庭先にわさき)” の例文
あるのこと、庭先にわさきでねこがたいへんにないて、けんかをしました。翌日よくじつけてみると、ぼけのえだが一ぽんれていました。
びっこのお馬 (新字新仮名) / 小川未明(著)
百姓は気狂きちがいのようにたける。それを仮借かしゃくなくズルズルと引きずってきて、やがて、大久保石見おおくぼいわみ酒宴しゅえんをしている庭先にわさきへすえた。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
お使いの口子くちこは、奴里能美ぬりのみのおうちへ着きますと、天皇のそのお歌をかたときも早く皇后に申しあげようと思いまして、御座所ござしょのお庭先にわさきへうかがいました。
古事記物語 (新字新仮名) / 鈴木三重吉(著)
おりから夕餉ゆうげぜんむかおうとしていたおれんは、突然とつぜんにしたはし取落とりおとすと、そのまま狂気きょうきしたように、ふらふらッと立上たちあがって、跣足はだしのまま庭先にわさきへとりてった。
おせん (新字新仮名) / 邦枝完二(著)
夜露よつゆてたはうからうとふので、崖下がけした雨戸あまどけて、庭先にわさきにそれをふたならべていた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
不図ふとがついてると、庭先にわさきまで案内あんないろうってくだすったはは指導役しどうやくのおじいさんは、いつのにやら姿すがたして、すべてを私達わたくしたち母子おやこすところにまかせられたのでした。
シギもいつしかせんだんをって、庭先にわさきくりの木、かきの木に音のするほど雨もりだした。にわかにうすぐらくなって、日もれそうである。めがねをはずしてつくえを立った老人ろうじん
告げ人 (新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
其様な事が二三度もつゞいた。其れで自衛の必要上白は黒と同盟を結んだものと見える。一夜いちや庭先にわさきで大騒ぎが起った。飛び起きて見ると、聯合軍は野犬二疋の来襲に遇うて、形勢頗る危殆きたいであった。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
石見守はさかずきかさねて見てもいなかったが、バッと音がしたので庭先にわさきへおもてを向けてみると、もう百姓とむすめ死骸しがいがふたところにつッしていた。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
かえるは、いまにもへびにらえられようとしました。ゆうちゃんは、かんがえるひまもなく、庭先にわさきりて、へびをなぐろうとおもって、ふとぼうげたのです。
少年の日二景 (新字新仮名) / 小川未明(著)
子供こどもが、青竹あおだけって、つくった管笛くだぶえくように、ピイ、ピイ、とりがなくので、ひろい、となり庭先にわさき見下みおろすと、ひよどりが、青木あおきえだにきてあかあらそっているのでした。
金歯 (新字新仮名) / 小川未明(著)
本丸ほんまる庭先にわさきになる山芝やましばの高いところに床几しょうぎをすえこんで、浪華なにわ入江いりえをながめている。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
けました。けれども、まだかぜおとがしています。正二しょうじきて庭先にわさきてみると、いろいろのが、無理むりきちぎられたように、にわめんらばっていました。
二百十日 (新字新仮名) / 小川未明(著)
庭先にわさきの、おおきな水盤すいばんには、なつから、あきへかけて、まっかな、すいれんのはながさきました。
水七景 (新字新仮名) / 小川未明(著)
村人むらびとは、はたけかられたものをって、おじいさんの庭先にわさきへやってまいりました。
犬と人と花 (新字新仮名) / 小川未明(著)
あには、それを庭先にわさきいしうえにのせて、朝晩あさばんみずをやって、大事だいじにしていました。
びっこのお馬 (新字新仮名) / 小川未明(著)
一晩ひとばんあめりつづきました。けると、二郎じろうは、まずきて、庭先にわさきのぼけのれたところに、がふいたかとました。しかし、そこはただしろくなって、昨日きのうのままでありました。
びっこのお馬 (新字新仮名) / 小川未明(著)