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釀
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かも
ふりがな文庫
“
釀
(
かも
)” の例文
新字:
醸
そして實際、
途徹
(
とてつ
)
もなく忙しい一日二日の後に、私達が自分で
釀
(
かも
)
した
混沌
(
こんとん
)
の中から段々と秩序を見附け出して來るのは樂しいことであつた。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
宇田川町小町と
謳
(
うた
)
はれた非凡の艶色は、死もまた奪ふ由なく、八方から浴びせた提灯の光の中に、凄慘な美しいものさへ
釀
(
かも
)
し出して居るのです。
銭形平次捕物控:200 死骸の花嫁
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
會つたところで、往事、黒田清輝先生の處からその「
小督
(
こがう
)
」のデッサンを借りて來て互に感奮して話し合つたやうな氣分は到底
釀
(
かも
)
し出されぬのであらう。
すかんぽ
(旧字旧仮名)
/
木下杢太郎
(著)
一旦夕の談理爭でか能く一世の傾向を
釀
(
かも
)
さむ。これを釀す策は衆美を一堂に會して相見る機會を得せしむるに若かず。是れ記實の文の先にすべき所以なり。
柵草紙の山房論文
(旧字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
釀
(
かも
)
し、また垣を作り𢌞して八つの入口を作り、入口毎に八つの物を置く臺を作り、その臺毎に酒の
槽
(
おけ
)
をおいて、その濃い酒をいつぱい入れて待つていらつしやい
古事記:03 現代語訳 古事記
(旧字新仮名)
/
太安万侶
、
稗田阿礼
(著)
▼ もっと見る
罪
(
つみ
)
は
産婆
(
さんば
)
にもあつた。けれども
半
(
なかば
)
以上
(
いじやう
)
は
御米
(
およね
)
の
落度
(
おちど
)
に
違
(
ちがひ
)
なかつた。
臍帶纏絡
(
さいたいてんらく
)
の
變状
(
へんじやう
)
は、
御米
(
およね
)
が
井戸端
(
ゐどばた
)
で
滑
(
すべ
)
つて
痛
(
いた
)
く
尻餠
(
しりもち
)
を
搗
(
つ
)
いた五ヶ
月
(
げつ
)
前
(
まへ
)
既
(
すで
)
に
自
(
みづか
)
ら
釀
(
かも
)
したものと
知
(
し
)
れた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
曾
(
かつ
)
て
寺内内閣
(
てらうちないかく
)
の
議會
(
ぎくわい
)
で、
藏原代議士
(
くらはらだいぎし
)
が
總理大臣
(
そうりだいじん
)
から「ゾーバラ
君
(
くん
)
」と
呼
(
よ
)
ばれて
承知
(
しやうち
)
せず、「これ
猶
(
な
)
ほ
寺内
(
てらうち
)
をジナイと
呼
(
よ
)
ぶが
如
(
ごと
)
し」と
抗辯
(
かうべん
)
して一
場
(
ぜう
)
の
紛議
(
ふんぎ
)
を
釀
(
かも
)
したことがあつた。
国語尊重
(旧字旧仮名)
/
伊東忠太
(著)
廣
(
ひろ
)
い
樣
(
やう
)
でも
狹
(
せま
)
いのは
滊船
(
きせん
)
の
航路
(
かうろ
)
で、
千島艦
(
ちしまかん
)
とラーヴエンナ
號
(
がう
)
事件
(
じけん
)
の
實例
(
じつれい
)
を
引
(
ひ
)
く
迄
(
まで
)
もなく、
少
(
すこ
)
しく
舵機
(
かぢ
)
の
取方
(
とりかた
)
を
※
(
あやま
)
つても、
屡々
(
しば/\
)
驚怖
(
きやうふ
)
すべき
衝突
(
しようとつ
)
を
釀
(
かも
)
すのに、
底事
(
なにごと
)
ぞ、
怪
(
あやし
)
の
船
(
ふね
)
海蛇丸
(
かいだまる
)
は
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
又一方から見ると
作者
(
さくしや
)
の
愛
(
あい
)
が
實際
(
じつさい
)
にその
衷心
(
ちうしん
)
から
滲
(
にじ
)
み出てゐる例へば「小さき者へ」の中に於ける、子供に對する主人公の
愛
(
あい
)
といつたやうな場合には、そこに
釀
(
かも
)
されてゐる
實感
(
じつかん
)
の強さから
三作家に就ての感想
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
憂苦を
釀
(
かも
)
す戰場を離れて武裝改めつ
イーリアス:03 イーリアス
(旧字旧仮名)
/
ホーマー
(著)
冷たき
土窟
(
むろ
)
に
釀
(
かも
)
されて
泣菫詩抄
(旧字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
酒を
釀
(
かも
)
すはわかうど
思ひ出:抒情小曲集
(旧字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
釀
(
かも
)
す
瘟疫
(
うんえき
)
、
瘧病
(
ぎやくへい
)
の
有明集
(旧字旧仮名)
/
蒲原有明
(著)
この言葉が更に新しい間違ひを
釀
(
かも
)
した——それが眞實に觸れたが故に、より惡いものであつた。彼の
血
(
ち
)
の
氣
(
け
)
を失つた唇は瞬間的な
痙攣
(
けいれん
)
に引きつゝた。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
女の
歪
(
ゆが
)
んだ自尊心と、ヒステリツクな我意がもたらした結果には違ひありませんが、最初は、物置の
