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湖
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うみ
ふりがな文庫
“
湖
(
うみ
)” の例文
琵琶湖の一番奧になつてゐる、もう
餘呉
(
よご
)
の
湖
(
うみ
)
に近い鹽津をまだ闇いうちに出帆した船が竹生島に朝の五時三十分に寄航するのである。
湖光島影:琵琶湖めぐり
(旧字旧仮名)
/
近松秋江
(著)
刀は抜けて
湖
(
うみ
)
に沈んで、
小刀
(
しょうとう
)
ばかり帯に残つたが、
下
(
した
)
が
陸
(
くが
)
に成つた時、砂浜の
渚
(
なぎさ
)
に少年を落して、鷲は目の上の絶壁の
大巌
(
おおいわ
)
に翼を休めた。
妖魔の辻占
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
あとの二階部屋は、青白い
湖
(
うみ
)
になった。窓から
映
(
さ
)
す残月が町屋根を黒々浮かしている。初夏ながら肌さむい。星が飛ぶのがスーと見えた。
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
貫く
根元
(
ねもと
)
から。それから、行つて見たかや
田沢
(
たざは
)
の
湖
(
うみ
)
へ、そこの
浮木
(
うきぎ
)
の下のみづ。かういふのは幾らでも出ます。校歌の方は一遍
妻
(
さい
)
に書かせてみます
島木赤彦臨終記
(新字旧仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
この
湖
(
うみ
)
べり一帯は、いたるところ土龍の作業場といつたありさま。説教師は
小尖塔
(
ピナクル
)
を仰いで、呪ひのさけびをあげる。
希臘十字
(新字旧仮名)
/
高祖保
(著)
▼ もっと見る
かがやく日没の光りが、大氷原を血の
湖
(
うみ
)
のように
彩
(
いろど
)
った。私はこんな美しい、またこんな気味の悪い光景を見たことがない。風は吹きまわしている。
世界怪談名作集:09 北極星号の船長 医学生ジョン・マリスターレーの奇異なる日記よりの抜萃
(新字新仮名)
/
アーサー・コナン・ドイル
(著)
気を
利
(
き
)
かして、女は剃刀の手を休め、客をして月明の諏訪の
湖
(
うみ
)
をながめ飽かしめんとした好意を、竜之助は断わって
大菩薩峠:22 白骨の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
はじめは物のかたちなどほの/″\見えておりまして、おうみの
湖
(
うみ
)
の水の色が晴れた日などにひとみに
明
(
あこ
)
う
映
(
うつ
)
りましたのを今に覚えておりまするくらい。
盲目物語
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
わが師曰ひけるは、こはカーコとてアヴェンティーノ山の巖の下にしばしば血の
湖
(
うみ
)
を造れるものなり 二五—二七
神曲:01 地獄
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
かかる事まのあたりに見しこそいと不思議なれとて、
八二
従者
(
ずさ
)
を家に走らしめて残れる
鱠
(
なます
)
を
湖
(
うみ
)
に捨てさせけり。
雨月物語:02 現代語訳 雨月物語
(新字新仮名)
/
上田秋成
(著)
と例の桜の
杖
(
つえ
)
で、杉の間を指す。天を封ずる老幹の亭々と行儀よく並ぶ
隙間
(
すきま
)
に、
的皪
(
てきれき
)
と
近江
(
おうみ
)
の
湖
(
うみ
)
が光った。
虞美人草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
この
比
(
ごろ
)
聞くと、村の人達が、
湖
(
うみ
)
の泥をあげて田を作ろうとすると、お前が亀に云いつけて、その人を喫い殺さすそうじゃ、不都合じゃ、その罰に毒蛇に云いつけて
放生津物語
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
二年ほど前から近江の
湖
(
うみ
)
べりに新たに工を起された宮居の
進捗
(
しんちょく
)
ぶりや規模などについての情報が、しだいにはつきりした形をとりつつ飛鳥のうちに弘まるにつれて
春泥:『白鳳』第一部
(新字旧仮名)
/
神西清
(著)
湖
(
うみ
)
の面は油のように平らにトロリと湛えているが、しかし
玲瓏
(
れいろう
)
と澄んではいない。底に無限の神秘を秘め、
表面
(
おもて
)
に不安の気分を現わし、どんよりと拡がっているばかりである。
神州纐纈城
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
勝家の軍がこの処まで来て見た時には、既に余吾の
湖
(
うみ
)
