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蝙蝠
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かはほり
ふりがな文庫
“
蝙蝠
(
かはほり
)” の例文
蝙蝠
(
かはほり
)
をなおそれそ。かなたこなたへ飛びめぐれど、入るものにはあらず。神の子と共に
熟寐
(
うまい
)
せよ。斯く云ひ
畢
(
をは
)
りて、をぢは戸を
鎖
(
と
)
ぢて去りぬ。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
頭上の
剃痕
(
ていこん
)
は断続してゐて、残す所の毛が文様をなし、三条の
線
(
すぢ
)
と
蝙蝠
(
かはほり
)
の形とが明に認められたからである。
伊沢蘭軒
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
要
(
えう
)
なき
胸
(
むね
)
は
痛
(
いた
)
めけん、
愚
(
おろ
)
かしさよと
一人
(
ひとり
)
笑
(
ゑ
)
みして、
竹椽
(
ちくえん
)
のはしに
足
(
あし
)
を
休
(
やす
)
めぬ、
晩風
(
ばんぷう
)
凉
(
すゞ
)
しく
袂
(
たもと
)
に
通
(
かよ
)
ひて、
空
(
そら
)
に
飛
(
とび
)
かふ
蝙蝠
(
かはほり
)
のかげ二つ三つ、
夫
(
それ
)
すら
漸
(
やうや
)
く
見
(
み
)
えず
成
(
なり
)
ゆく
たま襻
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
平岡の
家
(
いへ
)
の近所へ
来
(
く
)
ると、
暗
(
くら
)
い
人影
(
ひとかげ
)
が
蝙蝠
(
かはほり
)
の如く
静
(
しづ
)
かに
其所
(
そこ
)
、
此所
(
こゝ
)
に
動
(
うご
)
いた。粗末な
板塀
(
いたべい
)
の
隙間
(
すきま
)
から、
洋燈
(
ランプ
)
の
灯
(
ひ
)
が往来へ
映
(
うつ
)
つた。
三千代
(
みちよ
)
は
其光
(
そのひかり
)
の
下
(
した
)
で新聞を
読
(
よ
)
んでゐた。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
流
(
ながれ
)
には
斧
(
をの
)
の
響
(
ひゞき
)
、
木
(
き
)
の
葉
(
は
)
には
鑿
(
のみ
)
の
音
(
おと
)
、
白
(
しろ
)
い
蝙蝠
(
かはほり
)
、
赤
(
あか
)
い
雀
(
すゞめ
)
が、
麓
(
ふもと
)
の
里
(
さと
)
を
彩
(
いろど
)
つて、
辻堂
(
つじだう
)
の
中
(
うち
)
などは
霞
(
かすみ
)
が
掛
(
かゝ
)
つて、
花
(
はな
)
の
彫物
(
ほりもの
)
をして
居
(
ゐ
)
やうとまで、
信
(
しん
)
じて
居
(
ゐ
)
たのが、
恋
(
こひ
)
しい
婦
(
をんな
)
と
一所
(
いつしよ
)
に
来
(
き
)
たゝめ
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
▼ もっと見る
鋼叉
(
さすまた
)
に髪をからまれて、蜘蛛よりも手足を縮めてゐる女は、
神巫
(
かんなぎ
)
の
類
(
たぐひ
)
でゞもございませうか。
手矛
(
てほこ
)
に胸を刺し通されて、
蝙蝠
(
かはほり
)
のやうに逆になつた男は、
生受領
(
なまずりやう
)
か何かに相違ございますまい。
地獄変
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
この
一室
(
ひとま
)
、あだなる「
悔
(
くい
)
」の
蝙蝠
(
かはほり
)
有明集
(旧字旧仮名)
/
蒲原有明
(著)
蝙蝠
(
かはほり
)
はうつぼ
樹
(
ぎ
)
に
白羊宮
(旧字旧仮名)
/
薄田泣菫
、
薄田淳介
(著)
夜の
使
(
つかひ
)
の
蝙蝠
(
かはほり
)
の
若菜集
