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牝牛
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めうし
ふりがな文庫
“
牝牛
(
めうし
)” の例文
ロボはその
喉
(
のど
)
に食いついたなり、身を
沈
(
しず
)
め、うんとふんばると、
牝牛
(
めうし
)
は、角を地についてまっさかさまに大きくとんぼ返りに
倒
(
たお
)
れる。
動物物語 狼の王ロボ
(新字新仮名)
/
アーネスト・トンプソン・シートン
(著)
外はあかるい、よいお
天気
(
てんき
)
でした。まず
部屋
(
へや
)
の中で見つけたパンをたべて、それから、ガチョウと
牝牛
(
めうし
)
に朝のたべものをやりました。
ニールスのふしぎな旅
(新字新仮名)
/
セルマ・ラーゲルレーヴ
(著)
牝牛
(
めうし
)
と
小鳥
(
ことり
)
は、どうしてこんなにうつかりしてゐたのでせう。
早速
(
さつそく
)
子守歌
(
こもりうた
)
を
習
(
なら
)
はなければなりません。ところで
誰
(
だれ
)
に
習
(
なら
)
つたものでせう。
お母さん達
(旧字旧仮名)
/
新美南吉
(著)
彼はいわゆる怒った
牝牛
(
めうし
)
という名状すべからざるものを食ったのである(訳者注 怒ったる牝牛を食うとは困窮のどん底に達するの意)
レ・ミゼラブル:06 第三部 マリユス
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
厩橋側
(
うまやばしそば
)
に富士屋という肉屋があって、
其所
(
そこ
)
の牛肉が上等だというので、時々
牝牛
(
めうし
)
の好いのを一斤ずつ買って母へ持って行って
呈
(
あ
)
げました。
幕末維新懐古談:23 家内を貰った頃のはなし
(新字新仮名)
/
高村光雲
(著)
▼ もっと見る
店の奧から我慢のならぬ
註
(
ちう
)
を入れたのは、年上らしい女房のお秋でした。これは頑強で、眞つ黒で、
牝牛
(
めうし
)
のやうな感じの女です。
銭形平次捕物控:104 活き仏
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
あるお
百姓
(
ひゃくしょう
)
さんが、
牝牛
(
めうし
)
を
市場
(
いちば
)
へ
追
(
お
)
っていって、七ターレルで売ってきました。かえり道に、池のはたをとおらなければなりませんでした。
うまい商売
(新字新仮名)
/
ヤーコプ・ルートヴィッヒ・カール・グリム
、
ヴィルヘルム・カール・グリム
(著)
とりかえっこした
牝牛
(
めうし
)
は、よし手にもどることがあるにしても、あなたたちは、あいかわらず貧乏でくらさなければならない。
ジャックと豆の木
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
臨終
(
いまわ
)
の
際
(
きわ
)
に、兼てより
懇意
(
こころやすく
)
せし、裏の
牧場
(
まきば
)
に飼はれたる、
牡丹
(
ぼたん
)
といふ
牝牛
(
めうし
)
をば、わが枕
辺
(
べ
)
に
乞
(
こ
)
ひよせ。苦しき息を
喘
(
ほっ
)
ト
吻
(
つ
)
き
こがね丸
(新字旧仮名)
/
巌谷小波
(著)
図で見るように、ションの方は
漏斗
(
じょうご
)
がたの受け器があって、これは
牝牛
(
めうし
)
の場合に、適当な個所に於て、下から受けている。
発明小僧
(新字新仮名)
/
海野十三
、
佐野昌一
(著)
牝牛
(
めうし
)
の
巨
(
おお
)
きな体は、山の夜露に濡れていた。朝の草の色を見ると、牛は頻りに草を食った。けれど武蔵は、それも牛の意のままにまかせていた。
宮本武蔵:05 風の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
西部戦線では敵味方の間に色々面白い事柄が起きるが、或日の事英軍と独軍との塹壕の
間
(
なか
)
にある空地に、一匹の
牝牛
(
めうし
)
がひよつくり飛び出して来た。
茶話:04 大正七(一九一八)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
「みんな
牝牛
(
めうし
)
だからねえ。おとなしいこと請合いですよ。馬や駕籠に乗るよりも、どんなに楽だか知れやあしねえ。」
