トップ
>
口紅
>
くちべに
ふりがな文庫
“
口紅
(
くちべに
)” の例文
白粉
(
おしろい
)
をつけ、
頬紅
(
ほおべに
)
、
口紅
(
くちべに
)
をつけ、まゆずみを引き、目のふちをくま取り、それからきえちゃんの
芸服
(
げいふく
)
を着せ、
絹
(
きぬ
)
の
三角帽
(
さんかくぼう
)
をかぶせました。
曲馬団の「トッテンカン」
(新字新仮名)
/
下村千秋
(著)
安ものの固くなつた
口紅
(
くちべに
)
や、歯のかけた赤い
櫛
(
くし
)
が並んでゐる。ゆき子はこの様子を見て、相変らず浮気な男だと思つたであらうと、苦笑した。
浮雲
(新字旧仮名)
/
林芙美子
(著)
其處
(
そこ
)
には
山椿
(
やまつばき
)
の
花片
(
はなびら
)
が、
此
(
こ
)
のあたり
水中
(
すゐちう
)
の
岩
(
いは
)
を
飛
(
と
)
び
岩
(
いは
)
を
飛
(
と
)
び、
胸毛
(
むなげ
)
の
黄色
(
きいろ
)
な
鶺鴒
(
せきれい
)
の
雌鳥
(
めんどり
)
が
含
(
ふく
)
みこぼした
口紅
(
くちべに
)
のやうに
浮
(
う
)
く。
雨ふり
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
引
(
ひ
)
くもこぢたけれど二
月
(
ぐわつ
)
ばかりの
薄紅梅
(
うすこうばい
)
あわ
雪
(
ゆき
)
といふか
何
(
なに
)
か
知
(
し
)
らねど
濃
(
こ
)
からぬほどの
白粉
(
しろいもの
)
に
玉虫
(
たまむし
)
いろの
口紅
(
くちべに
)
を
五月雨
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
椎
(
しい
)
たけ
髱
(
たぼ
)
にお
掻取
(
かいと
)
り、玉虫色の
口紅
(
くちべに
)
で、すっかり対馬守お
側
(
そば
)
つきの奥女中の
服装
(
なり
)
をしているが、
言語
(
ことば
)
つきや態度は、持ってうまれた尺取り横町のお藤
姐御
(
あねご
)
だ。
丹下左膳:03 日光の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
▼ もっと見る
それとくらべていいように、そこにいる
女
(
おんな
)
たちは、
濃
(
こ
)
く
口紅
(
くちべに
)
をつけ、
顔
(
かお
)
に
厚
(
あつ
)
く
白粉
(
おしろい
)
を
塗
(
ぬ
)
っていたけれど、なんとなく
若
(
わか
)
さを
失
(
うしな
)
い、
疲
(
つか
)
れているように
見
(
み
)
えたのです。
風はささやく
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
口紅
(
くちべに
)
だけは
少
(
すこ
)
し
濃
(
こ
)
くしてゐるが、
白粉
(
おしろい
)
はつけてゐるのか
居
(
ゐ
)
ないのか
分
(
わか
)
らぬほどの
薄化粧
(
うすげしやう
)
なので、
公園
(
こうゑん
)
の
映画
(
えいぐわ
)
を
見
(
み
)
に
来
(
く
)
る
堅気
(
かたぎ
)
の
若
(
わか
)
い
女達
(
をんなたち
)
よりも、
却
(
かへ
)
つてジミなくらい。
吾妻橋
(新字旧仮名)
/
永井荷風
、
永井壮吉
(著)
窓際
(
まどぎは
)
の
紫檀
(
しだん
)
の
卓
(
たく
)
を
挾
(
はさ
)
んで
腰
(
こし
)
を
降
(
おろ
)
し、お
互
(
たがひ
)
に
疲
(
つか
)
れ
顏
(
がほ
)
でぼんやり
煙草
(
たばこ
)
をふかしてゐると、
女
(
をんな
)
が
型通
(
かたどほ
)
り
瓜子
(
クワスワ
)
と
茶
(
ツア
)
を
運
(
はこ
)
んでくる。
一人
(
ひとり
)
は
丸顏
(
まるがほ
)
、
一人
(
ひとり
)
は
瓜實顏
(
うりさねがほ
)
、
其
(
それ
)
に
口紅
(
くちべに
)
赤
(
あか
)
く、
耳環
(
みゝわ
)
の
翡翠
(
ひすゐ
)
が
青
(
あを
)
い。
麻雀を語る
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
島田髷
(
しまだまげ
)
の時代には売物にならなかった
御面相
(
ごめんそう
)
が、
口紅
(
くちべに
)
、
爪紅
(
つまべに
)
、ハイヒールで堂々と寿司通仲間に侵入し、
羽振
(
はぶ
)
