
き
)
て、
彼
(
かれ
)
の
手足
(
てあし
)
を
捉
(
と
)
り、
小聖堂
(
こせいだう
)
に
運
(
はこ
)
び
去
(
さ
)
つたが、
彼
(
かれ
)
が
眼
(
め
)
未
(
いま
)
だ
瞑
(
めい
)
せずして、
死骸
(
むくろ
)
は
臺
(
だい
)
の
上
(
うへ
)
に
横臥
(
よこたは
)
つてゐる。
夜
(
よ
)
に
入
(
い
)
つて
月
(
つき
)
は
影暗
(
かげくら
)
く
彼
(
かれ
)
を
輝
(
てら
)
した。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
翁
(
おう
)
の
令息
(
れいそく
)
に
有名
(
ゆうめい
)
な
石本新六男
(
いしもとしんろくだん
)
があり、
新六男
(
しんろくだん
)
の
四男
(
よなん
)
に
地震學
(
ぢしんがく
)
で
有名
(
ゆうめい
)
な
巳四雄教授
(
みしをきようじゆ
)
のあることは、
李蹊
(
りけい
)
翁
(
おう
)
も
又
(
また
)
以
(
もつ
)
て
瞑
(
めい
)
するに
足
(
た
)
るといはれてもよいであらう。
地震の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
怠
(
おこた
)
り、重大なる材料を流出させたる失敗を
贖
(
あがな
)
うことを命ずる。忠勇なる『赤毛のゴリラ』よ。地下に
瞑
(
めい
)
……
流線間諜
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
「四分の一なら
以
(
も
)
って
瞑
(
めい
)
すべしさ。それに大学を卒業させて貰っている。苦情を言うのは少し慾だろうぜ」
負けない男
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
今度の踏み絵の調査においてじゃ、君の傑作がもしわれわれの不吉な想像を裏切らなかったら、君は自分の仕事の成功の証明に免じて
瞑
(
めい
)
してくれなければならぬ。
青銅の基督:――一名南蛮鋳物師の死――
(新字新仮名)
/
長与善郎
(著)
その中には、死後永く
冤罪
(
えんざい
)
をこうむり、地下にありて
瞑
(
めい
)
することのできないものもありましょう。
通俗講義 霊魂不滅論
(新字新仮名)
/
井上円了
(著)
彼
(
あ
)
れは
快
(
こゝろよ
)
く
瞑
(
めい
)
することが
出來
(
でき
)
ると
遺書
(
ゐしよ
)
にもあつたと
言
(
い
)
ふではないか、
彼
(
あ
)
れは
潔
(
いさぎよ
)
く
此世
(
このよ
)
を
思
(
おも
)
ひ
切
(
き
)
つたので、お
前
(
まへ
)
の
事
(
こと
)
も
併
(
あは
)
せて
思
(
おも
)
ひ
切
(
き
)
つたので
決
(
けつ
)
して
未練
(
みれん
)
は
殘
(
のこ
)
して
居
(
ゐ
)
なかつたに
うつせみ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
「まず、しかしながら、武士と見られた、もって
瞑
(
めい
)
すべきでござる、船には一門、海賊に備えて砲が積んでありました、移民船が戦艦と見られた——か、これまた
冥加
(
みようが
)
々々」
石狩川
(新字新仮名)
/
本庄陸男
(著)
地下に
瞑
(
めい
)
せしむるのてあいは二言目には女で食うといえど女で食うは
禽語楼
(
きんごろう
)
のいわゆる
実母散
(
じつぼさん
)
と
清婦湯
(
せいふとう
)
他は一度女に食われて後のことなり俊雄は冬吉の家へ
転
(
ころ
)
げ込み白昼そこに大手を
かくれんぼ
(新字新仮名)
/
斎藤緑雨
(著)