恨みの蠑螺
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
乾草
(
ほしぐさ
)
つくりに手をかしたり、垣根をなおしたり、馬に水をのませに連れていったり、
牝牛
(
めうし
)
を放牧場から駆りたてたり、冬の
煖炉
(
だんろ
)
に燃す
薪
(
まき
)
をきったりした。
スリーピー・ホローの伝説:故ディードリッヒ・ニッカボッカーの遺稿より
(新字新仮名)
/
ワシントン・アーヴィング
(著)
ことに
脾脱疽病
(
ひだっそびょう
)
という家畜の病気のおかげでフランスでも羊や
牝牛
(
めうし
)
が
斃
(
たお
)
れることが多かったので、その予防接種の方法をパストゥールが完成したことは
ルイ・パストゥール
(新字新仮名)
/
石原純
(著)
線路に臨んだ土手の上で夢みてる、
牝牛
(
めうし
)
の群れの重々しい姿、——すべてのものにアントアネットとオリヴィエとは注意をひかれ、すべてが目新しかった。
ジャン・クリストフ:08 第六巻 アントアネット
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
母親は本能的愛であたかも
牝牛
(
めうし
)
がその
犢
(
こうし
)
を
舐
(
な
)
めるがごとく、自己の所有物のごとく、ときとしては玩具のごとく愛する。自己の個性を透し型にはめて愛する。
愛と認識との出発
(新字新仮名)
/
倉田百三
(著)
私が揺り上げ揺り
傾
(
かたぶ
)
く
艀
(
はしけ
)
の中から初めて見た
敷香
(
しくか
)
の第一印象は、一頭のその黒い
牝牛
(
めうし
)
であった。すぐとっつきの砂浜の一角にぽっつりと彼女は突っ立っていた。
フレップ・トリップ
(新字新仮名)
/
北原白秋
(著)
わたしは或南
伊太利亜
(
イタリア
)
人を知つてゐる。昔の
希臘
(
ギリシヤ
)
人の血の通つた或南伊太利亜人である。彼の子供の時、彼の姉が彼にお前は
牝牛
(
めうし
)
のやうな眼をしてゐると言つた。
翻訳小品
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
その赤牛は強いものどうし集まっていた中から出てきたので、見るからにたくましい様子の
牝牛
(
めうし
)
でした。
力餅
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
向うの方で、
牝牛
(
めうし
)
どもがのんびりと寝そべっているなかから、牡牛がのっそり
起
(
た
)
ち上がったのである。
博物誌
(新字新仮名)
/
ジュール・ルナール
(著)
恐怖から解かれて、好奇ばかりになった子供たちは、あとを
慕
(
した
)
ってついて行って見ると、小屋の後ろの桃の木の下につないであった一頭の
牝牛
(
めうし
)
のところへ来て、右の異人が
大菩薩峠:28 Oceanの巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
その騒々しさは又
自
(
おのず
)
から
牽手
(
ひきて
)
の心を興奮させる。自分は二頭の
牝牛
(
めうし
)
を引いて門を出た。腹部まで水に
浸
(
ひた
)
されて引出された乳牛は、どうされると思うのか、右往左往と狂い廻る。
水害雑録
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
牝牛
(
めうし
)
にすら見受けられる自然のたわむれによって、彼らのうちかなり多くの者が好んで自分を先覚者、『破壊者』であると妄想して、『新しいことば』を発しようとしたがる。
罪と罰
(新字新仮名)
/
フィヨードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキー
(著)
これらの仲間の中には
繩
(
なわ
)
の一
端
(
はし
)
へ
牝牛
(
めうし
)
または
犢
(
こうし
)
をつけて
牽
(
ひ
)
いてゆくものもある。
糸くず
(新字新仮名)
/
ギ・ド・モーパッサン
(著)
そののちも学者はいっこう
運
(
うん
)
よくはなりません。悲しみと、なやみにせめつけられ、真善美についてなにをいったところで、おおくの人には、
牝牛
(
めうし
)
にばらの花をくれたようなものでした。
影
