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稻荷
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いなり
ふりがな文庫
“
稻荷
(
いなり
)” の例文
新字:
稲荷
庭の奧の林の中には、近所の百姓地で荒れ放題になつて居たと言ふ、
稻荷
(
いなり
)
樣の
祠
(
ほこら
)
を移して、元の儘乍ら小綺麗に祀つてあります。
銭形平次捕物控:034 謎の鍵穴
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
私
(
わたし
)
はお
稻荷
(
いなり
)
さまの
使
(
つか
)
ひですよ。この
社
(
やしろ
)
の
番人
(
ばんにん
)
ですよ。
私
(
わたし
)
もこれで
若
(
わか
)
い
時分
(
じぶん
)
には
隨分
(
ずゐぶん
)
いたずらな
狐
(
きつね
)
でして、
諸方
(
はう/″\
)
の
畠
(
はたけ
)
を
荒
(
あら
)
しました。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
玄竹
(
げんちく
)
の
藥箱
(
くすりばこ
)
は
可
(
か
)
なり
重
(
おも
)
いものであつた。これは
玉造
(
たまつくり
)
の
稻荷
(
いなり
)
の
祭禮
(
さいれい
)
に
御輿
(
みこし
)
擔
(
かつ
)
いだ
町
(
まち
)
の
若
(
わか
)
い
衆
(
しう
)
がひどい
怪我
(
けが
)
をした
時
(
とき
)
玄竹
(
げんちく
)
が
療治
(
れうぢ
)
をしてやつたお
禮
(
れい
)
に
貰
(
もら
)
つたものであつた。
死刑
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
聞
(
きゝ
)
て又七恐れながらと
進
(
すゝ
)
み
出
(
いで
)
其
(
そ
)
の
毒藥
(
どくやく
)
の儀相違之なく則ち
稻荷
(
いなり
)
新道
(
しんみち
)
横山玄柳
(
よこやまげんりう
)
と申す醫師に
藥
(
くすり
)
を
貰
(
もら
)
ひし
節
(
せつ
)
の證文等もあり候
御呼出
(
おんよびだし
)
の上御吟味
下
(
くだ
)
さるべしと申ける故
早速
(
さつそく
)
右
(
みぎ
)
玄柳を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
お
賽錢
(
さいせん
)
下
(
くだ
)
され
行
(
い
)
つて
來
(
き
)
ますと
家
(
いへ
)
を
驅
(
か
)
け
出
(
だ
)
して、
中田圃
(
なかたんぼ
)
の
稻荷
(
いなり
)
に
鰐口
(
わにぐち
)
ならして
手
(
て
)
を
合
(
あは
)
せ、
願
(
ねが
)
ひは
何
(
なに
)
ぞ
行
(
ゆ
)
きも
歸
(
かへ
)
りも
首
(
くび
)
うなだれて
畔道
(
あぜみち
)
づたひ
歸
(
かへ
)
り
來
(
く
)
る
美登利
(
みどり
)
が
姿
(
すがた
)
、それと
見
(
み
)
て
遠
(
とほ
)
くより
聲
(
こゑ
)
をかけ
たけくらべ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
▼ もっと見る
錢形の平次と子分のガラツ八は、その頃繁昌した、下谷の徳藏
稻荷
(
いなり
)
に參詣するつもりで、まだ朝のうちの
廣徳寺
(
くわうとくじ
)
前を、上野の方へ
辿
(
たど
)
つて居りました。
銭形平次捕物控:008 鈴を慕う女
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
私
(
わたし
)
の
眼
(
め
)
が
覺
(
さ
)
める
時分
(
じぶん
)
には、
誰
(
だれ
)
も
私
(
わたし
)
の
言
(
い
)
ふことを
本當
(
ほんたう
)
にして
呉
(
く
)
れる
者
(
もの
)
はありませんでした。
御覽
(
ごらん
)
の
通
(
とほ
)
り、
私
(
わたし
)
は
今
(
いま
)
、お
稻荷
(
いなり
)
さまの
社
(
やしろ
)
の
番人
(
ばんにん
)
をして
居
(
ゐ
)
ます。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
懸
(
かけ
)
用人無事に紀州表の
取調
(
とりしら
)
べ
行屆
(
ゆきとゞき
)
候樣
丹誠
(
たんせい
)
を
凝
(
こら
)
し晝は一間に
閉籠
(
とぢこも
)
りて
佛菩薩
(
ぶつぼさつ
)
を
祈念
(
きねん
)
し別しては紀州の
豐川
(
とよかは
)
稻荷
(
いなり
)
大明神
