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充分
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じゅうぶん
ふりがな文庫
“
充分
(
じゅうぶん
)” の例文
おこがましい
申分
(
もうしぶん
)
かは
存
(
ぞん
)
じませぬが、その
点
(
てん
)
の
御理解
(
ごりかい
)
が
充分
(
じゅうぶん
)
でないと、
地上
(
ちじょう
)
に
人類
(
じんるい
)
の
発生
(
はっせい
)
した
径路
(
いきさつ
)
がよくお
判
(
わか
)
りにならぬと
存
(
ぞん
)
じます。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
ただそこに孔子という人間が存在するというだけで
充分
(
じゅうぶん
)
なのだ。少くとも子路には、そう思えた。彼はすっかり
心酔
(
しんすい
)
してしまった。
弟子
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
特務曹長「
然
(
しか
)
るに私共は
未
(
いま
)
だ不幸にしてその機会を得ず
充分
(
じゅうぶん
)
適格に閣下の勲章を拝見するの光栄を所有しなかったのであります。」
饑餓陣営:一幕
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
うっかり首を横にふられるとたいへんだから、
充分
(
じゅうぶん
)
利益
(
りえき
)
を説きつくしてから正三君の意向をたずねようと思っていたのである。
苦心の学友
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
で
願
(
ねがわ
)
くはだ、
君
(
きみ
)
、どうぞ一つ
充分
(
じゅうぶん
)
に
彼
(
かれ
)
を
信
(
しん
)
じて、
療治
(
りょうじ
)
を
専
(
せん
)
一にして
頂
(
いただ
)
きたい。
彼
(
かれ
)
も
私
(
わたし
)
にきっと
君
(
きみ
)
を
引受
(
ひきう
)
けると
云
(
い
)
っていたよ。
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
▼ もっと見る
受話器を頭から
外
(
はず
)
して机の上に横たえておきましても三四尺も離れた寝床に入っている僕の耳にそのシグナルは
充分
(
じゅうぶん
)
はっきりと聞きとれました。
壊れたバリコン
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
ショパンのピアノ・ソナタは三曲あるが、これも協奏曲同様、この窮屈な形式に
縛
(
しば
)
られてショパンの天才を
充分
(
じゅうぶん
)
に発揮出来なかったと言われている。
楽聖物語
(新字新仮名)
/
野村胡堂
、
野村あらえびす
(著)
充分
(
じゅうぶん
)
成長すると、高さはおよそ九〇センチメートル内外に達し、その直立せる
茎
(
くき
)
は通常まばらに
分枝
(
ぶんし
)
する。葉は
茎
(
くき
)
に
互生
(
ごせい
)
し、再三出式に分裂している。
植物知識
(新字新仮名)
/
牧野富太郎
(著)
越後
(
えちご
)
の
笹飴
(
ささあめ
)
が食いたければ、わざわざ越後まで買いに行って食わしてやっても、食わせるだけの価値は
充分
(
じゅうぶん
)
ある。
坊っちゃん
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
……私はまだその本物を知らないのだけれど、それが与えるのとちっとも
異
(
ちが
)
わないような
特異
(
ユニイク
)
な快さを、そのデッサンだけでもう
充分
(
じゅうぶん
)
に
味
(
あじわ
)
ったように思いながら。
美しい村
(新字新仮名)
/
堀辰雄
(著)
「活動は決して下劣じゃない」と手塚はいった、かれは光一のいったことが
充分
(
じゅうぶん
)
にわからないのである。
ああ玉杯に花うけて
(新字新仮名)
/
佐藤紅緑
(著)
自分の偶像であるこの女を欠き
砕
(
くだ
)
かない夫ならそれで
充分
(
じゅうぶん
)
としなければならない。その程度の夫なら、むしろ持っていてくれる方が、自分は安心するかも知れない。
金魚撩乱
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
政府の組織 次に
法王
(
ほうおう
)
政府の組織に移ります。法王政府は非常に
錯雑
(
さくざつ
)
して居りますので
充分
(
じゅうぶん
)
に述べることは困難である。ことに私はそういうことを専門に調べたのでない。
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