を中心として、秀吉の防備線が張られた後なのである。勝家この線を打破らなければ、南下の志は達せられないわけである。
賤ヶ岳合戦
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
湯の
湖
(
うみ
)
は左手にその幽邃味の溢るゝばかりなすがたを、沈默のうちに見せてゐる。
華厳滝
(旧字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
という
哀婉
(
あいえん
)
な一章などを拾い読みしたりしつつ、
午
(
ひる
)
過ぎ、やっと
近江
(
おうみ
)
の
湖
(
うみ
)
にきた。
大和路・信濃路
(新字新仮名)
/
堀辰雄
(著)
就中
(
なかんづく
)
、老母は我が元来の虚弱にて
学道
(
まなびのみち
)
に底なき
湖
(
うみ
)
を渡るを危ぶみて、涙を浮べて我が健全を祈るなど、都に多き知己にも増して我が上を思ふの真情、ありがたしとも
尊
(
た
)
ふとしとも言はん方なし。
三日幻境
(新字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
イエス・キリストがガリラヤの
湖
(
うみ
)
のほとりや野はらや町を歩かれた時、いつも十二人の弟子がみんなで従いて歩いたわけではなかつた。さてこれはイエスがペテロ一人だけ連れてゆかれた時の話。
イエスとペテロ
(新字旧仮名)
/
片山広子
(著)
そして何か遥かなものばかりを眺めてゐるかのやうにいつも眼をうつとりとさせてゐるためか、白く切り立つた鼻筋の嶺の左右に据つてゐる眼は春霞に煙つてゐる
湖
(
うみ
)
のやうなひろさを感じさせた。
天狗洞食客記
(新字旧仮名)
/
牧野信一
(著)
冬の
湖
(
うみ
)
に見てゆく鴨の沖べにはつぶつぶとひたり羽音すらなし
夢殿
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
山のうへの榛名の
湖
(
うみ
)
の水ぎはに女ものあらふ雨に濡れつつ
なまけ者と雨
(新字旧仮名)
/
若山牧水
(著)
ヒマラヤの
サルワ
(
マナサ
)
の
湖
(
うみ
)
に宿りける月は
明石
(
あかし
)
の浦の影かも
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
牛つれて
松明
(
たいまつ
)
したる
山少女
(
やまをとめ
)
湖
(
うみ
)
ぞひゆけば家をしへける
舞姫
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
絶えまなく
搖
(
ゆ
)
らげる
湖
(
うみ
)
に影をうつして
生けるものと死せるものと
(旧字旧仮名)
/
アンナ・ド・ノアイユ
(著)
ひしひしと
玻璃戸
(
はりど
)
に
灯虫
(
ひむし
)
湖
(
うみ
)
の家
七百五十句
(新字新仮名)
/
高浜虚子
(著)
名月や
兎
(
うさぎ
)
のわたる
諏訪
(
すは
)
の
湖
(
うみ
)
俳人蕪村
(新字新仮名)
/
正岡子規
(著)
湖
(
うみ
)
の向ふのあつちの国の
虹の橋
(新字旧仮名)
/
野口雨情
(著)
深く溢れて
湖
(
うみ
)
とよどみ
先駆者
(新字新仮名)
/
中山啓
(著)
諏訪
(
すわ
)
の
湖
(
うみ
)
には魚多し
県歌 信濃の国
(新字新仮名)
/
浅井洌
(著)
湖
(
うみ
)
の
底
(
そこ
)
姫
(
ひめ
)
の
國
(
くに
)
孔雀船
(旧字旧仮名)
/
伊良子清白
(著)
後閑
(
ごかん
)
の間道から風戸峠へと、やがて、
悍馬
(
かんば
)
は死にもの狂いでのぼってゆく。——一面の鏡のように、やがて遙かに
榛名
(
はるな
)
の
湖
(
うみ
)
が見えてくると
篝火の女
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
連
(
つらな
)
り
亘
(
わた
)
る山々の薄墨の影の消えそうなのが、霧の中に
縁
(
へり
)
を
繞
(
めぐ
)
らす、
湖
(
うみ
)
は、一面の
大
(
おおい
)
なる銀盤である。その
白銀
(
しろがね
)
を磨いた布目ばかりの浪もない。
鷭狩
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
どこか「夜啼鶯」とでもいひたいが、——
湖
(
うみ
)
どりと
覚
(
おぼ
)
しいそのこゑは囁きつゞける。張りのある、わかい調子で。
雪
(新字旧仮名)
/
高祖保
(著)
『北日本の
脊梁
(
せきりやう
)
の。千秋
万古
(
ばんこ
)
やまのまに。偉霊の水を
湛
(
たた
)
へたる。田沢の
湖
(
うみ
)
の水おちて。
鰍瀬川
(
かじかせがは
)
とながれたり』
島木赤彦臨終記
(新字旧仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
日輪の焔いとひろく天を
燃
(
もや
)
すと見えたり、雨または河といふともかくひろがれる
湖
(
うみ
)
はつくらじ 七九—八一