(
だいみやうじん
)
を
遙拜
(
えうはい
)
し晝夜の
信心
(
しんじん
)
少
(
すこ
)
しも
餘念
(
よねん
)
なかりしに
斯
(
かゝ
)
る處へ伊豆守殿より
使者
(
ししや
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
餘
(
あま
)
り
先刻
(
さきほど
)
みな
樣
(
さま
)
のお
強
(
し
)
い
遊
(
あそ
)
ばすが
五月蠅
(
うるさ
)
さに、
一人
(
ひとり
)
庭
(
には
)
へと
逃
(
に
)
げまして、お
稻荷
(
いなり
)
さまのお
社
(
やしろ
)
の
所
(
ところ
)
で
醉
(
ゑ
)
ひを
覺
(
さ
)
まして
居
(
を
)
りましたに、
私
(
わたし
)
は
變
(
へん
)
な
變
(
へん
)
な、をかしい
事
(
こと
)
を
思
(
おも
)
ひよりまして、
笑
(
わら
)
つて
下
(
くだ
)
さりますな
われから
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
裏木戸
(
うらきど
)
の
外
(
そと
)
へ
出
(
で
)
て
見
(
み
)
ますと、そこにはまたお
稻荷
(
いなり
)
さまの
赤
(
あか
)
い
小
(
ちひ
)
さな
社
(
やしろ
)
の
側
(
そば
)
に
大
(
おほ
)
きな
栗
(
くり
)
の
木
(
き
)
が
立
(
た
)
つて
居
(
ゐ
)
ました。
ふるさと
(旧字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
「これが平次殿、お屋敷奧庭の
祠
(
ほこら
)
、何樣とも判らぬまゝ、お
稻荷
(
いなり
)
樣と申してゐる社殿の中にあつたのぢや」
銭形平次捕物控:098 紅筆願文
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
お
稻荷
(
いなり
)
さまが
社前
(
しやぜん
)
なるお
賽錢箱
(
さいせんばこ
)
へ
假初
(
かりそめ
)
に
腰
(
こし
)
をかけぬ。
われから
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
「親分も御存じでせう。兩國
稻荷
(
いなり
)
の側に、この間から小屋を掛けてゐる玉川權之助一座といふのを」
銭形平次捕物控:210 飛ぶ女
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
鬼子
(
おにこ
)
とよべど
鳶
(
とび
)
が
産
(
う
)
んだるおたかとて
今年
(
ことし
)
二八
(
にはち
)
のつぼみの
花色
(
はないろ
)
ゆたかにして
匂
(
にほひ
)
濃
(
こま
)
やかに
天晴
(
あつぱ
)
れ
當代
(
たうだい
)
の
小町
(
こまち
)
衣通
(
そとほり
)
ひめと
世間
(
せけん
)
に
出
(
だ
)
さぬも
道理
(
だうり
)
か
荒
(
あら
)
き
風
(
かぜ
)
に
當
(
あた
)
りもせばあの
柳腰
(
やなぎごし
)
なにとせんと
仇口
(
あだぐち
)
にさへ
噂
(
うはさ
)
し
連
(
つ
)
れて
五十
(
ごとう
)
稻荷
(
いなり
)
の
縁日
(
えんにち
)
に
後姿
(
うしろすがた
)
のみも
拜
(
はい
)
し
得
(
え
)
たる
若
(
わか
)
ものは
榮譽
(
えいよ
)
幸福
(
かうふく
)
上
(
うへ
)
やあらん
卒業
(
そつげふ
)
試驗
(
しけん
)
の
優等證
(
いうとうしよう
)
は
何
(
なん
)
のものかは
別れ霜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
フーム、丁度
紅葉
(
もみぢ
)
でも見乍ら王子の
稻荷
(
いなり
)
樣へお詣りしようと思つたが、これを見ちや休んでも居られめえ。朝のうちに八丁堀へ行つて、笹野の旦那と打ち合せ、晝から夜へかけて心當りの場所を
銭形平次捕物控:157 娘の役目
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
其處には
稻荷
(
いなり
)
の
祠
(
ほこら
)
があつて、その祠の後ろ——
崖
(
がけ
)
へ横に掘つたお狐の穴とも思へるのが、入口を組み上げた材木と巨大な石が崩れ落ちて、若い男を一人、蟲のやうに押し
潰
(
つぶ
)
して居るではありませんか。
銭形平次捕物控:110 十万両の行方
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
稻
部首:⽲
15画
荷
常用漢字
小3
部首:⾋
10画
“稻荷”で始まる語句
稻荷側
稻荷鮨
稻荷河原