しかし、こういっただけで、
若
(
も
)
し、その事実ありとしても、その当人達は、
充分
(
じゅうぶん
)
、
自戒
(
じかい
)
してくれると思う。
頼
(
たの
)
むから諸君、二度と俺にこんなことを、言わさないでくれ。終りッ
オリンポスの果実
(新字新仮名)
/
田中英光
(著)
丈夫
(
じょうぶ
)
づくりの
薄禿
(
うすっぱげ
)
の男ではあるが、その
余念
(
よねん
)
のない顔付はおだやかな波を
額
(
ひたい
)
に
湛
(
たた
)
えて、今は
充分
(
じゅうぶん
)
世故
(
せこ
)
に
長
(
た
)
けた身のもはや何事にも
軽々
(
かろがろ
)
しくは動かされぬというようなありさまを見せている。
太郎坊
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
その現象の不可欠でかつ
充分
(
じゅうぶん
)
な特徴をとらえ、それに価値判断のない無色の定義を与えたものであるが、本質というのは、その現象に含まれている意味についての価値判断をいうのである。
政治学入門
(新字新仮名)
/
矢部貞治
(著)
一日二三合の米の飯と、少しばかりの副食物と、二三合の日本酒とさえあれば、それで私の生活は
充分
(
じゅうぶん
)
であると、その訪問客に語っているヘルンは、実際に学者風の簡易生活をしていたのである。
小泉八雲の家庭生活:室生犀星と佐藤春夫の二詩友を偲びつつ
(新字新仮名)
/
萩原朔太郎
(著)
門口の狭い割に馬鹿に奥行のある細長い店だから昼間なぞ日が
充分
(
じゅうぶん
)
射
(
さ
)
さず、昼電を
節約
(
しまつ
)
した薄暗いところで火鉢の灰をつつきながら、戸外の人通りを
眺
(
なが
)
めていると、そこの明るさが
嘘
(
うそ
)
のようだった。
夫婦善哉
(新字新仮名)
/
織田作之助
(著)
また一つには忠告する者が
吾人
(
ごじん
)
の
境遇
(
きょうぐう
)
を
充分
(
じゅうぶん
)
知らぬゆえである。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
主客三人とも、
充分
(
じゅうぶん
)
、酔いがまわっている様子で
死んだ千鳥
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
それでも塩水
選
(
せん
)
をかけたので
恰度
(
ちょうど
)
六
斗
(
と
)
あったから本田の一町一
反
(
たん
)
分には
充分
(
じゅうぶん
)
だろう。とにかく
僕
(
ぼく
)
は今日半日で
大丈夫
(
だいじょうぶ
)
五十円の
仕事
(
しごと
)
はした
訳
(
わけ
)
だ。
或る農学生の日誌
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
その
点
(
てん
)
は
充分
(
じゅうぶん
)
お
含
(
ふく
)
みを
願
(
ねが
)
って
置
(
お
)
きます。
機会
(
きかい
)
がありましたら、
誰
(
だれ
)
かの
臨終
(
りんじゅう
)
の
実況
(
じっきょう
)
を
査
(
しら
)
べに
出掛
(
でか
)
て
見
(
み
)
ても
宜
(
よろ
)
しうございます。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
このズボンについている泥だとか、ハンカチーフについている血や油などについて、彼はきっと、あなたをびっくりさせるに
充分
(
じゅうぶん
)
な
鑑定
(
かんてい
)
をなすことでしょう
英本土上陸戦の前夜
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
「今のくらいで
充分
(
じゅうぶん
)
です。ただ先だってお話しした事ですね、あれを忘れずにいて下さればいいのです」
坊っちゃん
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
その上、それらのアカシアの木立は、まだみんな小さいので、はげしい日光から私たちを
充分
(
じゅうぶん
)
に
庇
(
かば
)
うことが出来ないので、その川沿いの道はそれまでの道よりも一層暑いように思えた。
美しい村
(新字新仮名)
/
堀辰雄
(著)
十六日、十七日とだんだん
月末
(
つきすえ
)
になる程、減って行くという。また月が変ると月初めからぼつぼつと
殖
(
ふ
)
えて、十五日になると
充分
(
じゅうぶん
)
満ちてしまうという訳でちょうど日に関係をして居る。
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
中柄
(
ちゅうがら
)
で肉の
締
(
しま
)
っているこの女水泳教師の
薄
(
うす
)
い水着下の腹輪の肉はまだ
充分
(
じゅうぶん
)
発達しない
寂
(
さび
)
しさを見せてはいるが、
腰
(
こし