(新字新仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
風の少しもない日の癖で、霧が
忽
(
たちま
)
ち細い雨になって、今まで見えていた樅の木立がまた隠れる。谷川の音の太い鈍い調子を破って、どこかで清い鈴の音がする。
牝牛
(
めうし
)
の
頸
(
くび
)
に懸けてある鈴であろう。
木精
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
実に柔和なる
牝牛
(
めうし
)
の産をもって立つ小にして静かなる国であります。
デンマルク国の話:信仰と樹木とをもって国を救いし話
(新字新仮名)
/
内村鑑三
(著)
敢
(
あえ
)
て
獣
(
けもの
)
の
臭
(
におい
)
さえもしないで、縦の目で優しく
視
(
み
)
ると、両方へ黒いハート形の
面
(
おもて
)
を分けた。が
牝牛
(
めうし
)
の如きは、何だか極りでも悪かったように、さらさらと雨のあとの露を
散
(
ちら
)
して、山吹の中へ角を隠す。
七宝の柱
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
乾鮭
(
からさけ
)
の大きな奴を
太刀
(
たち
)
の如くに腰に
佩
(
お
)
び、裸同様のあさましい姿で、
痩
(
や
)
せた
牝牛
(
めうし
)
の上に
乗
(
のり
)
跨
(
また
)
がり、えらそうな顔をして先駆の列に立って、都大路の諸人環視の中を堂々と打たせたから、群衆は呆れ
連環記
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
未亡人自ら、
牝牛
(
めうし
)
のような身体を運んで、先に立つ。
グリュックスブルグ王室異聞
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
牛部屋でホルスタイン種の
牝牛
(
めうし
)
がモーッと
唸
(
うな
)
る!
牛肉と馬鈴薯
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
灰色のぶちの
牝牛
(
めうし
)
よ
湖水の女
(新字新仮名)
/
鈴木三重吉
(著)
... 買って料理に使いますが犢の肉もやっぱり一週間位
置
(
お
)
けますか」お登和嬢「イイエ犢の肉は牛肉よりも
食頃
(
たべごろ
)
が速いので
極
(
ご
)
く寒い時でも
屠
(
ほふ
)
ってから三、四日目位でございます」妻君「犢の肉はやっぱり
大牛
(
おおうし
)
のように
牝牛
(
めうし
)
の方がいいのでしょうか」お登和嬢「犢の時は
孰方
(
どちら
)
も同じ事ですが大概
牡
(
おす
)
ばかりで
牝
(
めす
)
は
滅多
(
めった
)
に
屠
(
ほふ
)
りません。 ...
食道楽:冬の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
店の奥から我慢のならぬ
注
(
ちゅう
)
を入れたのは、年上らしい女房のお秋でした。これは頑強で、真っ黒で、
牝牛
(
めうし
)
のような感じの女です。
銭形平次捕物控:104 活き仏
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
この首と
胴体
(
どうたい
)
とのあいだはせまい通路になっているので、その通路へ一番
精巧
(
せいこう
)
な二つのわなをうめ、そのわなの
端
(
はし
)
を
牝牛
(
めうし
)
の首に結びつけた。
動物物語 狼の王ロボ
(新字新仮名)
/
アーネスト・トンプソン・シートン
(著)
年とった
牝牛
(
めうし
)
は、
返事
(
へんじ
)
を待っているらしく、しばらくだまっていました。しかし、ニールスがなんにも言わないので、また話しだしました。
ニールスのふしぎな旅
(新字新仮名)
/
セルマ・ラーゲルレーヴ
(著)
お
母
(
かあ
)
さんになつた
小鳥
(
ことり
)
が
木
(
き
)
の
上
(
うへ
)
の
巣
(
す
)
の
中
(
なか
)
で
卵
(
たまご
)
をあたためてをりました。するとまた
今日
(
けふ
)
も
牝牛
(
めうし
)
がその
下
(
した
)
へやつて
來
(
き
)
ました。
お母さん達
(旧字旧仮名)
/
新美南吉
(著)
とうとう、うちの中で、どうにかおかねになるものといっては、たった一ぴきのこった
