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加茂
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かも
ふりがな文庫
“
加茂
(
かも
)” の例文
備中高松の城主、
宮路山
(
みやじやま
)
の城主、
冠山
(
かむりやま
)
の城主——
加茂
(
かも
)
、
日幡
(
ひはた
)
、松島、
庭瀬
(
にわせ
)
などの主要な七ヵ城の守将は、前後して三原に集まった。
新書太閤記:06 第六分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
一体、私は一代のうちに、十万貫(昔のお金の名です)という身代を作ったもので、都でも
加茂
(
かも
)
の長者と言えば、誰知らぬ者もありません。
三人兄弟
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
宗助
(
そうすけ
)
はそれが
氣
(
き
)
にかゝるので、
歸
(
かへ
)
りにわざ/\
安井
(
やすゐ
)
の
下宿
(
げしゆく
)
へ
回
(
まは
)
つて
見
(
み
)
た。
安井
(
やすゐ
)
の
居
(
ゐ
)
る
所
(
ところ
)
は
樹
(
き
)
と
水
(
みづ
)
の
多
(
おほ
)
い
加茂
(
かも
)
の
社
(
やしろ
)
の
傍
(
そば
)
であつた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
京都のごりは
加茂
(
かも
)
川に多くいたが、今はよほど上流にさかのぼらないといないようである。
桂
(
かつら
)
川では今でもたくさん獲れる。
京都のごりの茶漬け
(新字新仮名)
/
北大路魯山人
(著)
茶には水が大事と申してな、京おもてでは
加茂
(
かも
)
川、江戸では
多摩
(
たま
)
川の水に限るようなことをいう向きがあるが、わしなぞはどこでもかまわん。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
▼ もっと見る
桂
(
かつら
)
川の
鮎
(
あゆ
)
、
加茂
(
かも
)
川の
石臥
(
いしぶし
)
などというような魚を見る前で調理させて賞味するのであったが、例のようにまた内大臣の子息たちが中将を
訪
(
たず
)
ねて来た。
源氏物語:26 常夏
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
『
拾玉
(
しゅうぎょく
)
集』に「すごきかな、
加茂
(
かも
)
の
川原
(
かわら
)
の河風にみのげ乱れて
鷺
(
さぎ
)
立
(
たて
)
るめり」。
為家
(
ためいえ
)
の歌に「ゐる鷺のおのが蓑毛も片よりに、岸の柳を春風ぞふく」
蓑のこと
(新字新仮名)
/
柳宗悦
(著)
これは
加茂
(
かも
)
の葵祭を咏じたもので、葵祭にはさまざまのものに葵を掛けるのであるが、その葵が地に落ちている、それを人が踏んで行くというのである。
俳句はかく解しかく味う
(新字新仮名)
/
高浜虚子
(著)
それが三河では
設楽
(
したら
)
・
加茂
(
かも
)
の山間にも及んでいるのだから、この地名については東国流だということができる。それを土地によっては単にソとのみもいう。
地名の研究
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
清武の家は隣にいた
弓削
(
ゆげ
)
という人が住まうことになって、安井家は飫肥の
加茂
(
かも
)
に代地をもらった。
安井夫人
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
著名な出来事を列挙しただけでも、攘夷祈願のための
加茂
(
かも
)
行幸(三月)を皮切りに
石清水
(
いわしみず
)
行幸(四月)、そのとき五月十日攘夷期限の詔勅。その五月十日から長藩の外艦砲撃。
尊攘戦略史
(新字新仮名)
/
服部之総
(著)
隅田川絶えず名に流れたれど
加茂
(
かも
)
桂
(
かつら
)
よりは
賤
(
いや
)
しくして
肩落
(
かたおち
)
したり。
山並
(
やまなみ
)
もあらばと願はし。
日和下駄:一名 東京散策記
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
第一を「
御簾
(
みす
)
の
間
(
ま
)
」と言い、第二が「奥御簾の間」、第三が「扇の間」で、畳数二十一畳、天井には四十四枚の扇の絵を散らし、六面の襖の四つは
加茂
(
かも
)
の
葵祭
(
あおいまつり
)
を描いた土佐絵。
大菩薩峠:03 壬生と島原の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
そのほか、
日傘
(
ひがさ
)
をかざすもの、
平張
(
