“かも”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:カモ
語句割合
52.6%
22.5%
加茂7.4%
5.5%
4.8%
賀茂3.8%
0.7%
0.5%
0.5%
善滋0.2%
0.2%
迦毛0.2%
0.2%
0.2%
香洩0.2%
0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
又、成熟した彼女の、目やくちびるや全身のかもし出す魅力を、思い出すまいとしても思い出した。明かに、彼はお木下芙蓉を恋していた。
(新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
売僧まいす、ちんかも座興ざきょうにしては折檻せっかんが過ぎようぞ、眉間傷が夜鳴き致して見参けんざんじゃ。大慈大悲のころもとやらをかき合せて出迎えせい」
一体、私は一代のうちに、十万貫(昔のお金の名です)という身代を作ったもので、都でも加茂かもの長者と言えば、誰知らぬ者もありません。
三人兄弟 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
床のかもが明るんでおり、同じ色をした窓掛けが、そのひだにかげをつけており、高い白堊の天井の、油絵の図案を輝かせている。
怪しの館 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
宇田川町小町とうたはれた非凡の艶色は、死もまた奪ふ由なく、八方から浴びせた提灯の光の中に、凄慘な美しいものさへかもし出して居るのです。
賀茂かもくらべ馬で勝負の木、またはしるしの木といったかえでの木も公けの文書には標と書いてある。『延喜式』巻四十八、五月六日競馬の条に
地名の研究 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
その醜さについて、また醜さをかもした事情について、私の心は平らかではいられない。罪を見て安らかでいられる僧があろうか。器が悩むが故に私の心もまた悩む。
工芸の道 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)
うらなり君はおそれ入った体裁で、いえかもうておくれなさるな、と遠慮えんりょだか何だかやっぱり立ってる。
坊っちゃん (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
金の如き水楊のわくら葉を振り乱して、かもが幾十羽となく、むらがって魚を喰べに来るというほどの、静かな谷になって、青々とした森林は、肥沃な新火山岩の分解した土が、その根をつちかっている
日本山岳景の特色 (新字新仮名) / 小島烏水(著)
後に保胤の弟の文章もんじょう博士保章の子の為政が善滋かもと姓の字を改めたのも同じことであって、為政は文章博士で、続本朝文粋しょくほんちょうもんずいの作者の一人である。
連環記 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
我家のとは違ひて、この卓にはかもを被ひたり。われはよその子供の如く、そらんじたるまゝの説教をなしき。聖母のむねより血汐出でたる、穉き基督のめでたさなど、説教のたねなりき。
この阿遲鉏高日子根の神は、今迦毛かもの大御神といふ神なり。
一種の情緒じやうしよかもし出さずには居ません。
ちとお答えに窮しますな。……いや何、かもうまい。じつは主人高氏には、何やら結願けちがんのあるらしくて、それのかなうまでは、門松を
私本太平記:06 八荒帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
天にかかる日よりもとうとしとまもるわが夢を、五年いつとせの長き香洩かもる「時」の袋から現在に引き出して、よも間違はあるまいと見較べて見ると、現在ははやくも遠くに立ち退いている。握る割符は通用しない。
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
七郎が浜辺で網干しの仕事にたづさはつてゐるところに、かも打ちの散歩に来たといふ太一郎が、ステツキ銃を羽織の蔭にぶらさげながらやつて来て、手まねぎした。
南風譜 (新字旧仮名) / 牧野信一(著)