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巡査
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おまわり
ふりがな文庫
“
巡査
(
おまわり
)” の例文
『始めっからそうと分ってれば何でもなかったんですけれど——。一時は
吃驚
(
びっくり
)
して、大騒ぎしたんですよ。
巡査
(
おまわり
)
さんが来るやら——』
耳香水
(新字新仮名)
/
大倉燁子
(著)
あくる朝早く駐在の
巡査
(
おまわり
)
さんが来て調べたら、
俵
(
たわら
)
を積んで行ったらしい車の輪のあとが、雨あがりの土にハッキリついていた。
いなか、の、じけん
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
巡査
(
おまわり
)
さんは、
小僧
(
こぞう
)
さんの
顔
(
かお
)
をのぞきこむようにして、なにかたずねていたが、
少年
(
しょうねん
)
の
言葉
(
ことば
)
は、そばにいるものにさえ
聞
(
き
)
きとれませんでした。
波荒くとも
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
巡査
(
おまわり
)
さんに咎められましたのは、
親父
(
おやじ
)
今がはじめてで、はい、もうどうなりますることやらと、人
心地
(
ごこち
)
もござりませなんだ。
夜行巡査
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
たとえば猛獣が雷鳴を怖れてその
鬣
(
たてがみ
)
の地に敷くばかり頭を垂れた時のように、「
巡査
(
おまわり
)
が来た!」
駅夫日記
(新字新仮名)
/
白柳秀湖
(著)
▼ もっと見る
巡査
(
おまわり
)
がまだ遠くの方から
戟
(
ほこ
)
でもってそれを指し示しながら、「おい、何か落っこちたぞ、拾いたまえ!」と注意したので、イワン・ヤーコウレヴィッチはまたもや鼻を拾いあげて
鼻
(新字新仮名)
/
ニコライ・ゴーゴリ
(著)
この広い家に年のいかないもの二人
限
(
きり
)
であるが、そこは
巡査
(
おまわり
)
さんも月に何度かしか回って来ないほどの
山間
(
やまあい
)
の
片田舎
(
かたいなか
)
だけに
長閑
(
のんき
)
なもので、二人は何の気も無く遊んでいるのである。
雁坂越
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
「何ですって。人殺しがあったと訴えているのに、
巡査
(
おまわり
)
さんが、来られないんですか」
旗岡巡査
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
只今ではそういう事は出来ません、直ぐに
巡査
(
おまわり
)
がまいりまして、ハアこりゃア分署へ参れ、なんと申しますから中々出来ませんが、昔は
大家
(
たいけ
)
程こういう事をされると困ったもので
塩原多助一代記
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「それでは、」と年上の方は恐る恐る言った、「
巡査
(
おまわり
)
さんもこわくないんですか。」
レ・ミゼラブル:07 第四部 叙情詩と叙事詩 プリューメ街の恋歌とサン・ドゥニ街の戦歌
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
いつ
巡査
(
おまわり
)
に見つかるかしれない。そこで、俺はうまいことを考えてあったのだよ。隠し場所をね。……巡査だろうが刑事だろうが、こいつにはお気がつくまい。ホラ、君、見てごらん。
白昼夢
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
女の身体というものは、へえ油断がならねえ。あれで血の道でも起ってからに、
万一
(
もしも
)
の事が有って見ろ。これが
巡査
(
おまわり
)
さんの耳へ
入
(
へい
)
ったものならお前はまあどうする気だぞい——
痴児
(
たわけ
)
め。
藁草履
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
何度も
巡査
(
おまわり
)
さんに捕まえられ、
訊問
(
じんもん
)
されましたが、その都度うまく云い逃れました、友田さんのためにきわどい芸当も随分とやったものです、大方臭い飯を食うところだったのです、その後
糞尿譚
(新字新仮名)
/
火野葦平
(著)
幸
(
さいは
)
ひの
巡査
(
おまわり
)
さまに
家
(
うち
)
まで
見
(
み
)
て
頂
(
いたゞ
)
かば
我々
(
われ/\
)
も
安心
(
あんしん
)
、
此通
(
このとほ
)
りの
子細
(
しさい
)
で
御座
(
ござ
)
ります
故
(
ゆゑ
)
と
筋
(
すぢ
)
をあら/\
折
(
をり
)
からの
巡査
(
じゆんさ
)
に
語
(
かた
)
れば、
職掌
(
しよくしよう
)
がらいざ
送
(
おく
)
らんと
手
(
て
)
を
取
(
と
)
らるゝに、いゑ/\
送
(
おく
)
つて
下
(
くだ
)
さらずとも
歸
(
かへ
)
ります
たけくらべ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
帰りの
晩
(
おそ
)
くなる事をもお糸の方がかえって心配しなかった。知らない道に迷っても、お糸は行ける処まで行って御覧よ。
巡査
(
おまわり
)
さんにきけば分るよといって、かえって面白そうにずんずん歩いた……。
すみだ川
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
「あの
巡査
(
おまわり
)
さんが途中まで行くから、一緒に行らっしゃい」
黒い驢馬と白い山羊
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
