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祝詞
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のりと
ふりがな文庫
“
祝詞
(
のりと
)” の例文
同じ
祝詞
(
のりと
)
の中には、また次のような語も見えます。曰く、「国中に
荒振神等
(
あらぶるかみたち
)
を、
神
(
かみ
)
問
(
と
)
はしに問はしたまひ
神
(
かみ
)
掃
(
はら
)
ひに掃ひたまひて云々」
山の人生
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
さうして、この
二
(
ふた
)
つながら、
竝
(
なら
)
んで
行
(
おこな
)
はれてゐました。その
稱
(
とな
)
へ
言
(
ごと
)
が、
今日
(
こんにち
)
でも、
社々
(
やしろ/\
)
の
神主
(
かんぬし
)
さんたちの
稱
(
とな
)
へる、
祝詞
(
のりと
)
なのであります。
歌の話
(旧字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
平安朝の初の内は、発音としてはなくなってしまったでしょうが、仮名の上には相当区別が見えるのであります。それで
祝詞
(
のりと
)
のことです。
古代国語の音韻に就いて
(新字新仮名)
/
橋本進吉
(著)
康頼は参詣の度ごとに、形通り
祝詞
(
のりと
)
を捧げることにした。
御幣紙
(
ごへいがみ
)
など気のきいたものもないから、花を手折って代用にしていた。
現代語訳 平家物語:02 第二巻
(新字新仮名)
/
作者不詳
(著)
こうした蔭口を、時には
故意
(
わざ
)
と聞えよがしに云うのを耳にしながら、平然として告別式に列席し、納骨式に
拍手
(
かしわで
)
を
拍
(
う
)
って
祝詞
(
のりと
)
を
捧
(
あ
)
げる彼だ。
むかでの跫音
(新字新仮名)
/
大倉燁子
(著)
▼ もっと見る
祝詞
(
のりと
)
をあげるような、例の静かな声でつぶやいていたが、なんのせいか、急にサッと頬を染めた。様子が変なので、百々子が
我が家の楽園
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
彼は、いよいよ、しかつめらしく、何か、
祝詞
(
のりと
)
のような事を、いい始めた。おかしいような、おかしくもないような声が、くつくつ流れる。
平の将門
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
古く
祝詞
(
のりと
)
に「谷蟆」の二字を以てタニグクに当ててあるが為に、タニグクはすなわち蝦蟆の古語であろうとは古来一般の解するところである。
くぐつ名義考:古代社会組織の研究
(新字新仮名)
/
喜田貞吉
(著)
毎回、行事にはいるに先だって、結社の趣意を繰り返し、われわれの団結をかたくする、これはまあ、われわれの
祝詞
(
のりと
)
のようなものであります。
影男
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
老いたる下男は、黒住教か何かの神道信者で、毎晩、神棚の下で、
祝詞
(
のりと
)
を唱へてゐた。私はその側で口まねをしてゐた。
幼少の思ひ出
(新字旧仮名)
/
正宗白鳥
(著)
時刻が来ると治左衛門が
祝詞
(
のりと
)
をはじめたが、その声が切れてしまった。町の人達は不思議に思った。と、源吉が云った。
放生津物語
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
われぞ病む、愛憎度なきおん神のしもべとなのるわかうどの、
祝詞
(
のりと
)
か咒詛か、ほそごゑのふしをかしきを戸にききて、うしろ姿を見たるものゆゑ。
晶子詩篇全集拾遺
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
これが三度か五度も廻つて来る初めの「
祝詞
(
のりと
)
」だけで大概参りましたが、幾月か続けてゐるうちに何うやら慣れて
舞踏会余話
(新字旧仮名)
/
牧野信一
(著)
一種の自己陶酔の中で高々とうたい上げる
祝詞
(
のりと
)
のような皇軍の歌のかげに、生きて、食っているもののいいようのない脂のこさ、残酷さを感じる心は
祭日ならざる日々:日本女性の覚悟
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
教文は神仏混合で、いろいろのお経や
祝詞
(
のりと
)
やお祓いを読む、高天ヶ原の祝詞からはじまって不動様のお経までやる。
木曾御岳の話
(新字新仮名)
/
木暮理太郎
(著)
これでも田丸主水正、その白髪頭に、もう四、五本白いのをふやして、ひと晩かかって、やっと考えぬいた、これが、いわばまア、即席の
祝詞
(
のりと
)
なんです。
丹下左膳:03 日光の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
おたいさんといふのは、神官ではないが、
祝詞