ひらばり
)
を空に張り渡すもの、あるいはまた
仰々
(
ぎょうぎょう
)
しく
桟敷
(
さじき
)
を路に連ねるもの——まるで目の下の池のまわりは時ならない
加茂
(
かも
)
の祭でも渡りそうな景色でございます。
竜
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
如何
(
いか
)
なる境界に
落
(
おつ
)
るとも
加茂
(
かも
)
の明神も
御憐愍
(
ごれんみん
)
あれ、
其人
(
そのひと
)
命あらば
巡
(
めぐ
)
り
合
(
あわ
)
せ玉いて、
芸子
(
げいこ
)
も女なりやさしき心入れ
嬉
(
うれ
)
しかりきと、方様の
一言
(
ひとこと
)
を草葉の
蔭
(
かげ
)
に
聞
(
きか
)
せ玉えと、
遙拝
(
ようはい
)
して閉じたる眼をひらけば
風流仏
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
帝
(
みかど
)
には御祈願のため、すでに
加茂
(
かも
)
へ行幸せられ、そのおりは家茂および一橋慶喜以下の諸有司、それに在京の諸藩士が
鳳輦
(
ほうれん
)
に
供奉
(
ぐぶ
)
したことが報じてあり、さらに
石清水
(
いわしみず
)
へも行幸の
思
(
おぼ
)
し召しがあって
夜明け前:01 第一部上
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
自分は十一、二歳から歴史と文学書とが好きで、家の人に隠して読み
耽
(
ふけ
)
ったが、
天照大御神
(
あまてらすおおみかみ
)
の如き処女天皇の清らかな
気高
(
けだか
)
い御一生が
羨
(
うらやま
)
しかった。
伊勢
(
いせ
)
の
斎宮
(
さいぐう
)
加茂
(
かも
)
の斎院の
御上
(
おんうえ
)
などもなつかしかった。
私の貞操観
(新字新仮名)
/
与謝野晶子
(著)
舞姫が底にうつして
絵扇
(
えおうぎ
)
の影見てをるよ
加茂
(
かも
)
の河水
墨汁一滴
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
だが、
加茂
(
かも
)
の堤に出ると、
咸陽宮
(
かんようきゅう
)
の
唐画
(
からえ
)
にでもありそうな
柳樹
(
やなぎ
)
の並木に、
清冽
(
せいれつ
)
な水がながめられて、
冷
(
ひや
)
りと、顔へ、
濡
(
ぬ
)
れ
紙
(
がみ
)
のような風があたる。
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
たださえ京は
淋
(
さび
)
しい所である。原に
真葛
(
まくず
)
、川に
加茂
(
かも
)
、山に
比叡
(
ひえ
)
と
愛宕
(
あたご
)
と
鞍馬
(
くらま
)
、ことごとく昔のままの原と川と山である。
京に着ける夕
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
そのころ前代の
加茂
(
かも
)
の
斎院
(
さいいん
)
がおやめになって皇太后腹の院の女三の宮が新しく斎院に定まった。
源氏物語:09 葵
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
それは京都
加茂
(
かも
)
の医家岡本
由顕
(
ゆうけん
)
の家から出た『医心方』
巻
(
けんの
)
二十二である。
渋江抽斎
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
いつぞや、
加茂
(
かも
)
の
堤
(
つつみ
)
で
蚕婆
(
かいこばばあ
)
の
吹
(
ふ
)
き
針
(
ばり
)
にふかれてその目をつぶされ、いまは
黒白
(
あやめ
)
もわかたぬ不自由な身となった。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「これが
加茂
(
かも
)
の
森
(
もり
)
だ」と主人が云う。「加茂の森がわれわれの庭だ」と
居士
(
こじ
)
が云う。
大樹
(
たいじゅ
)
を
繞
(
め
)
ぐって、
逆
(
ぎゃく
)
に戻ると玄関に
灯
(
ひ
)
が見える。なるほど家があるなと気がついた。
京に着ける夕
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
加茂
(
かも
)
の臨時祭りの
調楽
(
ちょうがく
)
が御所であって、
更
(
ふ
)
けて、それは
霙
(
みぞれ
)
が降る夜なのです。皆が退散する時に、自分の帰って行く家庭というものを考えるとその女の所よりないのです。
源氏物語:02 帚木
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
高松から半里ほど東南に、
加茂
(
かも
)
の城があり、これには、兵約千人を