神曲:03 天堂
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
といっても、事は近くで発見されたにしろ、
湖
(
うみ
)
は広い。霧というものがその広さを、無限大のものにぼかしている。よし広さに限度が出来たとしても、底は深い。
大菩薩峠:39 京の夢おう坂の夢の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
それでは村の人達に云いつけて、
湖
(
うみ
)
の中の島へ亀の宮をこしらえさして、その下へ亀の一族を住わすことにしたらよかろう、それには、今日鮒になった男を、元の人間にして
放生津物語
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
「ぶった切って水葬礼、一切
後腹
(
あとばら
)
やめぬよう、
湖
(
うみ
)
へ沈めてしまいましょう。……櫛木氏」
血煙天明陣
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
寺務
(
じむ
)
の
間
(
いとま
)
ある日は
七
湖
(
うみ
)
に小船をうかべて、
八
網引
(
あびき
)
釣
(
つり
)
する
泉郎
(
あま
)
に銭を
与
(
あた
)
へ、
獲
(
え
)
たる魚をもとの江に放ちて、其の魚の
遊躍
(
あそ
)
ぶを見ては画きけるほどに、年を
経
(
へ
)
て
九
細妙
(
くはしき
)
にいたりけり。
雨月物語:02 現代語訳 雨月物語
(新字新仮名)
/
上田秋成
(著)
よしや此恋
諏訪
(
すわ
)
の
湖
(
うみ
)
の氷より堅くとも春風のぼや/\と説きやわらげ、凝りたる
思
(
おもい
)
を水に流さし、後々の故障なき様にせではと田原は
笑顔
(
えがお
)
あやしく作り
上唇
(
うわくちびる
)
屡
(
しば
)
甞
(
なめ
)
ながら、それは一々至極の御道理
風流仏
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
ここよりぞ富士は裾野の見わたしと
水照
(
みでり
)
しづけき四つの
湖
(
うみ
)
見ゆ
夢殿
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
山のうへの榛名の
湖
(
うみ
)
の水ぎはに女ものあらふ雨に濡れつつ
樹木とその葉:19 なまけ者と雨
(旧字旧仮名)
/
若山牧水
(著)
大夏
(
おほなつ
)
の
近江
(
あふみ
)
の国や
三井寺
(
みゐでら
)
を
湖
(
うみ
)
へはこぶと八月雲す
舞姫
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
湖
(
うみ
)
を断つ夏木の幹のたゞ太し
七百五十句
(新字新仮名)
/
高浜虚子
(著)
湖
(
うみ
)
はひかりて
「学生警鐘」と風
(新字旧仮名)
/
牧野信一
(著)
桃園の梢の
湖
(
うみ
)
を、秋の
小禽
(
ことり
)
が来てさまざまな音いろを
転
(
まろ
)
ばした。陽はうらうらと雲を越えて、朝霧はまだ紫ばんだまま大陸によどんでいた。
三国志:02 桃園の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
はて、時ならぬ、何のための
水悪戯
(
みずいたずら
)
ぢや。
悪戯
(
いたずら
)
は仔細ないが、
羽
(
は
)
ぶしの
怪我
(
けが
)
で、
湖
(
うみ
)
に
墜
(
お
)
ちて、
溺
(
おぼ
)
れたのではないかと思うた。
妖魔の辻占
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
われ澤に走りゆき、
葦
(
あし
)
と
泥
(
ひぢ
)
とにからまりて倒れ、こゝにわが
血筋
(
ちすぢ
)
の地上につくれる
湖
(
うみ
)
を見ぬ。 八二—八四
神曲:02 浄火
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
放生の
湖
(
うみ
)
へ舟を乗りだして、寝ておると、何時の間にか
己
(
じぶん
)
が魚になって、湖の中で泳いでおる、どうして魚になったろうと思いよると、そこへ他の魚が来て、海の神様が来たから
放生津物語
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
“湖”の意味
《名詞》
(みずうみ) 陸地に囲まれた水域のうち、巨大なもの。
(出典:Wiktionary)
“湖”の解説
湖(みずうみ、こ、en: lake)は、湖沼のうち比較的大きなもの。湖沼学や陸水学に基づく分類、水質、形成要因などについては湖沼も参照のこと。
(出典:Wikipedia)
湖
常用漢字
小3
部首:⽔
12画
“湖”を含む語句
江湖
湖水
西湖
琵琶湖
大湖
蕪湖
精進湖
湖畔
諏訪湖
洞庭湖
湖面
湖尻
浜名湖
宍道湖
巻菱湖
湖山
白柳秀湖
月湖
湖岸
泥湖
...