(
のりと
)
をあげることを職業としてゐるもののこの地方での稱呼である。
生活の探求
(旧字旧仮名)
/
島木健作
(著)
東の空が白み、「蛭子座」で、神主が
祝詞
(
のりと
)
を読みはじめたとき、あわただしく、女中のジュンが飛んで来た。
花と龍
(新字新仮名)
/
火野葦平
(著)
それが一種の神事となって今も
廃
(
すた
)
れず、大祭当日には赤飯を入れた白木の
唐櫃
(
からびつ
)
を舟にのせて湖心に漕ぎ出で、神官が
祝詞
(
のりと
)
を唱えてそれを水中に沈めるのを例とし
綺堂むかし語り
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
通り一遍の
祝詞
(
のりと
)
をあげたきり、なにしろ北風の寒い日で吹きさらしの墓場にはゐられないので、お義理に集った部落の者達もそこそこに引き揚げて了ったのだった。
夏蚕時
(新字旧仮名)
/
金田千鶴
(著)
月の
朔
(
ついたち
)
には、太鼓が鳴って人を寄せ、神官が来て
祝詞
(
のりと
)
を上げ、
氏子
(
うじこ
)
の神々達が拝殿に寄って、メチールアルコールの
沢山
(
たくさん
)
入
(
はい
)
った神酒を聞召し、酔って紅くなり給う。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
神主の
祝詞
(
のりと
)
が「聞こし召せと、かしこみ、かしこみ」と途切れ途切れに聞える時には、素朴な
板葺
(
いたぶき
)
のかけ茶屋の前を通って、はや小御岳神社へと
詣
(
もう
)
でるころであった。
不尽の高根
(新字新仮名)
/
小島烏水
(著)
神官が朗々と唱へ上げる
祝詞
(
のりと
)
の言葉なども耳に入らぬほど、ぢつと瑠璃子の姿に、魅せられてゐた。
真珠夫人
(新字旧仮名)
/
菊池寛
(著)
社殿の方で
祝詞
(
のりと
)
なぞをあげる時にも、泣いておいでなさることがある。村の若い衆なぞはまた、そんな宮司さまの顔を見ると、子供のようにふき出したくなるそうだ。
夜明け前:04 第二部下
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
そしてその紙帳というのは、
祝詞
(
のりと
)
文の
反古
(
ほご
)
を
綴
(
つな
)
いだものに渋を塗ったのですが、偶然にも高代という二字が、頭と足先に当る両方の上隅に、同じよう跨っているのです。
白蟻
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
朝々の定まれる業なるべし、神主
禰宜
(
ねぎ
)
ら十人ばかり皆
厳
(
おごそ
)
かに
装束
(
しょうぞく
)
引きつくろいて
祝詞
(
のりと
)
をささぐ。
知々夫紀行
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
されば狂女の
門
(
かど
)
に在る間は、
大御明尊
(
おおみあかしのみこと
)
の
御前
(
おんまへ
)
に
打頻
(
うちしき
)
り
祝詞
(
のりと
)
を唱ふるにあらざれば
凌
(
しの
)
ぐ
能
(
あた
)
はず。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
その祭礼は十一月で、一年に一度
神職
(
かんぬし
)
をよんで、
神棚
(
かみだな
)
に
七五三
(
しめ
)
繩を張り、
御
(
お
)
燈明をつけて、
祝詞
(
のりと
)
をあげて
貰
(
もら
)
ひます。そして親類の者や、近所の人達を呼んで
御馳走
(
ごちそう
)
を致します。
蛇いちご
(新字旧仮名)
/
宮原晃一郎
(著)
……腹巻を着けた老人によって、神殿の扉が開かれ、神燈がともされ、
祝詞
(
のりと
)
があげられた。
山彦乙女
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
憶良は、伝誦されて来た古歌謡、
祝詞
(
のりと
)
あたりまで
溯
(
さかのぼ
)
って勉強し、「谷ぐくのさわたるきはみ」等というけれども、作る憶良の歌というものは何処か漢文的口調のところがある。
万葉秀歌
(新字新仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
フトダマの命がこれをささげ持ち、アメノコヤネの命が
莊重
(
そうちよう
)
な
祝詞
(
のりと
)
を
唱
(
とな
)
え、アメノタヂカラヲの神が
岩戸
(
いわと
)
の
陰
(
かげ
)
に隱れて立つており、アメノウズメの命が天のカグ山の
日影蔓
(
ひかげかずら
)
を
手襁
(
たすき
)
に
懸
(
か
)
け
古事記:03 現代語訳 古事記
(旧字新仮名)
/
太安万侶
、
稗田阿礼
(著)
巫子が
祝詞
(
のりと
)
を奏し終り、御湯がわきあがるときに、吉兆ならば、釜の鳴る音が牛の
吼
(
ほ
)
えるように大きく鳴る。反対に、凶兆ならば、釜は鳴らないのである。これを吉備津の御釜祓という。
雨月物語:02 現代語訳 雨月物語
(新字新仮名)
/
上田秋成
(著)
その
状態
(
じょうたい
)
がどれ