巡査
(
おまわり
)
の姿が、ずッと出た時、はじめて我に返ったか、どさくさ紛れに影が消えたそうですが、どこまで乱脈だか分りません。
式部小路
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
労働者
(
ろうどうしゃ
)
は、
少年
(
しょうねん
)
の
負
(
お
)
っているお
菓子
(
かし
)
の
入
(
はい
)
っている
箱
(
はこ
)
を、
勤
(
つと
)
め
人
(
にん
)
は、
自転車
(
じてんしゃ
)
を、そして、
巡査
(
おまわり
)
さんは、
小僧
(
こぞう
)
をだくようにして、つれていきました。
波荒くとも
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
彼は眼を皿のようにして、自分の前に立っている
巡査
(
おまわり
)
の顔を見つめた。相手の厚ぼったい唇と頬の上にろうそくの灯がチラチラふるえていた。「ど、どうして見つかりましたか?」
鼻
(新字新仮名)
/
ニコライ・ゴーゴリ
(著)
彼
(
か
)
の執念深いと申すのは恐しいもので、よく婦人が、嫉妬のために、
散
(
ちら
)
し髪で仲人の処へ駈けて
行
(
ゆ
)
く途中で、
巡査
(
おまわり
)
に
出会
(
でっくわ
)
しても、少しも巡査が目に入りませんから、突当るはずみに
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
幸ひの
巡査
(
おまわり
)
さまに家まで見て頂かば我々も安心、この通りの子細で御座ります
故
(
ゆゑ
)
と筋をあらあら折からの巡査に語れば、職掌がらいざ送らんと手を取らるるに、いゑいゑ送つて下さらずとも帰ります
たけくらべ
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
起こして、六人とも
捕
(
つかま
)
えさしてやるよ、
巡査
(
おまわり
)
を呼んでやるよ。
レ・ミゼラブル:07 第四部 叙情詩と叙事詩 プリューメ街の恋歌とサン・ドゥニ街の戦歌
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
「——あッ、
巡査
(
おまわり
)
さんですね」
旗岡巡査
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
そうでなくって、一人も
乗客
(
のりて
)
が散らずに居りゃ、
私達
(
わっしだち
)
だって
関合
(
かかりあ
)
いは抜けませんや。
巡査
(
おまわり
)
が来て、一応
検
(
しら
)
べるなんぞッて事になりかねません。
婦系図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
彼女
(
かのじょ
)
は、
銀行
(
ぎんこう
)
の
前
(
まえ
)
へその
巡査
(
おまわり
)
さんを
案内
(
あんない
)
しました。このときは、すでに四、五
人
(
にん
)
も
小僧
(
こぞう
)
さんのまわりに
立
(
た
)
っていました。
波荒くとも
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
大丈夫
(
でいじょうぶ
)
だよ、時々
私
(
わし
)
らが寒くって火を焚く事があるが、
巡査
(
おまわり
)
がこれなんだ、
其処
(
そこ
)
で火を焚いて、消さないか、と云うから、へい
余
(
あんま
)
り寒うございますから火を焚いて
※
(
あた
)
って居りますが
西洋人情話 英国孝子ジョージスミス之伝
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「
坊
(
ぼう
)
は、きた
道
(
みち
)
を
忘
(
わす
)
れてしまったのだろう。
無理
(
むり
)
もないことだ。なに、もうすこしいったら
巡査
(
おまわり
)
さんがいるだろう。」
雪の上のおじいさん
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
夜のあけ方には、派出所の
巡査
(
おまわり
)
、
檀那寺
(
だんなでら
)
の
和尚
(
おしょう
)
まで立ち会わせるという狂い方でございまして。
眉かくしの霊
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
それも
燈火
(
あかり
)
がなくては水上の巡廻船に
咎
(
とが
)
められる恐れがありますから、漁師が
夜網
(
よあみ
)
など打ちにまいるとき使う、
巡査
(
おまわり
)
さんが持っていらっしゃる
角燈
(
かくとう
)
のようなものまで注意して持ってきているから
根岸お行の松 因果塚の由来
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「よし、よし、
巡査
(
おまわり
)
さんのところへはつれてゆかない。おじいさんが、お
家
(
うち
)
へつれていってやるから
泣
(
な
)
くのじゃない。ほら、みんなが
笑
(
わら
)
っているぞ。」
雪の上のおじいさん
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
どこへもやらぬ監禁同様という趣で、ひとまず檀那寺まで引き上げることになりましたが、
活
(
い
)
き
証拠
(
じょうこ
)
だと言い張って、嫁に
衣服
(
きもの
)
を着せることを
肯
(
き
)
きませんので、
巡査
(
おまわり
)
さんが
眉かくしの霊
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
巡査
(
おまわり
)
さんはふしぎそうにおはるの
顔
(
かお
)
を
見
(
み
)
ていましたが、おはるが
今朝
(
けさ
)
からの
話
(
はなし
)
をしてきのどくでならないからといいますと、
巡査
(
おまわり
)
さんもうなずきながら
朝の公園
