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半腹
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はんぷく
ふりがな文庫
“
半腹
(
はんぷく
)” の例文
そのがけの
半腹
(
はんぷく
)
に、
円
(
まる
)
いあなをうがって、
一家族
(
ひとかぞく
)
のつばめは、
巣
(
す
)
をつくりました。そして、
子
(
こ
)
どもを、あなの
中
(
なか
)
に
産
(
う
)
みそだてていました。
南方物語
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
第一、麓という語いかがや、「心あてに見し」ところは
少
(
すくな
)
くも
半腹
(
はんぷく
)
くらいの高さなるべきを、それを麓というべきや疑わしく候。
歌よみに与ふる書
(新字新仮名)
/
正岡子規
(著)
月は山の
端
(
は
)
を放れて、
半腹
(
はんぷく
)
は暗いが、真珠を頂いた峰は水が澄んだか明るいので、山は、と聞くと、医王山だと言いました。
薬草取
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
ここでちょっと
申添
(
もうしそ
)
えて
置
(
お
)
きたいのは、
私
(
わたくし
)
の
修行場
(
しゅぎょうば
)
の
右手
(
みぎて
)
の
山
(
やま
)
の
半腹
(
はんぷく
)
に
在
(
あ
)
る、あの
小
(
ちい
)
さい
竜神
(
りゅうじん
)
の
祠
(
やしろ
)
のことでございます。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
鮮
(
あざ
)
やかな
紅
(
べに
)
の
滴々
(
てきてき
)
が、いつの雨に流されてか、半分
溶
(
と
)
けた花の海は
霞
(
かすみ
)
のなかに
果
(
はて
)
しなく広がって、見上げる
半空
(
はんくう
)
には
崢嶸
(
そうこう
)
たる一
峰
(
ぽう
)
が
半腹
(
はんぷく
)
から
微
(
ほの
)
かに春の雲を吐いている。
草枕
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
▼ もっと見る
東光院
(
とうくわうゐん
)
の堂塔は、
汽動車
(
きどうしや
)
の窓から、山の
半腹
(
はんぷく
)
に見えてゐた。青い
木立
(
こだち
)
の中に黒く光る
甍
(
いらか
)
と、白く輝く壁とが、
西日
(
にしび
)
を受けて、今にも燃え出すかと思はれるほど、
鮮
(
あざ
)
やかな色をしてゐた。
東光院
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
依
(
よっ
)
て又一を先導として、餘作同道にてウエンベツ
山
(
ざん
)
に登る。川を渉り、或は沿岸を往き、或は樹間或は湿地を通行するに、熊の
脚痕
(
あしあと
)
臥跡
(
ふしあと
)
あり。漸く進んで
半腹
(
はんぷく
)
に至るに、大樹の多きに驚けり。
関牧塲創業記事
(新字新仮名)
/
関寛
(著)
山
(
やま
)
の
半腹
(
はんぷく
)
以上
(
いじやう
)
は
赤色
(
せきしよく
)
の
燒石
(
やけいし
)
の
物凄
(
ものすご
)
い
樣
(
やう
)
に
削立
(
せうりつ
)
して
居
(
を
)
るが、
麓
(
ふもと
)
は
限
(
かぎ
)
りもなき
大深林
(
だいしんりん
)
で、
深林
(
しんりん
)
の
中央
(
ちうわう
)
を
横斷
(
わうだん
)
して、
大河
(
たいか
)
滔々
(
とう/\
)
と
流
(
なが
)
れて
居
(
を
)
る
樣子
(
やうす
)
、
其邊
(
そのへん
)
を
進行
(
しんかう
)
したら
隨分
(
ずいぶん
)
奇
(
く
)
しき
出來事
(
できごと
)
もあらうと
思
(
おも
)
つたので
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
彼
(
あ
)
の辺は皆垣が石のような処で、
其処
(
そこ
)
を
切穿
(
きりほ
)
りまして穴蔵
様
(
よう
)
な物が山の
半腹
(
はんぷく
)
にありまして、
宛
(
まる
)
で
倉庫
(
くら
)
の様になって居りますから、縁側を伝わって段々
手索
(
てさぐ
)
りで
行
(
ゆ
)
くと、六畳ばかりの座敷がありまして
