“かまえ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
89.2%
構造10.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
父蘭軒の時からの居宅で、頗る広大なかまえであった。庭には吉野桜よしのざくらしゅえ、花の頃には親戚しんせき知友を招いてこれを賞した。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
言淀いいよどんで見えたので、ここへ来い、とかまえを崩して、すきを見せた頬杖ほおづえし、ごろりと横になって、小松原の顔を覗込のぞきこみつつ
沼夫人 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
この家は小さい陣屋のような構造かまえで、もんの前には細いながれを引きめぐらし、一けんばかりの細い板橋がわたしてある。家の周囲は竹藪に包まれて、藪垣やぶがきの間から栗の大木が七八本そびえていた。
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
周囲を廻れば五町もあろうか、主屋おもや離室はなれ、客殿、ちん厩舎うまや納屋なやから小作小屋まで一切を入れれば十棟余り、実に堂々たる構造かまえであったが、その主屋の一室に主人紋兵衛はせっていた。
八ヶ嶽の魔神 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)