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駱駝
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らくだ
ふりがな文庫
“
駱駝
(
らくだ
)” の例文
駱駝
(
らくだ
)
岩。眼鏡岩、ライオン岩、亀岩などの名はあらずもがなである。色を観、形を観、しかして奇に驚き、神
悸
(
をのの
)
き、気眩すべしである。
日本ライン
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
エリサベツの子ヨハネは荒野に住み、身に
駱駝
(
らくだ
)
の
粗
(
あら
)
き毛衣を着、
蝗
(
いなご
)
と野蜜を食としたというから、彼はエッセネ派に近い人と思われる。
キリスト教入門
(新字新仮名)
/
矢内原忠雄
(著)
駱駝
(
らくだ
)
のやうな感じの喜三郎老人は、思ひの外
敏捷
(
びんせふ
)
に立ち上がると、平次と八五郎が留める間もなく、身を
飜
(
ひるがへ
)
してざんぶと川の中へ——。
銭形平次捕物控:143 仏喜三郎
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
その場合は、
札木合
(
ジャムカ
)
一家をはじめ、
札荅蘭
(
ジャダラン
)
族の一人にも刃を加えませぬ。この儀は、大王
成吉思汗
(
ジンギスカン
)
、真白き
駱駝
(
らくだ
)
にかけて誓います。
若き日の成吉思汗:――市川猿之助氏のために――
(新字新仮名)
/
林不忘
、
牧逸馬
(著)
今一つは
駱駝
(
らくだ
)
に乗りたる武者
二人
(
ふたり
)
、馬に乗れる
二人
(
ふたり
)
、一つおきに並びて鎗、刀などを振れる形のものに
候
(
さふらふ
)
。馬は黒く、
駱駝
(
らくだ
)
は栗色に
候
(
さふらふ
)
。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
▼ もっと見る
早い話が地平線下に居る獅子を発見して
駱駝
(
らくだ
)
が
慄
(
ふる
)
え出したり、山の向うに鷹が来ているのを七面鳥が感付いて騒ぎ立てたりする。
暗黒公使
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
あまりしばしば私はあたまを疲らせるごとに、よく天幕のそと側へ出、そして
駱駝
(
らくだ
)
のつながれている小屋がけのそばへ行った。
ヒッポドロム
(新字新仮名)
/
室生犀星
(著)
大木の根元の幹は六抱えもある巨木で、肌は粗い
亀裂破
(
ひびわ
)
れがしていながら、ところ/″\
駱駝
(
らくだ
)
の膝のような
瘤
(
こぶ
)
をつけています。
生々流転
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
岸べに天幕があって
駱駝
(
らくだ
)
が二三匹いたり、アフリカ式の村落に野羊がはねていたりした。みぎわには
蘆
(
あし
)
のようなものがはえている所もあった。
旅日記から
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
金に光る
回々
(
フイフイ
)
教寺院の月章。砂ぶかい大通り。
駱駝
(
らくだ
)
のむれ。三角の毛皮帽をかぶったキルギス族遊牧の民。カザクスタン共和国の、クリイム。
踊る地平線:01 踊る地平線
(新字新仮名)
/
谷譲次
(著)
たとえば
艱難
(
かんなん
)
なんじを玉にすとか、富める人の天国に行くは
駱駝
(
らくだ
)
の針の穴を通るより
難
(
かた
)
しとかいうことなどあるがために
貧乏物語
(新字新仮名)
/
河上肇
(著)
中川氏はそれを聞いて
駱駝
(
らくだ
)
のやうに首を突き出した。
凡
(
およ
)
そ世間にある事なら、何に限らず聴いて置いて損はないといふのがこの人の心得なのだ。
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
この間主人が動物園から帰って来てしきりに感心して話した事がある。聞いて見ると
駱駝
(
らくだ
)