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
その口に墮ちたるは、ブルツス、カツシウス、ユダス・イスカリオツトなり。中にもユダス・イスカリオツトは、魔王が
蝙蝠
(
かはほり
)
の如き翼を振ふ隙に、早く半身を喉の裡に沒したり。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
婦人
(
をんな
)
はものに
拗
(
す
)
ねたやう、
今
(
いま
)
の
悪戯
(
いたづら
)
、いや、
毎々
(
まい/\
)
、
蟇
(
ひき
)
と
蝙蝠
(
かはほり
)
とお
猿
(
さる
)
で三
度
(
ど
)
ぢや。
高野聖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
其時代助の脳の活動は、
夕闇
(
ゆふやみ
)
を驚ろかす
蝙蝠
(
かはほり
)
の様な幻像をちらり/\と
産
(
う
)
み
出
(
だ
)
すに
過
(
す
)
ぎなかつた。其
羽搏
(
はばたき
)
の
光
(
ひかり
)
を
追
(
お
)
ひ
掛
(
か
)
けて
寐
(
ね
)
てゐるうちに、
頭
(
あたま
)
が
床
(
ゆか
)
から
浮
(
う
)
き
上
(
あ
)
がつて、ふわ/\する様に思はれて
来
(
き
)
た。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
牛
(
うし
)
か
馬
(
うま
)
か、
蟇
(
ひきがへる
)
か、
猿
(
さる
)
か、
蝙蝠
(
かはほり
)
か、
何
(
なに
)
にせい
飛
(
と
)
んだか
跳
(
は
)
ねたかせねばならぬ。
高野聖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
……
其
(
そ
)
の
気
(
き
)
で
城趾
(
しろあと
)
に
根
(
ね
)
を
生
(
はや
)
いて、
天守
(
てんしゆ
)
と
根較
(
こんくら
)
べを
遣
(
や
)
らうなら、
御身
(
おみ
)
は
蘆
(
あし
)
の
中
(
なか
)
の
鉋屑
(
かんなくづ
)
、
蛙
(
かへる
)
の
干物
(
ひもの
)
と
成果
(
なりは
)
てやうぞ……
此
(
この
)
老爺
(
ぢい
)
はなか/\
術
(
て
)
がある!
蝙蝠
(
かはほり
)
を
刻
(
きざ
)
んで
飛
(
と
)
ばせ、
魚
(
うを
)
を
彫
(
ほ
)
つて
泳
(
およ
)
がせる
代
(
かはり
)
には
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
四
(
よ
)
つ
手場
(
でば
)
を
留
(
や
)
めにして、
小家
(
こや
)
で
草鞋
(
わらぢ
)
でも
造
(
つく
)
れば
可
(
いゝ
)
が、
因果
(
いんぐわ
)
と
然
(
さ
)
うは
断念
(
あきら
)
められず、
日
(
ひ
)
が
暮
(
く
)
れると、そゝ
髪立
(
がみた
)
つまで、
早
(
は
)
や
魂
(
たましひ
)
は
引窓
(
ひきまど
)
から
出
(
で
)
て、
城
(
じやう
)
ヶ
沼
(
ぬま
)
を
差
(
さ
)
してふわ/\と
白
(
しろ
)
い
蝙蝠
(
かはほり
)
のやうに
徉徜
(
さまよ
)
ひ
行
(
ゆ
)
く。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
“蝙蝠”の意味
《名詞》
蝙蝠(へんぷく)
こうもり。
(出典:Wiktionary)
“蝙蝠(コウモリ)”の解説
コウモリ(蝙蝠)は、哺乳類翼手目(よくしゅもく、Chiroptera、コウモリ目)に属する構成種の総称である。世界各地に約1000種が棲息する。
別名に天鼠(てんそ)、飛鼠(ひそ)がある。
(出典:Wikipedia)
蝙
漢検1級
部首:⾍
15画
蝠
漢検1級
部首:⾍
15画
“蝙蝠”で始まる語句
蝙蝠傘
蝙蝠傘屋
蝙蝠安
蝙蝠羽織
蝙蝠冠兵衞
蝙蝠信者
蝙蝠冠兵衛
蝙蝠印
蝙蝠式
蝙蝠男