擁
(
よう
)
して、
桂広繁
(
かつらひろしげ
)
が守り固めておりまする。
新書太閤記:07 第七分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
加茂
(
かも
)
の
明神
(
みょうじん
)
がかく鳴かしめて、うき我れをいとど寒がらしめ玉うの神意かも知れぬ。
京に着ける夕
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
見ると、
薄氷
(
うすごおり
)
を踏んでいるのだった。いつの間にか、彼は河原に降り、
加茂
(
かも
)
川の東岸を歩いていたのである。
宮本武蔵:04 火の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
安井のいる所は樹と水の多い
加茂
(
かも
)
の
社
(
やしろ
)
の傍であった。彼は夏休み前から、少し閑静な町外れへ移って勉強するつもりだとか云って、わざわざこの不便な村同様な
田舎
(
いなか
)
へ引込んだのである。
門
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
京の
大宮人
(
おおみやびと
)
が歌よむ春のあけぼのは、
加茂
(
かも
)
の水、
清水
(
きよみず
)
の花あかりから、ほのぼのと明けようとしている。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
部屋の前はひろい河原で、玉砂利と雑草とを
縫
(
ぬ
)
う幾すじもの
清冽
(
せいれつ
)
は、
加茂
(
かも
)
の水と
高野川
(
たかのがわ
)
の末がここで落ちあっているのだと、
和
(
やわ
)
らかい京言葉をもつ小間使に教えられた。
鳴門秘帖:06 鳴門の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
自分の愛馬六十頭を出して、
加茂
(
かも
)
の馬場で大競馬を催し、それには莫大な費用と善美をつくして、市民の観覧をゆるし、数日にわたって、一般の老幼男女を楽しませた。
新書太閤記:05 第五分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
すると、その
濠
(
ほり
)
ぎわの木のかげから、ツイとはなれた
人影
(
ひとかげ
)
があった。
黒布
(
こくふ
)
をかぶった
妖婆
(
ようば
)
である。いうまでもなく、それは
加茂
(
かも
)
の
堤
(
どて
)
から、三人の
僧
(
そう
)
をつけてきた
蚕婆
(
かいこばばあ
)
——
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
邸のすぐ裏を、今年の花も、
加茂
(
かも
)
の水は日ごとに流し去って、若者たちは、
衣更
(
ころもが
)
えしている。
源頼朝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
と、まるで
加茂
(
かも
)
競馬の先頭でも争うように、柵の口から、二騎、真っ先に駈け出した。
新書太閤記:05 第五分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
茶屋の本店は
堺
(
さかい
)
にあり、堺の
納屋衆
(
なやしゅう
)
の一人であるが、多くは京都に住んで、
加茂
(
かも
)
の清流に臨む閑雅な寮で、余生を楽しんでいる閑人かのように表面は見えるが、実は政治の中心地にあって
新書太閤記:07 第七分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
迦陵頻伽
(
かりょうびんが
)
の声ともきこえる
山千禽
(
やまちどり
)
のチチとさえずる
朝
(
あした
)
——
根本中堂
(
こんぽんちゅうどう
)
のあたりから手をかざして、
霞
(
かすみ
)
の底の
京洛
(
みやこ
)
をながめると、そこには
悠久
(
ゆうきゅう
)
とながれる
加茂
(
かも
)
の一水が帯のように光っているだけで
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
(町が、
加茂
(
かも
)
川が、御所が。——それから、いろんなものが)
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「
祇園
(
ぎおん
)
や、
加茂
(
かも
)
宮でする、
神楽
(
かぐら
)
の笛?」
宮本武蔵:03 水の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
加
常用漢字
小4
部首:⼒
5画
茂
常用漢字
中学
部首:⾋
8画
“加茂”で始まる語句
加茂川
加茂河原
加茂堤
加茂女
加茂郡
加茂部
加茂季鷹
加茂川亘
加茂川尻
加茂県主