と小犬の喧嘩を見たのだそうだ。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
二人が振り返って見ると、赤煉瓦色の、まるで
駱駝
(
らくだ
)
のような奇妙な
瘤
(
こぶ
)
を背中にくっつけた
跛
(
びっこ
)
の牛だから、タヌは驚いて
ノンシャラン道中記:06 乱視の奈翁 ――アルル牛角力の巻――
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
もちろん、貴様が「しみったれの
駱駝
(
らくだ
)
野郎」と言う声は、おれの耳にはいる。
口惜
(
くや
)
しがってくたばれ。勝った嬉しさで、こっちもくたばりそうだ。
ぶどう畑のぶどう作り
(新字新仮名)
/
ジュール・ルナール
(著)
(マコはクリスト伝第七章二五以下にこの事実を記してゐる。)バプテズマのヨハネは彼の前には
駱駝
(
らくだ
)
の
毛衣
(
けごろも
)
や
蝗
(
いなご
)
や野蜜に野人の面目を
露
(
あらは
)
してゐる。
続西方の人
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
「———こいさん去年の冬ロン・シンで
拵
(
こしら
)
えた
駱駝
(
らくだ
)
のオーバーコートな、あれは啓坊が拵えてくれはったんと違うか」
細雪:03 下巻
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
縁先
(
えんさき
)
の左横手に寄って
柘榴
(
ざくろ
)
が
臥
(
ふし
)
ている。この柘榴は槙にも劣らぬ老木である。
駱駝
(
らくだ
)
の背の
瘤
(
こぶ
)
のような枝葉の集団が幾つかもくもくと盛りあがっている。
夢は呼び交す:――黙子覚書――
(新字新仮名)
/
蒲原有明
(著)
但
(
ただ
)
し
反蒭者
(
にれはむもの
)
と蹄の分れたる者の
中
(
うち
)
汝らの
食
(
くら
)
うべからざる者は是なり即ち
駱駝
(
らくだ
)
、
兎
(
うさぎ
)
および
山鼠
(
やまねずみ
)
、是らは
反蒭
(
にれはめ
)
ども蹄わかれざれば汝らには
汚
(
けが
)
れたる者なり。
正義と微笑
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
その冬お見舞として
駱駝
(
らくだ
)
の毛糸で
襟巻
(
えりまき
)
を編んで差上げたら、大変お喜びで、この冬は風も引くまいとの礼状でした。
鴎外の思い出
(新字新仮名)
/
小金井喜美子
(著)
日本画を
以
(
もっ
)
て写実の道を歩こうとする事は根本から間違っている。日本画を以て写実を行うよりは
駱駝
(
らくだ
)
の針の穴を通る方がやさしいといいたい位である。
想像と装飾の美:それを持つ特殊の個性によって生かさるべし
(新字新仮名)
/
岸田劉生
(著)
上野動物園に飼うてあるアメリカ
駱駝
(
らくだ
)
という獣などは、頸がきわめて細長いゆえ、この
嚢
(
ふくろ
)
の中に貯えられてある財産がときどき一塊ずつ食道を逆行して
動物の私有財産
(新字新仮名)
/
丘浅次郎
(著)
博士は
暫時
(
しばらく
)
立っていた。
駱駝
(
らくだ
)
を薦める
埃及
(
エジプト
)
人の、うるさい呼声を聞き流して、暫時そこに立っていた。そして全く日が暮れた時、彼は旅館へ引き返えした。
木乃伊の耳飾
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
それは、ジェソップ氏に対しても決して
大人
(
サヒーブ
)
とは云わないこと、印度人が、自らを卑くして
駱駝
(
らくだ
)
のように膝を折る、あれがチャンドの雰囲気にはないのだ。
一週一夜物語
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
「その
所有物
(
もちもの
)
は羊七千、
駱駝
(
らくだ
)
三千、牛五百
耦
(
くびき
)
、
牝驢馬
(
めろば
)
五百、
僕
(
しもべ
)
も
夥
(
おびただ
)
しくあり」というほどの富の程度であった。
ヨブ記講演
(新字新仮名)
/
内村鑑三
(著)
こんな恐ろしい武器に対する羅馬軍の攻撃方法、楯隊の防禦戦、皇帝が