ジャボ(天狗)を相手に
田楽
(
でんがく
)
を舞つた狂将の幽魂、今は全く
瞑
(
めい
)
すべしであらうか。
ハビアン説法
(新字旧仮名)
/
神西清
(著)
頃日
(
けいじつ
)
誠ソノ旧居ヲ訪ヒ令愛芳樹女史ヲ見ル。女史遺稿若干首ヲ出シ、誠ニ示シテ曰ク、コレ先人易簀ノ前数日
刪定
(
さんてい
)
スル所ノ者ナリ。恨ムラクハイマダコレヲ刻スルニ及バズシテ
瞑
(
めい
)
スト。
下谷叢話
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
貫一は
一
(
いつ
)
はかの痛苦を忘るる手段として、
一
(
いつ
)
はその
妄執
(
もうしゆう
)
を散ずべき快心の事を買はんの目的をもて、かくは高利を
貪
(
むさぼ
)
れるなり。知らず彼がその
夕
(
ゆふべ
)
にして
瞑
(
めい
)
せんとする快心の事とは何ぞ。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
しかしこの全責任を負わされてはこれらの大家たちはおそらく泉下に
瞑
(
めい
)
する事ができまい。少なくも責任の半分以上は彼らのオーソリティに盲従した後進の学徒に帰せなければなるまい。
案内者
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
友吉風
(
ともきちかぜ
)
友吉風というので何ともない奴までオゾ毛を
慄
(
ふる
)
って
蒲団
(
ふとん
)
を引っ
冠
(
かぶ
)
っているという……実に滑稽なお話だが、とにかくソレくらい恐ろしかったんだね。友吉たるもの
以
(
もっ
)
て
瞑
(
めい
)
すべしだろう。
爆弾太平記
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
人間弱味がなければ
滅多
(
めった
)
に恐がるものでない。幸徳ら
瞑
(
めい
)
すべし。政府が君らを締め殺したその前後の
遽
(
あわ
)
てざまに、政府の、
否
(
いな
)
、君らがいわゆる権力階級の
鼎
(
かなえ
)
の軽重は分明に暴露されてしもうた。
謀叛論(草稿)
(新字新仮名)
/
徳冨蘆花
(著)
客の他の
一人
(
ひとり
)
、この蘭人や南蛮女も亦以て
瞑
(
めい
)
すべしですか。——おや!
長崎小品
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
然るに寛保二年に正明が病んでまさに歿せんとする時、その子
独美
(
どくび
)
は
僅
(
わずか
)
に九歳であった。正明は法を弟
槙本坊詮応
(
まきもとぼうせんおう
)
に伝えて置いて
瞑
(
めい
)
した。そのうち独美は人と成って、詮応に学んで父祖の法を得た。
渋江抽斎
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
我は今無言なり、膝を折りて柱に
憑
(
もた
)
れ、歯を
咬
(
か
)
み、眼を
瞑
(
めい
)
しつゝあり。知覚我を離れんとす、死の
刺
(
はり
)
は我が
後
(
うしろ
)
に来りて
機
(
をり
)
を
覗
(
うかゞ
)
へり。「死」は近づけり、然れどもこの時の死は、生よりもたのしきなり。
我牢獄
(新字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
病床に
瞑
(
めい
)
すむくむく死の
温
(
ぬく
)
み
鶴彬全川柳
(新字旧仮名)
/
鶴彬
(著)
曙覧地下に
瞑
(
めい
)
すべきなり。
曙覧の歌
(新字新仮名)
/
正岡子規
(著)
ひとしゅうする白骨が
累々
(
るいるい
)
とあるではないか。桃園の事はすでに終る。いまは
瞑
(
めい
)
して九泉に安んじて可なりである。
喝
(
かつ
)
!
