賀茂かも)” の例文
思うように同門の人もたずねず、賀茂かも大人うしが旧居の跡も見ずじまいであっても、ともかくも平田家を訪問して、こころよく入門の許しを得
夜明け前:01 第一部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
賀茂かもくらべ馬で勝負の木、またはしるしの木といったかえでの木も公けの文書には標と書いてある。『延喜式』巻四十八、五月六日競馬の条に
地名の研究 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
女3 本当にねえ、せっかくの賀茂かもの祭だと云うのに、おやしろにももうでないうちから、まあまあ、気味の悪い声を聞くこと。
なよたけ (新字新仮名) / 加藤道夫(著)
今横浜の三渓園に移されている賀茂かもの塔なども、いしずえの下に非常な宝物が埋めてあると伝えられていた。で、移すときに大勢の人夫を雇ってその発掘を始めた。
古寺巡礼 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
風摩ふうま大炊介と賀茂かも行子がはじめて小田原の城下で出逢った天正九年の夏からはじまり、大炊介が蜂須賀小六家政(二世小六、阿波守)の手について朝鮮征伐に行き
うすゆき抄 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
奏楽者も石清水いわしみず賀茂かもの臨時祭に使われる専門家がより整えられたのであるが、ほかから二人加えられたのは近衛府このえふの中で音楽の上手じょうずとして有名になっている人であった。
源氏物語:35 若菜(下) (新字新仮名) / 紫式部(著)
そのため賀茂かもの流れもふさがらんばかり、いやその異様な臭気と申したら、お話にも何にもなるものではございません。いま思いだしても、ついこのほおのあたりに漂って参ります。
雪の宿り (新字新仮名) / 神西清(著)
成親は、これでこりたかと思ったが、占いよりも現実の官位に余程執着があるらしく、今度は夜になると、賀茂かも上社かみやしろへ七日続けて参詣を始めた。七日目の晩、家で寝ていると夢をみた。
多くの篤胤没後の門人中で彼にはことに親しみの深く忘れがたいあの正香も、賀茂かもの少宮司から熱田あつたの少宮司に転じ、今は熱田の大宮司として働いている人である。
夜明け前:04 第二部下 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
朝家の法制にもかつて天神地祇ちぎを分たれたが、のちの宗像むなかた賀茂かも・八幡・熊野・春日かすが住吉すみよし諏訪すわ白山はくさん鹿島かしま香取かとりのごとく、有効なる組織をもって神人を諸国に派し
山の人生 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
賀茂かもの祭りなどがあって、世間の騒がしいころも過ぎた二十幾日に薫はまた宇治へ行った。
源氏物語:51 宿り木 (新字新仮名) / 紫式部(著)
そのため賀茂かもの流れもふさがらんばかり、いやその異様な臭気と申したら、お話にも何にもなるものではございません。いま思ひだしても、ついこのほおのあたりに漂つて参ります。
雪の宿り (新字旧仮名) / 神西清(著)
けらお (なよたけを無視して)面白いぞイ! みんなも来いや! 賀茂かも川の橋の下で石合戦して遊ぶんだ! 勇ましいぞイ! おら敵の大将に石ぶつけて、泣かしちまったんだ。
なよたけ (新字新仮名) / 加藤道夫(著)
明日は賀茂かもの斎院の御禊みそぎのある日で、御姉妹きょうだいの斎院のために儀装車に乗せてお出しになる十二人の女房があって、その選にあたった若い女房とか、童女とかが、縫い物をしたり
源氏物語:35 若菜(下) (新字新仮名) / 紫式部(著)
或る男が賀茂かも参詣さんけいするとて、紙のはばきを巻いて家の前を通る。是に向かって即吟そくぎん
木綿以前の事 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
今度、賀茂かも神社の少宮司しょうぐうじに任ぜられて、これから西の方へ下る旅の途中にあるという。
夜明け前:04 第二部下 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
大原野の巫女みこになるはずだったと云う娘が、去年の賀茂かもの祭の日に突然神隠しに遭ってからと云うものは、あっちにひとり、こっちにひとりと都の童児わくらべどもが、五人も六人も行方ゆくえわからずになって
なよたけ (新字新仮名) / 加藤道夫(著)
加賀の横山の賀茂かも神社においても、昔まだ以前の土地にこのお社があった時に、神様が鮒の姿になって御手洗みたらしの川で、面白く遊んでおいでになると、にわかに風が吹いて岸の桃の実が落ちて
日本の伝説 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
賀茂かも祭りの日につれづれで
源氏物語:42 まぼろし (新字新仮名) / 紫式部(著)
タジナ(カンポン) 安芸あき賀茂かも