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
どうしていくら稼いでもその日を越すことができにくうござりますから、自然
装
(
なり
)
なんぞも構うことはできませんので、つい、
巡査
(
おまわり
)
さんに、はい、お手数を
懸
(
か
)
けるようにもなりまする
夜行巡査
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
おはるがおつかいに
出
(
で
)
ると、
公園
(
こうえん
)
のそばで
子供
(
こども
)
たちが、いまルンペンらしい
男
(
おとこ
)
が、たおれていたのを
巡査
(
おまわり
)
さんがつれていったと
話
(
はな
)
していたので、おはるは
朝の公園
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
迷惑や気の毒を
勘酌
(
しんしゃく
)
して巾着切が出来るものか。真人間でない者に、お
前
(
めえ
)
、道理を説いたって、義理を言って聞かしたって、
巡査
(
おまわり
)
ほどにも恐くはねえから、
言句
(
もんく
)
なしに往生するさ。
婦系図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
おじいさんは、
急
(
きゅう
)
にかわいさを
増
(
ま
)
しました。また、
巡査
(
おまわり
)
と
聞
(
き
)
いて、
泣
(
な
)
き
出
(
だ
)
した
子供
(
こども
)
を
見
(
み
)
ておかしくなりました。
雪の上のおじいさん
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
いつかお
巡査
(
おまわり
)
さんの来なすった朝、覚悟が有って
長棹
(
ながざお
)
に掛けてから
門傍
(
かどばた
)
へも寄せつけない。それを怨んで、未練も有って、穴から出たり入ったり、ここいらつけ廻しているに違いない。
日本橋
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「
巡査
(
おまわり
)
さんに
届
(
とど
)
けて、その
悪
(
わる
)
いことをした
奴
(
やつ
)
を
縛
(
しば
)
ってもらうんです。あなたは、なにか
盗
(
ぬす
)
まれたんですか。」
なくなった人形
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
一杯になる胸を
掻破
(
かきやぶ
)
りたいほど、私が案ずるよりあの
女
(
こ
)
の容体は一倍で、とうとう貴方、前後が分らず、厭なことを口走りまして、時々、それ
巡査
(
おまわり
)
さんが捕まえる、きゃっといって
刎起
(
はねお
)
きたり
政談十二社
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「さむいのになにもたべないので、おなかがすいてたおれたんだって、
巡査
(
おまわり
)
さんがいっていたよ。だから、
死
(
し
)
にはしないだろう。」と、その
子供
(
こども
)
はこたえました。
朝の公園
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
うしろ手に
縛
(
くく
)
りあげると、細引を持ち出すのを、
巡査
(
おまわり
)
が
叱
(
しか
)
りましたが、叱られるとなお
吼
(
たけ
)
り立って、たちまち、裁判所、村役場、派出所も村会も一所にして、
姦通
(
かんつう
)
の告訴をすると、のぼせ上がるので
眉かくしの霊
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「あなたは、
巡査
(
おまわり
)
さんにいって
縛
(
しば
)
ったほうがいいか、また
堪忍
(
かんにん
)
してやったほうがいいか、どちらがいいと
思
(
おも
)
いますか。」と、
先生
(
せんせい
)
は、
今度
(
こんど
)
は
反対
(
はんたい
)
におみよに
問
(
と
)
い
返
(
かえ
)
しました。
なくなった人形
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
「私は
巡査
(
おまわり
)
さんが見えたからそれで助かったと思いますよ。」
三枚続
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
交番の
巡査
(
おまわり
)
さんに怒鳴られたって人なんでございますもの。
薄紅梅
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「よう、
巡査
(
おまわり
)
ごとをしようよ、よう、
可笑
(
おかし
)
くッてよ。」
湯島詣
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「あら、
巡査
(
おまわり
)
さんが来ましたよ」
夜行巡査
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「厭ですよ、あれ、
巡査
(
おまわり
)
さん。」
政談十二社
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
巡査
(
おまわり
)
さんが
真面目
(
まじめ
)
な顔をして
吉原新話
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
“巡査”の意味
《名詞》
巡査(じゅんさ)
警察官の階級で最下位のもの。
(出典:Wiktionary)
“巡査”の解説
巡査(じゅんさ、英称: Police Officer、旧英称: Patrolman)は、警察法第62条に規定される日本の警察官の最下位の階級。
(出典:Wikipedia)
巡
常用漢字
中学
部首:⼮
6画
査
常用漢字
小5
部首:⽊
9画
“巡査”で始まる語句
巡査様