位
(
ぐらい
)
つづいたかは
自分
(
じぶん
)
には
少
(
すこ
)
しも
判
(
わか
)
りませぬ。が、
不思議
(
ふしぎ
)
なことに、そうして
居
(
い
)
る
間
(
あいだ
)
、
現世
(
げんせ
)
の
人達
(
ひとたち
)
が
奏上
(
そうじょう
)
する
祝詞
(
のりと
)
が
手
(
て
)
に
取
(
と
)
るようにはっきりと
耳
(
みみ
)
に
響
(
ひび
)
いて
来
(
く
)
るのでございます。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
大声に
祝詞
(
のりと
)
を上ぐること約三十分、それが済まぬ内は一切の面会謝絶。
明治世相百話
(新字新仮名)
/
山本笑月
(著)
白い装束をつけた神主が玉串をささげて
祝詞
(
のりと
)
をささげたが、冒頭に
光り合ういのち
(新字新仮名)
/
倉田百三
(著)
と、その時どこからともなく、
祝詞
(
のりと
)
の声が聞こえて来た。
任侠二刀流
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
痺
(
しび
)
れをきらしていた神主が厳粛な顔をして
祝詞
(
のりと
)
をあげた。
石狩川
(新字新仮名)
/
本庄陸男
(著)
山霧の
襲
(
おそ
)
ひ来
神楽
(
かぐら
)
今
祝詞
(
のりと
)
六百五十句
(新字新仮名)
/
高浜虚子
(著)
トホカミエミタメとくりかえす
祝詞
(
のりと
)
調の主事の声が聞えていたが、そのうちに、白川のそばへすうっといざりよってきて
雲の小径
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
延喜式にも毛の
麤物
(
あらもの
)
、毛の
和物
(
にこもの
)
を供物とする事がその
祝詞
(
のりと
)
に見えている。毛の荒い獣類、毛の和かい獣類だ。古代には日本人も普通に獣肉を食した。
人身御供と人柱
(新字新仮名)
/
喜田貞吉
(著)
朝日の
豊
(
とよ
)
さか
昇
(
のぼ
)
りと夕日のくだち、日の出と日の入りとを本式としていたことは、神をお祭り申す
祝詞
(
のりと
)
というものの中に、そういう文句のあるのを見てもわかる。
母の手毬歌
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
花隈
(
はなくま
)
の
熊
(
くま
)
だの、
生田
(
いくた
)
の
万
(
まん
)
だのという
顔役
(
かおやく
)
から、子分までが、その身なりから顔つきまで、人ちがいする程、真面目になって、
祝詞
(
のりと
)
に耳をすましていたことだった。
梅里先生行状記
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
神官が朗々と唱え上げる
祝詞
(
のりと
)
の言葉なども耳に入らぬほど、じっと瑠璃子の姿に、魅せられていた。
真珠夫人
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
記・紀・
祝詞
(
のりと
)
などの記録せられる以前に、容易に原形に戻すことのできぬまでの変化があった。
水の女
(新字新仮名)
/
折口信夫
(著)
気味悪い眼球のように
閃
(
きらめ
)
いているが、背後の鴨居には、
祝詞
(
のりと
)
を書きつらねた覚え紙が、隙間なく貼り付けられていて、なかには莫大な、信徒の寄進高を記したものなどもあった。
白蟻
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
是等の神が山其物を崇めたもので、当初から
大己貴命
(
おおなむちのみこと
)
又は
倉稲魂命
(
うがのみたまのみこと
)
というように、祭神が
斎
(
いつ
)
かれていたものではなかったと思われることは、『延喜式』の
祝詞
(
のりと
)
が之を語っているようである。
山の今昔
(新字新仮名)
/
木暮理太郎
(著)
現世
(
げんせ
)
から
清
(
きよ
)
らかな
祝詞
(
のりと
)
の
声
(
こえ
)
がひびいて
来
(
く
)
るようになりました……。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
丹精を
抽
(
ぬきん
)
でて
祝詞
(
のりと
)
を
宣
(
の
)
りゐたり。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
隣室から聞こえる
祝詞
(
のりと
)
の声
任侠二刀流
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
康頼
祝詞
(
のりと
)
現代語訳 平家物語:02 第二巻
(新字新仮名)
/
作者不詳
(著)
“祝詞”の解説
祝詞(のりと)は、神道の祭祀において神に対して唱える言葉で、文体・措辞・書式などに固有の特徴を持つ。
(出典:Wikipedia)
祝
常用漢字
小4
部首:⽰
9画
詞
常用漢字
小6
部首:⾔
12画
“祝詞”で始まる語句
祝詞屋