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大久保石見
鉱山目付の伊部熊蔵、奥のほうから
庭伝いにとんできた。
大久保石見は
酒席につっ立って、庭先にいる
中戸川弥五郎という若侍へ
百姓は
気狂いのように
猛る。それを
仮借なくズルズルと引きずってきて、やがて、
大久保石見が
酒宴をしている
庭先へすえた。
しかし、
甲府へはいるにさきだって、
民部の
献策によって六人は三
組に分れることにした。なぜかといえば、
小太郎山奪取ののち、
徳川家は
大久保石見に
命じて、いっそう伊那丸の
追捕を
厳命した。