駱駝
(
らくだ
)
に跨がって逃げる様子等、真に当時の残忍なる戦争が活々と描き出されている。
大衆文芸作法
(新字新仮名)
/
直木三十五
(著)
やがて子供は瞳を閉ぢて笛を吹いて行く人、背中を
駱駝
(
らくだ
)
のやうに曲げて歩く人、二脚の杖にすがつて、一脚の足を運ぶお葉の姿に驚きを感じたことであらう。
三十三の死
(旧字旧仮名)
/
素木しづ
(著)
しかしてこの途上に入らんとするはなお
駱駝
(
らくだ
)
が針孔に入らんとするよりも難し。あに憐れむべきにあらずや。
将来の日本:04 将来の日本
(新字新仮名)
/
徳富蘇峰
(著)
丹頂
(
たんちょう
)
の
鶴
(
つる
)
、たえず鼻を巻く大きな象、遠い国から来たカンガルウ、
駱駝
(
らくだ
)
だの
驢馬
(
ろば
)
だの鹿だの羊だのがべつだん珍らしくもなく歩いて行くかれの眼にうつった。
田舎教師
(新字新仮名)
/
田山花袋
(著)
それが五十円のもの、八十円のものとなって、ついに本当の
駱駝
(
らくだ
)
のシャツが一番よいということになる。全く体験すると一番よく分る。茶碗もその通りであります。
古陶磁の価値:――東京上野松坂屋楼上にて――
(新字新仮名)
/
北大路魯山人
(著)
それが
今日
(
こんにち
)
のように高い空から、または海の底から、自由に送りとどけられるようになるまでに、人が人にたのまれ、もしくは
牛馬
(
ぎゅうば
)
駱駝
(
らくだ
)
や
船車
(
せんしゃ
)
などを使いこなして
母の手毬歌
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
この道を辿るべく、三十頭の
駱駝
(
らくだ
)
にあらゆる探険用具と大氷袋とをつみ、すっかり準備をととのえたスタインの一行は、厳冬を目ざして、ミラーンの古市を出発した。
『西遊記』の夢
(新字新仮名)
/
中谷宇吉郎
(著)
さうすると、かの音吐朗々たる不釣合な聲も、或日或時或機會、
螽
(
いなご
)
を喰ひ野蜜を甞め、
駱駝
(
らくだ
)
の毛衣を着て野に呼ぶ豫言者の口から學び得たのかと推諒する事も出來る。
雲は天才である
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
またしばしば仲密夫人に勧告して、蜂を飼え、
鶏
(
とり
)
を飼え、牛を飼え、
駱駝
(
らくだ
)
を飼えとさえいうのだ。
鴨の喜劇
(新字新仮名)
/
魯迅
(著)
左側の丘が
駱駝
(
らくだ
)
の背のように出っ張って来ているのが見えた。エルマはその丘のはなの方を見た。
警察署長
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
低いながらも遮っている、今通過した大籠山は、
駱駝
(
らくだ
)
形をして、三角測量標が、霧の波に冠されながらも、その底から頂へと突き抜いて、難破船の
檣
(
ほばしら
)
のように出ている
白峰山脈縦断記
(新字新仮名)
/
小島烏水
(著)
でヨーロッパ人は大抵顔色、眼付、髪の色までが違って居るのみならず、大仕掛に沢山な同勢、
駱駝
(
らくだ
)
なども沢山に引っ張って来るものですからすぐ追い還されてしまう。
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
と、皮膚の工場は急激に屈伸すると、突然、アーチのトンネルに変化した。油を塗った丸坊主の支那人が、舌を出しながら、そのトンネルの中を
駱駝
(
らくだ
)
のように這い始めた。
上海
(新字新仮名)
/
横光利一
(著)
赤帽が縦側の左の腰掛の真ん中へ革包を置いて、荒い格子縞の
駱駝
(
らくだ
)
の
膝掛
(
ひざかけ
)
を
傍
(
そば
)
に
鋪
(
し
)
いた。洋服の男は外へ出た。大村が横側の
後
(
うしろ
)
に腰掛けたので、純一も並んで腰を掛けた。
青年
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
お神はお
愛想
(
あいそ
)
を言ったが、倉持は何となく浮かぬ顔で、もぞもぞしていたが、よく見ると彼は
駱駝
(
らくだ
)
のマントの下に、黒紋附の羽織を着て、白い大きな
帯紐
(
おびひも
)
を垂らしていた。
