尻餠しりもち)” の例文
新字:尻餅
敬二の顔は真青まっさおになった。そして思わずその場に尻餠しりもちをついてしまった。ああ彼は、そこにいかにおどろくべき、そして恐るべきものを見たのだろうか。
○○獣 (新字新仮名) / 海野十三(著)
つみ産婆さんばにもあつた。けれどもなかば以上いじやう御米およね落度おちどちがひなかつた。臍帶纏絡さいたいてんらく變状へんじやうは、御米およね井戸端ゐどばたすべつていた尻餠しりもちいた五ヶげつまへすでみづかかもしたものとれた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
てらゆきて見るに口中をゑぐられあけみて居りしかば是は大變々々といふこゑに親父の五兵衞も駈付かけつけて五郎藏が殺されたりとは夫れは如何いかゞせし事ぞと死骸を見てヤヽ是はと尻餠しりもち
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
発して其儘寝台に尻餠しりもちき「えゝ、是でさえう充分の苦みだのに此上、此上、何事も問うて下さるな、最うう有ても返事しません」断乎だんことして言放ち再び口を開かん様子も見えず
血の文字 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
その署名を一目見たラック大将は、あっと声をあげたまま、愕きのあまり、床に尻餠しりもちをついてしまったのであった。
二、〇〇〇年戦争 (新字新仮名) / 海野十三(著)