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尻餠
敬二の顔は
真青になった。そして思わずその場に
尻餠をついてしまった。ああ彼は、そこにいかに
愕くべき、そして恐るべきものを見たのだろうか。
罪は
産婆にもあつた。けれども
半以上は
御米の
落度に
違なかつた。
臍帶纏絡の
變状は、
御米が
井戸端で
滑つて
痛く
尻餠を
搗いた五ヶ
月前既に
自ら
釀したものと
知れた。
照し
行て見るに口中を
刺られ
朱に
染みて居りしかば是は大變々々と
云聲に親父の五兵衞も
駈付て五郎藏が殺されたりとは夫れは
如何せし事ぞと死骸を見てヤヽ是はと
尻餠を