りを利かす時代になってしまった。昔ならほとんど見られなかった風景である。
握り寿司の名人
(新字新仮名)
/
北大路魯山人
(著)
「お屋敷で
口紅
(
くちべに
)
をお使ひになるのは、どなたとどなたでございませう」
銭形平次捕物控:098 紅筆願文
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
お夏は再び
口紅
(
くちべに
)
をつけた。そして再び振向いて恥かしげに繁を見た。
葬列
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
水浅く端然と立つ鶴痩せて
口紅
(
くちべに
)
ほどのとさかの
紅
(
あか
)
や
河馬
(旧字旧仮名)
/
中島敦
(著)
嗚呼
口紅
(
くちべに
)
をその口に
藤村詩抄:島崎藤村自選
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
お君は
敷
(
し
)
けと云って差出された
座蒲団
(
ざぶとん
)
より
膝薄
(
ひざうす
)
う、その
傍
(
かたわら
)
へ片手をついたなりでいたのである。が、
薄化粧
(
うすげしょう
)
に、
口紅
(
くちべに
)
濃
(
こ
)
く、目のぱっちりした顔を上げて
縁結び
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
いつか、
青年
(
せいねん
)
が、
行商
(
ぎょうしょう
)
にきた
時分
(
じぶん
)
に
持
(
も
)
ってきたような、
青
(
あお
)
い
貝細工
(
かいざいく
)
や、
銀
(
ぎん
)
のかんざしや、
口紅
(
くちべに
)
や、
香油
(
こうゆ
)
や、そのほか
女
(
おんな
)
たちの
好
(
す
)
きそうな
紅
(
あか
)
い
絹地
(
きぬじ
)
や、
淡紅色
(
うすべにいろ
)
の
布
(
ぬの
)
などであったのです。
北の不思議な話
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
嗚呼
(
ああ
)
口紅
(
くちべに
)
をその口に
若菜集
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
無地
(
むぢ
)
かと
思
(
おも
)
ふ
紺
(
こん
)
の
透綾
(
すきや
)
に、
緋縮緬
(
ひぢりめん
)
の
長襦袢
(
ながじゆばん
)
、
小柳繻子
(
こやなぎじゆす
)
の
帶
(
おび
)
しめて、
褄
(
つま
)
の
堅
(
かた
)
きまで
愼
(
つゝ
)
ましきにも、
姿
(
すがた
)
のなよやかさ
立
(
た
)
ちまさり、
打微笑
(
うちほゝゑ
)
みたる
口紅
(
くちべに
)
さへ、
常夏
(
とこなつ
)
の
花
(
はな
)
の
化身
(
けしん
)
に
似
(
に
)
たるかな。
婦人十一題
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
私
(
わたし
)
は
聞
(
き
)
くとともに、
直下
(
すぐした
)
の
三番町
(
さんばんちやう
)
と、
見附
(
みつけ
)
の
土手
(
どて
)
には
松並木
(
まつなみき
)
がある……
大方
(
おほかた
)
玉蟲
(
たまむし
)
であらう、と
信
(
しん
)
じながら、
其
(
そ
)
の
美
(
うつく
)
しい
蟲
(
むし
)
は、
顏
(
かほ
)
に、
其
(
そ
)
の
玉蟲色
(
たまむしいろ
)
笹色
(
さゝいろ
)
に、
一寸
(
ちよつと
)
、
口紅
(
くちべに
)
をさして
居
(
ゐ
)
たらしく
思
(
おも
)
つて
番茶話
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
すぐに
唇
(
くちびる
)
から
口紅
(
くちべに
)
が
溶
(
と
)
けたやうに、
真赤
(
まつか
)
な
血
(
ち
)
が
溢
(
こぼ
)
れるんですものね。
続銀鼎
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
“口紅”の解説
口紅(くちべに、lipstick)は、人がメイクアップをする際、唇を彩るために使われる化粧品の一種。多くはスティック状である。
(出典:Wikipedia)
口
常用漢字
小1
部首:⼝
3画
紅
常用漢字
小6
部首:⽷
9画
“口紅”で始まる語句
口紅棒