縮図
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
「おいおい。人の頭の上で泥下駄を
垂下
(
ぶらさ
)
げてる奴があるかい。あっちの壁ぎわが
空
(
あ
)
いてら。そら、
駱駝
(
らくだ
)
の背中みたいなあの向う、あそこへ行きねえ。」と
険突
(
けんつく
)
を食わされた。
世間師
(新字新仮名)
/
小栗風葉
(著)
帰り
途
(
みち
)
に、僕は遠い
駱駝
(
らくだ
)
の匂でもしさうな埃のなかを歩きながら、曾老人のやうに隣人を持たない生活はいくら美しくてもやがて
亡
(
ほろ
)
びるだらうと、静かな心に反復して見た。
南京六月祭
(新字旧仮名)
/
犬養健
(著)
蛇もまた人祖堕落の時まで
駱駝
(
らくだ
)
ごとき四脚を具え、人を
除
(
の
)
けてはエデン境内最も美しい物じゃったが、禁果を
偸
(
ぬす
)
み食った神罰たちまち至って、楽土諸樹木の四の枝が
低
(
た
)
れ下り
十二支考:04 蛇に関する民俗と伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
二人は
駱駝
(
らくだ
)
のうしろに馬、馬のあとには犬、それから羊、
驢馬
(
ろば
)
、牛、獅子、象、熊、
羚羊
(
かもしか
)
その他いろんなものをみんな長い行列に仕あげて、それを箱船までとどかしてしまふと
科学の不思議
(新字旧仮名)
/
ジャン・アンリ・ファーブル
(著)
明星の
夕
(
ゆふべ
)
はやがて月の夜となりぬ。ホテルの下に泉あり。清冽の水滾々と湧き、小川をなして流る。甕の婦人来り、牧夫来り、
牛
(
ぎう
)
、
羊
(
やう
)
、
驢
(
ろ
)
、
馬
(
ば
)
、
駱駝
(
らくだ
)
、首さしのべて月下に飲む。
馬上三日の記:エルサレムよりナザレへ
(新字旧仮名)
/
徳冨蘆花
(著)
駱駝
(
らくだ
)
の背中のように凹凸のひどい寝台で、その上に布団を敷いて患者たちは眠るのだった。尾田が与えられた寝台の端に腰をかけると、佐柄木も黙って尾田の横に腰を下ろした。
いのちの初夜
(新字新仮名)
/
北条民雄
(著)
ソして富める者の天国に入るは
駱駝
(
らくだ
)
の針の穴を出づるよりも難しと説き給ふならば、彼を十字架に懸けるるのは果して誰でせう、王も貴族も富豪も
皆
(
みん
)
な
盃
(
さかづき
)
を挙げて笑つて居ませう
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
詩人が権力感情に高翔するのは、
駱駝
(
らくだ
)
が
獅子
(
しし
)
になろうとし、超人が没落によって始まるところの、人間悲劇の
希臘
(
ギリシャ
)
的序曲である。あらゆる文明の源泉はこの
叙事詩
(
エピック
)
から始まってくる。
詩の原理
(新字新仮名)
/
萩原朔太郎
(著)
そこには綿が生え、
駱駝
(
らくだ
)
しか歩けないような地域までひろがっている。ペルシャやアフガニスタンはすぐ隣りだ。蒙古と国境がくっついている。その中に、二十五の人種が棲んでいる。
五ヵ年計画とソヴェト同盟の文化的飛躍
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
軍中の荷駄には
駱駝
(
らくだ
)
を用い、またその上に長槍をひっさげてゆく駱駝隊もあった。
三国志:11 五丈原の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
“駱駝(ラクダ)”の解説
ラクダ(駱駝)は、哺乳類・ウシ目(鯨偶蹄目)・ラクダ科・ラクダ属 Camelus の動物の総称。西アジア原産で背中に1つのコブ(瘤)を持つヒトコブラクダ (Camelus dromedarius) と、中央アジア原産で2つのコブをもつ2種のフタコブラクダ(Camelus bactrianus と Camelus ferus)の3種が現存する。砂漠などの乾燥地帯に最も適応した家畜であり、古くから乾燥地帯への人類の拡大に大きな役割を果たしている。
(出典:Wikipedia)
駱
漢検1級
部首:⾺
16画
駝
漢検1級
部首:⾺
15画
“駱駝”で始まる語句
駱駝炭
駱駝考
駱駝追
駱駝隊