“汽動車”の読み方と例文
読み方割合
きどうしや100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
東光院とうくわうゐんの堂塔は、汽動車きどうしやの窓から、山の半腹はんぷくに見えてゐた。青い木立こだちの中に黒く光るいらかと、白く輝く壁とが、西日にしびを受けて、今にも燃え出すかと思はれるほど、あざやかな色をしてゐた。
東光院 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
果てしもないことを、互ひに言ひ續けつゝ、二人ふたりの足は自然に停車場ステーシヨンの方へ向つた。停車場ステーシヨンでは先刻さつきのが引き返へして來たのか、汽動車きどうしやはまた毒々しく黒い煙をげて、今にも動き出しさうであつた。
東光院 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)