牝牛
(
めうし
)
だけになってしまいました。
ジャックと豆の木
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
そのほかなお庭には、もと施療院の料理場となっていた家畜小屋があったが、司教はそこに二頭の
牝牛
(
めうし
)
を飼っていた。
レ・ミゼラブル:04 第一部 ファンテーヌ
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
草履を持って、
厨
(
くりや
)
のそばを流れている
溝
(
みぞ
)
ぎわの石に腰かけ、二、三度足をざぶざぶやっていると、その肩へ、
斑
(
まだら
)
の
牝牛
(
めうし
)
がのっそりした顔をつき出した。
宮本武蔵:06 空の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「じょうだんごとじゃあねえ。おら、金をもらうだ。三日めえに、おめえさんとこのでっかい犬が、ぶち
殺
(
ころ
)
した
牝牛
(
めうし
)
を、まるごともってこなかったかね。」
うまい商売
(新字新仮名)
/
ヤーコプ・ルートヴィッヒ・カール・グリム
、
ヴィルヘルム・カール・グリム
(著)
眼がぼんやりしてきた。彼はしまいに插絵を見るのをやめて、
茫然
(
ぼうぜん
)
と考え込んでしまった。荷馬車の音が遠く街道の上に響いていた。野には
牝牛
(
めうし
)
が鳴いていた。
ジャン・クリストフ:03 第一巻 曙
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
或
山村
(
さんそん
)
の農夫が
一人
(
ひとり
)
、隣家の
牝牛
(
めうし
)
を盗んだ為に三箇月の懲役に服することになつた。獄中の彼は別人のやうに神妙に一々獄則を守り、模範的囚人と呼ばれさへした。
貝殻
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
検査室にも、待合室にも松が飾ってあって、
繋留場
(
けいりゅうじょう
)
では赤い
牝牛
(
めうし
)
が一頭と、黒牛が二頭繋いであった。
千曲川のスケッチ
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
垣根はいつもばらばらにくずれ、
牝牛
(
めうし
)
はどこかへ迷っていってしまったり、キャベツ畑へ入りこんだりした。雑草はたしかに彼の畠では、ほかのところより早くのびた。
リップ・ヴァン・ウィンクル:ディードリッヒ・ニッカボッカーの遺稿
(新字新仮名)
/
ワシントン・アーヴィング
(著)
アメリカである百姓の飼つてゐる
牝牛
(
めうし
)
がものに
躓
(
つまづ
)
いて、脚を一本折つたことがあつた。百姓は人間ですら義足が出来る世の中に、牝牛に義足の出来ない筈はないと考へた。
茶話:06 大正十一(一九二二)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
半分に切った
酒樽
(
さかだる
)
の中で、ルノワアルとルグリは、毛皮で温かく足をくるんだまま、
牝牛
(
めうし
)
のように食う。彼らはたった一度食事をするだけだが、その食事が一日じゅう続くのである。
博物誌
(新字新仮名)
/
ジュール・ルナール
(著)
なれない人たちには、荒れないような牛を
見計
(
みはか
)
らって引かせることにして、自分は
先頭
(
せんとう
)
に大きい
赤白斑
(
あかしろぶち
)
の
牝牛
(
めうし
)
を引出した。十人の人が引続いて後から来るというような事にはゆかない。
水害雑録
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
牝牛
(
めうし
)
を頭にいただいたハトル女神の
面
(
かお
)
? アプシンベル神殿の
岩窟
(
いわや
)
の四箇の神像のその一つのクラノフェルの面に似ていると言えば言えるかも知れないが、それでありようはずのないのは
大菩薩峠:35 胆吹の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
“牝牛”の意味
《名詞》
牝牛(ひんぎゅう、めうし)
雌の牛。
(出典:Wiktionary)
牝
漢検準1級
部首:⽜
6画
牛
常用漢字
小2
部首:⽜
4画
“牝牛”で始まる語句
牝牛を呼ぶ唄