雜誌ざつし)” の例文
新字:雑誌
その頃雜誌ざつし青鞜せいたう」はうまれ、あたらしい女といふことが大分だいぶやかましくなつてまゐりました。けれど私達は初めからそれを白眼はくがんでみました。
冬を迎へようとして (旧字旧仮名) / 水野仙子(著)
下部かぶ貝塚かひづかが、普通ふつうので、其上そのうへ彌生式やよひしき貝塚かひづかかさなつてるとか、たしかそんなことであつた。いま雜誌ざつし手元てもといのでくはしくはしるされぬ。
それから、くる/\といてポケツトにさし込んで來たしう雜誌ざつしをひろげて、この春に來る外國えい畫のスチルをながめはじめた。
坂道 (旧字旧仮名) / 新美南吉(著)
が、いつだつたか、或る雜誌ざつしにのつてゐたゴシツプによると、文藝ぶんげい余技よぎの内玉突たまつきと寫しんとではわたし筆頭ひつとうださうだ。
左樣さやうさ、不幸ふかうまちです。』と、イワン、デミトリチは溜息ためいきしてわらふ。『しかし一ぱんには奈何どうです、新聞しんぶんや、雜誌ざつし奈何云どういこといてありますか?』
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
宗助そうすけおほきな姿見すがたみうつ白壁しらかべいろなゝめにて、ばんるのをつてゐたが、あまり退屈たいくつになつたので、洋卓テーブルうへかさねてあつた雜誌ざつしけた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
時々とき/″\婦人ふじん雜誌ざつしの、お料理方れうりかたのぞくと、しかるべき研究けんきうもして、そのみちでは、一端いつぱしまんらしいのの投書とうしよがある。
湯どうふ (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
前達まへたちきなお伽話とぎばなしほん雜誌ざつしなかるやうな、とりけものまで幼少ちひさ時分じぶんとうさんにはお友達ともだちでした。
ふるさと (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
成效せいかう」と宗助そうすけ非常ひじやうえんとほいものであつた。宗助そうすけういふ雜誌ざつしがあるとことさへ、今日迄こんにちまでらなかつた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
んでたくも、なんにもさういふお伽噺とぎばなしほん雜誌ざつしいんでせう、おまけに、とうさんのうまれたところはやまなか田舍ゐなかでせう、そのかはり、幼少ちひさ時分じぶんとうさんには
ふるさと (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
それは人人ひと/″\の胸にどんな氣持を呼び起すことであらうか? また世のかげにひそんで人知れず自己の作品を書き努める無名の作家、雜誌ざつしへの投書を樂しむつつましき文藝愛好者
処女作の思い出 (旧字旧仮名) / 南部修太郎(著)
さうしてちながら、外國ぐわいこくや、露西亞ロシヤ新聞しんぶん雜誌ざつしいてあるめづらしいこと現今げんこん恁云かうい思想しさう潮流てうりうみとめられるとかとはなしすゝめたが、イワン、デミトリチはすこぶ注意ちゆういしていてゐた。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
宗助そうすけ好奇心かうきしんから此句このくまへいてゐる論文ろんぶんんでた。しかそれまる無關係むくわんけいやうおもはれた。たゞこの雜誌ざつしいたあとでも、しきりにかれあたまなか徘徊はいくわいした。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
とうさんの幼少ちひさ時分じぶんには、いまのやうに少年せうねん雜誌ざつしといふものもりませんでした。お前達まへたちのやうに面白おもしろいお伽噺とぎばなしほんや、可愛かあいらしいのついた雜誌ざつしなぞをむことも出來できませんでした。
ふるさと (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
かれもつとこのところ書物しよもつは、歴史れきし哲學てつがくで、醫學上いがくじやう書物しよもつは、たゞ醫者ヴラーチ』とふ一雜誌ざつしつてゐるのにぎぬ。讀書どくしよ爲初しはじめるといつ數時間すうじかん續樣つゞけさまむのであるが、すこしもれで疲勞つかれぬ。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)