日向
(
ひなた
)
ぼつこが
釀
(
かも
)
した、花嫁ごつこの
飯事
(
まゝごと
)
が結んだ
銭形平次捕物控:331 花嫁の幻想
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
起
(
お
)
きた
時
(
とき
)
は、
日
(
ひ
)
を
載
(
の
)
せた
空
(
そら
)
が
次第
(
しだい
)
に
遠退
(
とほの
)
いて
行
(
ゆ
)
くかと
思
(
おもは
)
れる
程
(
ほど
)
に、
好
(
よ
)
く
晴
(
は
)
れてゐたが、それが
眞蒼
(
まつさを
)
に
色
(
いろ
)
づく
頃
(
ころ
)
から
急
(
きふ
)
に
雲
(
くも
)
が
出
(
で
)
て、
暗
(
くら
)
い
中
(
なか
)
で
粉雪
(
こゆき
)
でも
釀
(
かも
)
してゐる
樣
(
やう
)
に、
日
(
ひ
)
の
目
(
め
)
を
密封
(
みつぷう
)
した。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
從
(
したが
)
つてその
思想
(
しさう
)
や
人生觀
(
じんせいくわん
)
の凡てを愛を以て裏づけて行かうとする氏の
作家
(
さくか
)
としての
今後
(
こんご
)
は、どんな
轉換
(
てんくわん
)
を見せて行くかも知れませんが、その理智の人としての
弱點
(
じやくてん
)
から
釀
(
かも
)
されて來る何物かは
三作家に就ての感想
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
遠
(
とほ
)
き
島
(
しま
)
は
近
(
ちか
)
く
見
(
み
)
え、
近
(
ちか
)
き
船
(
ふね
)
は
却
(
かへつ
)
て
遠
(
とほ
)
く
見
(
み
)
え、
其爲
(
そのため
)
に
數知
(
かずし
)
れず
不測
(
ふそく
)
の
禍
(
わざはひ
)
を
釀
(
かも
)
して、
此
(
この
)
洋中
(
やうちゆう
)
に
難破
(
なんぱ
)
せる
沈沒船
(
ちんぼつせん
)
の
船體
(
せんたい
)
は
既
(
すで
)
に
海底
(
かいてい
)
に
朽
(
く
)
ちて、
名殘
(
なごり
)
の
檣頭
(
しやうとう
)
のみ
波間
(
はかん
)
に
隱見
(
いんけん
)
せる
其
(
その
)
物凄
(
ものすご
)
き
光景
(
くわうけい
)
を
吊
(
とふら
)
ひつゝ
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
ススコリの
釀
(
かも
)
したお酒にわたしは醉いましたよ。
古事記:03 現代語訳 古事記
(旧字新仮名)
/
太安万侶
、
稗田阿礼
(著)
ももとせの生命の
釀
(
かも
)
し
泣菫詩抄
(旧字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
山吹色が行燈の灯に反映して、時ならぬ華やかな空氣を
釀
(
かも
)
しますが、事情は息づまるほど緊張して、ガラツ八とお嘉代の眼は、その數を讀む手に吸ひつきます。
銭形平次捕物控:147 縞の財布
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
また、讀者よ、
嫉妬
(
しつと
)
を
釀
(
かも
)
すことも多いと、あなた方はお思ひになるだらう——もし私のやうな立場の女がイングラム孃のやうな立場の人を嫉妬するといふことが認められるならば。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
泡だちて日は
釀
(
かも
)
されぬ。
泣菫詩抄
(旧字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
その臼に
釀
(
かも
)
したお酒
古事記:03 現代語訳 古事記
(旧字新仮名)
/
太安万侶
、
稗田阿礼
(著)
お妻はさう言ひ乍ら、自分で自分の言葉の
釀
(
かも
)
し出した感傷にひたつて、聲をあげて泣くのです。
銭形平次捕物控:257 凧糸の謎
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
埃臭く、
黴臭
(
かびくさ
)
く淀んだ大納戸の空氣は、美女の苦惱の聲と折檻に絞り出された汗に薫蒸して、言ひやうもなく不思議な匂ひを
釀
(
かも
)
し出すのを、平次は顏を反けて我慢しました。
銭形平次捕物控:040 兵庫の眼玉
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
小綺麗に調つた六疊、たしなみの鏡臺が一つ、目に
沁
(
し
)
みるやうな赤い座布團、そして内儀の地味な青い袷が、不思議な美しい調和を
釀
(
かも
)
し出して、うら寂びた中の
艶
(
なま
)
めかしさです。
銭形平次捕物控:219 鐘の音
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
後でそれは、美しい掛り人、お近のために用意された部屋と聽いて、主人とお近と、殘された内儀の時代との間に、嫌な三角關係のトラブルが
釀
(
かも
)
し出されてゐたことに思ひ當りました。
銭形平次捕物控:196 三つの死
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
一種變つた空氣を
釀
(
かも
)
し出した場所でした。
銭形平次捕物控:259 軍学者の妾
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
釀
部首:⾣
24画
“釀”を含む語句
新釀
釀酒
燻釀
酒釀
醞釀
醞釀者