)
の骨盤は
蜂
(
はち
)
型にやや大きい。そこに母性的の
威容
(
いよう
)
と
逞
(
たく
)
ましい
闘志
(
とうし
)
とを
潜
(
ひそ
)
ましている。
渾沌未分
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
「これはお殿様の命令を
充分
(
じゅうぶん
)
にはたすことでございましょう」
苦心の学友
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
その本能や衝動が生きたいということで
一杯
(
いっぱい
)
です。それを殺すのはいけないとこれだけでお答には
充分
(
じゅうぶん
)
であります。
ビジテリアン大祭
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
で、
多少
(
たしょう
)
は
私
(
わたくし
)
のきき
損
(
そこ
)
ね、
思
(
おも
)
い
違
(
ちが
)
いがないとも
限
(
かぎ
)
りませぬから、その
点
(
てん
)
も
何卒
(
なにとぞ
)
充分
(
じゅうぶん
)
にお
含
(
ふく
)
み
下
(
くだ
)
さいますよう……。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
またそうした手数を尽さないでも、私の本意が
充分
(
じゅうぶん
)
ご会得になったなら、私の満足はこれに越した事はありません。あまり時間が長くなりますからこれでご免を蒙ります。
私の個人主義
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
照彦様は叱られなかったが、尾沢生は
充分
(
じゅうぶん
)
目的を達した。
苦心の学友
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
もっとも生活費は
剰
(
あま
)
るほど
充分
(
じゅうぶん
)
残して行きました。
鯉魚
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
ビジテリアン諸氏はこれらのことは
充分
(
じゅうぶん
)
ご承知であろうが
尚
(
なお
)
これを以て多くの病弱者や
老衰者
(
ろうすいしゃ
)
並
(
ならび
)
に
嬰児
(
えいじ
)
にまで及ぼそうとするのはどう云うものであろうか。
ビジテリアン大祭
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
婆
(
ばあ
)
さんに聞いてみると、すこぶる水気の多い、
旨
(
うま
)
い蜜柑だそうだ。今に
熟
(
うれ
)
たら、たんと
召
(
め
)
し上がれと云ったから、毎日少しずつ食ってやろう。もう三週間もしたら、
充分
(
じゅうぶん
)
食えるだろう。
坊っちゃん
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
それから次は
油揚
(
あぶらあげ
)
です。油揚は昔は大へん供給が
充分
(
じゅうぶん
)
だったのですけれども、今はどうもそんなじゃありません。それで、実はこれは
廃
(
すた
)
れた食物であります。
茨海小学校
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
近き将来、各国から委員が集って
充分
(
じゅうぶん
)
商議の上厳重に処罰されるのはわかり切ったことである。又この事実は、ビジテリアンたちの主張が、
畢竟
(
ひっきょう
)
自家撞着
(
じかどうちゃく
)
に終ることを示す。
ビジテリアン大祭
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
そのときあちこちの氷山に、大循環
到着者
(
とうちゃくしゃ
)
はこの
附近
(
ふきん
)
に
於
(
おい
)
て数日間休養すべし、帰路は各人の任意なるも
障碍
(
しょうがい
)
は来路に倍するを
以
(
もっ
)
て
充分
(
じゅうぶん
)
の
覚悟
(
かくご
)
を要す。海洋は
摩擦
(
まさつ
)
少きも
却
(
かえ
)
って速度は大ならず。
風野又三郎
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
尤
(
もっと
)
もこれは豚の方では、それが生れつきなのだし、
充分
(
じゅうぶん
)
によくなれていたから、けしていやだとも思わなかった。
却
(
かえ
)
ってある夕方などは、
殊
(
こと
)
に豚は自分の幸福を、感じて、天上に向いて感謝していた。
フランドン農学校の豚
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
充
常用漢字
中学
部首:⼉
6画
分
常用漢字
小2
部首:⼑
4画
“充分”で始まる語句
充分に