松の操美人の生埋:02 侠骨今に馨く賊胆猶お腥し
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
わが雇はれし
英吉利人
(
イギリスびと
)
の住みしは、この
半腹
(
はんぷく
)
の家なりき。
うたかたの記
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
函館の
臥牛
(
ぐわぎう
)
の
山
(
やま
)
の
半腹
(
はんぷく
)
の
一握の砂
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
第一、麓といふ語
如何
(
いかが
)
や、心あてに見し処は少くも
半腹
(
はんぷく
)
位の高さなるべきを、それを麓といふべきや疑はしく候。
歌よみに与ふる書
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
たしか
走水
(
はしりみず
)
という
所
(
ところ
)
は
浦賀
(
うらが
)
の
入江
(
いりえ
)
からさまで
遠
(
とお
)
くもない、
海
(
うみ
)
と
山
(
やま
)
との
迫
(
せ
)
り
合
(
あ
)
った
狭
(
せま
)
い
漁村
(
ぎょそん
)
で、そして
姫
(
ひめ
)
のお
祠
(
やしろ
)
は、その
村
(
むら
)
の
小高
(
こだか
)
い
崖
(
がけ
)
の
半腹
(
はんぷく
)
に
建
(
た
)
って
居
(
お
)
り
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
草の中に立って碌さんが
覚束
(
おぼつか
)
なく四方を見渡すと、向うの草山へぶつかった黒雲が、峰の
半腹
(
はんぷく
)
で、どっと
崩
(
くず
)
れて海のように濁ったものが頭を去る五六尺の所まで押し寄せてくる。
二百十日
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
ある
冬
(
ふゆ
)
の
日
(
ひ
)
のこと、
子供
(
こども
)
は、
村
(
むら
)
はずれに
立
(
た
)
って、かなたの
国境
(
こっきょう
)
の
山々
(
やまやま
)
をながめていますと、
大
(
おお
)
きな
山
(
やま
)
の
半腹
(
はんぷく
)
に、
母
(
はは
)
の
姿
(
すがた
)
がはっきりと、
真
(
ま
)
っ
白
(
しろ
)
な
雪
(
ゆき
)
の
上
(
うえ
)
に
黒
(
くろ
)
く
浮
(
う
)
き
出
(
だ
)
して
見
(
み
)
えたのであります。
牛女
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
その
半腹
(
はんぷく
)
にかかりある
厳角
(
いわかど
)
の
苔
(
こけ
)
のなめらかなるに、
一挺
(
いつちよう
)
はだか
蝋
(
ろう
)
に
灯
(
ひ
)
ともしたる
灯影
(
ほかげ
)
すずしく、
筧
(
かけい
)
の水むくむくと
湧
(
わ
)
きて
玉
(
たま
)
ちるあたりに
盥
(
たらい
)
を据ゑて、うつくしく
髪
(
かみ
)
結
(
ゆ
)
うたる
女
(
ひと
)
の、身に一糸もかけで
竜潭譚
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
少しずつ登ってようよう
半腹
(
はんぷく
)
に来たと思う時分に、路の傍に木いちごの一面に熟しているのを見つけた。
くだもの
(新字新仮名)
/
正岡子規
(著)
私
(
わたくし
)
の
修行場
(
しゅぎょうば
)
を
少
(
すこ
)
し
下
(
した
)
へ
降
(
お
)
りた
山
(
やま
)
の
半腹
(
はんぷく
)
に、
小
(
こ
)
ぢんまりとした
一
(
ひと
)
つの
平地
(
へいち
)
がございます。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
月
(
つき
)
はなほ
半腹
(
はんぷく
)
の
其
(
そ
)
の
累々
(
るゐ/\
)
たる
巌
(
いはほ
)
を
照
(
て
)
らすばかり。
高野聖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
半
常用漢字
小2
部首:⼗
5画
腹
常用漢字
小6
部首:⾁
13画
“半”で始まる語句
半
半分
半刻
半纏
半襟
半纒
半身
半年
半切
半歳