しつ)” の例文
……げんに、廣島師範ひろしましはん閣下穗科信良かくかほしなしんりやうは——こゝに校長かうちやうたる威嚴ゐげんきずつけずれいしつしない程度ていどで、祝意しゆくいすこ揶揄やゆふくめた一句いつくがある。
麻を刈る (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
けばこのむらはかつて壯丁そうてい多數たすう出漁中しゆつりようちゆうしつして全村ぜんそん灰燼かいじんしたことがあるさうで、これにかんがみて其後そのご女子じよし消防隊しようぼうたいをも編成へんせい
地震の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
したがって自分の身体からだにも少しの異状を引き起さなかった事がたしかに分った時、御米はようやく安心して、過去のしつを改めて宗助の前に告げた。
(新字新仮名) / 夏目漱石(著)
人目ひとめ附易つきやす天井裏てんじやうゝらかゝげたる熊手くまでによりて、一ねん若干そくばく福利ふくりまねべしとせばたふせ/\のかずあるのろひの今日こんにちおいて、そはあまりに公明こうめいしつしたるものにあらずや
もゝはがき (新字旧仮名) / 斎藤緑雨(著)
異事いじともけいおなじうするをはかり、異人いじんともおこなひおなじうするをめば、すなはもつこれかざつて・そこなかれ。ともしつおなじうするらば、すなはあきらかにしつきをかざれ。
公衆の批判は、常に正鵠せいこうしつしやすいものである。現在の公衆は元より云ふを待たない。
澄江堂雑記 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
まずなま乳汁ちちが飲めるようになり、家禽かきんが毎日卵を生む、これほどけっこうなことはないのだが、さて一とくあれば一しつありで、乳汁や卵ができると急に砂糖の需要じゅようがはげしくなる
少年連盟 (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)
墨股すのまたの戰ひに少しく會稽の恥をすゝぎたれども、新中納言(知盛)軍機ぐんきしつして必勝の機をはづし、木曾のおさへと頼みしじやうの四郎が北陸ほくりくの勇をこぞりし四萬餘騎、餘五將軍よごしやうぐん遺武ゐぶを負ひながら
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)
けれど、わたくし大佐たいさいま境遇きやうぐういては、一言いちげんとひはつしなかつた。差當さしあたつてたづねる必要ひつようく、また容易ようゐならざる大佐たいさ秘密ひみつをば、輕率けいそつひかけるのは、かへつれいしつするとおもつたからで。
冬にいたりて帰蟄きちつする者なればなり、つ一行二十七名の多勢なれば、如何なる動物どうぶつと雖も皆遁逃とんとうしてただちにかげしつし、あへがいくわふるものなかりき、折角せつかく携帯けいたいせる三尺の秋水しうすゐむなしく伐木刀とへん
利根水源探検紀行 (新字旧仮名) / 渡辺千吉郎(著)
ざうする菊塢きくうの手紙には、うめ一枝いつしゑがきて其上そのうへそのの春をおわかまをすといふ意味の句あり、また曲亭馬琴きよくていばきんめいしつしてのち、欝憂うさを忘るゝためにおのれと記臆きをくせし雑俳ざつぱいかきつらねて、友におくりしうち
隅田の春 (新字旧仮名) / 饗庭篁村(著)
とくしつ
三国志:09 図南の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
過去くわこしつあらためて宗助そうすけまへげた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)