三国志:10 出師の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
下男共
(
げなんども
)
は
来
(
き
)
て、
彼
(
かれ
)
の
手足
(
てあし
)
を
捉
(
と
)
り、
小聖堂
(
こせいどう
)
に
運
(
はこ
)
び
去
(
さ
)
ったが、
彼
(
かれ
)
が
眼
(
め
)
いまだ
瞑
(
めい
)
せずして、
死骸
(
むくろ
)
は
台
(
だい
)
の
上
(
うえ
)
に
横臥
(
よこたわ
)
っている。
夜
(
よ
)
に
入
(
い
)
って
月
(
つき
)
は
影暗
(
かげくら
)
く
彼
(
かれ
)
を
輝
(
てら
)
した。
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
この故に下関で朝鮮へお帰りかと訊くのは
彼地
(
あっち
)
で成功しているという意味で、これも最大の敬意さ。土地相場でこれぐらい優遇を受ければ又以って
瞑
(
めい
)
すべしじゃないか?
ぐうたら道中記
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
このようにして忠敬の遺した仕事はいつまでも大きな意味をもって記憶されてゆくことを考えますと、
夙
(
はや
)
く学問の道に志した彼もまた安んじて
瞑
(
めい
)
するに足りるのでありましょう。
伊能忠敬
(新字新仮名)
/
石原純
(著)
あれは快よく
瞑
(
めい
)
する事が出来ると
遺書
(
ゆゐしよ
)
にも有つたと言ふでは無いか、あれは
潔
(
いさぎ
)
よくこの世を思ひ切つたので、お前の事も合せて思ひ切つたので決して未練は残してゐなかつたに
うつせみ
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
旭の
光輝
(
ひかり
)
に照らされたる、人形の瞳は
玲瓏
(
れいろう
)
と人を射て、右眼、得三の死体を見て
瞑
(
めい
)
するがごとく、左眼泰助を迎えて謝するがごとし。五体の玉は
乱刃
(
らんじん
)
に砕けず左の肩わずかに微傷の
痕
(
こん
)
あり。
活人形
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
といって、鬼塚元帥は、しばらく目を
瞑
(
めい
)
じ
地球要塞
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
まだそこらには、討死した
信治
(
のぶはる
)
や森
可成
(
よしなり
)
や
道家
(
どうけ
)
清十郎などの血も乾いておるまい。——
瞑
(
めい
)
せよ、忠烈なる亡魂ども、そちたちの鮮血を、あだにはせぬぞ。
新書太閤記:04 第四分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
いま眼を閉じて、三人の子を捨て、数万の将兵を救い、あわせて天下に益することができるなら——直家の子らは、よろこんで敵国の土に
瞑
(
めい
)
してくれるにちがいない。
新書太閤記:05 第五分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
ひとは
夭死
(
わかじに
)
というかも知れないが、以て半兵衛重治は充分に
瞑
(
めい
)
すことができるというものである
新書太閤記:06 第六分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「もし、足下を討たなければ、いつかかならず、この元春の首が、足下の手に掻き取られたろう。武門のならいである。かくなっては、御身も
莞爾
(
かんじ
)
として、
瞑
(
めい
)
するほかはあるまい」
新書太閤記:05 第五分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
歿後三百年の後にもなおまだそういう
有縁
(
うえん
)
があったり、余風を慕って訪れる幾多の道友や知己を持つ武蔵は、それも彼が
虚空
(
こくう
)
に遺した心業の威徳とはいえ、もって
瞑
(
めい
)
すべきではあるまいか。
随筆 宮本武蔵
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
そして、義仲もまた知己ありと
瞑
(
めい
)
すべきではあるまいか。
随筆 新平家
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
瞑
漢検1級
部首:⽬
15画
“瞑”を含む語句
瞑想
瞑目
押瞑
瞑眩
瞑想者
瞑想曲
瞑想家
瞑想的
瞑々
瞑目沈思
晦瞑
沈思瞑目
瞑黙
瞑照燐火
瞑氛
瞑朦
佇立瞑目
趺坐瞑目
瞑想癖
瞑想幽思
...